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スゴクとっても超汚いラジオを何とか使えるようにするテスト


 ジャンク品の中には「ゴミ最終処分場から出土したのではないか?」と思うようなどうしようもなく汚れている物がけっこうある。まだ落札した事は無いけどオークションのラジオにはそういうのが多い。

 先日もまるで土に埋まっていたかようなICF-6800が出品されていた。驚くほど高価格(途中までだけど8000円以上にはなっていた)で入札されていたので出品者も「これだからテンバイヤー稼業は止められない!」って思っているかな?噂ではマジで各地の最終処分場を掘り返している人もいるらしいぞ(現代版宝探しはバッチイのだ^^)。ハッキリ言ってこういうのは売る方より買う方がどうかしている。閑話休題、

 そんな腐葉土ジャンクを他人事のように思っていたが、先日(と言っても2019年)HSDLにラジオ入りジャンク箱が寄付された。その数は何と100台以上!(^^; まあ一杯くれるのは有難いのだが中には前記のような半分「土」と化したようなのがある。参ったね。筆者はご存じの通り人並み以上に「汚れたラジオ」がキライなのだ。HOで店頭で見かけても手が汚れそうなので手に取る事すら無いし、そうでなくとも買ってきたジャンクは全部消毒するし、汚れたラジオをそのまま使っている奴を見ると殺意が湧くくらいだ。そんな奴は風土病にかかって逝っちまえ。


sankyoudai
 で、件のラジオ箱から取り分けて汚いポケットラジオを三つ選んだ。写真だとそんなに汚く見えないがこりゃキタネー!しかも部屋が臭くなるくらいヒドイ臭い!タバコの臭いなどとは全然違う生活臭や生ゴミ臭だ。HOに売っていたら迷わずスルーするのがこの手の汚ラジオ。いやそれ以前にHOにはこんなに酷いジャンクは出てこない。店員サンだって触るのがイヤだから破棄するのかも(^^; 以前超汚いICF-S60CR-S3を買っているがアレより断然ヒドイ。これは恐らく人の手が加わっていない自然の汚れ、つまりゴミ捨て場などに放置されていたのではないだろうか。HSDL史上最悪レベルと言っても良いかもしれない。時期が時期だけに病原菌が心配なレベルだ。

 この汚いラジオたちが何処までキレイになるか?というのが今回の崇高(笑)な実験テーマである。いつもはコストを最も気にするHSDLだが、今回は他のラジオのための実験なので(注)ある程度はカネを掛けるの許可されている。もちろん大金を叩くのはダメだが、元が寄付なのでノウハウを得られれば多少カネが掛かっても元は充分にとれる。なおカネを掛けても良いとは言っても手持ちの器具や薬剤を優先的に使用するのは言うまでも無い。

注:最終的には長年の使用∨放置で汚れたBCLラジオをバラして洗いたい希望がある。このウンコ製ラジオ洗いもそのための練習とノウハウを積み上げる事を目的としているのだ。

レベル1:メタリック塗装が腐食・変質しているER-P26Fの復活(前篇)


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 このラジオは既に取り上げているER-P36Fの単4電池版である。ラジオの中身は全く同じなので解析してもツマラナイ。本稿は汚れを落として使えるようにするのが目的だ。これが最も楽そうなので練習用ね(^^ このくらいなら過去のノウハウで大丈夫でしょう。外観の主な瑕疵はメタリック塗装が変質していること。この塗装は磨いても復活できないのでどうするかな。


★バラす前に
 今回はICF-S60CR-S3等と同じようにケース・ツマミなどを水洗するつもりである。なので全部バラすわけだが、ネジを外すために手で持つのがイヤなくらい汚いので何とかせねば。まずは触れるようにするのが先決だ。


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 電池室の中までも汚れが入り込んでいる。これでは動作チェックも出来やしない。

 実際このラジオには何の思い入れもないし、動かなくても全く問題ない物件だ。だからキレイにする「だけ」なら筆者はこのまま洗剤に浸けて洗ってしまうかもしれない。しかしそれだと大切なラジオをキレイにするノウハウは得られない。いくら何でも高価なICF-2001を丸洗いなんてしたくないから(やっているバカは居るけど)。なので面倒でもバラバラにして部品ごとに洗ってノウハウを積み上げていかねばならない。


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 ICF-S60やCR-S3は今や貴重な消毒スプレー→雑巾がけからスタートしたが、正直言ってこれは雑巾すらも使いたくないレベル。雑巾が可哀そうになるくらいヒドイ汚れだ。どうするか?まずは消毒スプレーと手を拭いて使い終わったペーパータオルで行ってみよう。新品ペーパータオルすら使いたくないラジオという事だ。


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 ぎょええ〜!キタね〜!ホコリ・泥・生ゴミ(有機物)だけでなく油汚れも感じる。思いつく全ての汚れを持っているのだ。まあでもこれで手で持ってネジを外せるくらいにはなった。第一段階は突破だな。


★ここで電源を入れてみよう!
 洗うのは良いけど「今はもう動かないおじいさんのラジオ」だったらくたびれ儲け。ジャンクだから完全動作は望まないけど、たとえ動かなくても致命的ではない、少しでも動く構えを見せるラジオを洗いたい。なのでここで動作チェックだ。あまり無いけど洗って動かなくなる場合も無いわけではない。


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 電池を入れるのもイヤなのでACアダプタ・アダプタで電源供給する。これで電源を入れたが何も反応が無い。これは電源が入っていない症状だ。ここまで腐っているのだからSWや内部配線もヤバいのかもしれない。触るのがだんだんイヤになってきたので動いたら予定変更で終わってしまおうかと思ったが、悪いことにこれで分解必須になってしまった(^^; しかも動かなくて「洗っただけ」に終わるかもしれない。


★バラす
 元通りにする事はあまり考えずに「とにかくバラせる限りバラバラに」という目標でバラした。こういう時に「BCLラジオと違って安物2バンドポケットラジオは良いな〜」と心の底から思う。バラすのも簡単だし、不慮の事故に気を付ければ壊したり戻せなくなる事も無い。メカがキライな筆者も自信を持ってバラバラに出来る(^^


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 やはり線が腐ってる…って言うかこれで動くわけは無い!逆に言うとこれを何とかすれば動くようになる可能性が高いという事だ。希望が出てきたのでやはり洗ってみたい。


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 このイヤホンジャックはどうしようか…これと同じのが哀店道に売っていればいいのだが。このままでは恐らく導通しないのではないだろうか。解っているとは思うけど、これがダメだとSPからの音も出ない。電源スイッチと並んでジャンクラジオで最も重要なポイントだ。


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 薄型SPもこの通り。不幸中の幸いでコーンが紙ではないというところ。紙ならもうオシャカになっている(こんなモノのラッパを張り直す気はしないな^^;)。


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 そもそも電源のリードが切れてるし電源が入るわけは無い!(^^; という事はこれは直る!という希望が見えてきた。


★ちょっと調査する
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 ELPAではおなじみ台湾レッドサンの製品だ。レッドサンは現在は沈んでいるけど良いメーカーだと思う(名前が親日的でイイ!^^)。


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 コーンがプラ製だけどこの通り。


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 ICは例によって無地だが粗ニー互換の中華ICに違いない。アナログラジオICを生産しているのは大中国であっても多くはない。恐らくCD1691だと思うんだけど。


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 フェライトロッド・アンテナのコイル部分が蝋が割れて動いてしまっている。洗って組み立てたら再調整の必要があるな。フェライトロッドの精密計測(笑)は4.0×7.6×39.5mmだった。実際はER-P36Fと同じもので4×8×40个覆里世蹐ΑHSDLフェライト指数は229(240)となり37中下から5番目となる。オーバーサイズは太さにも依るが長さ50个離皀里覆藜まりそう。140mmが180mmになっても大きな違いは無いけど、この辺りの小さなサイズは10mm伸びただけで案外効いてくるよ。何も聞こえない→何か聞こえる!みたいな(^^


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 CFは455kHz側はREDSUN得意の2エレで、F455CHと印字があるがどれもPFB455の同等品だ。10.7MHzはSKM4Tという謎CFで、一応検索してみたけど予想通り全く何も無し。10.7MHzの中華CFはSFE互換の2エレしか見た事が無い。もっとも廉価FMラジオにそれ以上のCFを使っていたのは「東芝や海外製IC好きのA社」製しか見た事無い(^^ 筆者はそのメーカーの3エレCFのを見た事がある。HSDLではナロー2エレと中帯域3エレを両方試したい。

 検索するとこのラジオはその性格上「ラジオのラの字も知らない初心者」が使用している場合が殆どだ。恐らくただの安物ラジオとしか思っていないのだろう。しかしこのラジオは粗ニーやパナのポケットラジオよりも選択度は確実に上なので評価されないのは気の毒だと思う。もっとも調整が良くないのが多いのでその場合は手を入れる必要があったりするが(^^; ちなみにネット上で検索したが、このラジオの選択度の高さに気づいた「違いの判る男」はたった一人だけだった。ラジオのハードウェアに特に詳しくなくても有能なラジオユーザーなら違いは解るのだ。閑話休題、

 道具立ては良いのでしっかり調整すればソコソコ使えるラジオになるだろう。内蔵アンテナは小さいけど、ライバルのRAD-F127Nがこれより下のショボイ小型アンテナ+同じICであれだけイキの良い感度だったのだからそれ以上にならなければおかしい。道具立てから行けば選択度は完勝しているので、再調整で感度が追い付けばこのラジオの勝ちという事になる。


★次回へ続く
 長くなったので洗浄・組み立て・調整・テストは次回に回す。性能以前に果たして動作するのだろうか?(^^;