この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

どうしても満足な位置でトラッキングが合わない件(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 このラジオは全域でムラの無い感度とは言えない。AC電源を使っているからかも知れないが、QRを過ぎると早くも感度が落ち始める。1400kHz以上だとRAD-H245Nがライバルに相応しい。実はチョイ負けているんだけど頑張れば追い付くかもしれない(^^; と言っても絶対的な感度は低いわけではない。何故なら下の方の765kHzのYBSや639kHzのNHK静岡2はF770Zと同等に聞こえるから。これはトラッキングが上手く行っていない症状だ。けど何度も調整はしているんだよね。

 一番気になるのはトラッキング調整でコイルが抜けすぎること。例えば下の方を正確に合わせるとコイルが5〜6个皀蹈奪紐阿暴个討靴泙Δ里澄これは規定よりインダクタンスが高過ぎるコイルなのだ。

 ER-19Fの記事を書いていて「同じ理由でF620Zもトラッキングや周波数範囲がおかしいのではないか?」と思い至った。そこでPVCのキャパシタンスとコイルのインダクタンスを測ってみた。詳細に調べたがこのコイルはタップ接続タイプで、ER-19Fのようなインチキ配線はされていなかった。


f620z_039
 まずはフェライトロッド・アンテナのコイルのインダクタンスを測ってみた。滅茶苦茶です!(^^; 何しろ写真のように一番端に寄せた段階ですでに700μHに達している。これで内に入れてトラッキングが合うわけは無いよ。真ん中辺に寄せたら1200とか滅茶苦茶な数値が出てきた。一体これ何のコイルなんだ?少なくともMW用では使えないレベル。

 コイルの長さが約29个覆里0.3φとして97回、0.2φとして145回となる。インダクタンスからすると145回かな?


f620z_040
 もうおかしいのはコイルに確定したが一応PVCの容量も測ってみた。大体137−10.4pFだった。これは140pF(ANT側)のPVCなのだろう。OSC側の容量は不明だがパディングコンらしきものが見えるので等容量の可能性もある(未確認)。137pFで520kHzだとしても684μで足りてしまう。道理で抜かないと合わないわけだよ(^^; 以前指摘した配線ミスはこれのために意図的にやった事なのかもしれない。アホだけど。


 という事でトラッキングが真ん中で合わない原因は「フェライトロッド・アンテナのコイルが巻きすぎでインダクタンスが高過ぎたから」でした。このコイルは一体何用なんだろうか?という新たな疑問も出てきたが…気にするのは止めよう(^^; 下に追記がある。

 取りあえずコイルを巻き直すしか前進できない。680μHという事で0.1〜0.2φで95回くらい巻けばイイかな?でも今回は疲れたのでまた次回。フェライトロッドアンテナのコイルはただのコイルとは違って可動にしなければならないので難しいのだ。


★追記・インダクタンス測定
 上ではテキトーに測ったので後日詳細にコイルを調べてみた。計測はDE−5000(100kHz)なので稍テキトーに思えるが、結果を見るとトラッキング調整した時の感覚とピッタリ一致しているので相対的な信頼性はかなり高いと思う。実際の数値は周波数が上がるごとに落ちていくのが普通なので1MHzではもっと下がるだろう。

=ノーマルのフェライトロッド(10φ×70)=
ferriterod_normal
 RAD-F620のフェライトロッドである。前回書いたように折れたのを修理したが、トラッキング調整でも分るように折れる前と全く性能は変わりはない模様。フェライトロッドは一旦折れても繋げば全く問題は無いという事だね。

コイル中央:1286μH
タップまで:945μH
タップのみ:50μH

 おいおい!これは酷すぎるだろ(^^; 元々接続してあったタップまでの配線でも945μHあるんだぜ。一体何に使われていたのか?元々はもっと小さいコアだった可能性があるな。或いは小さなコアに合わせてコイルを作り、そのコイルを全てのコアで兼用して生産効率を上げているとか。

=日本製折れロッド(10φ×66)=
ferriterod_tdk
 いつもトラッキング確認のために使っている、10φ×120个折れて半分になったロッドである。色からするとTDK製のQ1Bかな?上のロッドより小さいのだが…。

コイル中央:1304μH

 僅差だがインダクタンスは最高となった。上の不純物で折れてしまった中華製と違って内部の均質性や表面加工共に文句の無い製品だ(折れたのは筆者の不注意で落とした^^;)。

=自作フェライトロッド(^^;=
ferriterod_jisaku
 これは「不良債権処理」で製作したロッドである。いずれもコイル中央。

最少のコア:390μH
一番太い奴:666μH
一番長い奴:682μH

 何とMWにピッタリではないか!(^^; 特に長い奴はこのラジオで求められているインダクタンスとピッタリ一致した。ラジオが動くようになったらぜひ使ってみよう!かなり細いので実用は無理だろうがネタにはなるだろう。イヤー面白いね。これがあるからバカ製作は止められない。