記事が無いのでボツ原稿を載せる(^^; その6

実受信に拠るラジオの受信性能評価


 客観的で公正なラジオの受信性能評価は、それ専門の測定器を使用して公的な計測法を使用して評価するべきだろう。がしかしラジオの公的な評価記事を書くわけでもない一般人にそれを強要するのは厳しかろう。と言いう事で実際に受信してみて性能を評価できないかやってみる。


★MWラジオ性能評価
 MWに於いては夜間は電離層に依る博打的要素が強いので、HSDLで通常行っている昼間受信による評価方法が良いだろう。以下のように複数受信しなければならない理由はアナログラジオの宿命とも言うべきトラッキングによる感度ムラを確かめるためである。概ね高感度のラジオなのにバンドエッジだけ何故か他より悪いラジオは往々にしてあるのだ。FE非同調のDSPラジオでも周波数特性はあるがアナログラジオほどではない。

=昼間受信テスト(季節にも依るが10〜15時くらい)=
 東京では(注1)昼間はこんな局が内蔵FRAでも常時受信できる。これは高性能でなくとも受信できる局とある程度の性能を要求される局が両方とも入っている。この信号差がラジオ感度の指標になるわけだ。このように弱くて安定しているGWがテストや調整に向いている。

  639kHz:静岡2(PB)
  729kHz:名古屋1(CK)
  765kHz:YBS大月
  882kHz:静岡1(PK)
 1062kHz:CRT足利
 1197kHz:IBS水戸
 1404kHz:SBS静岡
 1458kHz:IBS土浦
 1530kHz:CRT宇都宮
 1557kHz:SBS熱海

 各局の難易度は東京でも場所に依るだろう。山梨まで山一つ越えるだけの八王子ではYBSはローカル並みだし、荒川の向こうではIBSが非常に良好だろう。それでも全部良好と言う地域は無いハズだ。これらを全部受信してみれば少なくとも感度とある程度の選択度は判る。東伏見では1557kHzのSBS熱海が一番弱いが、ラジオに依っては1197kHzのIBS本局が一番悪かったりした。アナログラジオはトラッキングによる感度ムラがあるのでその影響だろう。という事でロケーションや条件を固定すれば充分にラジオ受信性能の評価が可能であると考える。

 なお昼間受信の定義はHSDLのライフワークである昼間MW受信とは一致しない。弱くて安定な局を使うのがラジオのテストの目的なので、それがGWか電離層反射なのかはあまり関係無いのだ。ハードウェア記事では15時台のテストでも昼間受信と書く場合もあるが、受信記録などソフト記事に於いては11:00〜14:00時迄で1分の過不足も認めない。


★MW選択度のチェック
 選択度は上の局受信でもある程度判るが、HSDLではそれ専門の周波数を用意していた。

レベル1:729kHzで昼間NHK名古屋1が聞こえるか?廉価ポケットラジオの壁
レベル2:1431kHzで夜間GBS等がキレイに聞こえるか?廉価ラジオの壁
レベル3:603kHzで夜間KBS韓国がキレイに聞こえるか?ソコソコの難易度
レベル4:1125kHzで夜間NHK2が聞こえるか?NHK2は付近に無いのでマギレが無い
レベル5:945kHzで夜間に中国局が聞こえるか?最高難易度

 ちなみに市販一般用ラジオでレベル5をクリヤーしたものは無い。レベル4は高級機なら何とかイケるかもしれない(注2)。


★FMラジオ感度評価
 FMはMWよりも更に地域差が大きく現在も試行錯誤が続いている。昭和以来の従来バンドのFMラジオと補完拡張バンドのFMラジオで評価局が少々変わってくる。FM局は昼夜を通じて変動が無くテストの時間制限が無いのは楽だ。

=旧来FMバンド(76-90MHz)=
 76.4MHz:RADIO BERRY(羽黒山1kW)
 76.5MHz:Inter FM(横浜中継300W)
 77.7MHz:エフエム茶笛(入間市20W)
 78.2MHz:むさしのFM(武蔵野市20W)
 78.6MHz:FM-FUJI(三ツ峠中継300W)
 83.4MHz:エフエム世田谷(世田谷区20W)
 83.8MHz:調布FM(調布市20W)
 84.2MHz:FM西東京(西東京市20W)
 85.4MHz:FMひがしくるめ(東久留米市2W)
 88.3MHz:J-WAVE(みなと中継100W)

=ワイドFMバンド(76-95MHz)=
 76.4MHz:RADIO BERRY(羽黒山1kW)
 76.5MHz:Inter FM(横浜中継300W)
 78.2MHz:むさしのFM(武蔵野市20W)
 83.4MHz:エフエム世田谷(世田谷区20W)
 83.8MHz:調布FM(調布市20W)
 84.2MHz:FM西東京(西東京市20W)
 85.4MHz:FMひがしくるめ(東久留米市2W)
 88.3MHz:J-WAVE(みなと中継100W)
 90.9MHz:YBS補完中継(甲府1kW)
 94.6MHz:IBS補完中継(水戸1kW)

 アナログラジオではどれが受信できたか?よりも全バンドがムラ無く受信できた方が価値が高い。ムラさえ無ければ外部アンテナ&Othersによって感度は上げられるから。なお練馬ではもっと簡略版を使用している。


★FM選択度チェック
 上の局を受信している段階で選択度もほぼ解ってくるが、HSDLでは一応選択度チェック周波数を用意している。

=FM選択度テスト=
レベル1:FMひがしくるめ(85.4MHz)がカブリなく受信できるか?
レベル2:JCOM再送信で潰れそうなむさしのFM(78.2MHz)が受信できるか?
レベル3:ラジオベリー(76.4MHz)が正規の周波数で受信できるか?

 最低でもレベル1を突破できないとCFM局は楽しめない。感度はアンテナでどうとでもなる。MWでは絶対に不可能なDPやGPだってハナ歌気分で手軽に製作できるし、イザとなったら受信ブースターだってある(→HOに腐るほど売ってます^^)。つまり少なくとも東京に於いては「FMラジオを選択する場合は選択度重視」という事になる(注3)。


 他地方の人でもこのように基準を設けることでテストが可能となるだろう。その際にやらなければならない事は、まず自分のロケーションで高性能受信機を使用して数日間バンドサーベイを行なう事だ。そうすれば自然に弱くて安定したテスト用周波数が解ってくるだろう(注4)。


注1:一口に東京と言っても町田は神奈川だし(笑)大田区や世田谷南東部ではRFの影響でSBS静岡は厳しいかも知れない。MWの地域差は想像以上にデカい。

注2:実は高性能通信型受信機用のレベル6、7があってな…。レベル6は819kHzで長野1が受信できるかどうか。レベル7は801kHzで何か放送が聞こえるかどうかだ。レベル7をクリヤーした市販Rxは未だ存在しない。もちろん皆様が想像するような世間の高級通信型受信機・プロ用受信機・SDRでもノーマル・単体では不可能だ。

注3:アナログ同調のDSPラジオはこの点で失格。弱い局は強い局にAFCで引っ張られるので選択度もクソも無い。そもそも弱い局を選択できないのだから(^^;

注4:この記事は東伏見時代のモノなのでここ石神井ではあまり役に立たない。特にFMは見直しが必要だろう。実も蓋も無いが元々ボツ記事なのでね(^^; 存在価値があるとしたら方法論だ。これは他地方の他人であっても役に立つ。なおバンドサーベイを行なう際には広帯域受信機(SDR等)を使用して感度ムラが出ないようにしましょう。