初めてFMで露骨な相互変調波を聞いた(^^; [祝・HSDLブログ13周年]


 相互変調波と言えば当地ではMWではおなじみと言うか毎日聞いているレベルである。高感度の通信型受信機は言うに及ばず、低感度のポケットラジオでさえ発生するのだからイヤになる。がしかし、FMでは今まで相互変調波を意識した事はほぼ無かったと思う。もっとも「今まで」というのは前世紀の話であるが。ちなみに筆者のVHF・UHFメインはIC-R7000+D130という当時の定番の組み合わせだった(よく解らない奴は定番を買う^^)。FMバンドはZLスペシャルも用意していたけど使った記憶が無い。局数の極度に少ないFMバンドはあまり興味が湧かなかったのだ。それより6m用のGPでEスポのソ連局とか防災無線ばかり聞いていたような記憶がある。防災無線(同報無線)はもう聞けなくなってしまいましたがね。

 ところが最近前世紀のフロントエンドがCATVチューナーのモノを使用した一連のワイドバンドレシーバー(注1)を使用してみてFMバンドの滅茶苦茶な状況に驚愕した(^^; 相互変調波がでまくりなのだ。どの機種も同じように出ることから99%の確率で汎用CATVフロントエンドで発生しているのだろう。コイツらのフロントエンドには昔から薄々は性能に疑いは持っていたが、実際現代のFMバンドで使用してみてこれほどヒドイとは思わなかった。このRxが出来た頃はこれでも良かったのかもしれないけどなあ〜。


=当地で聞こえる相互変調波=
 三次はバンド外なので被害は無い。これ以外にも多数発生するが、受信に於いて被害を被るのはこの周波数だけだろう。FEに少々細工すれば完全に防げる気がしないでもない。

77.5MHz=(80.0*2)-82.5 ;本来はクローバーラジオが聞こえる
78.7MHz=(80.0*2)-81.3 ;クリヤーチャネルだが強いと混信源になる
83.7MHz=(82.5*2)-81.3 ;クリヤーチャネルだが強いと混信源になる
86.4MHz=(89.7*2)-93.0 ;クリヤーチャネルだが強いと混信源になる
87.8MHz=(89.7*2)-91.6 ;クリヤーチャネルだが強いと混信源になる
88.0MHz=(90.5*2)-93.0 ;クリヤーチャネルだが周囲にも局は無い
88.9MHz=(89.7*2)-90.5 ;本来はFMしながわが聞こえる
89.4MHz=(90.5*2)-91.6 ;クリヤーチャネルだが強いと混信源になる

 88.0MHzは純粋な相互変調テストに使えるかも。では例としてYAESU FRG-965で一番気になった78.7MHz聞いてみよう。


>本邦初公開?FMの相互変調波:TOKYO FM+J-WAVE(^^;
im_78.7mhz.mp3
 まさに絵に描いたような相互変調!(^^; そこらのDSPラジオに全く敵わないこのヘタレ受信性能には涙が出ます。この78.7MHzに出現する相互変調波が78.6(FM-FUJI)〜79.0MHz辺りまで延々と被る。HSDLでCF交換したRF-P50Aに受信局数は負けるんじゃないか?ちなみにアンテナは3mの室内リード線アンテナだ。まさかこれで「過入力」なんて言うなよ?(^^; これでヘタレていたら本物のゲインのあるFMアンテナ付けたらどうなるんだ。

 もしあなたがこれら(注1)の機種を欲しいと思っているならよーく考えた方がイイ。イナカは分らないけど都会でこれを使ったらぶっ飛ぶのは間違いない。感度も驚くほど高いと言うわけでもないので(注2)多信号特性が弱いだけ。既に昔流行った業務局受信は出来なくなったし、性能の悪いエア・アマチュアバンド用のレシーバーとしてしか使えない。しかもSSBが聞けるのはFRG-965しかないからね。価格が安ければまだ解るけど前世紀の遺品の割に安くも無いしサイテーです。さてコイツらどうしてやろうか…改造しまくって遊ぶか?

注1:YAESU FRG-965、STANDARD AX700B、KENWOOD RZ-1、ICOM ICR-100などの製品を指す。どれもFEが同じなので同じ性能です。多信号特性は後ろで改善できないからね。

注2:アンテナが同じならDSPラジオの方が高いと思うよ。ER-C56Fでテレスコピック・アンテナで聞いた方が感度も選択度も高いから。あそうそう、Si47xx+テレスコピック・アンテナでFMに於いて相互変調波なんで当地ではほぼ出ませんよ(^^