この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

CFW455HT相当品のチョー安易な損失補填に成功(か?)!その1


Panasonic RF-P50 過去記事

 これまでの改造で「市販ポケットラジオでは恐らく世界中探しても存在しないレベルで高選択度」になった我がRF-P50[1](注1)だが、やはり多エレメントCFの損失はカタログ予想以上に大きく感度が大幅に低下してしまった。前回調整し直してソコソコ実用範囲の感度になったのだが、改造前と比較してハッキリIFゲインが落ちているのが判るだけに気になる。HSDLはポケットラジオであってもローカル受信だけで満足はしないし、そもそもローカル受信だけで満足ならこんな高選択度は不必要!(^^; 何とかならないだろうか?それもIFアンプ追加とか面倒で無理な事をしないで。

 そんなある日、粗ニーICのリファレンス回路図を眺めていたらカネをほぼ掛けずに解決する方法を思いついた。上手く行くかは分からないけど、もしこれが成功したらタダ同然でしかも簡単にICラジオの選択度が向上できることになる(注2)。もしかするとHSDLにCFWバブルが到来するか?!ちなみに筆者は生まれつきギャンブル好きである事をお断りしておく(^^


★セコイ!CC容量増加作戦(^^;
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 このFE_out→IFT間のCCであるC12を大きくしたら損失補填になるのではないか?と言うのが今回の実験。CFW455HT相当に変わって増加した損失は-4dB程度だからその程度で取り返せるんじゃないか。C12の455kHzでのリアクタンスを計算してみると、

100pF:-3498Ω
150pF:-2332Ω
220pF:-1590Ω
240pF:-1457Ω
330pF:-1060Ω
680pF: -514Ω
820pF: -427Ω
1nF: -350Ω
*−は形式上の符号

 上の容量はHSDL所有のSMDを含むMLCCから選んだ(注3)。あまり大きく数値を変えると何処かに弊害が出るかもしれない。何しろここまではAMとFMは共用なのだ。まずは悪影響がまず無さそうな150pで行こう。それで変化が見られなければザックリ半分ずつ減らしていく。自分で言うのも何だけどスゲー超テキトー思考。


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 こんな感じになりますね。これが失敗したらいよいよジェネリックなIFアンプを製作する覚悟を決めねばならない(注4)。


★実装その1
 実は150pFのMLCCはSMDなのだった。このラジオの元から付いているパーツはアキシャルリードなので普通にやったら付かないのである。何しろタダの基板ではなく蝋でベタベタ汚れた基板のハンダ付けだから腕達者な人ほど困難は想像できると思う。まあこの記事みたいに面実装使わなければ簡単かもしれないが…そりゃそうだ(^^;


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 現実のC12はIFTの真横にある一見抵抗のような奴だ。カラーコードは茶色・黒・茶色で101となり100pFで間違いない。但しこれはラジアルリードだけど今回付けるのは面実装なのよ。何しろHSDLを始めてからラジアルリードの単板セラミックコンを使うのは初めてに近いくらいなので都合のいい値を所有していない。


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 しかしSMDのMLCCならこの辺りは小刻みで所有している(^^ 150pFは2012で所有していた。このように部品を準備する時は紙に貼っている。何しろこのMLCCは名前の通り2.0×1.2mmサイズなので油断するとすぐにどっか行っちゃいます(^^;


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 外したセラミックコン。抵抗のような形をしていてカラーコードも全く同じだ。これで101を表している。


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 外したらまずは片側にリードを立てる。例によって基板上からホールを伝って滝のように流れ込んでくるパラフィンとの戦い(^^; 面実装ではこのようなものは超有害なので必死で蝋を除去する。面倒なのでスッポンで蝋を吸ってみたがあまり効果は無かった。但し蝋を極度に除去すると局発コイルを覆っている蝋が無くなりFMの安定度に影響が出る可能性もある(注5)。


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 リードが立てば割と楽にこのように加工できる。このように2012用のランドを作成するのだ。


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 別角度。これならハンダ付けできそうな気がしてきただろう?(^^


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 表側は不具合が出ないように処理しておく。伸びていると発振の元だしどこかに触る。


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 多少ブサイクになるが実装はこんな感じになる。もはやこれはビデオカードの世界だ(^^ 昔のHSDLは真面目にやってたね。


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 別角度。電気的には完璧に実装できた。外見的にはブサイクだけど(^^; フラックス掃除は蝋が有機溶剤を弾いてしまうので出来なかった。このままジャンクに流したら、裏蓋をを開けたジャンカーが「アッ部品が付いていない!」と一瞬驚くかも(^^

 どうせなら完全に面実装にしてもらった方がリワーク(特に外すのが楽)と部品調達が楽だからいいな。中国ではもう20年以上も前に面実装主体に移行している。なまじ歴史があると世代交代が遅れるという事か。もっとも今からラジオの中身を変えられてもHSDLには何のメリットも無いのだが。何しろ新しいラジオ買わないし(^^;


★テストその1
 さて感度が上がったかな?それ以前にまず粗ニー系ICのラジオはMWを弄った場合でもFMをチェックする必要がある。何故ならFE_OUTの信号はAMとFMを共用しているからだ。このため455kHz系統を弄るとFMが発振する時がある。その際は大概同調ランプが付きっぱなしなので発振しているのはIFだろう。だからまずFM側に影響が出ていないかまずチェックする必要がある。上で容量やリアクタンスを気にしていたのもそのためで、何でも自由に弄れるわけではないという事を忘れないようにしたい。

 さてFMが正常だったのでMWテストしてみた。フロアノイズは全然変わらない(^^; S/N比の関係で上がっていて気付かないのかも知れないと思い、念のためにわざわざ東所沢でフィールドテストをしたが比較対象の兄弟機に完敗した。もっと一気に増やさないとダメみたいだ。次は220pFを飛ばして330pFで行くか。


★次回に続く
 途中だけどちょっと長くなってきたのでこれで締めて残りは次回に回す。はたしてセコイ作戦は通用するのか?刮目して待て。


注1:ご存じの通りRF-P50とR-P30は合わせると8台以上(不明^^)ある。加えて教科書通りでヒネリが無いため弄りやすい事もあって好んで弄っているわけだ。

注2:タダ同然というのは部品を大量に所有しているHSDLの話だ。CFW455HT互換品やCCに使うMLCCはマジで売るほどある。しかもこれらは使用法が限定されラジオ程度にしか使えないという条件付きなのだ。これはもうウンコラジオに入れるしかない。

注3:元々はPCマザーボードの電源を改造した際に位相補償する為に使用したもの。だからこの近辺のMLCCの容量が普通の人では有り得ないくらい異様に刻んでいるのだった。位相補償は計算値はほぼ通用せずカットアンドトライで決定する。例えるならタペット調整をシムでやっている雰囲気がある。この例えでは解らんか(^^; 今後もう位相補償は行わないだろうから早いところ何かに使いたいのである。

注4:超小型にするために面実装にして2僉1儖未砲靴燭い、IFは足を延ばすと即発振とまではいかないが強電界ではローカル局の飛び込みもある。空中配線はカッコ悪いし困ったね…IC化したい心境だ(^^;

注5:もしこの蝋が重要ではないならコスト的に真っ先に切り捨てられるはず。前世紀から変わらず使われているのは費用対効果が高いからに違いない。ちなみにこの覆いに蝋の代わりにホットボンドを使いたくなるが、ボンドは吸湿性が非常に高くこの目的には逆効果になるので絶対にやってはいけない。実は昔、筆者がこのアイデアを実行しようとしてハタと気づいた(^^;