この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

不動TY-BR30の癌細胞を除去して新しい臓器を入れる


お風呂ラジオ(^^;
お風呂ラジオ(^^;;

 前回の解剖で不動原因はクソマッハで発見された。作業は面倒だけど前に進むため腐ったTRを交換して動かしてみよう。


★不動原因
 前回までの繰り返しになるが、このラジオは当初全く反応しなかった。原因は汚水に冠水していたことで、中までタップリと汚水が入り込んでいた。そのため電源が入らなかったのだが、地道に洗って乾燥したらタイマーだけは動くようになった。それが第一回までの話。前回は解剖したらスイッチ用のTRが足元が腐って消えかけていたのを発見した。


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 これが脚が消滅寸前のTRだ。SS8550というIcが多少大目に流せてPDが少々デカい以外は何の取り柄も無いPNPトランジスタである。これなら手持ちの2SA1015GRで置き換えられそうだが、実はこれエクボじゃないんだよなあ〜。アメリカ仕様のセンターベースなのでそのまま差し替えは出来ないのだった。いずれまたこんなのが出てくると困るから買ってくるか?哀店道にズバリそのSS8550Dが売っている。2SA1015GRより高いけど(@10.8円)。そう言えば2N3906もEBCだったか。買うなら海外でメジャーな3906の方がマシだな。実は中華製の2N3906と2SA1015の中身は同じらしい。恐らく脚の配列を変えているだけなのだろうな。中華SS8550も中身は同じかもしれない。


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 これが裏側。懸念されるのは配線パターンの腐食・消滅だ。何しろ鉄が溶けて酸化鉄になって基板の銅をエッチング、じゃなかった腐食させるのだ。一刻も早く除去しないと危ない…と言いつつハンダ付けが面倒なのでこの記事は今年1月に放棄したままだった。現在は半年以上経った7月である(^^;


★作業
 いつも書いているように修理は前回までで九割方終わりである。あとは面倒だけで特に得るものは無い「手を動かす作業」だけ。推理が正しかったかどうか確かめるための実証実験である。作業が下手な人は練習になるかもしれんけど当方は練習するトシじゃない。こういうのはインテリジェンスの低い他人にやってもらいたいよね(^^ ロボットはこういう作業をやらせるには有益だ。


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 しかしHSDLにはロボットは居ないのでまずは除去。これが一番神経を使う。配線パターンを損傷しないようにしなければならないからだ。ハンダを除去してから洗浄したが何とかパターンは消えていないようだ。しかし腐食したハンダを除去するのにレジストがだいぶ剥がれてしまった。これはマズイ。

 ここでパターンをチェックして驚いたのだが、よく見たらこの基板はベースの穴が二つある。EBCがEBBCになっている感じ(^^ パズルじゃないけどこれを見ていたらECBでも実装できそうな気がしてきた。まずBの脚のランドを分割して4つのランドにする。その後斜めに実装すればよい。


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 こんな感じ。チョット横を向くが取り付けに全く不安はない。要するに足が交差しなければよいのだ。


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 ベースのランドをパターンカット。コレクタのランドをショートするところは脚を曲げて対応します。


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 あとはこのように実装する。所有している2SA1015GRが使えたのでSS8550Dのようなマイナーで使い道のないTRを買わずに済んだのはめでたい。何事も諦めずにトライする事だな。

 これでスイッチを入れたら電源が入りSPからノイズが聞こえてきた。ダイヤルを回すとAMもFMもちゃんと何かしら聞こえる。やはり悪いのはここだけだったようだ。未だケース内が汚いけど、疲れたので分解丸洗いは真夏にヒマになったらやる…ヒマにならなかったりして(^^;

 修理とは「故障原因を論理的に突き止める」作業に尽きる。犯人が確実に存在し論理的な推理で必ず発見できる最上級の推理小説なのだ。その後の作業はサルでもできるどーでも良い作業で、そこらの修理記事を読んでみると殆どが後のサル作業だけで修理したつもりになっている奴ばかりなので呆れる。それはただの部品交換ですm9(^^ 当然ながら部品を交換しまくって偶然に直ったのは修理したとは言えない。これは以前からPCマザーのところでも一杯書いてきたけど、ICラジオの場合は単純なミエミエの故障が殆どなので真の意味で修理などは皆無に近い。あるのは劣化・損傷した部品交換だけだ…面戸癖。


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 アリャ?選択度が低いのは分るが感度も低いな。このラジオは一度も開けられていないラジオなので「感度が低いのは元から」という事になる。加えて同調ランプ(緑)が動作しているけど暗い。このランプはICから取り出した信号強度そのものなので感度が低いから暗いのだろう。いつものようにフェライトロッドとアルミリングで簡易チェックしてみたら、上の方の周波数も下の方も全体的にインダクタンスが足りないようだ。多過ぎがデフォの中華ラジオとしては珍しいパターン。次回何とかしたい。先回りして書くと軽い調整のつもりがフェライトロッドを含む大改造になってしまった(^^; 実はこの記事を上げた段階ではまだ完成していない。


★続く
 めでたく修理完了で記事を終わろうと思ったのだが、どうもトラッキングが大幅にズレているのか感度が低い。このままで終わるわけにはいかないので次回は再調整して受信音を録ってみたい。現代としては稍大きめのフェライトロッドなのでICF-9(8)やICF-28には勝ってほしい(現状大敗^^;)。


★おまけ
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 ヒデエ製造だなあ。これって上の溝にはまるのが正式なんだろ?力一杯フラットケーブルが折れて潰れているじゃんか。

 問題はその後だ。このフラットケーブルを正規と思われる位置にしたら、どのように頑張っても基板が付かなくなった(^^; 見てはいけないバカを見た気がする。これって設計ミスだよね?


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 これはケースを止めるネジだと思っていたらテレスコピック・アンテナを止めるネジだった。結局バラす時に外す必要が無かったわけだが、何でこのネジを外部に付けるのだろう?内部に付ければ防水の心配が要らないだろうに。これのお陰でテレスコピックアンテナ基部の接着剤(コーキング)が凄い事になっている。ほんと評論に困るくらいマヌケ(^^;