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HO青箱にあるMWループアンテナを無理やり活用する(転用編)
卓上ループアンテナ��
卓上ループアンテナ��
最初に断わっておくがこの記事は失敗談で直接には役立たないです(＾＾; ただ筆者個人としては得るものがあったのと、せっかく足かけ二年かかって書いたものを捨てるのはもったいないのでここで上げてしまう。
前回までは青箱ループ改めmini-loopをそのままで使う方法を考えてきたが、非同調MLAとしてもゲインが無くて使用目的は限られていた。そこで今回からは枠だけを転用して別のループ・アンテナに作り替えてみたい。100円のmini-loopの意義が失われるが、今回はまず同調型ループに作り替える。
★何に使うの？
同調型ループ・アンテナに作り替えて、トップにプリセレクタの入っていないR-1000タイプの受信機に繋ぐ計画だ。ちょっとR-1000を動かしてMWを聞いてみたいとか、更にこの後にRFアンプを入れてユルイDX狙いも考えている。非同調だと繋いだだけで相互変調が発生するのでこの手のRxでMWを聞くにはには同調アンテナが欲しい。つまりこのアンテナをラジオに付いている内蔵フェライトロッド・アンテナの代わりにしたいのだ。ゲインは無くても良いけど同調出来て小型で手軽に使えることが条件となる。
★設計
枠が小さいけど例の設計ツールを無理やり適合させてみる。
回路図にするとこうなります。ピックアップ・ループはシールド・ループとしたが特に意味は無い(＾＾; 何となくノイズに強いかなー？なんて思っただけで。実は同軸じゃなくてAVケーブルを解体したシールド線を使うつもり。この辺りは年食って若い時以上にテキトーになってきている(＾＾;
枠の一周は約41�僂世辰燭�正確には測れていない。枠の幅も部分的に湾曲しているので正確に測れないが11〜12mmの間だ(＾＾; HSDL所有の線材は以下の通りだが幅が決まっているので密巻きだと限界で何回巻けるか。
0.18φ→66回
0.23φ→52回
0.5φ→24回
案外巻けないんだな…。これだと下の方は容量若しくはインダクタの力を借りなくてはいけないのかも。まあ細い線を使えばいいんですが。
解いたリード線は今後色々使い道があるだろう。線材はいくらでも潰しが利くのだ。これだけでも20円くらいになるだろう(＾＾ ちなみにこの写真の日付は2019/04/07だ。その頃からこの記事を書いているんだね(＾＾; それと����はこの��よりも後に書かれている(注1)。
例の設計ツールで10×10�僖襦璽廚箸靴得瀋蠅垢襦７覯未浪萍未猟未蠅箸覆辰拭�42回巻けばいいようだ。もっともこの設計ツールの想定よりかなり小さくて、誤差もありそうなので多めに巻いた方がイイだろうから43回巻きだ。もし巻き数が増えてキレイに巻けなかったら重ねる。
別ソフトでも検証。"Loop Calculator One(Ver1.0230)"でも似たようなスペックになったが、浮遊容量が少々大きいのか適値は41回になった。一巻き増やして43回巻かずに42回でもいいか？まあ減らすのは簡単なので43回でもイイだろう。実際は42回でも多すぎだったのだが…。
このように浮遊容量のとり方で上限は大きく変わるので、ソフトによる事前の計算だけで完全な設計は出来ず実際に製作しないと何とも言えないようだ。何しろ両ソフトが想定しているであろうサイズからかけ離れているので誤差が出てもおかしくない。今回製作するループ・アンテナはどちらかと言えばフェライトロッド・アンテナの領域なのだから苦情は言えない(＾＾;
★部品集め
部品の中で一番問題なのはVCだ。昔はそこら中で手に入った真空管用の大型エアVCは今は絶滅危惧種で、入手するにはAN-200が買えるカネを払わねばならない(＾＾; ここは現代っぽくPVCにする。ちなみにもう一つの選択肢であるバリキャップはＱがPVCより落ちる上に、容量が大きくなる(＝バイアスが浅くなる)と多信号特性が悪化するので使いたくない。それにMW用のバリキャップは廃品種でありPVC以上に入手は難しく安価とも言えない。
このPVCは公称150pFの親子VCであるが、ANT＋OSC並列にした時の実測で236pF-14.5pFだった。1kHz測定なのでMWやSWだと更に容量が減るが気にしなくていい。設計編では236pFに合わせたので丁度良い。但し実際は浮遊容量(注2)が加わるのでもっと増えるハズ。
出来る限りヌケを良くするためにTCは最少容量にする。写真はTCの羽根を全部抜いた状態。可能であればTCの羽根を物理的に排除してしまえばいい(下でやってみる)。多くの場合はそれで浮遊容量が低減されるのでバリコンのヌケが良くなる。ヌケが悪いと設計編で見たように高い周波数に同調しなくなる。
線材は0.1φ撚り線を使う。現在不良在庫と化している2本撚り線で、外にスペーサーが巻いていないのでリッツ線とは違うが、複線の分だけ同様の効果があるだろう。ここで問題なのが計算では単線だったので巻きスペースが足りなくなる事。しかし重なっても特に気にしないしそもそも密巻きにはしないだろう。何か設計・計算編の意義を失う暴挙だが予定は未定であって決定ではないです(＾＾ 回数の目安(＝線材の長さの目安でもある)が判っただけでも計算した価値はあるのだから。
ピックアップループは上記の通り使い道のないAVケーブルを分解したもの。これは細い1.5C-2Vよりも更に細くて巻き付けやすい。インピーダンス？それ何の踊り？(＾＾
★製作する
何も書きようが無いのがこの製作編。線を巻いてハンダ付けするだけだからだ。線の巻き数が予定より少なくならないようにすれば大丈夫。多い分は解いて減らせるけど足すのは線を繋がねばならず困難だから。
全然密巻きではない(＾＾; こんな巻き方ならもっとたくさん巻いてLW用ループアンテナも容易いだろう。ボンヤリしていると巻き数を忘れてやり直しになるのでそれだけ注意すればいい。しかしそんなに甘いもんじゃないのは後に分る(＾＾;
コイル部分はこれで完成。計算では42(41)回だったが43回巻いている。このサイズだと巻き数は2、3回増えても変化は少ないが、大型だといきなりインダクタンスが激増するので困る。設計編で見たように浮遊容量の関係で問題が出る場合もあるだろう。エレメントの巻き方で浮遊容量は減らせる場合が多い。意外にも密巻きよりもガラ巻きの方が良い場合もある。
インダクタンスを測ってみた。528μH？予定よりかなり大きいぞ(＾＾; このインダクタンスだとPVCを並列にしなくても大部分はカバーしてしまう。下でPVC改造するから上は大丈夫だと思うけど。"Loop Calculator One(Ver1.0230)"の指示が正しかったのかな？いやそれでもまだ大き過ぎる。30回くらいで良いのではないかと言う気がしてきた。
＝PVCの改造＝
PVCにはトラッキング調整用のTCが標準で付いている。これがループ・アンテナなどでは非常に迷惑な存在だ。ループアンテナで設計通り上限が上がり切らないのはほぼこれが原因である。これは改造によってある程度解消できる。
改造とはこのようにTCのステーター(またはローター)を除去してしまう事である。ループ・アンテナではトラッキング調整などは無いのでTCは有害無益なのだ。ちなみに面倒くさいけど元に戻す事も出来る。HSDLではスーパーヘテロダイン・ラジオの製作はしないので元には戻さないが。改造後の容量は以下の通りになった。小数点以下は計測器も筆者もいい加減だ(＾＾;
FM-ANT:22.8-2.6pF
FM-OSC:22.4-2.2pF
AM-ANT:143.3-2.9pF
AM-OSC:84.1-2.3pF
AM並列:227.4-5.2pF
(改造前:236-14.5pF)
AM/FM並列:272.6-10.0pF
素晴らしいヌケの良さ！単純計算ならAM側だけでなくFM側を並列にしても10pFしか残らない。FMも並列にした時はインダクタンスは下限522kHzで342μHあれば足りる。現段階でFMも入れれば計算上は420〜2190kHzまでカバーする。FMも含めて結線した後で容量を計測したら269.3-7.9pFとなった。上はやや減ったが下は更に容量が小さくなって普通のバリコンと変わらない。これはイケる！(…以下失敗の記録＾＾;)。
以前は錆取りが不完全だったので失敗しかけた。今回は完全にサビを除去して並列化も万全だ。イケそうなのでAM/FMの両方を4連並列にしてみる。
あとはこれにPVCを繋ぐだけ。PVCのTCは最小にするか上改造を行なわねばならない。そうしないと高い周波数に同調できなくなる。写真はまだテスト段階なのでVCは固定していない。
通信型受信機R-1000の50Ω側に繋ぐので結合にはピックアップ・コイル(ループ)が必要だ(注3)。AVケーブル出身シールド線で行なう。RCAコネクタが既に付いているのでまた横着できる(＾＾ ちなみに巻き付け数が増えた方が感度が上がるが、枠幅の関係で頑張っても3ターンくらいが限度だろう。それにあまりコイルが隠れても問題なので2ターンで行ってみよう。
★テスト
シールド線が短いし手で同調できなくなるので戸外に出すつもりはない。この動作テストは「同調するか？」だけが問題となる。同調さえすれば感度はどうでも良い。もしゲインが足りなければこのループにワイヤーアンテナを繋げたり巻き付ける手もある。
がしかし、テストの結果とんでもなく失敗だった。計測した結果、このループアンテナの同調限界は下が500kHz以下、上が800kHzくらいだった。同調した感じではシャープさも問題無いのでＱも問題無いはずだが何故だろう？実はVCの浮遊容量は99％退治したのだがコイルの浮遊容量はソフトに任せきりで何も考えていなかった(＾＾; つまりVCを繋がなくてもかなり大きな容量が並列に入っているために上の方まで同調しないのだ。上で設計した時のソフトの補正はやはりこんなに小さくて回数が多いと役に立たないらしい。もっとも規定外の使い方なので文句も言えないが。
＝得られたもの、または教訓(＾＾;＝
�．汽ぅ困�小さいと設計ソフト指示よりインダクタンスが大幅に上がる
どうもそうらしい。これは巻き方が密巻きになっていないのも効いているかも。
��同じく浮遊容量はかなり大きい
テキトーに巻いたが、やはりこのくらいの回数を巻くとスペースを取らないとダメみたい。ハニカム巻きはダテではないのだ(＾＾; 同調周波数から考えて70pF近い容量が付加されていることになる。
�Ｃ翕喩消爾頁欧蠕�より単線絹巻きの方が良い？
失敗すると全部疑わしく見えるものだが(＾＾; 何となくこれも容量に加担している気がする。次回巻き数を減らせば因果関係がハッキリするね。
�ぅ汽ぅ困呂海譴任盍凝戮�上がる
実はこれをRF-P50に近づけてみたらガーンと感度が上がった。10�僉�10�僂覆匹箸い�小さなサイズでも同調型ループアンテナの方がフェライトロッド・アンテナよりも確実に上なのだ。これはハッキリ言って感動した。もしまだループアンテナ同調型を作った事が無い人は是非とも作ってみましょう。高感度ラジオなんて必要ない！と実感できる。もっともその場合でもDXには高選択度が必要だが。
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ダイヤルを回したら普通のループアンテナと大差ないキレ味だった。ガラ巻きに近い巻き方だがＱはあまり気にしなくて良さそうだ。むしろVCが直回しなのでこのくらいじゃないと同調困難だ。
まさかこれほど外れるとは思わなかった。巻き数の手掛かりが無くなったのでもう一度考え直して巻き数を減らしてみたい。今回の結果からAL値(のようなもの＾＾)で考えると28回巻けば設計値になるのだが。巻き数が減れば浮遊容量も減るし良いことづくめ…になるかどうか。とりあえず30回以下まで減らす必要があるな。
★一寸お休み(＾＾;
次回は巻き数を大胆に減らして実験してみたい。でも何か徒労に終わって疲れたのでしばらくお休みしてからやり直したい(＾＾;
注1:当初はRF-DR100以外ではそのまま使うつもりは無かった。元から枠を利用する事だけを考えていた。つまりこの記事が本命なのだ(＾＾
注2:Loop Calculator Oneのところで書いたように最低でも5pF程度、多い時には20pF以上の並列容量が仕様上の容量に付加される。これはVCとTCの羽根を全部抜いても減らないので結果として上の方に同調しなくなる(下の方の影響は皆無に等しい)。
注3:HSDLのR-1000はMWとSWのアンテナ端子は共通になっている。ノーマルは何でSWと分けたんだろう？回路プロ・受信シロートが設計したR-1000の数々の謎仕様の一つだ(＾＾;
