HSDL.blog.jp : RAD-F127N③

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

ラジオの解析をしていると動かす前に壊れてくる件(＾＾;

RAD-F127N①
RAD-F127N②

　このラジオは今までこの手のラジオを敬遠していたHSDLにとっては初の本格ポケットラジオである。前回までに解析を終了したが、次回からは多少修正を加えてもっとまともな製品にしてみたい。そのために前回より更に深く観察する必要がある。デバッガーの筆者にとってはアラ探しは最も得意とするところだ(＾＾

★その前に壊れそうなので撮影(＾＾
　何しろ小さくてチャチな製品なので、解析のためバラしたり組み立てたりするとその度にダメージが蓄積される。これでは全く使わないうちに壊れてしまう確率も高い。そこで多少面倒だけど一旦高解像度写真で撮ってその写真で見ていくことにした。これなら実物は痛まないで済む。

　どうや！実際はこれの倍のサイズだがあまりに大きいと反って見にくいので50％縮小を掛けた。撮影は猫又研で借りた100円ジャンクズームと100円プロクサーにて行なった。画質は普通だがいつものニコポンのコンデジよりも歪曲が少ないので気に入った。やっぱマクロはDSLRだね。何でマクロ得意なSP-560UZを使わないか？イヤちょっとでも熱くなるとノイズが入ってダメダメなんでねえ。割と新し目のレンズなのに歪曲も少なくないし。

　表も撮ったがコンデジと比べ深度が浅いので基板は稍ボケている。それでも歪曲が無いのでこちらの方が良い。これだと部品の定数が分らないので面倒だけど全部メモしておいた。これで暫くはラジオを触らなくても解析できる(＾＾

C 3:10nF
C 5:10μF16V
C 6:10μF16V
C E:22nF
C10:220μF6.3V
C11:4.7μF50V
C12:470μF6.3V
C13:4.7μF50V
C18:25pF
C61:100nF
C82:47μF16V
R3:15kΩ
R5:4.7Ω
R6:330Ω
R7:100kΩ

　あ、やべー！一部の部品番号が見えない(＾＾;　位置も書いておいた方が良かったか？今のところ覚えているけど。電解コンは全てKSCというブランドの105℃品だった。本当かどうか分らないけど一応長寿命になるのだろう。でも所有部品消費のために意味が無くても換えてしまうかもしれない。早いところHSDL所有の非個体電解コンを全部使い切ってしまわなくては(そしてもう二度と非個体は買わない予定)。

★気付いた事
　見つけた順にランダムに並べてみた。

・FRAの出力線が見える。透明と言うか色無し線は一次(しかないけど＾＾;)同調回路のホット側で赤線がコールド側、青線はタップ出力である。という事で出力形式はタップ式となる。これの透明線と青線の間に抵抗を入れると例のOWATA抵抗になるな(＾＾　このラジオはICが同じ粗ニーだしFRAが小さくて感度が低いのでやってみてもいいな。

・パーツが踊りまくっている(＾＾;　ハンダ付けも汚いしもしかすると全部手付けなのかもしれない。だとすると面実装の意味が無い。もし小型化のためなら当然ラジアルリードは全廃だろうし。

・C49がDET-AF間のCCである。容量は33nFだった。
・C43がハイ落としのPCで空きランド(表にCEが付いているから)のC1も効果は同じ。容量は22nF。

　という事でこの部分の特性はこうなる(Zin=33k、Zout=11k)。これを見て「うわーひでー！」と思うかもしれないが、検波出力には有害なものが含まれているのでこの程度で良いのです。HSDLオリジナルのイコライジングはいずれやると思うが。

・25ピンに繋がっているC11(表)を高性能化すると安定度が上がってノイズが減る？そんなMBのVRMみたいなわけにはいかないか(＾＾;

・R4の値がおかしい。334は330kだが本当は33k(333)ではないのか？何故普通に動いているのか不思議だ(＾＾;

・実害は無いがR0とL1の実装位置が入れ替わっている。もし間に何か入っていたら有害です。

・C16,17,97は実装されていないがやっぱり不要。これは他地域向けにあるのかもしれない。

・ICの裏で結線されているランドがいくつかあり、接続位置が判りにくくなっている。

・この基板はF126Nの基板であり126と127は中身は同じという事になる。F126Nも欲しいなあ～と思っていたら折よく先日入手した(＾＾

　こうして見ると裏蓋を開けた状態ではフェライトロッド・アンテナが全く見えない。調整はこの状態で行なわれるはずなのでトラッキング調整はTCだけでテキトーに行なわれているのは確実だ。このラジオは典型的な「トラッキング調整がしにくいラジオ(注)」である。その割に感度は悪くないんだけどね。周波数によって得手不得手はあるが、比較するとR-P30より全体的に上なんじゃないかと思った。フェライトロッドはR-P30の方が断然上なので向うに何らかの欠陥があるのだろう。