HSDL.blog.jp

主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

部品の話

VRMのトロイダルコア

この記事はPCマザーボードのVRMの記事ではありません。昭和のラジオオッサン・G3のための研究記事です(^^

祝・HSDLブログ14周年!これまでの歴史を凝縮した記事を書こう(^^


 PC時代には活躍したT50-52等のトロイダルコアが不良資産化しているので「これをRFに転用したらどうなるか?」と思いついてテストしてみた。

 基本的にVRM等電源用のコアはNi-Zn等のフェライトコアと違って高い周波数では全く使い物にならない。それをRFで使うのはAF用のTRをRFで使うのに似ている(^^ 筆者はガキの頃にAF用で有名なFETである2SK30を貰い、使い道が無いのでそれをMWで使用した記憶がある。まあこのコアも使えなくても別の用途があるから良いんだけど。


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 これが今日テストするVRM用のトロイダルコアだ。実は一つだけRF用のT68-2が入っている。特性不明のモノが多く、今までは使用していなかったものが多い。時期的にはP6〜K7〜ネトバ時代のが殆ど。26材はMWまで行けなかったのは既に確認しているためにここからは除外した(^^

 ちなみにこの時代のPCマザーのVRMのスイッチング周波数は精々300kHzである。VRMで言うとVRM8.xくらいか。コントローラは周波数の高いレイセオンRC5051とかが幅を利かしていた。オッといけない!これはPC記事ではないのだった(^^; インダクタとしても長波帯で使えるのは間違いない。Qはどうか知らんけど。


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 おなじみDE-5000でインダクタンスとQを確かめる。


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 コアの性能が確定したらこれを巻いてコイルを製作する予定。覚えている人もあるだろうが、このコイル→リッツ線は以前コードレスホンを解体した時に得られたものだ。やっと活躍の時が来たな(^^


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 試しに素線数を数えてみた。14本とラジオ用よりは断然上でさすが充電用だ(^^ ラジオと違って充電効率は誤魔化せないので良いモノが使われている。ちなみにリッツ線はコードレス充電などの長波帯が最も効果が高い。中波帯がその次辺りで短波では効果よりも弊害の方が大きくなるので使われない。中波帯以上では素線数よりも被覆が厚い方が効果が高くなる。何故なら密巻きしても天然でスペース巻きになるからだ。なのでテトロン巻き単線でも充分に意味がある。


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 インダクタンスの順に並べてみたらこうなった。一番大きかったのは灰色一色のコアで、これはギガのP6マザーボードに載っていた奴だ。

 灰色のコアはワイヤを一本通したところで0.131μHだった。×10でも1.31だからかなり少なく感じるが実際はそれの倍以上になるはず。参考までにT50-52Bでは、

T50-52B(AL=43.5nH)
5T=1.1μH
6T=1.6μH
7T=2.1μH
8T=2.8μH
9T=3.5μH
10T=4.4μH

 こんな感じである。ちなみにこのインダクタンスは電流が流れていない時の値で、電流が10A流れると半減するのはご存じの通り。

 一番インダクタンスが少なかったのは予想通りRF用のT68-2だった。これは0.08μHくらいしかない。サイズは大きい方なのにインダクタンスは最低なのだからMWではかなり使いにくい。やはりメーカー指定通り短波帯ローバンドで使うモノなのだろう。PC時代にこれを電源で使用した記事が多分過去記事にあるので興味が有ったら見て欲しい。


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 で結論だけどT68-2の隣にランクされたこの2つのコアがMWで使えそうな気がする。市販のコアで言えば2材に近い。これにリッツ線を巻いてみたい。サイズはT50相当と小さいのであまり巻けないと思うが重なっても良いので無理やり多数巻きたい(^^


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 上の14/0.06?USTCリッツ線をT50サイズの赤一色コアに巻いてみる。なんとか重ならずに全部巻けた。しかし中古なのでかなり汚いな(^^; アセテート巻きだとアセトンで溶着できる。テトロンはやった事無いけどダメだろうな…。


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 インダクタンスを計測したらこんなに巻いたのに29μHしかない(^^; アテにならないけどDE-5000でのQ計測だと結構高い。まあこの計測は100kHzなのでいよいよアテにならないけど使えるかも。

 同調回路を組んでみた。ウンコPVCと組み合わせて同調周波数を計算したら1.8〜10.5MHzだったのでアンテナに繋いでみた。一応明確なヤマは有るので使えそうに思える。

 という事で選べばMWやSWローバンドで使えるコアもある事が判った。選択の目安としてはインダクタンスが低い(AL値が低い)コアが高周波向きらしいという事だ。空芯と違って理論上は磁束が漏れないのでこれを選択する理由もあるかな?新たに買うのはアホくさいけど。

どーでも良いラジオ話

黒くて四角い2SK55に黒い疑惑(^^;


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 右が2SK55E(旧型)だ。一つ一つに日立マークが入っているのが時代とは言えスゴイね(昔は東芝も一々マークが入っていた)。一時期何処かの大手メーカーのキャンセル品と思われる物件が大量に出回り、当時J-FETで最もメジャーだった2SK19GRの代用として重宝された。価格が2SK19GRより55Eの方が2/3から店によっては1/2と言う所もあったのが大きい。現在の筆者の在庫は晩年に買った為に殆ど使わないまま残ってしまっている。もし筆者が死んだらおそらく不燃ゴミで捨てられてしまうだろう。実にもったいない話だ。

 ちなみにこれは渋谷の藤商で51個買ったものの一つだ(注)。80年代初めからPCを始めてシブヤが筆者のフィールドになった事もあり、もう藤商以外で半導体は買っていなかったと思う(それにあのマンションの独特の雰囲気が好きだった^^)。同じく大量に余っている2SK61GRも多分そう。同じく大量に死蔵している2SK92や2SC785BNも店頭のみの激安特売品だったかも。MEM610は確実に秋月だけどね。

 …そんな「どーでも良い思い出話」はどうでも良い(^^; これについて気になる事を発見と言うか気づいたのだ。

 足である。この足の色がどうも他のTRと色が違う気がする。ズバリ言ってしまうと黄色っぽいというか「銀の色」に見えるのだ。左の2SK61-GRと比べて見て欲しい。更に言うとこれ不良TRで有名な2SC458や2SC460初期型に形状も足もソックリだ。これってもしかしてマイグレ不具合発生するんじゃないか?2SK55(E)で不具合が出た人がいるのだろうか?イソターネットで検索しても何も出てこないのだが…。

 まあ製品を製造するわけではないので寿命が来ても困らないけどね。でも一時期とはいえメジャーだった石だから少しは気にならないか?死んでいた経験のある人はコメントください。ちなみに後期の個性の無い蒲鉾型は極めて安く現代風に仕上げられているから大丈夫。気になる足は鉄リードの錫メッキだし(^^

注:藤商は50個買うと必ず1個おまけが付く。当時は単純にサービスだと思っていたが、当時なのでひとつくらい不良が出る事を考えていたのかもしれない。いつの間にか藤商も無くなって別会社に営業譲渡してしまったらしいので残念。バイヤーが一人のパーツ屋の代替わりは難しいんだよな〜誰にでも出来る仕事ではないし。




 この「どーでも良いラジオ話」もついに連載最終回を迎えた。○囲み数字が20までしか無いからだ。このシリーズで最も書きたかった、と言うか「それを書くためにシリーズが始まった」と言ってもよい肝心なネタ「カーラジオの話」を完成できないまま最終回!(^^; しかしいずれ「続・どーでも良いラジオ話」が始まる気がしないでもない。PCの頃もそうだったからな。「古のマザー」は約3年、「哀愁のマザー」は7年以上連載が続いた後で続編が登場した先代の看板シリーズだった。アレを筆者が一人でやるのは…うーん、ちょっと難しいね(^^;


HSDLの日常[20/07/20]

 現状AMの中で最もノイズが少ないのがエアバンドでSWがほぼ同等、MWが一番ひどくLWがSWより稍落ちる程度。周波数域で言うと1500〜3000kHz辺りが一番悪い。何しろANT直結だとピークでRF-B30のSメーターがフロアノイズで59+20dBまで振る!

 状態の良いSWとエアバンドだと内容的にSWしか選択の余地が無い。これを考えるとFM以外では朝晩のSWを受信するのが一番良いような気がしてきた。但しSWの信号は室内では弱いので外部アンテナが必要になる。

 その前にMWのループアンテナ(同調型)も試してみるつもりだ。非同調は大型であっても原理的にゲインが極小なので恐らくローカル局以外何も聞こえないだろう。これを実用するにはプリアンプが考えられるが、非同調のゲインが高かったらうちでは相互変調で死ぬだろう。やはり昔ながらの同調型しかなさそう。


★これからどうする?(^^;
 これまでHSDLの大きな柱に「HO巡回」「ハンダゴテを使った修理・改造」が有ったわけだが、その両方が現在全く機能していない。これで記事が書けるわけは無い。残る柱の一本であるラジオ受信もここではノイズで不可能に近いのだ。この先生きのこるにはどうしたらいいのか?

 ここに数週間生活して判ったのは「モノが良く乾く」という事だ。何でもかんでも濡れたモノをそこら辺に吊るしておくと今の時期あっという間に乾く。この特性を生かすのはHSDLの最後の柱である「洗い」しかない。つまりここではラジオ洗い記事を書くのが一番ではないだろうか?(^^ という事で超音波洗浄機を探さなければ…イヤ実はどっか行っちゃってね…。


★中華電解・ああ知らなかったこの現実(^^;
 5月の埋め草記事である「超今更、固体電解コン」で紹介した中華電解なのだが漸く気づいた事があった。これって2016年に入手したものなのだが今頃何を言っているのか…(^^;


chuukakotai270
 実は容量が二種類あったのだ(^^; 220μFのものと270μFのものである。そう言えばネット上で見た写真に違和感があったのだがこれが原因だったのか。

 でそれはそれで良いのだが今回気づいたのはそれだけではない。この二種類の容量を測ってみたら220μFが252μFで270μFが251μFだった。つまりこれ表示は二種類だが中身は全く同じものなのだ。微妙ではあるが270μFの方が容量が少ないのが笑える。ちなみに電解コンの容量誤差の中には余裕で入っているので文句を言ってはいけない。


★窓からの眺め
2005302120
 このように窓から田無タワーが見える(ノイズザリザリなのはニコポンL32で撮ったから^^;)。以前のロケで西側で遮っていたビルを今回南に移動して回避したから見えるようになったのだ。但しそこから送信されているFM西東京は実用にはなるけど強くはない。アンテナは案外低い所に付いているようだ。まあ天辺に付けたらERPが大き過ぎて20Wは許可にならないだろう。このタワーの高さは放送用の送信アンテナを除けば日本のタワーの中でベスト10に入っていたはずだ。かわさきFMは送信所移転で20→7Wに減力したらしいし。


★ラジオ製作・電子回路入門お勧め本
 昔ならいざ知らず、今なら丹羽一夫さんの著作がお勧め。もっとも下の両書ともだいぶ古くなったけどまだ書店で何とか手に入る。内容もそんなに古くなっていない。但し全く古くなっていないかと言うとそうでもなく、今は高価になってしまった2SK241を多用していたりと厳しい所もある(^^; 図書館で試し読みできるが、西東京市は丹羽さんの著作は一冊も無かった…。

=ラジオ製作の入門書=

「トランジスターラジオ 実践製作ガイド」(2008/10)

練馬で試し読みできる図書館(^^;
光が丘 開架
南田中 開架

 二石レフレックススーパーが良かった。レフレックスラジオの前に2SK241の周波数変換が付加される構成だ。言い方を変えればスーパーのIF段以降をレフレックスラジオに置き換えたもの。TA7642を使ったストレートはよく見るけどレフレックスは初めて見た。

=半導体回路の入門書=

「作って覚える 半導体回路入門」(2008/02)

練馬で試し読みできる図書館(^^;
石神井 開架
平和台 開架
関町 開架

 特にダイオードの使い方についてよく書かれている。他の入門書はこれが全然ダメだった(能力を著しく矮小化している)。筆者は子供の頃に他の人の書いた入門書を読んだので五年遅れたと思う。その頃は丹羽さんは世に出ていなかったので仕方がないのだが(^^;

超今更、固体電解コン

記事が無いのでボツ原稿を載せる(^^; その4

 HSDLの社長(注)に「半島メーカー販売の大陸製アルミ固体電解コン」という何とも微妙な代物を寄付された(^^;


samwha
 ニチコンと提携関係があるらしいSAMWHAの固体コンだ。既に我々もPCマザーボードやビデオカードで見てきたなじみ深い奴である。470μF 6Vという事でVRM出力は勿論のこと、P6系以前の5V入力なら入力コンにも使える。サイズ8φ×9个箸い事でこれが載らないマザーやビデオカードは少なくともHSDLには無いだろう。最近市販されている製品には一杯あるけどね。その性能は通常アルミ電解コンとは比べ物にならない。100kHzの時にESR=7mΩ!リプル5700mA!という驚異の性能だ。今は亡きアキバのクレバリーでタダ貰いしたLelon OCR1500μF2.5Vを越える高性能で、HSDLのコンデンサESR・リプルランキング堂々1位にランクされる。

 …しかしねえ、HSDLに来るのが3年いや5年遅かったようだ。このコンデンサは構造で分類すると導電性高分子アルミ電解コンデンサであり、用途で分類すると高周波低インピーダンス電解コンデンサという事になる。現在HSDLは2017年以前と違って高周波スイッチング電源などは専門外であり、低周波100Hz∨120Hzのシリーズ電源が主体となっている。つまり上記のこの電解コンの超高性能は活きない。ESRは無関係だし耐リプルだって120Hzでは5700mAから285mAまで急降下する。そもそも固体コンは適用範囲が100〜500kHzくらいだから宝の持ち腐れである。DCに使うとLW帯の高周波ノイズが減るかも?いやLWなんてもう放送局が無いし(^^;


fumei220u6v
 おまけで見た事のある奴。これは哀店道にも売っている名無し中華固体電解である。@10円程度と非常に安いので面白半分で入手した人も案外多いのではないだろうか?小さい方は220μF6.3Vとプリントされているが、大きい方は何もプリントが無く容量も耐圧も不明と言う恐ろしい物件だ。容量は測ればいいけど耐圧不明で使えるわけねえだろ!(^^; 耐圧は最低クラスの2.5V程度と考えるしかないな。220μFの方は小柄なので小さなセットでもスキマに押し込む事ができそうだ。サイズと容量的には全く役に立たないわけじゃない。大きな方は478や462マザーのVRM出力に使えそう。これも5年早ければなあ…。


 これらの個体アルミ電解コンを無理やりラジオ内で生かすとすればIF以前の電源バイパスが向いている。こんなにデカい容量は通常は必要無いが、電源回りは高周波をデカップリングしないと発振する場合があるので使い道があるハズ。アルミ固体の性質上は漏れ電流が大きいだろうからOS-CONと同様AFのCCには向かない。その用途ならオーディオ用電解コンの方が向いている。でもQはソコソコ高いからVLFなら同調回路にも使えるかも(^^

 取りあえずこの電解コンを有効使用すべく、今後は色々なところで無駄遣いされるであろう。何しろ数量が無尽蔵(数百?)にあるので、今後HSDLブログにこの電解コンが出現したら「ああ、やはり使い道が無いんだな…」と察して欲しい(^^;

注:通称・綽名です(^^ HSDLは会社ではなく任意団体なので社長などは存在しない。他に隊長・編集長も存在するが、真っ当に意味のある役職はブログ編集長だけである。


CF粉々事件(^^;

二週間も巡回をサボると埋め草が大変です(^^;


3ele
 何と!もう発売される事のない在庫限りの貴重なムラタ製CF(3ele)が粉々になってしまった。一寸爪で押さえただけでこんな具合に…。実はこれ、ある有機溶剤に浸けたあとでこんなに脆くなったんだよね。詳しい成分は言えないけど塩素の入った奴だった。

 いやこれCFだけに限った事じゃないんだぞ。だってこのパッケージは全てのセラミックコンと同じなんだから。という事はある種の有機溶剤で洗うと電子機器のセラミックコンは全部こんな風になる可能性があるという事だ。レストアで洗うのがめんどくさいから有機溶剤に浸けちまおうなんて考えるとこうなる(オレだけか?)。

 という事で電子部品を無暗に有機溶剤で洗うのは絶対に止めましょう(^^; ついでに言うと超音波洗浄もダメだぞ!アルミ箔なんて中に入れたらボロボロだから電解コンは危ないかも。イヤこんな事もあろうかと事前に実験しておいてよかった。貴重品の損失は痛いがまあ分っただけでもイイ。

CF使用法

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

CF使用法ぁ峅纂舛ら見た帯域幅」


 前回と被るが音質を中心にCFの帯域幅を考えてみる。ICラジオの音質を決定する要因はここが一番大きいが、CFの帯域幅が大きくなるにつれてイコライジングに依る部分も大きくなる。更に帯域が広がるとIFTや果てはRF段の選択度つまりアンテナのQも音質に係わるようになる。CFだけ気にしていればよいのは9kHzくらいまでだろう。実際はそれ以下でも効いているのが判るが(特に高性能なハイQのIFTは音を大幅に劣化させる)。ラジオの音質を決定する諸要素については「ラジオの音質」に書いた通り。


cf190825
 常用する帯域幅は音質と選択度の兼ね合いもあり迷う所だが、音質を気にするなら最低でも4エレメントCF(CFU相当品)が必要となる。1エレ、2エレは選択度以前に帯域内の平坦性が低いので本質的に音質が良くない。以下「充分な帯域内の平坦性」を前提とした帯域幅と音質の関係についてのメモ。CFU45x相当品以上(4〜6エレ)を想定している。末尾のアルファベットは帯域幅のランクを示すが、SFU4xxに限ってはこれを表さない。あれのABはIFトランスの有無だけだ。


I(4kHz):DXオンリーの人向け。AM用としては明らかに狭く、高音がバッサリ切れるのでイコライジングで低音も切らないとコモって了解度低い。これを使うならIFTはハイQの狭帯域の方が良い。ハッキリ言ってリスニング用は無理ですね。中華PLL方式BCLラジオのSSBやAMナローがこれにあたる。


H(6kHz):甘無線機などではAMの帯域幅と言ったらこれ。素子数が多ければ選択度も充分で国内ならDXも充分にやっていける。これでも最低限の音質は確保される。DX向きのICF-EX5等がここに入る。


G(9kHz):筆者が思うに常用でベストと言える帯域幅。CFのエレメント数にも依るが選択度も悪くない(ローカル以外の隣局は切れる)。使用ICも問わないしズバリお勧め。SFU455はもっと広いが音質の差は無い(SFU455xは帯域幅はRFやICにも依存し9〜12kHzくらいだ)。


F(12kHz):実用できる選択度で最も高音質。ハッキリ言ってFM補完と差は殆ど無い。IFTが狭帯域だと削られて全能力を発揮しない。198〜90年代のアナログ時代の通信型受信機で高音質で有名だったR-1000のAMワイドはこれだった。粗ニーCXA系よりIFTの無い倒芝2003系向きだ。


E(15kHz):AM放送に於ける理論上最大の帯域幅(注)。選択度を犠牲にして音質だけを考えた帯域幅と言える。もちろん再現域は限界を極めてケタ広い。ここまで来ると完全にIFTが足を引っ張ります。それらのQダンプなど技が無い人には使えない。という事でCXAは向いていなくて2003系必須かも?上級者向け(^^


D(20kHz):理論値を越えているのだが…(^^; でも筆者テストではこっちの方が再現域が広かった。ここまで来ると帯域内に隣局が入る上にIFTはおろかRF同調回路のQが高いとその帯域幅も音質を低下させるだろう(低下したのを確認した)。超上級者向け(^^; 2003系必須の上に低い周波数ではRFのQダンプも必須だろう。


C(26kHz)
B(30kHz)
 20kHzを越える帯域幅はAM放送では無駄となる。筆者は国内(=9kHzセパレート)が専門なのでGランクが一番かな。高音質の上にローカルの影響がないところではDXも可能だ。IFTの影響も殆ど無い。どうせHSDLのローカル局の隣ではHどころかIランク以上でも無理なのだから割り切りが必要だ。


注:法令によりA3Eの地上基幹放送局及び放送中継を行う無線局の無線設備の帯域幅は15kHzとなっている。自動的に音声の帯域(高域限度)は7.5kHzとなる。


★おまけ:誰も知らない上級CF知識(^^;
 在りし日の斑多CFランキング(^^; もうラジアルリードは全部製造中止になっているので流通在庫のみ。455kHzで書いているが450kHzの場合もあるかも知れない。ちなみに中華同等品はCFW同等までしか無い。9エレ以上の多エレメントを製造すれば今(だけ)ならちょっと儲かると思うのだが。

CFS455(15エレメント、金属)=CFK455も同等と言われているが落ちる?
CFR455(11エレメント、金属)=CFL455=CFX455も同等と言われているが落ちる?
CFM455( 9エレメント、金属)=CFG455も同等と言われているが落ちる?
SFR455( 6エレメント、プラ)=(旧)汎用最高峰、CFWより良い?
CFW455( 6エレメント、プラ)=汎用最高峰、愛コムのTRxやICF-EX5等でおなじみ(^^
SFP455( 4エレメント、プラ)=(旧)汎用中級、CFUより良い?
CFU455( 4エレメント、プラ)=汎用中級、PLL系ラジオ、CBトランシーバー等
SFT455( 3エレメント、プラ)=汎用3カス、中級ラジオ用だが使用例は皆無で早死
SFZ455( 2エレメント、プラ)=汎用2カス、一般ラジオ用採用例はソコソコ
PFB455( 2エレメント、プラ)=汎用、小型なので性能はSFZより稍落ちる
SFU455( 1エレメント、プラ)=汎用最下級、廉価ラジオ用で採用例は枚挙に暇が無い
CFJ455(11エレメント、金属)=SSB専用品、初期通信型受信機・甘無線機に採用例多い
*2本脚のSD(ステーション・デテクト)用も使用法によっては通常のCFとして使える

 基本的にはエレメント数の多いのが勝ち(選択度が高い)。但しSFTとCFUはCC次第で逆転も可能かも。短評で「落ちる?」と書いてあるのは同等小型化の弊害が感じられるため。

 末期は名前が変わったのがある。CFU455はCFUM、CFUS、CFULAK(順不同)のように変わったが同等。但し有志の実験に拠れば選択度(保証減衰量)は下がっている模様。

CFU455=CFUM455=CFUS455=CFULA455K
CFW455=CFWM455=CFWS455=CFWLA455K

 これは改良により微妙に小型になってリプルが減ったらしい。ただその改良の過程で素子が変わった(→Low Q材素子 By斑多)為に選択度(保証減衰量)が下がった模様。後期の製品は小型化や帯域内リプルや群遅延性といった新時代(笑)の改良がメインなので全ての製品が旧製品より選択度性能(旧時代の性能)は落ちている可能性もある。ここで骨董品愛好家が目を輝かせるわけだ(^^

 但しCFは経年劣化する(←必然)ので古いのを買うのは得策ではない。斑多公式アナウンスでは「中心周波数は10年で0.4%以下の変動」となっている。455kHzでは±1.82kHz以内だが動く可能性があるという事になる。最大級に動いた時は受信機の性能に明らかにダメージを与えるレベルで劣化する。ちなみにこの0.4%は通信用高級CFの数値であり、SFU等の廉価品は更に悪い可能性もある。何しろ公式に規定されていないのでね…(^^;

 筆者個人は455が経年劣化で450や460近くになったのを見た事がある(斑多ではないが)。もしSSB用なら全く聞こえなくなるレベルだ。


★おまけ供Дレも知らない日特陶上級CF知識(^^;;
 実は日特陶のCFは全然詳しくない。取引無いから(^^; Bが4エレ、Cが6エレ、Dが9エレ、Eが11エレだったか?末尾数字は帯域幅そのもの。

LF-B 4エレ ;確かプラパケしかない。CFU相当
LF-C 6エレ ;FRG-7のLF-C6Aは金属だった。CFW相当
CLF-C 6エレ ;金属パッケージ
CLF-D 9エレ? ;金属パッケージ
CLF-E 11エレ?;金属パッケージ

 仕様は斑多同エレメントと基本的に同等。使ってみた感じではCLF-D6SはCFMと同等だった。DとEのエレメント数が違ってたらコメント4649。


★おまけ掘東光トランス内蔵CF知識(^^;;;
 時間が来たのでまた今度な(^^

CF使用法

この記事は一般人に向けた入門記事ではありません。HSDLブログの常連読者以外は読まないでください。特に検索で来た人はここでサヨウナラ(^^/~

 HSDLブログの記事を読むうえで常識的に知っておいてほしい事を書いておく。これが判らないと記事を読んでも解らなかったり勘違いします(^^


★ムラタCFのランク
cfu455
 未だにこれを知らない人がいるので書いておく。知的に問題が無いならこの程度は暗記しろよ。暗記しないで一々検索していると人生を10〜60分損します(^^

CFx4xxB=30kHz
CFx4xxC=25kHz
CFx4xxD=20kHz
CFx4xxE=15kHz
CFx4xxF=12kHz
CFx4xxG= 9kHz
CFx4xxH= 6kHz
CFx4xxI= 4kHz
J〜Kランクも一応あるがプラケースの奴は特注以外存在しないので考えなくて良い。

例外:SFU4xxの後ろに付くAとかBは帯域幅とは関係無い。これはトランス接続か抵抗接続かを表す。SFU4xxの公称帯域幅はC5ランク以外は全て10kHzだ(C5だけは5kHz)。まあ1エレでバラつきがあるので大雑把なものだけどね(^^;

 言うまでも無いがxには色々な数値や記号が入る。例としてCFU455Dであれば「CFU(注1)という品種の中心周波数455kHzの帯域幅20kHzのCF」という事までは判る。

 ちなみに帯域幅は±ではない。帯域幅20kHzは±で言えば±10kHzという事になる。2000年以降はCFULAとか複雑な名前になっているが中身は全く同じだ。ムラタではSMD以外のCFは保守品種を除き全て製造を中止しているハズで似たようなのは全て中華製だ。中心周波数はアキバなどで手に入るのは450、455、460kHzくらいだろう(注2)。PLLラジオは450kHzが多い(マネ下のように459kHzもある)。

 通常AM放送は15kHz(±7.5kHz)帯域なのでEランクが最上の音質と言うことになるが、実験に拠ればD(20kHz)にすると更に音が良くなった(注3)。C以上は音質は全く変わらないのでDランクがAM最上の音という事になる。またI(4kHz)以下だと明らかに音がこもるのでAMで使用できるのはHランクまでか。もっともDXerはSSB用のJ・K(2〜3kHz)で聞いてますが、アレは一寸キテいる人たちなので例外。筆者も立派なその一員でしたが今後はもうやらないと思う(^^

注1:CFUは4エレメントCFのスタンダードだ。SFUは1エレCFでCFWは6エレCFである。もちろんエレメントが多い方がスカート特性(選択度)が上がる。スカート特性は帯域幅とは違うので狭帯域でもスカートが広いと選択度が激悪になる(音だけ悪くなる)。ある程度の帯域幅を持たせてエレメント数を増やすのが賢い使い方。

注2:メーカー特注品は450〜470kHzの間で自由だ。変な中心周波数のCFがパーツ屋に流れていたらキャンセル品とか潰れた工場の流出品だろう(^^

注3:この場合はCF交換だけでは不充分で、RFのQやあればIFTにも注意を払わなければならない。Qダンプ必須だね。


★中華2エレCFについて
f455ch
 ELPAのラジオによく使われている黒くて稍横長のCFがある。HSDLのラジオではER-C54/55TやER-19FやRAD-F050Mに使用されているが、あれは中華製の2エレメントフィルターである。写真のRAD-F050Mの奴はF455CHと書いてあるが、名前は色々あっても同じでムラタPFB455JR相当と思われる。

 PFB455JRは、SFU455C5の2エレメント品であるSFZ455JLとほぼ同等の小型品である。1エレメント品と変わらないサイズで2エレ相当の力を発揮する。帯域幅が5.5〜6kHzと稍狭くMWよりもSWバンドに向いていると言えよう。中華なのでアタリハズレがあるがアタリ品はなかなかの選択度を発揮する。但し帯域が狭いので音が良くないのは致し方ない。この辺りはトレードオフなので我慢しなければならない。頭はキレるがスカート特性はあまり良くないのでIFTと組み合わせた方が良い。2段繋げれば割とイケるが。

=定格(括弧内はTypical)=
帯域幅:5.5±1.5kHz
±9kHz減衰量:17(23)dB
挿入損失:6(3)dB

 同等以上の性能はSFU455B×2+CCで実現できるが、サイズが大きくなるのは止むを得ないところ。あとPFB455JRは内部接続なので挿入損失も負ける模様(^^; 手に入るならPFB455JR(及び中華互換品)を二つ繋げれば更に好結果になるだろう。


pfb455jr_sfu455c
 散溶ラジオICのデータシートに1エレのSFU455と2エレのPFB455の比較があった。このラジオICはIFTレスなのでCFの差だけが現れていると見て良い。帯域幅は同じ5〜6kHzだが選択度は御覧のように大差がある。


★HSDL所有ラジオCFランク
2019/09/28追記:この項には一部だが致命的な間違いがあったので取り消す。いずれ似たような記事が出るのでそれで代用する(^^;


不良債権処理

前回までのタイトルナンバーの付け方が間違っていたので修正した。過去記事は修正済み。

電解コンの不良資産、タンタル47μF 5.0V


 HSDLは昔から電解コンを多数保有している。そして現在はそれらがかなり不良資産化している。タイトルのタンタル電解は保存による劣化が(電極錆を除き)殆ど皆無に等しいので保存しておけばよいのだが、中には入手時から既に使い道が無かったものがある。今回の物件もその一つだ。


hpc
 最近読み始めた人は知らないだろうがこれ覚えているか?HPCの47μF5.0Vタンタル電解だ。今日のHSDL[2012/06/01]で取り上げたのだが随分昔の話になってしまった。

 コイツは珍しいから買ったのだが(^^; タンタルでしかも5.0Vしか耐圧が無いので結局スイッチング素子がテンコ盛りのPC界ではどうにも使いようが無かったため放棄されたものだ。アナログの直流回路しかないラジオ界でなら何とか使えるのではないか?と言うのが今日のテーマだ。

 話は少々変わるが、最近ようやくDE-5000(LCRメーター)を使うようになった。何故最近よく使うようになったか?それは006Pの充電池を入手したからに他ならない。これにより電池の心配をせず気楽に使えるようになったのだ。実にセコイ(^^; 閑話休題、このメーターでこの仕様不明のタンタル電解を計測してみた。

 計測の結果はESRは210〜220mΩ(100kHz時)だった。以前からだがこのメーターは数値がだいぶ良くなる傾向にある。恐らく300mΩ位なのだろうがそれにしても良すぎ。通常タンタルでこのサイズなら1Ω近くでもおかしくない。例を挙げれば同サイズで同容量のnichicon F93 47μF 10Vは1.0Ωなのだ。ひょっとするとポリマー系なのかな?上の初出記事でもポリマー疑惑がもたれているが…。

nichicon F93 47μF10V(B)[1.0Ω/291mA]
HPC 47μF5.0V(B)[300mΩ/532mA]

 このタンタルは仕様はESR=300mΩとした(^^ リプルは計算上の値である。F93を耐圧以外は軽く上回っている。もしかするともっと良いかもしれないけどね。参考までにネコ電PS/L(ポリマー)の仕様はこんな感じ。

NEC PS/L 47μF6.3V(B2)[70-150mΩ/753-1102mA]

 PS/LのESRが複数なのは受注時のオプションで色々な種類があるから。これには負ける。


 てー事で、次回辺りの改造からこれが多用される予感(^^; でもSMDとしては大きいので小さなラジオには使いにくいかな〜。耐圧は直流回路なら3Vでも大丈夫だと思うので心配していない。ラジオはPCと違って温度も上がらないので更に有利だ。実際は「一杯あるから燃えても良い」と考えていたりする(^^ そうは言っても燃えないだろうけど。


★おまけ
68u_6v
 そう言えばこれを思い出した。これは180〜190あたりを示していたので200mΩ位かな。

Panasonic? 68μF6.3V(?)[200mΩ/1118mA]

 ケースはV以上なので判らない(^^; V計算でも1118mAというリプル電流となった。これだと昔のVRMでも使えそうだが、タンタルはサージも考えないといけないのでVRMの入力には使いにくいな。出力だと今度はESRが足りない。

不良債権処理

偶にこのブログに初めて来た真面目な人が居るので書く。このシリーズはあまり真面目に読まないように願います(^^

今までゴミだったVRMのフェライトバーを強引に役立たせる(^^;


ferrite_01
 これは割と新し目のマザー(イソテル775、亜夢939)以降で増え始めたフェライトバーのインダクタだ。これはトロイダルコアのインダクタと比べ安いのであまり重要ではない入力インダクタに多用された。もっとも磁束が丸漏れなので色々問題を引き起こし、現在ではごく一部の機器を除いて消滅している。写真のインダクタには出力のも入っている。チビデブの奴がそうだが、確かイソテル狐のi945マザーだった。で、これらの不良チョークはHSDLではマザーから除去する事はあっても新たに付ける事は絶対に無い。つまりゴミなわけだが、これをラジオ関連に使ってみようというのが今回の狙い。


ferrite_02
 このチビデブ品は4相VRMの出力に使われていたものだ。トロイダルコアより巻きやすくて生産効率が高いから安いのだ。良いところは「安い」以外に何も無い。こんな磁束が漏れ漏れのモノを出力に使ってしまうイソテル狐は極悪すぎる。がしかしラジオに使う場合は磁束なんかはどうでも良い。むしろアンテナになるから丁度良いと言える(^^

 ただこのままではインダクタンスが極度に低すぎる。恐らくこのままだと1μH未満だろう。この当時は既にチョークで平滑といった昭和的発想ではなくなって来ている。過渡特性を考えてインダクタンスはギリギリまで減らすのがトレンドだから、このように出力インダクタが0.xμHなんてごく普通だ。このチョークは0.5μHくらいである。


ferrite_04
 まずは巻いてある太い線材を取り去る。電源用の線材は太すぎて巻き数が増やせないので役に立たない。Txのタンクコイルに使うわけじゃないんだから。細い奴もどんどん解いていく。細いのは長さが違うものの全部同じ径だ。これは繋げれば結構長くなりそう。


ferrite_03
 次にコアが小さすぎるので連結する。テキトーに接着剤で付ける。VHF・UHFだと接着剤の質まで問題になってきそうだが今回はMWなので気にしない(^^ コアは繋げて長ければ長いほどイイ(但しMWだと1mくらいまでらしい)。見た目ではこのコアは黒くて密度が高いので高周波特性は良さそうに思える。理論的根拠は無いが。


ferrite_05
 シアノアクリレートで接着した。太い方は全部繋げても36个靴ないのでフェライトロッド・アンテナとするにはやや不満がある。こんな事ならこの手のコアを捨てずに取っておくのだった。実はPCでは全く役に立たないのでもう何度も金属ゴミで捨てている。繋げてラジオのフェライトロッド・アンテナなんて超絶斬新な発想は当時は欠片も無かったな…早まったぜ。

 細い方は更に細く4〜5φしかないが長さが89个肪した。しかし細すぎてポッキリ折れそう(^^; 実装法には注意が必要だ。もっとも何かを巻いて使うと思う。最悪プラパイプの中にでも入れればいい。


ferrite_06
 絶縁というよりは線材の巻きやすさを確保するため紙を巻いてから、テキトーにそこらで余った線をワンターンで巻いてみる。コレで測ったら一番太い奴が一番AL値が高いらしい。一番小さいのはちょっとフェライトロッドアンテナには無理か。必要なインダクタンスはPVCが150pFの時に610μHくらいなので数十回巻けば充分に使える。一番上は市販のゲルマラジオ用のフェライトロッド・アンテナだが、これみたいに極細線を使えばラジオでも使えそうだ。


 という事で昔は全くのゴミ扱いだったフェライトバーがラジオ用として復活する事になった。いずれコイルを巻いてアンテナとして使ってみたい。以前はゴミ扱いだったもので役に立つものが探せばまだまだ有るだろう。

マルチエレメントCF自作

マルチエレメント・セラミックフィルターの自作(^^;


 などと言うもっともらしいタイトルに騙されるのが昨日今日のニワカ読者(^^ このクソ暑い中(注1)、しばたよしとみ氏が真面目な記事を書くわけがないのはご承知の通り。

 さて本題に入るが、CFは高価な多エレメント品を使えば容易に選択度は向上する。駄菓子菓子、それでは筆者の頭の体操にならないんだな。そこで価格最下級・性能最下級のSFU455Bを2エレ化する(SFZ455相当)。この記事は「セラミックフィルタ使用法」の実践編である。

注1:この記事は基本は2018年の晩夏に書いている。今がどんな季節なのかは知らないがもう冬だろうな。遅くとも花の季節という事は無いだろうが(^^;

★SFU455Bメモ
sfu455b
 皆様おなじみの3本足である。ハッキリ言って性能は低く、データシート上では±9kHz離調で-10dBという笑いと涙の選択度である。IFTレスで実用になるものではない…イヤ現在RAD-F1691Mで実用してるけどな(^^;

 ちなみに昔のBCL用ラジオなら良いのは±9kHzで-50dBは行くし、そこらの通信型受信機であれば±5kHzで-60dBくらいは切れる(安いのは切れないのもある^^;)。9kHzセパレートのMW帯には通信型受信機ほど高選択度は必要はないが、HSDL的には±9kHzで70〜80dBくらい減衰してほしい。市販ラジオでそんな高性能のは過去も未来も存在しないがな(^^; TA2003のSWアプリはメーカー発表に拠れば±20kHzで-50db程度である。ハッキリ言って設計通りでもちょっと厳しい。一体いつのどんな環境の設計基準なのだろうか。

 話が逸れたが、このCFはIFTレスなら(RF同調回路のQにも依るが)強力局は100kHzくらい離れても聞こえる。前出のRAD-F1691Mは中国放送を聞きながら同時に東海ラジオもハッキリ明瞭に受信できる。もはやストレートラジオ・ゲルマラジオ並みなのだ。まさにゴミ中のゴミCF。このゴミ部品で好結果を出すのがHSDLに課せられた使命だ。「複数の物件が存在する場合はその中で一番性能の低いモノを使う」がHSDLの基本だ。今後このCFは宿命のように記事に出現するだろう(^^

=SFU455Bの特徴=

・斑多製ではなく中華メーカー(YIC、ECS等)製でピンは村田互換。

・細かい仕様は斑多のものとは違う場合がある(仕様)。

・公称中心周波数より±2kHzずれている可能性がある(仕様)。

・公称帯域幅は10kHzだが7〜13kHz(-3dB)とかなり幅がある(仕様)。

・±9kHz選択度は偏りがあり-9kHzで-5dB、+9kHzで-3dBとなっている(仕様)。

・しかしTypはそこまで悲惨ではなく±9kHz選択度は-9kHzで-7.5dB、+9kHzで-5.5dBとなっている。上は下より切れないんだね(仕様)。

・挿入損失は-5dB以下でTypは-3dBである(仕様)。使ってみた感じでは-2〜3dB程度かな。

・一次側115T(タップ70T)、二次側7TでQ=105の7φIFT+同調容量180pFと組み合わせて使うのが前提となっている。AはIF段間用だがインピーダンスが多少違うだけだと思う。

・IFTと併用してもIFのバンドストップは-30dBくらいしかない。これでRF選択度も良くないと悲惨だ。


★SFZ4xx
 SFZ4xxはオリジナルは斑多の2エレメント・セラミックフィルターである。SFUは安価なラジオに使われ、SFZは少々高めのラジオに使われた。ちなみに最上級機には4エレメントのCFU4xx(F〜H)が使われる場合が多かった。もちろん20世紀の話である。

sfz450c
 これはSFZ450Cだが中心周波数は450kHz〜460kHz辺りで受注により色々ある。SFUを二つ貼り合わせたような形状だがまさにそれで、特に何のヒネリも無い言ってみれば手抜き製品だ。まさにHSDLにピッタリの物件と言えよう(^^ ちなみにカタログにも「SFUの2枚構成」と明記されている。

=SFZ455の特徴=

・2エレと言ってもSFUがノリで貼り合わせられただけ(^^

・なので各個別々に使う事が出来る。全く意味がないけど(^^;

・頑張って二つに分離すればSFUが2つになる。全く何の意味も無いが(^^;;

・2つ貼り合わせただけなので2つのCFを接続する配線が必要だ。本当にタダのカスケード接続なのだ(^^;;;

・初期のデータシートではCCで接続する指示があったが後期は直結してテストしている。

・そのCCの容量を変える事で帯域幅が微妙に可変できる。

・恐らく損失もSFUの倍になっている。ただの貼り合わせだから当然だ。

・カスケード接続だと損失が大きいがスカート性能は倍になる。

・SFU4xxBの×2だがIFTの二次側インピーダンスZ2は倍以上になるようだ(7T→14T)。

 某フィルター研究サイトでは「黄色いマルチブロックのアレ」というお笑い扱いだったが、HSDLでテストしたところでは単体のSFUとは明らかに一線を画している。ER-C55Tに使用されている謎CFはこれと同等だろう。でもホントにSWで実用できるのは×3くらいかな。


★完成(^^;
 で、当初は上のSFZ455を偽造する手筈になっていたが、ER-C55Tの解剖でCFが2エレらしいという事が判った(注2)。同性能では勝てないので3エレで実験してみたい。エレメントを増やすと言ってもただ繋げれば良いというものでもない。繋げれば繋げるほど損失が何倍にも増大するのだ。2エレのカスケードまではメーカーアプリがあるが3エレは見た事が無い。実用的な損失で収まるかどうか甚だ不安がある。それも含めて実験してみようという事である。


sft455b
 チョット曲がってしまったが中華SFU455B×3をシアノアクリレートで貼りつけた。これをSFS455Bと名付ける。Sは3と言う意味だ(注3)。実際この記事の内容はそれが全てであり中身も何も無い。貼っただけ(^^;


sft455b_after
 ただ貼るだけでは斑多と同じで芸が無い。HSDLは改造用として使用するので予めCCを内包してみた。当然ながらSL以上を使用する(HSDLではCHを使用)。この当時はMLCCは1608で揃えていたが1005の方がこの用途には向いているかも。次に揃える機会があったとしたら1005で行こう。落とすと紛失しやすいがな…。


sft455b_before
 このハンダ付けが死ぬほど難しかった。イヤ実はハンダ付けそのものは難しくないのだが放熱されないので部品が溶けるのよ(^^; 時間を掛けなければいいのだが、実は貼り合わせがヘタで曲がっていたため電極がバラバラになっているのだ。つまりハンダ付け以前にシアノアクリレートで貼り合わせた時点で敗北していたのだ。上手い貼り合わせの方法は無いかな?治具を作るしかないか。


handa
 上は1mm以上ある奴で真空管セットやアンテナ工事に使うもの。中が0.6φの奴でこれが通常電子工作に使う奴。下が今回使ったSMD用の0.3φだ。ハンダには用途があり兼用する事は出来ないが電子工作を一つで済ませるなら0.6φかな。それだと今回のようなSMDは難しいけど。

 ご存じの通り筆者は最近ハンダ付けが嫌いである。ハンダ付けをしている最中は「もう二度とやりたくねー」と思っていたが、終わってみると「もう一度やってみたい!」と思っているのだから不思議だ。そうか、漸く解ったよ。ハンダ付けが嫌いなのではなく、簡単で退屈な作業が嫌いなだけなんだな。昔は三度のメシより好きだったものがそんなに嫌いになるのはおかしい。難しいハンダ付けならまた出来そうな気がする…ホントかよ(^^;


 閑話休題、ピン配列は貼り合わせの成り行きで行くしかないのでこれ以上の自由度は無い。何かもっと巧い手はないだろうか?自作ラジオなら配列など自由だからどうでも良いけど、我々の目的は既製品の改造なので基板に合わないと非常に困る。線材で足を伸ばす度にストレスがたまる。インダクタンスを付加して形状比に良いわけがない。なおグラウンドが配線していないのは実装先に合わせるつもりだからで、実装先の穴の配置を見てどちらかに寄せるつもりだ。

 そうそう、SFU→SFZになったらIFTの二次巻き数も変わってくる。Z2の目標は300Ω→1.2kΩとなるので具体的には7T→14Tに増やす。このSFS455Bも増やした方が良いのかな?もっとも2003系はIFTレスがウリなのでIFTは無いのだけれど。インピーダンスマッチングはどんなものでも非常に重要で、合っていないと損失増大・中心周波数シフト・リプル増大等の実害が間違いなく出る。SやQだとインピーダンスはどうなるのだろうか?測ってみたいけど面倒くさいな。


sfq455b
 実は4枚重ねのSFQ455Bも既に完成している(^^ ただノリで貼るだけだけどな。Qは勿論クワッドの意味である。クワッドは損失が更にデカいのでダメかもしれない…でももっと選別できれば上手く行くかもしれない。ちなみに選別すると損失の少ないのがあるが不良品もマジで多い。もし中に1個でも不良品が入っていると性能がとんでもなく悪化する。

注2:低背幅広形状から言って鍵電子のLT455JR若しくはその互換品の2エレだと思われる。このCFは生産中止になった斑多PFB455JRの互換品だ。見た事無いけどこんなに小さい2エレを既に出していたんだな。手抜きの斑多もちょっとは進歩したと(^^

注3:当初SFT(トリプル)455と名付けたら既に同名の製品があったので慌てて変更した。複数の記事を書き直すのに時間が掛かってしまった(^^;


★ラジオ改造記事へ続く
sft_sfq_ura
 上が3エレ、下が4エレ、3エレの方はCC増量版(SFS455BW)だ。CC増量版はオリジナルでは少ないかもしれないと危惧したために急遽製作した。4エレは当初より増量版と同じである。

 このSFS455BNはいずれHSDLのラジオに搭載される見込みである。性能についてはその時にハッキリするだろう。まずは選択度が極悪のRAD-F1691Mだろうな。高選択度で成功するか?無残に失敗して敗退するか?このうんこラジオがまともになったら大したものだ。机上の計算では2エレのER-C55Tを余裕で上回るはずだが果たして(挿入損失は稍心配だ)。


★おまけ:SFV455LS?(^^;
 CD2003GPのデータシートには謎のパーツが出て来る。SFV455LSと言う謎のCFだ。スペックが分らないので検索厨房は苦悩する事になるわけだが…。

sfv455ls_1
 これがCD2003GPの測定・アプリケーション回路にしか出てこない謎のCFである。ネット検索してもこのデータシートしか出てこない(^^; 当初は無名の中華メーカーが製造しているのか?と思っていたが違った。

 実はこれは斑多のSFU455C5だという事がHSDLの調査により判明した。恐らくカタログデータを転記する時に手書きでメモしたのだろう。その時にメモの字が下手糞だったために写植でUがVに、CがLに、5がSになっただけなのだ。いずれも字がチョー下手な人にはありがちだろう。何ともお粗末な話でした。

sfv455ls_2
 SFU455C5はTA2003のSW用アプリに出て来るSFZ455JLのシングル版だ。このように数値的にもSFU455C5がその正体であることが証明できる。測定回路にも使われているし。

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