この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

HO青箱にあるMWループアンテナを無理やり活用する(^^


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 青箱のループアンテナと言っても判らないかもしれないがこれである。要するにステレオ・チューナーなどに付いているあのプラスチックの黒いループアンテナの事だ。オーディオマニアにとってはかつての透明なTVフィーダーで作られたFMのT字型ダイポール(通称:褌アンテナ)と並ぶメジャーなアンテナだ(^^

 青箱の中に入っていて誰も見向きもしないこのループアンテナが昔から非常に気になっていた。見たところ殆どが2〜8回程度しか巻いてないし、インダクタンスはフェライトロッドアンテナと比べ相当に低そうなのにどうしてこれがMWのアンテナとして成立するのか?不思議だったのだ。まあ同軸ループと同じく非同調のMLAなんですけどね。


★調査する
 まずは外見調査。今まで気づいていなかったのだが、このループアンテナは意外にバラエティに富んでいた。枠が違うもの、枠は同じでも線材や巻き数が違う物など。引き込み部分もただのリード線の奴から高級なシールド線の奴、シールド線にも2本まとめた奴と普通のシールド線の奴まで色々ある。今回は違いを発見する事が目的ではないので詳細は省く。今回入手したのは全て一番スタンダードな「黒枠に黒い被覆線1.2φが8回巻き」の奴である。ブランドはマネ下・ソニー・無名のものだがどれも全く同じ形状の製品だった。製造しているメーカーが同じなのだろう。


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 これのインダクタンスを計測してみる。測定周波数にも依るが100kHzの場合インダクタンスは19μHだった(注1)。これはかなり低い。イヤそれより困ったのはストレー・キャパシタンスが極度に大きいこと。何とピコFどころかナノF単位まで行っている。引き込み部の捻りが効いているのだろうが、インダクタンス以前にキャパシタンスで何らかの不具合が出そうな気がする。この捻りは引き込み部分のインダクタンス分をキャンセルするためだろう。

 某ステレオ・チューナーのトップ回路を見たら非同調だった。非同調のトップにこんなループを付けるの?当方の予想では内部の同調回路のインダクタと繋がっているのだと思っていたがハズレタ。繋がっていたのは二次側のコイルだった。やはりただのMLAなのか。


★何をするか?
 さてこれを使って何をするか?これを使う仕様になっているRF-DR100のアンテナに使うとか、同調型ループアンテナのピックアップコイルに使うとか案があったがそれでは正統すぎてつまらないので、これ単体で通信型受信機のアンテナにしてみる。実はこれもピックアップコイルと言うかプローブの一種なのだが。

 テスト台はいつものようにR-1000、IC-R75、RF-B30である。これらのRxのアンテナ端子に何も噛まさずに直接続する。でローカルMW局を受信してみたら弱いながらも受信出来ている。いや弱いなんてものではなく2mのリード線にも負けるくらいだが(^^; 指向性はハッキリ発生しているのが面白い。

 このループ部分を移動させて窓際など感度の高い所に持って行けるわけだ。通信型受信機は本体が動かせないからね。現に筆者はIC-R75のアンテナとしてこれを使用している。ちなみにRF-B30だけは内蔵アンテナと干渉するのかMWではどうやっても上手く動かなかった。


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 HSDLではこのように設置してIC-R75に直接続している。何でマンションの柱に向けているか?実はこれがマンションにおけるMLAの正しい設置法なのだ。この場合マンションの鉄骨に発生する磁界をピックアップしていることになる。

 これの方が同軸使用の磁界ループよりもLW〜SWまではるかに好結果である。マンション自体をアンテナにしているわけだから当然かもしれない。昼間のMWでも低感度ながらちゃんと二等ローカルが聞こえるし、プリアンプをONにすると夜間の国内DX程度なら充分に出来る。ちなみに通常ラジオをこの柱に密着させると内蔵FRAでも感度が上がる。ER-C56Fなら殆どの二等ローカルが受信できる。

 このようにある程度大きなマンションにお住まいの方は上のピックアップループを手に持ってよく聞こえる柱を探しましょう。四隅の太い柱がやはり良いみたいなので角部屋有利だね。壁のノイズが酷い所にはたぶんAC100V電線が埋まっているので避けよう。電波の入りの悪いシールドケースのようなマンションにも少しは良い所があったか?(^^

 という事でこのステレオ用ループアンテナは使いようによっては通信型受信機用アンテナとして使える事が判った(注2)。HOで100円で買えることもあるので貴方も遊びがてら使ってみてはいかが。


★RF-B30による指向性テスト
 昼間安定している地表波のMW局を使ってこのアンテナの指向性を試してみた。


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 最大になる向きにするとSメーターはS6(スケール4.5)。室内だと第七の男RFはこんなに弱くなります(^^; 海外SW局だとスケール9まで振るのだが(注3)。


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 最弱方向、つまりヌルに入れてみた。全く振らなくなったうえに聴感上もノイズに埋もれそうなほど。推定で30dB近い差があるのではないだろうか?少なくともMWでは指向性は活きると考えられる。

 ちなみに単体のSWアンテナとして見た場合は12MHz台が一番マシに聞こえる。よく聞く31mbや25mbはサッパリ良くない。低ノイズであっても感度が異様に低ければ役に立たないのだ。


★続く
 実は今回の記事はただの前書きでどーでも良いのだった。次回からが本番の予定(^^

注1:その昔、アマチュア無線関連のの自作用コイルでFCZコイルと言うのがあった。1R0(1MHz用)というのが30〜31μだったと記憶しているがアレよりも更に少ない。

注2:RF-B30でもダメだったように内蔵アンテナのあるラジオやRxには使用できない。また鉄骨に近づける場合は指向性は動かせない(無指向性の鉄骨の方に向けるため)。

注3:第七の男と書いたが、実はこの組み合わせだと第六の男LFの方が弱い。ちなみにチョソンの声はスケール7〜8くらいです。