この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

粗ニー最後のアナログ現役ラジオICF-P36を解剖する


 前回は受信テストして感度はソコソコだが選択度が良くないことを知った。今回は解剖してパーツ類をチェックする。バラすのは現状全く実用不能なガリオームの2017年製である。出来ればガリオームの修復も試みる。


★割る
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 このメーカーなのでケースを割るのは常に危険が付きまとう。今まで何とも無かった正常な製品が、開けたばかりに完全ジャンクに変身した話は枚挙に暇がない。ドライバを持つ手に緊張が走る(^^; 但しこれは中華なのでICF-9(8)などと同じく多少は緩いかもしれない希望が…それはとんでもない楽天的考えで、実際はどこに爪があるのか分からず10分くらい格闘してしまった。


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 何かやたらキレイだな。まあ新しいラジオなのだからキレイなのは当たり前かもしれないが、そうではなくて部品の配置や構成が洗練されている。流石粗ニーと言いたいところだが、そう思ったのはここまでだった(^^;


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 ゼーゼーハーハー!実は基板を取り外すのが大仕事なのだ。たったこれだけの作業で10分以上かかってしまった(計測したわけではないので分らんけど)。日本製の悪い所が遂に中華粗ニーにやって来た!日本からジジイが生産指導で送られたのかな。このラジオの生産は元に戻ってしまったというか粗ニーらしくなってしまってよろしくない評価ですね。ネットでは日本製は褒められているけど、筆者は部品以外ホメた事は無いどころかいつも最低評価だ(回路は良いけど筐体設計が悪い)。いい加減全部中国人に丸投げしてみてはいかが?そして誰も得しないメーカーのこだわりも全部捨てましょう。

 ネジを4本(内1本はフェライトロッド・アンテナ固定用なので外さなくて良い)も使って止めているのだが、それを外してもどこかに引っかかって基板が外れないのだ。仕方がない、割ってしまおうと力を入れたらようやく何かの拍子に外れた。何で外れたのか解らないので経験にはなっていない(^^; 解析が終わった後で組み立てられるのだろうか?あとから解ったのだが電源・バンド切り替えスイッチを外せば割と楽に付け外しできた。それでもやり易いとは言えないけどね。


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 これがSPだ。この時期だから仕方がないが中華のテキトーそうなSPだ。でもこれより筐体設計の方が音には効いてくると思う。SPは割とどうでも良いというか、中華もそれほど悪いわけではないと思う。


★基板
 ここではIC、CFなど我々の最も知りたい情報を明らかにする。ICラジオは回路の個性は殆ど無いので部品の個性がラジオ自体の個性を形作るのだ。


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 このシリーズは他のブログやサイトでバラされておりICも判明している。ICはディップのCXA1019Sだった。この期に及んでDIPは無いだろうがSOPが手に入らなかっただけかもしれない。事実電解コン以外のCR類は全てSMDだ。だからスッキリしているんだね。

 製造は2017年で確定していたが、内部の印刷に拠れば2017年48週とのこと。最終ロットに近づいてきているはず。2018年製はあるのかな?2019年は無さそうだが。


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 CFは455kHzは中華粗ニーではおなじみのBFCFL455ではなく、SCという完全中華SFU455だった。10.7MHzも中華製品だ。2017年48週という事で既に日本メーカー製は手に入らなくなったのだろう。


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 フェライトロッド・アンテナはHSDLの精密計測(笑)で7.9φ×60.0个世辰拭8称は8φ×60个世蹐Αこの道具立てから言えばもっと感度が良さそうに思えるのだが。もっとも感度に関してはこのクラスの中華安物ラジオは全く寄せ付けない。ピークの感度ではなくムラが少ないのだ。価格的に当然とも言えるが高くてダメなのもあるからなあ…(^^;


★ガリオーム修正
 VRは別ユニットで分離されているので基板を外す必要が無い。この点は楽だが、まさかガリオームが出るのを予測していた?だとすると先見の明をホメるよりは「その前に対策しろ!」と言いたい(^^; ちなみに対策はリファレンス設計を無視して、ICのゲインを固定しつつ音声を可変すればいいので不可能ではない。

 さてどうやって直すかな?この辺りはどんな損傷の仕方かによって変わってくる。VRの障害は主に三つに分けられる。一つは接点スライド部分の汚れ、次に抵抗のカーボン自体の剥がれ、最後が摺動髭の損傷である。最後の不具合だと磨いても直らないが例は少ないだろう。殆どが摺動部の汚れなどの不具合だと思われる。

.丱蕕靴得榲隻活剤を掛ける。
 まあシロートがよくやる方法だね。恐らく役立っているのは接点復活剤の中のエタノール分だけだろう。それ以外はシリコーンオイルなのでそれ自体に導電性は無い。有ったらそこら中がショートして大変な事になるからな(^^; つまりオイルは絶縁していることになるので拭きとりは重要だ。本来このような不具合に使うモノじゃない。筆者はこの行為を頭悪いと思う。

▲丱蕕靴得榲世鰺機溶剤で磨く
 ↑もしふき取るならば接点復活剤ではなくこれでイイよな。ただ,發修Δ世これらが効果があるのは油性の汚れだけだと思う。ガリオームは通常は油性の汚れではないからな…。まあそれでも汚れ落としの意味はあるだろう。

↑に加えて接点を鉛筆でなぞる
 汚れを落としてさらに接点を復活させる。筆者がガキの頃に磨り減ったVRを復活させるのに使っていた方法だ。鉛筆は何故かうちには商売柄一杯ある6Bである。これは黒鉛分が多くて粘土分が少なく当たりが柔らかい。但しカーボンではないので完全復活するわけではないです。

げC紊靴謄丱蕕気坤リーナーをぶっ掛ける(^^;
 猫又研で*ist Dsのスイッチの接触不良を直す時にライターのボンベを使った事がある。アレと同じくVRに有機溶剤のクリーナーをぶっ掛ける。運が良ければ直ります(^^


 今回はインチキしてい嚢圓辰討澆茲Α7覯未魯リは消えて通常のバリオームに戻った。でもまた時間の経過で症状が出そうな気がするね。本質的に回路と低品質部品は改善できないのだから。


★一旦終了
 一応現役のラジオだったが枯れていて特に変わったところは無かった。ちょっと期待していたジジイの秘伝も無かったしな(^^; 生産にケチも付けたけどこの時期のラジオとしては全体的には悪くないと思う。致命的欠陥はVRガリ+SWだけなんだよなあ。惜しい。

 これを改造するとしたらまずHSDLの実用レベル以下の選択度改良から行きたいね。感度が足りなければAN-200のようなループアンテナでも使いましょう。だだ内蔵アンテナの調整自体も更にキリキリまで調整できると思う(繰り返し時間かけていないはずなので)。そうすればこのロッドに見合った単体感度になるだろう。