HSDL.blog.jp

ジャンクPCパーツ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

部品の話

面実装アルミ電解

 タンタル電解に引き続き面実装の通常アルミ電解の写真を並べようと思ったが力尽きた(^^; 書いていて全然面白くないから。途中で強制終了したので残骸だけ上げておく。

 ポリマー系に多い青い奴とこれ以外のはニチコンだろうがケミコンだろうが全部不明中華扱いでも良い。大差無いから知らなくても良いのだ。ぶっちゃけ↓を覚えなくともポリマー系と通常アルミ電解の区別さえつけばジャンカー試験合格だな。


★Panasonic
=S=
ec23_24_25
 パナの一般用85℃品で、SはスタンダードのSだ。これはおなじみK8T Neoに使われていたもので、前世紀から非常によく使われている面実装アルミ電解コンの代表だ。HSDLの解析・改造記事ではこの記事を始め枚挙に暇が無い。


★SANYO・SEI
=CE-AX=
c39
 SANYO時代から標準品ではチョイ足りない部分に使われているSEIの高性能品。ソコソコ低インピーダンスで大容量である。HSDLの解析記事、特にビデオカードの記事では無数に出て来る。


★ニチコン
=UA=
UA100E
 大きいのは輪っかマークとズバリ品種が書いてあるから分るよね。小さいのは中華と区別がつかないので諦めるしかない。尤も4〜5φのチビコンは有っても無くてもどうでも良いパーツなので耐圧と容量が判れば問題は無いはず(つまり知る必要なし)。筆者も知らないけど一度も困った事は無い(^^


★Nケミコン
=MV=
MV10H
 MVは一般用85℃品。大きいのは鍋蓋マーク入りだし、小さいのは何となく書体で判れ。筆者は全く使った事が無いどころか新品を買った事も無いので判別法を知らないが何となく雰囲気で判る。データシートを全部見て品種・形状を全て暗記するしかない。それで何となく判るようになる(^^ ここで一部判定している。


★終了
 SMDのV系は中華不明品や偽物コピー品が氾濫しているので上以外見分けるのは不可能に近い。なお青・水色とか赤とか紫とか派手な奴はほぼポリマー系で、重要部分に使われていれば確実となる。しかしどうでも良い部分で使われている物には色付きでもここで書いたみたいに違うのもある。

 もし交換したいなら品種を知るよう努力する前に回路に詳しくなる事だね。回路の詳しくなれば何を付けたら良いのか教えてもらわなくとも判るようになる。元付いていたモノと同じ数値のものを付けるというバカの一つ覚えから一刻も早く脱却しよう。というかそんな人は弄る資格なしだと思うぞ。真の修理屋はオリジナルの値などには縛られない。それが間違っていたから壊れたのかもしれないのに、また同じ値を付けたら同じように壊れてしまうからだ。

タンタル電解愛好会

 要望が来たので没記事(まとめ記事クサいので没にした)が復活した。これはHSDLブログを読むための教養としての写真集だ。この記事に限らないが全くの初心者は相手にしていない(そもそも初心者は部品について知る必要が無いから)。通常の電解コンに何が表記してあるかくらいは分らないと知る意味が無い。ターゲットは学生さんでこれから解析ジャンカーになりたい人向けかな。正直、筆者もまだ勉強中(特に昔の話)なので、このような記事はもう書かないと思う。


★メーカー限定
 タンタル電解の主なメーカーはかなり少ないのでこれだけ知っていれば問題無し。問題無しと言うのは「HSDLブログを読むのに不都合が無い」と言う意味で、皆様のジャンクライフの為ではない。なおHSDLは(この記事に限った事ではないが)部品の記事はPC系に限って書いているのでオーディオとか電子工作等の別分野は知らない。PCでもモバイル系はよく知らないし興味自体が無い。

・古いのを除く。昔の話はPCとは関係ないから。第一オレその時代知らないし。
・当然だが中華製は除く。表記を似せたコピー品だから判別不能に決まってる。
・松尾日立労務紅玉ケミ等PC界で零細なのは省略(昔のHDDで松尾を見た^^)。

 他にも一杯あるが(S+Mとか)敢えて無視している。もう無いメーカーが多いしシェアが低い。実際はインピーダンスが極端に違うポリマー系だけ覚えておけばいい。通常品は日本・欧米・中華・不明品共々全部同じ扱いで良い。固体タンタルは寿命で交換する事は無いのだから品種を知る必要もないし、精々耐圧容量を知れば充分だ。HSDLブログの筆者のように解析記事を書く人だけが頑張って調べればいい。とは言え筆者でも品種や性能は完全には判らないし、恐らくメーカー代理店の人だって判らないだろう。同じ外見で4、5種類違うインピーダンスの品種もあるのだから、表記のあるリールから離れたらもうわかりっこない。人生諦めが肝心。


★Sprague
c3f6
 現在はビシェイグループの一ディヴィジョンとなっている。実はこの固体タンタルは下のニチコンタンタルが生産していた。色々品種はあるがどれも大差は無いのでこの写真に似ていたらSpragueと判別する(^^ 通常は写真の293D(一般用)というのが使われているはず。PC系の採用例は昔のビデオカード等に非常に多い。WS440BXにもT491と共に使われていた。


★ニチコンタンタル
 ここに書いたが現在はAVXに吸収されて消滅。Dippedタイプはマネ下のS89をそのままの名前で売っていたようだ。

=F93等=
f93_10uf16v
 他にもF97とか色々あるがマイナー。昔のPanasonicのタンタルを引き継いだもの。品種は大差ないので知らなくても良い。参考記事はこれ(ニチコン時代の物で現在はパッケージは変わっている)。Bサイズでも容量と電圧が通常表記されているのが特徴(他メーカーでもあるが)。これより大きいのはニチコン輪っかマーク付きもある。

=F95=
kuikomi
 キューピーの頭でおなじみ(^^ HSDLブログ記事ではモバイル用のモデムに使われていたけど今は絶滅している。HSDLでビデオカード改造に使われたので出しただけで、スッキリ忘れても良いけど覚えちゃうほど変な形。OEMで他社(Sprague)も販売している。写真のは記事にもあった通り爪で押さえて破損している(^^;


★AVX
vmem_dc
 日本では京セラが販売。KEMETと並ぶメーカー。写真の通りAの字か三角印が見えるのですぐ分る。詳しくは秋月で実物を見ろ。通常はTAJ(通常)とかTPS(低ESR)が使われる。中華のコピー品がやたら多い。慣れるには本物をいっぱい見ましょう(本物は信頼できる店で買えばいい)。

hkt
 偽物の例。本物を見慣れていないと区別はつくまい。筆者は見た目と手触りで何となく判る。


★KEMET
kemet
 タンタル電解コンではナンバーワンメーカーだったが現在はパッとしない(^^ 写真の通りKの字が入っているので直ぐ判る(これはT491)。ちなみに上のF93とAVXとKEMETはメジャーだけにコピー品が極めて多い。慣れないと騙される可能性大。慣れるには本物をいっぱい見ましょう。本物はRSとかモーザーとか信頼できる店で直接買えばいい。


★NECトーキン
 NEC富山(だったっけ?)→NECトーキンとして現在はポリマー系が主力。PC系ジャンクでは3種類しか見た事が無い。もっと昔はSVの次にSVHとかSVSとかSVZとかランクが付いたらしい。SVZがLowESRだったかな。これらは90年代のカタログを発見して知った。

=PS/L=
neocap
 NEOCAPというポリマー系タンタルだ。最近は安売りしているのか?ビデオカードやマザーでよく見かける。

=SV・E/SV=
 これは通常タンタル電解。現在は見かけないのでもうシェア無いかも。E/SVはSVの鉛フリー品なので性能も外見も同じもの。
sv_esv
 耐圧の次のアルファベットは製造年月を表している。但しアルファベットのIとO(又はiとo)は数字と紛らわしいので使われない。10VであってもボルトのVではない。大文字小文字を区別するので48通りあって一巡すると元に戻る。左アノードで容量・耐圧は通常表記だがAやA2では乗数形式+JISコードになるので注意。

=NEC NRT686M10=
usb_dc3
 これは多分NEC時代のNRTだと思うけど筆者より年上なので断言はできない(^^; HSDLの物件ではPC-9801に使われていたようだ。SVと同じなので忘れても一向に構わないな。

=樹脂ディップ自立型=
tokin_dn
 たまにPC系で見かけるが、現時点で見るのはDNだけ。高性能のDHRや逆実装防止の3本脚のDTというのもあるらしいがまだ実物を見た事は無い。基本的に写真のような青い色であるが、以前は民生機器用DAシリーズのような違う色もあった(らしい)。いずれどこかで発見したら見せてやる(特に探していないので偶然に頼るしかない^^;)。PC-98の中に入っていたのはDNだったような。なおディップ系は全てインピーダンス規定はされていないのでタンタルだという事が判れば問題無し。逆接続すると派手に炎上する場合がある。


★Panasonic
c827
 上がPOSCAPで下が293D。POSCAPにはアルミ電解もあるがシェアが無いし、SP-CAPと競合するためか近年販売中止した為考えなくていい。POSCAPを知らない奴はモグリというくらいビデオカードやノートPCでは大変にメジャーである。これ知らんと調査も何もできないわな。ポリマータンタルなので通常とは全くインピーダンスが違う。ポリマー系と通常タンタルとの互換性は皆無に近いのでそのつもりで。


★終わり
 他に何かあったっけ?思い出したら追加すればいいか。外見で品種が判るのは恐らくKEMET(一部不明なのもある)くらいで他は見ただけでは分らない。VRMとか付いている場所で品種や性能を推定するしかない。もっとも品種を知る必要はないと思うけど。どうしても品種に興味があるならRSやモーザーにその品種を注文してみればいい。当然だが送られてきたのがズバリその品種だ。これならカネと根気があればアホでも判る。実装されている部品の性能は外して電圧処理してからメーターで測れば良い。ま、タンタルは比較的メーカーが少なく判り易いので横着するなって事だね。頭を使って論理的に判定しよう。

 解析能力も才能のうちなので解らない人には一生判らないと思う。HSDLサイト開始時には小学生だったこの記事の筆者が誰かにこれを聞いて覚えたと思わないように(^^

27年前の電解コン

 何とHSDLのこれまでの記録を大きく上回る27年前の電解コンだ(注1)。恐らくHSDLが所有している電解コンデンサの中で(生産年がハッキリしている製品の中では)一番古い製品だと思う。何でこんな古いものがあるんだ?筆者よりブッチギリで年上じゃないか。買ったら全部使えよ(^^;


elna_re2
 ELNA製RE2 2200μF10Vである。HSDLに残されたメモに拠ればアキバで手に入れたそうだが詳しい事はよー解りません。クソつまらないであろう由来を知りたくも無いが(^^ リード線が錆びていないので保存状況は良好と言える。

 さて一般用85℃品のRE2はとっくの昔に廃品種で、今は後継のRE3(これもかなり古い)の時代だ。古すぎるためにデータシートもELNAサイトには既に無い。と言うかこの時期だとPDF(まだ無い^^;)のは無いだろう。

ELNA RE2 2200μF 10V
Case size:12.5φ×20
Impedance:NA
tanδ:0.21
Rated ripple(85℃,120Hz):1050mA

 カタログによると性能は上記の通りで、今となってはかなりショボイ性能だ。現行品のRE3より大型で(注2)、同サイズの性能でも負ける。一般用も地道に進歩してるんだね。それにしてもエルナーはマイナーだよな(←ダジャレ)。現在PC用には使われる事は殆ど無いのでHSDLには縁が無い(注3)。非固体だとRJFがWXと同等だが、そもそも使おうにもどこにも売っていない。アキバでは今は亡き鈴商でしか見た事が無い(RJJだったかも)。


re2_2200_cap
 未使用品サンプル3本の120Hzの容量を測ってみた。このように全てが±20%の規格内に収まり直流回路では充分に使える事が判る。ソコソコ大型なのが寿命にも好影響を与えているのだろう。外見チェックでもこの時期の電解コンにありがちな封口ゴムの劣化は全く見られない。27年目の今季もズバリ使えます。


re2_2200_esr
 一般用85℃品の為インピーダンス規定は無いがESR=100mΩ位か。鯵で測りに行くのも面倒なので試しにDE-5000のCsモード1kHzで測ってみた(注4)。結果は0.08Ωで劣化していない?そんなバカな。まあ計測結果はテキトーなので参考記録ということで。新品に近い電解コンと比較した感じでは問題無さそう。何にせよコイツを使う気マンマンだ(^^


re2_denatsu
 試しに電圧処理をかけてみた(注5)。容量は完全回復か?ESRも向上している。やはりある程度サイズが大型だと電圧処理の効果は高いようだ。


 この電解コンは記事で使われるため掘り出してきたものだ。もちろん古代の物件なのでバカ記事以外にはありえない。近いうちに計画だけは日の目を見るかもしれない。

注1:実際の生産週は1990年40週なので厳密に言えば26年ちょっとである。

注2:RE3の2200μF10Vは10φ×20(1080mA)である。同サイズは3300μF10V(1430mA)だ。

注3:HSDLの記事ではTYAN S1572にRE2 470μF10Vが使われていたようだ。前世紀だけど1997年頃にはまだ存在したのね。このS1572はVRMがシリーズレギュレータICだったので一般用85℃品のRE2でも充分だった。

注4:Csモードではこの容量のESRは1kHzまでしか測れない仕様のため。

注5:但し定格の10Vではなく5Vで掛けた。時間は忘れていたので8時間くらい掛けているかも知れない。長時間かけても問題は無いがメリットも無い。


13年前の電解コン

 前々回前回が大好評につき第3弾(^^; ニチコンばかりだとアレなので今日は別メーカーで。


★ルビコンZL3300μF10V
zl3300u10v_1
 これまではニチコンの四級塩モノばかり取り上げたが、今回は別メーカーで現役の水系電解コンであるルビコンZLである。アルミ電解コンの分類で言えば超・低インピーダンス品に入る。別メーカーで言えばNCCならKZE、SEIならWXがこれと同等品である(注)。

Rubycon ZL 3300μF 10V
Case size:12.5φ×25
Impedance(20℃,100kHz):18mΩ
Rated ripple(105℃,100kHz):2770mA


zl3300u10v_2
 この製品は2003年33週製造で、未使用品ではあるが納入先の要請でリードは短く詰めてある。このまま基板に挿してフローハンダ付けされるのだろう。スナップイン加工はされていない。恐らくキャンセル品だろうけどキャンセル理由が気になる。工場が閉鎖とかだったら一寸淋しいね。

 HSDLブログを長年見ている人にとってはおなじみとも言うべき電解コンであろう。今までこれを使用した実例は枚挙に暇がないが、代表的なのは初期のWS440BXであろうか(現在はKZH)。12.5φという巨大さのため現在では使い所が無く、一寸でもスペースがあれば無理やり10φの所に取り付けたりしているが全く減らない(^^; スペックは高性能なので付きさえすれば現在でも充分に使える。耐圧10Vというのがネックで、5Vにはオーバーで12Vには使えないという中途半端な奴だ。

注:nichiconだとカタログデータ上はHDがこれに相当するが、Z規定のポリシーが違うのでHSDLでは同等としない(1段格下)。東信UTWXWも同等だがどこにも売っていない(^^;

★動作?チェック
 今回は試みに中古も加えた。サンプルは未使用2本と中古3本で、中古はおなじみSAHARA3810で使用していたモノだ(あまり使っていないが)。動作の基礎となる120Hz時の静電容量は以下の通り。

新品2.88mF
新品2.87mF
中古2.88mF
中古2.87mF
中古2.86mF

 未使用・中古共に同数値と言える。ちなみにこの電解コンは2006年に入手したものだがその時と全く同じ数値である。規定は3300μFだが元々2900μF程度しか無い事になる。これは電解コンに許されている静電容量誤差±20%以内に入っているが、容量だけで言えば前々回のPF2700μF16Vと全く同等という事になる。また中古でも静電容量の劣化は無い事が判る。経験では静電容量が減少する事はあまり無い。30年、40年と経過すれば分らないが。

 ESRは鯵で測定したところ新品´(同値)を基準とすると中古は155%、同じくい227%、同じくイ101%だった。中古品はかなりバラつきがある。なおハンダゴテで外してから数ヶ月放置しており、電圧処理は全くかけていない。ちなみに一番劣化の激しいい謀徹欺萢を掛けたところ容量は不変だがESRが新品の150%まで回復した。水系は特性の変化が激しいようだ。これは古いマザーの挙動と一致するので、理論が現実と一致して安心した(^^


 未使用品は新品からの劣化はほぼ認められないので、これからもHSDLの交換・改造記事で多用されるだろう。まだ68本残っており、中古も利用しているので使い切れるかは分からないが。

ジャンク随筆

MLCC(積層セラミックコンデンサ)


 MLCCは温度・直流電圧・電流の変化に依り全ての特性が乱高下する、とても使いにくいデバイスだ。データシートにインピーダンスや定格リプルが規定されていない時点で賢人は理解するはずだ。もし規定するなら構造設計や素材選定は勿論、生産工程も全て見直しとなり値段は今の10倍じゃ済まないだろう。冒頭の理由と合わせて現実的には不可能と言ってよい。数値が規定できない以上、設計では行き当たりバッタリという事になる。スイッチング電源の設計でMLCCやインピーダンス規定されていない一般用電解コンデンサを使っている人はどうやって定数計算しているんだろう?学生さんのように「ESR=○Ωと仮定して」とか計算してるのかな。それって計算する意味無いじゃん(^^;

 あと石のように頑丈そうな見かけに似合わず死亡率が高くて、無鉛ハンダによる絶縁破壊も多数報告されている。筆者の知る限りは有機半導体系より死亡率ははるかに高い。不動のノートパソコンは入力のMLCCが燃えてるのが非常に多いんだよね。耐圧の限界付近の挙動が緩やかではなく、タンタルが燃えるように一気に破綻するように見受けられる。この辺りの挙動は謎だ。業界でもまだハッキリとは解っていないらしいが。

 筆者はメインDCではなく補助デバイスとしてしか使わない。高周波特性に優れるので補助としては比類なく優秀だ。最近(編注:15年前の話^^;)は不良電解コンデンサが話題になったからか、噴かないMLCCを高信頼性コンデンサとして信仰する人々が居るが、大電流回路を全部これにしたら信頼性の極めて低い物が出来上がるはず。そもそもそういう使い方って昔は禁止されてなかったっけ?

注:この記事は10年くらい前に書かれたものです(^^;


今更、電解コンデンサ

 いまさら人に聞けない電解コンデンサ。


★概説
 一口に電解コンデンサといっても色々ある。まず陽極による分類で、代表的なものにアルミとタンタル(ニオブ)がある。次が陰極による分類だ。テキトーに分けると、

青いOS-CON等:有機半導体(TCNQ錯塩)
SEPC・POSCAP等:導電性高分子(PEDT,PPy)
通常タンタル:二酸化マンガン(MnO2)
通常アルミ電解:3級塩、4級塩、水系などの電解液

 アルミ電解のアルミとか、タンタル電解のタンタルとは陽極材料で、陰極材料が上記の物質になっている。アルミ電解と呼ぶのはアルミケースに入っているからではないよ。分解してみると見た目は陰極もアルミ箔に見えるが、真の陰極は電解質だ。アルミ固体とかポリマータンタルとか呼ぶのは陽極の材質の為である。電解質が多ければ多いほど性能が上がるので、同じ電解液ならばケースの大きなものほど性能が上がる事になる。同じ大きさの同銘柄の電解コンは基本的に電解質が同量なので同じ性能になるわけだ(これが基本)。

http://ascii.jp/elem/000/000/323/323223/
http://ascii24.ascii.jp/2001/05/18/imageview/images646390.jpg.html
例1:銀色のカバーm9(^^)wwwHSDLの読者には言うまでも無く、12.5φラミネート仕様のアルミ電解だ。多分ニチコンHDだろうけど印字は全く見えないので銘柄は保留。

spcap
例2:これはパナソニックのSP-CAPである。分類は「アルミ電解コンデンサ」だ。形が似ているタンタルでもニオブでもないので念のため。今でもタンタル電解コンデンサと勘違いしている人が多いので特別に再掲する。もちろん現代的にポリマー系である。

 ちなみに無機固体電解質アルミ固体電解コンというのも過去にあったが(MX等)、現在販売されている製品は無いだろう。CE88なので使ったことが無いが、普通のタンタル並みで大した性能ではなかった。現在はカタログもWeb上から抹消されて痕跡すらない。MFZとかもそうだけど、サンプル出荷だけで採用実績自体が無いのかもしれない(未確認)。無責任予想だがクソ高かったか何らかの欠陥が露呈したのだろう(^^ データシートには温度変化によるリプルが記載されていたので教育的には良かったんだけどな。

 閑話休題、リードタイプはリード部分など電極引き出し部に抵抗があるので、電解質が進歩しても一定以下の抵抗にはならないだろう(3mΩ位が下限かな?)。このため将来はプロードライザのような形状に変化していくかもしれない。プロードライザは単体コンデンサではないが、単体コンであってもその形状が望ましいのではないだろうか。しかし底面電極になると生産は同様でもリワークは極度にしんどい。ジャンカーとしては困るな。

 まとめると、アルミ電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサというのは陽極による分類で、外見とは関係無い。それぞれに陰極の違いで固体・非固体がある。


★コンデンサの温度と性能の関係
容量:温度高>温度低(変化量は性能に影響するほどではない)
ESR(小さいほど良い):温度高<温度低
耐リプル(大きいほど良い):温度高<温度低
漏れ電流(小さいほど良い):温度高>温度低

 大雑把に言えば、アルミ非固体電解コンデンサは温度が高いほど性能が上がり、温度が低いほど寿命が伸びる。このように寿命と性能は相反関係にあり両立しない。両者のバランスが取れる温度が常用温度帯20〜60℃に設定されている。この辺りの周囲温度で使うのが望ましいのは言うまでも無い。


★アルミ電解コンの逆電圧耐性
 有極アルミ電解コンの陰極箔は耐圧を持たせる様な化成処理をしていない為に本質的には逆電圧耐性がない(設計値)。しかしアルミニウムは活性な金属なため、周囲の酸素と反応し自然に酸化皮膜が形成され、この皮膜により常温中にて2V前後の耐圧がある。と言ってもこの皮膜は均一性が低く部分的にばらつきがあるため、製品に於いては陰極の耐圧保証はされていない。がしかし、少なくとも−1V程度の逆電圧でアルミ電解コンが死亡する事は無いし寿命に影響もない。アルミ電解の於いては逆サージを気にする必要はないと言える。


★OS-CON
 誤解されている代表格がOS-CONだ。これについてメーカーが「カップリングコンとして使用禁止」とアナウンスしている。これはカップリングコンとして全く使えないとか危険だとか言っている訳ではない。そもそもACしか掛からない所では電解作用が起こりにくいから、原理主義的に言えばカップリングコンに電解コンデンサを使うものではない。本質的に漏れ電流が大きいOS-CONを使うよりもフィルムコンを使ったほうがはるかに性能が高いという事。ハッキリ解り易く言えばOS-CONはカップリングコンとしては低性能なのだ。

 にもかかわらず「使ってみたら使えましたよ(^_^)v」等と書いているバカが後を絶たない。部品の正しい使い方というのは確かにあり、動けばそれで良いわけではない。例えばスポーツタイプの車に一応荷物は積めるが宅配便の配達には使わないし、峠を攻めるのにエルフ(いすゞの方)を買う奴もいない。日頃似合わない仕事を無理やりさせられている諸君にはこのバカさ加減が分るだろう。インターネット上のそのような記事を読むのはもう卒業しましょう。

参考文献(順不同)
TECHNICAL NOTE (日本ケミコン)
アルミニウム電解コンデンサの概要(ニチコン)
OS-CON コンデンサ講座(基礎編・応用編)(三洋)
POSCAP コンデンサ講座(基礎編・応用編)(三洋)
↑メーカーの色々な都合もあるので全て真に受けてはいけない(^^


15年前の電解コン

20年前の電解コン」が仲間ウケしたので二番煎じ企画(^^

pr330uf6v_1
 これは以前からの読者はご存じの通りニチコンPR330μF6.3Vである。「20年前の電解コン」で扱ったPFと同じく四級塩使用のスイッチング電源用アルミ電解コンデンサである。これもPFと共に2002年にディスコンとなり、ニチコンのサイトでも既にデータシートは手に入らない模様。PFはPJに、PRはPSにコンバインされている(注)。スイッチング電源のリプル設計のためにインピーダンス規定はされているが、実際は一般用と差の無い性能だと思われる。

nichicon PR 330μF 6.3V
Case size:6.3φ×11
Impedance(20℃,100kHz):480mΩ
Rated ripple(105℃,120Hz):200mA

 タイトルの通り2001年45週製造である。未使用であるがテーピング加工済みで、加えてフォーミング加工も施されている。テープなので足のカットはされていない。

注:PF→PJ、PR→PSは代替品ではあるが完全な同等品ではない。例えばPJ2700μF16Vのインピーダンスは31mΩと一段上、PS330μF6.3Vのインピーダンスは500mΩと微妙に下である。尤もサイズは全く同一なのでこの程度の数値の違いなら同等と言っても間違いではない。

 サンプル10本それぞれの静電容量は以下の通りだった(規定の120Hzで計測している)。325〜332μFとほぼ残っておりシリーズ電源使用の直流回路なら充分使える。後に鯵で測ったところESRは100kHzに於いて534〜584mΩだった。規格では上記の通り最大480mΩなのでだいぶ上がっている。尤もこのESR値はニチコンの耐久性規定に含まれていない。

サンプル328μF
サンプル330μF
サンプル327μF
サンプル327μF
サンプル329μF
サンプル327μF
サンプル328μF
サンプル325μF
サンプル328μF
サンプル332μF

 前回も書いた通り三級塩や四級塩モノは水系に比べて比較的安定度が高いが、この製品の場合は小型のためか稍劣化が認められる。そこで規定の方法(注)+αで電圧処理を掛けてみた。これで多少は回復するだろうか?経験上は小型のものは電解液が少ないからか回復しない場合が多かったが…。

注:ニチコンでは2年を超える保存期間の時、「1kΩの抵抗を通じで定格電圧まで上昇させ、そのまま30分程度印加する」と指示している。勿論これは未使用品の場合である。

pr330uf6v_2
 以前も書いたがHSDLではこのような治具で電圧処理を行なっている。上で+αと書いたのは時間を60分以上に延長したため。

サンプル329μF
サンプル331μF
サンプル328μF
サンプル328μF
サンプル330μF
サンプル328μF
サンプル329μF
サンプル326μF
サンプル328μF
サンプル334μF

 処理後に容量計測したところ容量変化は誤差程度だった。ESRは温度によって482〜560mΩまで激変するので測るのを止めたが、ある程度回復しているように感じられた。尤もこのように古い電解コンは一般的には使用しない方が良いのは言うまでも無い。HSDLは実験的にこのような物を使っているだけである。小型一般用は長寿命でもないので10年、20年経過したモノは惜しくても捨てよう。それがもったいないと思うなら使わない部品を貯めない事だ。

 このPR330μF6.3Vは来たるべきバカ記事で最後のご奉公となる(使い切るつもり)。実はこの記事の作業は元々そのための布石で、電圧処理を掛けながらまだ使えるか確認する作業だったわけだ。記事は今年か来年かは分からないが必ず書く。書かれない方がむしろ幸せな記事だが(^^;

ジャンク随筆

電解コンの容量


 かなり昔なので何所か忘れたけどマザーボードの修理をやっている人の記事を読んだ。その人が外した中華電解コンの容量を測って「容量ヌケしているので寿命」といった意味の事を書いていた。それでフト疑問に思ったのだが、この人は「正常な容量」というのをどのように規定し理解しているのだろうか?

 電解コンデンサの静電容量は一般的には 120Hzで規定されているが、製品の許容範囲は±20%も許されている。例えば1500μFの場合は1800〜1200μFの間で「合格」となるわけで、よく見かける電解コンの製品ラインナップが1200、1500、1800μFとなっているのはこれを考慮しているのだと思われる。この規定で行けば1200μFは寿命ではなく、まだ規定内の正常な容量という事になる。手持ちの日本メーカー製低インピーダンス電解コンは表示3300μF10Vだが新品で2900μFだったし、別の2700μF16Vは同じく2900μFだった。容量に関してはかなりテキトーな製品なのだ。

 かつてGF440MXから外したCE-AX1500μF6.3Vは現在の容量が実測1371μFでESR=120mΩとなっていた。これは元々の製品規格のESR(注)である90mΩと比べてだいぶ上がっているが容量は充分に規格内である。直流的には寿命とは言えないが、交流的には場合によっては寿命と考えられる(設計依存)。VRMの出力コンには容量的な意味以上にESR性能が重視される。という事で冒頭の人の判断は二重な意味で間違っている可能性があります。

注:製品カタログではESRではなくインピーダンスとなっている。これは自己共振周波数SRF以外ではESRより高くなる。例えば固体電解コンの自己共振周波数は300kHz以上なのでESRは既定の100kHzでは半分くらいになるはず。通常アルミ電解コンのSRF曲線は固体ほどシャープではないので同じと考えても大丈夫。

20年前の電解コン

pf2700uf16v1
 HSDLを長年読んでいる人は知っているであろうこのアルミ電解コンはニチコンPF2700μF16Vである。昔はこれをATX電源だけでなくマザーボードのVRMにさえ使っていた。何でそんな無謀な事をするかと言えば一杯あったから。この辺りの事情も昔の記事を読めば分る通り。製品自体はとっくの昔の2002年にディスコンになっている。2016年11月現在ニチコン公式サイトにもデータシート等は無いようだ(実はHSDLブログ開始時には既に無かった)。


pf2700uf16v2
 未使用であるが納品先の要請なのかリードは切られており、加えて今HSDLで話題のスナップイン加工済み(^^

nichicon PF 2700μF 16V
Case size:12.5φ×35.5
Impedance(20℃,100kHz):51mΩ(MAX)
Rated ripple(rms):1310mA

 実はこれ1996年37週製造というもう20年前に製造された製品だが、驚くことにまだ新品時の規格に合格する。あの悪名高き四級塩だけど対策済みなのだろう。


pf2700uf16v3
pf2700uf16v4
 それぞれ120Hz時の静電容量は上の通りだった。ESRは後に鯵で測ったら100kHzに於いて41と43mΩだった。規格では上の通り51mΩなので余裕で合格だ。


 三級塩や四級塩モノは水系に比べて安定度が高いのだが、それにしても20年経った今でも実用可能とは驚いた。ガラが特に大きい(12.5φ×35.5)のも保存性に寄与しているのだろう。いい加減もう捨てようと思っていたのだがこれからも使う事になる(^^


注:折角DE5000のUSB接続アダプタを始めフルセット買ったのだが、2年以上放置したらどっか行っちゃった為に情けない写真を撮る羽目に陥った。がしかし、こんな事になるだろうとは薄々思っていた(^^;



成長する電解コン(^^;

 先日テストしたBIOSTAR NF4UL-A9だが、特に用が無いのであのままレジ袋に入れて放置していた。今日10日ぶりくらいに取り出してみたら最後に一つ残った電解コンKZG3300μF6.3Vが膨らんでいた(注)。

注:テスト記事は9月前半に書かれている。

kzg1
 写真では分りにくいかもしれないが、微妙ではあるが確かに膨らんでいる。テストの時に膨らんでいたら他のと同じく抜いているはずなので、あれから放置中に徐々に膨らんだことになる。だいぶ前になるがP6ISA-IIでもあったよな。


kzg2
 間違えて外してしまった正常なKZG3300μF6.3Vはこうなっている。上のも当初来た時はこうだったのだが全く膨らんでいない。使わなければ放置しても膨らまないらしい。


 一度電源を入れて放置したら膨らんだ。この事から判るのは僅かな残留電荷でも膨張は進むという事だ。気温の高い夏だからか?手の届かない奥の方に入っていたら知らないうちに破裂していたかもしれない。

 全くこの電解コンは犯罪的だな。唯一健在のKZG3300μF6.3Vはいずれ何か厳しい所に使ってみたい。OSTのRLAだってここまで確実に期待に応えてはくれないだろう(^^



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