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主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

修理

AIWA CR-AS17

この記事はレビュー記事でも懐古記事でも買い物ガイドでもありません。シロート向けの使い勝手などの一般的評価は書いていないので、ラジオ好きで超マニアックな常連の変人以外はここでお帰りください(^^/~ 最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とします(リンク条件はこちらを参照)。

HSDL期待の哀話ラジオ登場!廉価ハンディ”CR-AS17”(^^;


 前回イヤイヤ修理した哀話だが動かなかったので今回は動くようにするぞ。


★SWのオーバーホール
 電池室のマイナス・コンタクトも酷かったがこれもかなりヒドイね。緑青は鑢やブラシで落とすと汚なくなるし傷もつく。また摩耗すると拙い個所もあるだろう。だから酸で洗うのが一番だがここに実装したまま洗うのはリスクが大きいし、そもそもカーボンの付いたVRを酸で洗っていいものか?良いわけはない。どうするか迷ったが、酸を表面に少しずつ垂らして拭き取る手法を選択した。地道で面倒くさいけど仕方がない。


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 結果として上写真のようになったが写真だと大して違って見えないな(^^; ついでにSW接点 も磨いたがまた酸化するだろう。完璧を期すなら導電性のグリスなどを塗った方がイイ のかも知れない。がしかしHSDLには存在しない導電グリスを使うのは新たに買う事と同 義であり、この程度のラジオにそんなカネを使うのはもったいないし無駄だ。これがスラ イドSWならシリコーン・オイル薄塗りでイイんだけどな。取りあえず動かなくなるまで放置する。


★再びテスト
 さてSWのOHが終わったところで再度テストを行なう。ニッスイ電池を入れて再び電源を入れた。電源は普通に入った!成功だ。アリャ?変だぞ。音は出たがVRを回しても全くと言っていいくらい音量の変化が無い(^^; VRにガリもないし異常なところはどこにもないのだが何故だろう?推理するにVRも汚水をカブってカーボン部分が変質しているのではないかという事。これはもう直せないかも…取りあえずバラしてみるか。


★再びVRバラシ
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 やっぱり腐食はここにも及んでいるようだ。各接点が全部錆びてしまっている。面倒な事になったな…ただカーボン部分は無事に見えるので接点洗浄剤を吹いてやろう。


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 接点洗浄剤なんて上等な事を言っているが実はこれです(^^; これってライターのガスと同じで洗浄効果があるだろう。かなりテキトーだがHSDLブログを読んでいる人は納得できるハズだ。実は数年前に夏にHO巡回の最中に暑かったから買ったのだが、効果は一瞬しか無かったので持て余していたのだ。有意義に活用できたネ(^^

 これで試したら徐々にコントロールが復活したが完全にはならなかった。やはり中点である軸を磨かないとダメみたい。面倒くさいし時間切れなので仕様の確認に入る。


★受信してみる
 モードはMWでテキトーにダイヤルを回したが殆ど聞こえなくらい感度が低い。この道具立てならもっと高感度になるはずだ。以下の計測で感じたのだが局発が弱く感じる。どのくらい弱いかというとRF-B30ではほぼ拾えなかった。こんなに局発が弱くては受信は不可能だろう。ある程度までは感度は局発の強さに比例すると言われているくらいだ。ICラジオの局発が弱る話は聞いた事が無いので周辺パーツの不良だろうか?

 計測結果を見てもメチャクチャに低い方にズレており明らかに調整ズレだ。しかし不思議なのはシロートが触った形跡がないという事。という事は汚水に冠水してズレたのだろうか?不可解なので再調査の必要がある。FMはズレていないので恐らくVC関連ではなさそうだが、そうすると残るは局発コイルという事になる。変化するほど汚水は入らないはずだけどなあ…。ヒマが出来たら例の基板腐食部分なども捨てる気でバラしてみたい。

 FMに切り替えてみたが安物ラジオとしては明らかに分離は良い。局数の多い東京では安物のFMラジオはダイヤルを回しても「ビュッビュッビュッ」とはならずに各放送局が下から上まで全部繋がって聞こえるものだ。しかし感度はそんなに高くないのでDXは無理だろうね。

=周波数範囲チェック=
MW下限:466kHz(規定515kHz)
MW上限:1404kHz(規定1635kHz)
FM下限:74.7MHz(規定75MHz)
FM上限:109MHz(規定109MHz)

 時間や電源電圧によって範囲は上下する。加えてMWは選択度が低いので精度も高くは無い。MWは±5kHzの誤差が発生する可能性がある。


★調整
 どんなラジオでもそうだが、もし初めて開けたのであれば調整は弄らない方がいい。しかしジャンク品で誰かによって一度開けてあって弄られた形跡があれば調整し直さないといけない。

AM IF Adjustment
 SMにはT1=450kHzとあるが、実際はNGを使用してCFに合わせた方が高感度になる。NGはICのFE-OUTに出来るだけ疎に結合してノイズを注入する。または結合しないでT1(IFT)と誘導結合しても良いかもしれない。NGで合わせた場合はIFはCFに依って不定となるが450kHzに合わせるよりは高感度になる可能性が高い。これはこの製品だけでなくCFで選択度を決定するトランス使用の粗ニーICラジオ全製品に言えることだ。

AM Ferq. Range Adjustment
 レンジはもちろんVCの開度によって合わせる。決していい加減な周波数スケールは見てはいけない。周波数カウンターで局発を直接測るよりも、デジタルラジオを使って局発を拾うか、デジタルマーカーを使った方が楽に正確に合わせられる。この程度の局発には周波数カウンターは重いのだ。デジタルマーカーはIFプリセットとか全然関係無いので調整用に自作するのも良い。勿論SG代わりやアナログスケールのラジオで待ち受け受信するのにも役立つ(^^ 昔使っていたけど想像以上に便利なのでお勧め。

L5=VCの羽根を全部入れて515kHzに合わせる
TC3=VCの羽根を全部抜いて1635kHzに合わせる
選択度が低いので±5kHz程度は許容範囲だ。

AM Trackig Adjustment
 トラッキングはJISCの規格通り。方法も一緒だ。放送波で調整しない方が好結果が得られる。調整したいならSSGでなくともSG(TO)で良いから入手しましょう。

L6=トラッキングポイントは600kHz
TC4=トラッキングポイントは1400kHz

 これらの周波数で変化が無くなるまで繰り返す。

FM Ferq. Range Adjustment
 FMは筆者の参照したSMが輸出用のものだったので上限しか確実ではないが他機から推定は可能だ。レンジはMWと同じくVC開度によって合わせる。決して周波数スケールは見てはいけない。

L2=VCの羽根を全部入れて75MHzに合わせる
TC2=VCの羽根を全部抜いて109MHzに合わせる
どちらも±0.2MHz以内であれば許容範囲だ。

FM Trackig Adjustment
 FMはMWよりVCの変化量が小さいのでバンドエッジで良い。但しFMのコイルは形状が微妙なのでヘボい人はどーでも良いラジオで練習してからにしましょう。さもないと元に戻らなくなってコイルを巻き直す羽目に陥ります(^^; まあ巻き直してもFMなので4〜5回巻きだから大した事は無いが。インダクタンスは140〜160nH程度だ。伸ばすとインダクタンスが減り縮めると増える。感度は通常局では大差無いので自信が無ければ触らないのが一番だ(^^; でもマニアなら一度は挑戦して欲しい気もする。と言うか調整を経験せずにスーパーヘテロダインは語れない。組み立てだけならストレートラジオと変わるところは無いのだから…。

L3=トラッキングポイントは76MHz
TC1=トラッキングポイントは108MHz

 これらの周波数で変化が無くなるまで繰り返す。但しMWと違って何度も繰り返さなくても直ぐに合うと思う。


★終わり
 最下級の価格だったが解析では楽しむことはできた。特にSFT(3エレCF)が実際に使用されているのを初めて見たので感動した。今更こんな事を言ってもしょうがないが哀話は良いメーカーだったな…。


★おまけ
 このラジオの回路図には当然FRAが載っているわけだが、哀話の回路図のいくつかはFRAの巻き数比まで出ている!このラジオの場合は130:25で、これはもちろんTUNE:130TでLINK:25Tという事だ。恐らくICラジオの回路図にFRAの巻き数比まで載せているメーカー他に無いだろう。カタログ感度も600/1000/1400kHzの3波に於いてS/N比10dB条件で計測というまるで通信型受信機のようなスペックが出ているし(^^; あまりにマニアックなので驚いた。

AIWA CR-AS17

この記事はレビュー記事でも懐古記事でも買い物ガイドでもありません。シロート向けの使い勝手などの一般的評価は書いていないので、ラジオ好きで超マニアックな常連の変人以外はここでお帰りください(^^/ 最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とします(リンク条件はこちらを参照)。

HSDL期待の哀話ラジオ登場!廉価ハンディ”CR-AS17”(^^


 2019年10月20日に110円で入手した不動ラジオである。「汚ラジオの復活」のER-P26Fと全く同じ症状で、同様にメタリック塗装が腐食している。それを見ると何か泥沼化のイヤな予感が漂うが、これはHO出身なのであれほど汚いわけではない(^^; さてどんなものだろうか?


★外見を見る
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 このラジオも高解像度写真があった。この高解像度写真があるというのはHSDLブログにとっては重要な意味を持っている。何故ならこれは最後に撮影したのは2019年に東伏見で撮影されたのが最後だからだ(^^; タイムスタンプには2019/10/24とあった。入手してからすぐに撮影された運の良いラジオだな。それからもう一年以上放置されていたわけだ。


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 何かフレアーっぽいが前世紀のニコポンが遂に絞り羽根が壊れたため。完全に壊れるまでの耐久テストなのでこれで我慢してください(^^; この腐ったテレスコピック・アンテナは粗ニー(オワタ音響)と同じ所から仕入れているのだろう(或いはオワタ音響製?)。ハッキリ言って破損しやすいので迷惑な存在だ。まあHSDLでは使わないので壊れないけど。


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 この電池蓋は本来は直付けで外せないのだが、当該機は爪が折れてしまっているので外れてしまう。それと蓋のスポンジはカメラにもあるが消耗品で必ず劣化する。保存が良かろうが使い方が良かろうがそれを防ぐことはできない。むしろ10年なり20年なりで定期的に剥がして捨ててしまった方が楽かもしれない。

 スポンジが生きているかどうかは強く押してみれば直ぐ判る。素早く元に戻ったら大丈夫だが戻って来なかったら潔く剥がす。これは隙間テープのようなものでシールになっているから上手くやればキレイに剥がれる。寿命は環境にも依るが20年が限度だろう。このラジオは2000年1月(2週)製と後に判明したがスポンジはまだ全く劣化の予兆は無い。保存状態が良かったわけではないのは判っているのだがよく解らない。予防交換するとすればこの辺りで剥がした方が良いのかも。

 で、ニッスイ電池を入れてSWを入れてみたが全くのスカ。電源が入らないのだ。これはいよいよ(悪い意味で)ER-P26Fに似て来たぞ(^^; 堪らなくイヤな気分だが早速バラしてみよう。


★解剖する
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 廉価ハンディという事で割るのには技術以外に幸運も必要だ(^^; ネジはこの電池ボックス内の2本しかないらしい。


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 おや?意外と簡単に割れたぞ。一度分解されているのではないか?と緊張が走ったがそうではなく、元から爪はそんなに厳しくは無いらしい。チョット評価が上がるね(^^


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 ギャ!何だこりゃ〜!これは汚水で汚れただけではなく、元からフラックスでベタベタに汚れているらしい。生産に疑問符が付くな。


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 先生!早くも不動原因を発見しました!これが巧妙な引っかけリーチであると気付くのは動作テストの時だった…。


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 おなじみのダイヤルメカですね。ここでベルトにカバーが付いているところに感動してしまった。だから裏蓋を外しても分解しなかったんだな。


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 SPは厚みが10mmくらいしか無い薄型でプラコーンだし音には期待できないか。ただ製造は悪くないと思った。


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 基板が爛れてますね…。触らぬ神に祟りなし!と思っていたのに基板を外したらSPのリードが取れてしまった…(^^;


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 ICは露出しているのに見えない。こういう時はPC時代にも活躍したイソプロピル・アルコールと言うか水抜き剤しかない。現れたのはおなじみCXA1619BMだった。確かCXA1019の耐圧が上がっただけだっけ。


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 FRAはおなじみHSDLの精密計測(笑)に拠れば9.6φ×51.4mmとなった。公称は10φ×50mmということだろう。これはフェライト指数で493となりICR-7とほぼ同じ。ポケット・ハンディ機としては最上級クラスである。数値的にはRAD-H245N(220)の倍以上なのだから、もし調整が完璧であれば高感度になるはずだ。


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 部品がサッパリ判らないので仕方なく基板を剥がす。何か部品配置がジャンクっぽいな…(^^;


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 CFはムラタ純正のSFU450Bである。この時期ならまだオリジナルのムラタ製SFUが手に入ったのね。IFが450kHzなのはPLL機(通常IF=450kHz)とCFを共通にするためと思われる。哀話はよくこの手を使う。もっとも単純に供給の問題かもしれないが。CFW455HT互換に載せ替えたくなるが我慢だ(^^;


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 これはヤバい!不動の原因がこれだったらイヤになるな。PC-88のプロテクトで言えばOZAWAチェッカーの解析並みだ(^^; 基板はアテにならないので空中配線になりますね。


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 実はこのラジオの最も注目すべきところはAMではなくFMなのだ。何と10.7MHzのCFに3エレのSFT10.7Mが使われているではありませんか!イヤ実は知っていたけど白々しく驚いて見せる(^^ でも廉価機で3エレ使っているのは哀話だけだと思うよ。これだからこのラジオを絶対に動かしたい!と思って面倒な修理を行なっているのだ。肝心のランクは判らないけどSみたいだから恐らくMS2だね。帯域幅は標準の230kHzという事になります。


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 遂にSPの配線が取れちゃったよ…リード線はもうハンダが乗らず「何処を切っても金太郎」状態で全部使用不能だ。何でこうなるか解る?それはリード線が撚り線だから。つまり糸のように毛細管現象で汚水を吸い上げてしまうのだ。お陰で中までしっかりと腐食してしまいます。腐りラジオのリード線は全交換がベスト。気分は乗らないけど修理するか。


★修理
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 これを見て「何だ、簡単じゃん」というのが修理・ハンダ付けのシロート。これはかなりヤバい状況なのである。ヘタにコテで突っつくとパターンが剥がれる。かと言って手抜きしてハンダ(とはもう呼べないのだが^^;)を除去しないとイモハンダになる。


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 こうやって地道に「かつてハンダであった何か」を取り除いて行かねばならない。チョット間違えるとパターンが剥がれてしまいます。パターン剥がす奴はヘボ。前回やっちまった時は完璧にヤル気を無くしたので今回は真剣にやる(^^;


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 …遂にマイナスのリード線もキレちまった(^^; 面倒がらずコンタクトも外すしかないな。


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 イヤー出来ました。ここまで終わればもう70%終わったも同然。これが難しいところなんだよ。その後のハンダ付けなんて小学生レベルで、ここまでのハンダ除去がプロのレベル。ご丁寧に電気ハトメのようなものが打ってあって取れないからこれでハンダ付けする。


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 さてもう一つの問題点はこれだ。この時点では最有力容疑者のマイナス側のコンタクトだ。


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 錆取りして先端を磨く。これも面倒だがハンダ除去に比べれば大した事は無い。


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 実際これは鉄なので本質的にはハンダは乗らない(乗りにくい)。一見乗っているように見えても爪でガリガリやると大概落ちる。


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 完全に付いているように見えるけど残ったメッキに乗っているだけなんだよ。アテにならないので交換したリード線は巻きつけてます。


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 99%できました。まだ全部繋いでないって?こんなのを修理だの作業だの言ってはいけない。そこらのラジオッサンのうんこブログだってやっている。一瞬です。


★テスト
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 …で、電源を入れたら動かないんだこれが(^^; 何から何までER-P26Fと同じじゃないか!一瞬ショックで目が虚ろになったが(^^; 気を取り直して全体を見てみるとこのSWが一番怪しいね。


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 ここで終わりにするとまた放置されるに決まっているので今回は更に詳細チェック。テスターまで出してきちゃったよ(^^; 通常は修理の時にテスターなどを使う事は無いです。ICラジオにそんなに難しい故障は無いからね。

 で調べたら、このラジオの症状は初めてと言っていいくらい珍しい症状だった。SWは通じているのだが、電池の出力は2.5VあるのにSWの出力側は1.0Vしかない。これではいくら低電圧で動く粗ニーICと言えども無理。要するにSWが抵抗になって1.5V電圧降下しているのだ。もしここで4.5Vか6VのACアダプタを繋いだら普通に動いたかもしれない。


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 で、もう一度基板を外してSWを見てみたら…これは納得だな(^^; 中途半端に導通するのは面白い症状だと思った。試しにSW出力側に3VのACアダプタを繋いでみたら音が鳴り出した。ヤレヤレか。


★続く
 次回は完全に動かして出来ればテストまでやりたい。何よりもFMの選択度は絶対に確かめたいからな(^^

汚ラジオの復活(^^;;

この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

レベル1:メタリック塗装が腐食・変質しているER-P26Fの復活(後篇)


汚ラジオの復活(^^
汚ラジオの復活(^^;

 前号の終わりに言い訳を書いてバックレようと思ったのだが、悪い事にこういう時だけは全ての部品がしっかり見つかってしまうのだ(^^; それにこの連載は何故か人気記事の上位に入っているので今更逃げられないというのもある。結論から言うと音は出たのだが動かなかった。音が出たら動いたというのではないのか?そういう疑問はあるだろうけどまあそれはこれから書いていく。今回は後始末編という事で。


★何で電源が入らないの?
 前回はブザマにもまた電源が入らなかった。電源が入らないから修理したのにそれが出来なかったら意味が無いではないか。イヤこのラジオの場合は清掃が一番の目的だからもう充分目標達成と言えるが。


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 こんな簡単なラジオの電源が入らないなんてもうSWが原因に決まってる。ただコイツの場合はSWがちょっと複雑なのだ。何故なら一般的なVR兼用ではなく独立したモードSWと兼用だからだ。何処の接点が電源なのかパッと見た目では分らない。SWの下に配線があるからだ。

 しかしテキトーに電流計を使ってショートしていったらAMとFMの電源が入るポイントを発見した。やはりSWをスルーしないと電源が入らない。電流計でスルーすると音が出たのである。ここらでガッツポーズが出るがそれは早過ぎたのだ(^^; まずはこの専用SWをバラさなければならない。とてもバラせないように見えるのだがもう壊れてもイイからバラす。


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 開いたぞ!予想通り内部は緑青まみれ。これ掃除できねえよ!無理したら割れちゃうぜ。


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 それでも地道に磨いたらどうやら恰好が付いた。10分しか根気が続かない自分としては良くやったと思う。


★テスト!駄菓子菓子。
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 組み立てもOK!いやー奇跡の復活だ。さて電源を入れてみよう!入った!途端にSPから爆音が出やがった。VRを下げようとツマミを回したが全然下がらない(^^; そう、このラジオは汚水に浸かった為にVRが死亡しているようなのだ。バラせばいいと思うだろ?


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 ところがこの製品はVRが非分解式でツマミが取れないの(^^; これはもう詰んだな!ダメもとで接点洗浄スプレーを吹いてみたが変わらなかった。

 という事でラジオは鳴って無事動いたのだがVRが死んでいるっぽいのでそのままでは復活しないということになった。元々このラジオは復活しなくても良いと思っていたのでノウハウを得られただけで良しとする。しかしVRが死亡するとは想定外だった…。もしヒマが出来たらVRを破壊して後日譚の後日譚を書こう(^^


★レベル1強制終了(^^;
 という事で情けない事に完全動作にはできなかった。最初がこれでは次が思いやられるなあ。でも自分としては洗うのだけはよくやったと思う。いや洗うのもそうだが、特に筆者(10分しか根気が続かない男^^)が自分でよくやったなと思うのはSWの分解掃除だ。これは以前だったら投げていただろうから。次回のレベル2に向けてチョットは自信が付いたのだった。

汚ラジオの復活(^^;

この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

レベル1:メタリック塗装が腐食・変質しているER-P26Fの復活(中篇)


汚ラジオの復活(^^

 前回は触れるように洗浄した後バラして中身をチェックした。どうも動かない原因はスイッチや配線の腐食によるものらしい。これなら直るかもしれないな。今回はメインのケース洗いから始める。


★洗う
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 まずはスピーカーの掃除だ。端子は後でやるとしてコーンを磨く。この通り消毒・清掃して問題は無くなった。コーンが現代風に紙ではなくプラスチックなのでこういう荒っぽい作業(水拭き)でも問題無く耐えられるのだ。但しコーンがプラだと強入力時の音が何か変だけど(^^;

 さてケースをどうやって洗うか?ここで登場するのはHSDLがまだPC物件を扱っていた頃にアキバで手に入れたドスパラ(上海問屋)の超音波洗浄機だ。これを使ってメモリやCPUを楽して洗おうと思ったわけだが、試しにHJCLでレンズを洗ってみたら不良品を疑うほど泡が少ないので全く使わなくなった。リベンジでもう一度ここで動かしてみる。


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 この製品はメガネ用の小型品なので通常洗えるのはツマミ類だけである。しかしこのラジオは超小型なのでケースも余裕で洗えるのだ。ポケットラジオ万々歳だね(^^ とは言えホール部分を除いてはあまり効果はないかも。もし明らかに効果があるならもっと大きな奴を買ってもイイか?でもそのためにマン振りしたらそれこそ商売しないと割りに合わないな。BCLラジオ洗い屋とか?それは年金バーサンの駄菓子屋レベルで辛い商売だな(^^;


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 ケースは丸洗い。消毒したのでなめても平気なくらいキレイになりました(^^ 元々それが目的だったので当たり前だが。一番気になるメタリック塗装のダメージは消えないけど、実は地のプラスチックがグレーなのであまり目立たなくなった。これは稍ラッキー。

 筆者が塗装の達人だったら一から塗り直す所だが子供の頃から塗装は苦手と言うか好きではない。恐らく「注意力」や更に大切な「根気」が足りないので自分で塗ったモノが気に食わない。職人的な作業は何でもそうかもしれないが、塗装のような作業は特に隅々までマメに注意が行き届くかどうかで優劣が決まると思う(失敗時の感想^^;)。ベテランのモデラーであっても素人目でちっとも上手く見えない人もいるし、やっぱりこれも生まれながらの才能だと思うよ。


★組み立て・テスト
 移転や天候不順でだいぶ時間が掛かったが、部品も短時間で全て乾いたし一気に組み立てようか。ハンダ付けする場所は臨時で作った。ハンダ机を買う計画は再移転のために流れたので段ボール箱と板で作ったのだ(^^;


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 このコンタクトのハンダ付けがポロリと取れてしまった。これはハンダ付けが難易度が高そうだ。ハンダが乗るかどうかも勿論問題になるが、それ以上の大きな問題はコテを当てすぎるとケースが溶けるところ。と言ってあまり熱しないと当然ハンダは乗らない。そのさじ加減が難しいのだ。一番良いのはコンタクトをケースから外す事だ。これが二度と外す事は無い前提で組み立てられているので難しいのだが。最悪で溶着してある場合がある。


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 緑青が付いた上に黒く変色していたテレスコピック・アンテナの根元部分とラグも酢やサンポール等の酸で洗う(後水洗注意)。ちなみにヒドイ錆ではない変色程度なら磨きは重曹を使う。市販ケミカル用品の錆取りのようにあとで変質しないのが良い。


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 御覧のようにキレイになった。このままだと時間の経過と共にまた酸化するので、接点になる部分には接点復活剤(=シリコーンオイル)を塗ってから拭き取る。


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 これも放置しようと思ったけどダメだよねえ?どう見てもまともに動作するイメージが湧かない。


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 面倒だがハンダ付けを剥がしてジャックを取り外してから酸で洗う。付けたまま強酸で洗うと二次災害の危険があるからね。で、外そうとしたらこれが極度に困難だった。まず無鉛ハンダで元々ダメなのに更に汚水をカブって「かつてハンダであった何か」になってしまっている。加えて基板が両面基板で放熱が良いのでなかなか溶けない。まるでマザーボードの電解コンを抜いている錯覚に捉われた。

 写真は剥がして洗った後だがこれで一時間くらい掛かっている。おまけにランドが一つ剥がれて、写真を撮った後で掃除していたら剥がれが二つになった(^^; 手前の一つは使われていないようだが、もう一つは一番肝心な音声出力線だったのでジャンパーを飛ばさねばならない。不可抗力とは言え非常にカッコ悪い。

 成り行きで220μF電解コン2本と10.7MHzのCFを抜いた。これは別の部品に置き換える予定。CFは狭帯域の1エレで電解コンは容量がピッタリな例の謎の中華固体電解を使いたい。


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 PVCのTCの内、右上のOSC?が完全に酸化しているが、回してみて容量が変化するようなら気にしない方向で(^^; この手のPVCは一応バラせるけど、素材も工作も貧弱なので元に戻らない可能性が高いから。ケースも勿論だが極小ネジもヤバゲで破損しそう。


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 あの緑青吹いて使えそうになかったイヤホンジャックも見た目は使えるように見えてきた(^^ 一応ここまででキレイにはなったものの、線材は前回のように全部オシャカなのでワイヤリングからやり直さねばならない。腐っていたオリジナルの線材は迷わず全部捨る。中身が腐った疑いのあるワイヤを流用すると原因不明の不調に苦しむ場合が多い。写真のように長さは気にせず先ずは基板に足を生やす。何か基板が剥がれてからヤル気を失い投げやりになってきているが…(^^;


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 基板パターンが剥がれてしまったので飛ばしたジャンパ。カッコ悪い。他人の作品ならボロクソにいう所だ(^^ ワイヤーのハンダ付けもオリジナルの基板裏チョン付けはマネしない。基板設計で本来接続するはずだった穴にキッチリ差し込んでハンダ付けする。この方が基板裏のチョン付けに比べ外れにくいし切れにくい。もともと製造時に「穴に入れるのが面倒だから」こうしているだけだろう。もっともチョン付けの方が最短距離になる場合もあるかも知れない。


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 SPのハンダ腐りも修正する。コイル側のハンダは触らなかったがダメならもちろんやり直す。SPのハンダも変質しコテを当てても溶けないし馴染まない。まずは腐りハンダを除去しないと何もできないのだ。


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 あとはケースに入れて多少余裕を持たせた長さに切ってハンダ付けする。まるでキットを組み立てるような事になり面倒くさいがブログ記事ネタなので我慢!(^^; 線材は全て日本メーカー製のものである。入手したのは前世紀だけど保存は良かったのか腐食はしていない。

 ワイヤリングが完成したところで電源を繋いでSWを入れたが全く音沙汰なし!何と言う赤っ恥。これだけ苦労して全くのスカとは…(^^; これはワイヤー配線をミスったのではないか?或いはSWの不良とか回路パターンの目に見えない断線とか?全体が腐食しているといくらでも失敗パターンが思い浮かぶ。このように修理初心者に一番勧められないのが全体・或いは部分が腐食したラジオのレストアだ。動けばアッサリだが動かない場合はトコトン動かないのでそれなりに経験が無いと原因を掴むのすら難しい。この場合はICラジオなのでTRディスクリートよりはまだ救いがあるが。何しろ粗ニー系ICは回路はほぼIC内なので僅かな電源ラインや信号ラインだけだから。致命的に壊れるのはICの脚が腐って取れた時くらいだ(もっともそれも直せない訳じゃない)。サッサと直したいけど長くなったので次号へ続く。


★続く
 今回で終了するはずだったのにまさかの次号送り(^^; さて本当に動くのだろうか?次号を刮目して待て。

実はこの修理作業は最初に行なったのは東伏見に於いて2020/02/25でそれが第一回の記事だ。二度目が練馬に移転当初の2020/06/25でそれが今回の記事だ。三回目の記事はこれから作業を行うのでまだ出来ていない。作業開始からまる一年の歳月が流れていることに驚いてしまった。移転のドサクサで作業が出来なかった時期が長いが一年かけて修理とは気が長い話だ。それはそうと部品は紛失せずに有るのだろうか…(^^;


汚ラジオの復活(^^

この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

スゴクとっても超汚いラジオを何とか使えるようにするテスト


 ジャンク品の中には「ゴミ最終処分場から出土したのではないか?」と思うようなどうしようもなく汚れている物がけっこうある。まだ落札した事は無いけどオークションのラジオにはそういうのが多い。

 先日もまるで土に埋まっていたかようなICF-6800が出品されていた。驚くほど高価格(途中までだけど8000円以上にはなっていた)で入札されていたので出品者も「これだからテンバイヤー稼業は止められない!」って思っているかな?噂ではマジで各地の最終処分場を掘り返している人もいるらしいぞ(現代版宝探しはバッチイのだ^^)。ハッキリ言ってこういうのは売る方より買う方がどうかしている。閑話休題、

 そんな腐葉土ジャンクを他人事のように思っていたが、先日(と言っても2019年)HSDLにラジオ入りジャンク箱が寄付された。その数は何と100台以上!(^^; まあ一杯くれるのは有難いのだが中には前記のような半分「土」と化したようなのがある。参ったね。筆者はご存じの通り人並み以上に「汚れたラジオ」がキライなのだ。HOで店頭で見かけても手が汚れそうなので手に取る事すら無いし、そうでなくとも買ってきたジャンクは全部消毒するし、汚れたラジオをそのまま使っている奴を見ると殺意が湧くくらいだ。そんな奴は風土病にかかって逝っちまえ。


sankyoudai
 で、件のラジオ箱から取り分けて汚いポケットラジオを三つ選んだ。写真だとそんなに汚く見えないがこりゃキタネー!しかも部屋が臭くなるくらいヒドイ臭い!タバコの臭いなどとは全然違う生活臭や生ゴミ臭だ。HOに売っていたら迷わずスルーするのがこの手の汚ラジオ。いやそれ以前にHOにはこんなに酷いジャンクは出てこない。店員サンだって触るのがイヤだから破棄するのかも(^^; 以前超汚いICF-S60CR-S3を買っているがアレより断然ヒドイ。これは恐らく人の手が加わっていない自然の汚れ、つまりゴミ捨て場などに放置されていたのではないだろうか。HSDL史上最悪レベルと言っても良いかもしれない。時期が時期だけに病原菌が心配なレベルだ。

 この汚いラジオたちが何処までキレイになるか?というのが今回の崇高(笑)な実験テーマである。いつもはコストを最も気にするHSDLだが、今回は他のラジオのための実験なので(注)ある程度はカネを掛けるの許可されている。もちろん大金を叩くのはダメだが、元が寄付なのでノウハウを得られれば多少カネが掛かっても元は充分にとれる。なおカネを掛けても良いとは言っても手持ちの器具や薬剤を優先的に使用するのは言うまでも無い。

注:最終的には長年の使用∨放置で汚れたBCLラジオをバラして洗いたい希望がある。このウンコ製ラジオ洗いもそのための練習とノウハウを積み上げる事を目的としているのだ。

レベル1:メタリック塗装が腐食・変質しているER-P26Fの復活(前篇)


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 このラジオは既に取り上げているER-P36Fの単4電池版である。ラジオの中身は全く同じなので解析してもツマラナイ。本稿は汚れを落として使えるようにするのが目的だ。これが最も楽そうなので練習用ね(^^ このくらいなら過去のノウハウで大丈夫でしょう。外観の主な瑕疵はメタリック塗装が変質していること。この塗装は磨いても復活できないのでどうするかな。


★バラす前に
 今回はICF-S60CR-S3等と同じようにケース・ツマミなどを水洗するつもりである。なので全部バラすわけだが、ネジを外すために手で持つのがイヤなくらい汚いので何とかせねば。まずは触れるようにするのが先決だ。


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 電池室の中までも汚れが入り込んでいる。これでは動作チェックも出来やしない。

 実際このラジオには何の思い入れもないし、動かなくても全く問題ない物件だ。だからキレイにする「だけ」なら筆者はこのまま洗剤に浸けて洗ってしまうかもしれない。しかしそれだと大切なラジオをキレイにするノウハウは得られない。いくら何でも高価なICF-2001を丸洗いなんてしたくないから(やっているバカは居るけど)。なので面倒でもバラバラにして部品ごとに洗ってノウハウを積み上げていかねばならない。


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 ICF-S60やCR-S3は今や貴重な消毒スプレー→雑巾がけからスタートしたが、正直言ってこれは雑巾すらも使いたくないレベル。雑巾が可哀そうになるくらいヒドイ汚れだ。どうするか?まずは消毒スプレーと手を拭いて使い終わったペーパータオルで行ってみよう。新品ペーパータオルすら使いたくないラジオという事だ。


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 ぎょええ〜!キタね〜!ホコリ・泥・生ゴミ(有機物)だけでなく油汚れも感じる。思いつく全ての汚れを持っているのだ。まあでもこれで手で持ってネジを外せるくらいにはなった。第一段階は突破だな。


★ここで電源を入れてみよう!
 洗うのは良いけど「今はもう動かないおじいさんのラジオ」だったらくたびれ儲け。ジャンクだから完全動作は望まないけど、たとえ動かなくても致命的ではない、少しでも動く構えを見せるラジオを洗いたい。なのでここで動作チェックだ。あまり無いけど洗って動かなくなる場合も無いわけではない。


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 電池を入れるのもイヤなのでACアダプタ・アダプタで電源供給する。これで電源を入れたが何も反応が無い。これは電源が入っていない症状だ。ここまで腐っているのだからSWや内部配線もヤバいのかもしれない。触るのがだんだんイヤになってきたので動いたら予定変更で終わってしまおうかと思ったが、悪いことにこれで分解必須になってしまった(^^; しかも動かなくて「洗っただけ」に終わるかもしれない。


★バラす
 元通りにする事はあまり考えずに「とにかくバラせる限りバラバラに」という目標でバラした。こういう時に「BCLラジオと違って安物2バンドポケットラジオは良いな〜」と心の底から思う。バラすのも簡単だし、不慮の事故に気を付ければ壊したり戻せなくなる事も無い。メカがキライな筆者も自信を持ってバラバラに出来る(^^


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 やはり線が腐ってる…って言うかこれで動くわけは無い!逆に言うとこれを何とかすれば動くようになる可能性が高いという事だ。希望が出てきたのでやはり洗ってみたい。


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 このイヤホンジャックはどうしようか…これと同じのが哀店道に売っていればいいのだが。このままでは恐らく導通しないのではないだろうか。解っているとは思うけど、これがダメだとSPからの音も出ない。電源スイッチと並んでジャンクラジオで最も重要なポイントだ。


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 薄型SPもこの通り。不幸中の幸いでコーンが紙ではないというところ。紙ならもうオシャカになっている(こんなモノのラッパを張り直す気はしないな^^;)。


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 そもそも電源のリードが切れてるし電源が入るわけは無い!(^^; という事はこれは直る!という希望が見えてきた。


★ちょっと調査する
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 ELPAではおなじみ台湾レッドサンの製品だ。レッドサンは現在は沈んでいるけど良いメーカーだと思う(名前が親日的でイイ!^^)。


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 コーンがプラ製だけどこの通り。


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 ICは例によって無地だが粗ニー互換の中華ICに違いない。アナログラジオICを生産しているのは大中国であっても多くはない。恐らくCD1691だと思うんだけど。


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 フェライトロッド・アンテナのコイル部分が蝋が割れて動いてしまっている。洗って組み立てたら再調整の必要があるな。フェライトロッドの精密計測(笑)は4.0×7.6×39.5mmだった。実際はER-P36Fと同じもので4×8×40个覆里世蹐ΑHSDLフェライト指数は229(240)となり37中下から5番目となる。オーバーサイズは太さにも依るが長さ50个離皀里覆藜まりそう。140mmが180mmになっても大きな違いは無いけど、この辺りの小さなサイズは10mm伸びただけで案外効いてくるよ。何も聞こえない→何か聞こえる!みたいな(^^


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 CFは455kHz側はREDSUN得意の2エレで、F455CHと印字があるがどれもPFB455の同等品だ。10.7MHzはSKM4Tという謎CFで、一応検索してみたけど予想通り全く何も無し。10.7MHzの中華CFはSFE互換の2エレしか見た事が無い。もっとも廉価FMラジオにそれ以上のCFを使っていたのは「東芝や海外製IC好きのA社」製しか見た事無い(^^ 筆者はそのメーカーの3エレCFのを見た事がある。HSDLではナロー2エレと中帯域3エレを両方試したい。

 検索するとこのラジオはその性格上「ラジオのラの字も知らない初心者」が使用している場合が殆どだ。恐らくただの安物ラジオとしか思っていないのだろう。しかしこのラジオは粗ニーやパナのポケットラジオよりも選択度は確実に上なので評価されないのは気の毒だと思う。もっとも調整が良くないのが多いのでその場合は手を入れる必要があったりするが(^^; ちなみにネット上で検索したが、このラジオの選択度の高さに気づいた「違いの判る男」はたった一人だけだった。ラジオのハードウェアに特に詳しくなくても有能なラジオユーザーなら違いは解るのだ。閑話休題、

 道具立ては良いのでしっかり調整すればソコソコ使えるラジオになるだろう。内蔵アンテナは小さいけど、ライバルのRAD-F127Nがこれより下のショボイ小型アンテナ+同じICであれだけイキの良い感度だったのだからそれ以上にならなければおかしい。道具立てから行けば選択度は完勝しているので、再調整で感度が追い付けばこのラジオの勝ちという事になる。


★次回へ続く
 長くなったので洗浄・組み立て・調整・テストは次回に回す。性能以前に果たして動作するのだろうか?(^^;

ライトラジオ(^^;;

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

腐っていたFL-017の「中身」を動くようにする(^^;


ライトラジオ(^^;

 ボロボロ割れてきてどうしようもなかったケースは先日の不燃ごみの日に捨ててしまった。基板にもう帰る場所は無い。今回は取り出した基板だけを配線し直して動かしてみる。果たしてラジオとして機能するのかどうか。


★配線
 SPに乾電池を繋ぐという斬新な配線だったが、これって本当に必然なのか?筆者には何の意味も無いように思えてならない。がしかし弄るのは元通りにしてからの話だ。


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 配線にはハンダゴテが当たって被覆が無くなっている部分があった。工員のレベルが極めて低いのだろうか?そこでまずSPの配線を別の線材で一新した。詰まらないものですが日本製です(^^ 実はこのレベル低いハンダゴテの跡こそが犯人推理の伏線だったのだ。


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 次に電源ラインだ。コンタクトが付いているが、これはもう使う事は無いだろう。何故なら電池ボックスでもあったケースは捨ててしまったのだから。そこで新たに線材を使って配線し直した。+線はオリジナル通りに配線する。ホントに大丈夫なのコレ?先回りして言うと大丈夫じゃない


★電源を入れる
 いつものようにACアダプターアダプターで電力を供給する。ではスイッチオンだ。全然動かない。それは当然で、SPに電源供給してICラジオが動くわけは無い(^^; ああもう解った。これは壊れているわけではなく何か間違っているのだ。


★もう一度調査
 どう考えてもSPに電池を繋ぐICラジオなどあるわけない。電源はその位置でよいみたいだから、これはSPの繋ぎ方が間違っているのだろう。


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 調査中に電球の脇のホットボンドを取ったら、何とその下からSP+が出てきたではないか(^^; やはりSPの繋ぎ方を間違えているのだ。製品としてこのような間違いをしているのではない。何故ならSP+には線が繋がっていた形跡があるのだから。

 つまりこのラジオは前ユーザーが修理(と呼ぶことはできないのだが)したらこうなってしまったのだろう。まったく世の中には頭悪い奴がいるものだ。今まで見てきた頭死老の修理の真似事の中でもナンバーワンクラスのバカ。死ねとは言わないので頼むから何もしないでジッとしていてくれ。


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 これで完璧だよバカヤロー!ICラジオがそう簡単に壊れるわけは無いのだ。


★再び電源を入れる
 やっと動いた。どうもラジオが付いている間は懐中電灯が点灯するようだ。懐中電灯は単独で消せるがラジオだけ消すことはできないらしい。ラジオを消したら懐中電灯も消えてしまったので。なんて変な仕様なのだろう。単独の懐中電灯としては使えないではないか。普通に考えれば逆だと思うぞ。

 SPの音は当然ながら腐った音だが検波切れするようなゲルマラジオよりはマシだ。トラッキングは調整し直さないでそのまま聞いてみた。感度は通常レベルより稍落ちるがローカル局が受信できないような事は無い。選択度はあまり良くないが昼はローカル局しか受信できないので全く気にならない。選局はできるので高一やらレフレックスよりはだいぶマシだろう。夜になると東海ラジオやRCCくらいなら受信できる。

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 苦労してSPから録音した。お聞きの通りSP開放なので全く低音が存在しない(^^; まあ大昔のポケットラジオはこんなのだった気がする。


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 こんなSPだからねえ…。何かもう色々評論したくないレベル。小径なのはイイとしてコイル部分が異様に小さいし、とてもじゃないが普通の音が出る気がしない(^^; 小学校時代に中古部品だけで組んだバラックの高一付きストレートラジオを思い出してしまった。アレは何かの業務用機器の基板を流用して作ったから汚かった。

 このラジオは前回書いたようにIC周りの配線で気になるところがある。同じこの部品を使ってももっと良くなる可能性はある。修正したいなあ。でもやりだしたら全部変わってしまう気もする。


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 特に何も意味のない高解像度基板画像。実は猫又研でレンズのテストのために撮ったもの(^^


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 更に意味のないSPの高解像度画像。コイルが異様に小さい。透明コーンだと粗悪SPの構造やダメージ(錆とか)がよく解るね(^^ 35个判颪い討△辰燭40个△襪福


★終わり
 あまりにヒドイラジオだったので動いただけで満足しよう。恐らく今後このラジオ基板が表に出る事は無かろう。ラジオを誰かにあげる時におまけとして付ける。100(110)円分は充分に楽しめたと思う。

不動のICR-7(^^;;

この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

不動のスリムポケットラジオを蘇らせる(^^


不動のICR-7(^^

 前回はバラしただけで終わってしまった。今回は可能であれば修理するが、TRと一部回路が変わる可能性があるので正しくは修理ではなく改造となる(注1)。


★原因究明
 前回のチェックの最後でFE付近のTRの脚が黒ずんでいたのを発見した。とするとこの時代、特に粗ニーのラジオ・オーディオ系製品にありがちな2SC710不良である可能性が一番大きい。取りあえずこれを交換してみてから結果を見て今後の身の振り方を考えよう。

 このラジオはクラシックと言ってもそんなに貴重ではないのでオリジナルの2SC710に拘る必要は無かろう。粗ニーがここに2SC710を使った理由は「他と兼用すれば大量仕入れで有利だったから」以外には無いのだから。MWラジオのIFなんて小信号用ならAF用だって使用できるくらいどーでも良いものだ。但し2SC1815はバイアス変化に鈍感なのでAGCが掛かりにくいという説もあるが。閑話休題、

 代替品は何にするかな?上記の通りMWなので何でも良さげだけど、もしIcが規定より流れ過ぎると電池がソッコーで無くなる。もしIcが流れ過ぎるだけならバイアス調整すればいいわけだし、デバイスが変わるのだから回路そのままで修理する必要も無い。筆者は全く違うTRで同等の回路を構成できるので部品については何も心配しない。望むなら粗ニーより良い回路にだってできる(^^ でもそれだと我々がやりたい「製品評価」からかけ離れてしまうのでやらない。今、我々は良いラジオを製作するために努力しているわけではない。出来る限りオリジナルと同等なモノを再現するのだ。


★作業
 まずは交換以前に現在付いている2SC710(と思われるTR)を外してみよう。話はそれからだ。


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 何しろFE全体がパラフィンで埋まっていて、しかもTRが印字面を下にしてうつむいている。全てはパラフィンを除去する事から始まる。あまりの暑さに?パラフィンがクリーム状になって全然取れねえ…いやこれパラフィンじゃないんじゃない?いくら暑くても気温で溶けるなんて融点低過ぎだよ。粗ニーめ、迷惑なことしてくれやがった。これって局発の安定度を高める工夫なのか?室温で溶けちまうようなら効果無いと思うが…(^^;


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 ムカついたのでパラフィンをある程度取ってからコテライザーで炙ってみた。アリャ溶けたぞ?やっぱり融点の低いパラフィンだな。変だなあ〜。ちなみにコテライザーは今やこのような外道?用途にしか使っていない。面実装パーツ付け外しには明らかに火力が足りないしハンダゴテとしては温調不可なので論外レベルだが、熱収縮チューブや蝋溶かしにはナロー・スポット攻撃できるので非常に便利だ。カネが余っているならこの用途だけの為に買うのもアリ。また話が逸れた。

 FEのTRを全部チェック。全部って書いたけどRFアンプは無いのでFEは自励式混合の一つだけ。これ以降はIFになる。黒ずんでいたのはFEではなくIFの2SC710だった。FEの石は形状からして異なる2SC403だった。これは特に外見に問題は無いのでスルー。あれ、そうだとすると他のIFのTRも同じ2SC710だろう?チェックしたらやはり残り全部2SC710だった。これで2SC710は3つになった。マジメにBJTラジオを修理するならここで各脚の電圧や電流を測るわけだが、この石の場合は不具合確実なので確認の必要はない。昔よく使っていた2SC538(基板外し品だが100個以上持っていた)はCanパッケージで金メッキ脚だったからこんな不具合は無かった。代わりにアタマが錆びてたけど(^^;


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 足が黒ずむ典型的な2SC710黒死病だ(注2)。この病はJFETではリーク電流、BJTでは更にhFEの低下が見られる。これがこのラジオの不動原因だろう(電源が入らないという症状は謎だが)。あ、今気づいたけどこの石って脚配列がBCEなんだね。代替石と間違えないようにしなければ…と言っても裏向きにするだけだが。

 当初は手持ちの石で手軽に済ませようと思ったのだが、やっぱり互換と言われている物を使わないと動いたとしても気分が良くない。そこでアキバで定番の代替品2SC380TMを入手してきた。コレでないとダメとは思わないけど安かったので(^^ うちの粗ニー製品は時代的に2SC710や2SC930が一杯のハズだからこれからもよく使うだろう。つまり買って損は無いハズだ(注3)。


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 この場合2SC380TMはhFEは100くらい(Oランク)のが良いのだが、入手したのはYでちょっと高過ぎ。一般的にhFEの小さな石が載っていた回路にhFEの大きな石をそのまま載せるとIcがオリジナルより余計に流れるようになるので非常に面白くない。なるべく選別して低い方から使う。

=JCET 2SC380TM-Y(20本)分類結果=
 選別したら異様にキッチリ揃っていて160〜170だった(^^; 上写真の個体は一番最初に測ったもので155表示だが再度測ったら160だった。テスターが未使用だったのでソケットの接触が良くなかったのだろう。加えて時間と共に変化するので10秒経った時の値である。

hFE160-163:8本
hFE164-166:8本
hFE167-170:4本

 同じメーカーの2SC1815Lの事前情報の通り2SC380TMも良く揃っている。Yランクは120〜240と書いてあるがそれは倒芝のYランクの情報を丸写ししただけで、実際には160〜170以外のモノは不良品以外無いのだと思われる。他の40本も測ろうと思ったけど同じだろうから止めた。この製品にはランク表示が無いが、OやRランクは元々存在しないのでランクの刻印が無いのだろう。現代の技術でマジで作ればバラつきもこのくらいになるという事か。今回は一番低いグループのを使う。もしそれでもIcが流れ過ぎるようなら不本意ながらバイアス抵抗も変えよう。単四で電流流れ過ぎると応えるよ…。


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 自分にとっては未来だと思っていた21世紀にTRラジオの石交換をやらされるとは夢にも思わなかった。でも石が悪いとして何で電源が入らなかったのだろうか?TRが黒死病で逝かれていても(音はしなくとも)電源くらいは入りそうなものだが。まあ直ればそんな些末事はどうでも良いか。そういう症状もあるというのは記憶した。


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 上の作業で交換は終わったしあとは組み立ててもう終わり。ところが今日の作業で一番苦労したのはここからだった。実は作業しているうちに絹糸のような細い配線が次々と切れて、終わった時には何と全部切れていた(^^; 線材が細い上に劣化しているので切れやすいのだ。どれが何処に繋がっていたのかよく解らないので考えて、配線が何処を通るかも検討し直さねばならなかった(写真は撮っていたけど詳細に判るほどは無かった)。


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 やっと元に戻った。たかがTR交換で一時間も掛かってしまい、調整や受信テストの時間が無くなってしまった。それらは予定外の次回送りになった。自分としては何か不充分な補修だなあ。でも正直もう中身を見たくない。特に電池コンタクトの配線は二度と見たくないくらい気に食わない。配線が通る位置も決められていないみたいだし、これが中華1000円ラジオなら理解するが、この時代にマン振り近い金を取ってこんなモノを見せられたら俺ならキレるよ。


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 バラしついでにケースは丸洗いした。ツマミは同調ツマミを取りたくなかったのでVRツマミだけ。同調ツマミを取ると糸掛けをやり直し(折り返しが少なく容易な方だが)になるのでイヤになった。傷だらけのケースは全塗装したいところだが、ケース自体に周波数スケールが印刷されているのでちょっと無理だね。写真の前パネルが剥がれかけているのも直らない。これは一旦剥がして貼りなおさねばならないようだ。このような教養の必要無い作業は他の人に任せたい。

 電源を入れると…動きやがりました。ヤレヤレか。完成後に確認するのはIcだ。元より流れていたらバイアス抵抗Reを大きくして流れないようにする。これをやらないと電池の寿命が大幅に短くなる可能性がある。単四なのでそのダメージは大きい。交換するTRにより個体差があるので他人のデータは役立たないし、2SC710の互換と言われている物でもそのまま差し替えて元通り動くとは限らないのは言うまでも無い。インターネット上のTR交換で電流測っているのを見た事が無いのだが自作でTR使った事があるのだろうか?IFに設計値以上に流すと電池が早く無くなるのはもちろん、経験上は無信号時にも何となくノイズっぽくなる。

 今回の使用部品は2SC380TM-Y×3なので修理代は18円(税込、副資材+人件費別^^;)となった。基板が劣化しているのでその辺の作業が神経を使ったのと、製造が酷いので精神攻撃を受けたように疲れた。この悪ロバチックな製造は疲れるよ。粗ニー製は昔から壊れやすいと言われていたがこれなら当たり前だよなあ。


★次回に続く
 これで前ユーザーが付着・培養した汚れやバカ菌も駆除されたので漸く受信テストする気になってきた。その前に調整も必要なのだが。それは次回に行なう。


注1:元々HSDLは部品交換を伴う修理は全て改造扱いだ。

注2:実は2SC710だけでなくこの時期の三菱製TRは全部ヤバい。有名な初期のJFETであるMK10もやっぱりダメです。

注3:本家本元イサハヤ電子の2SC710後継石は2SC3053なのかな。SMDだからポン付けは出来ないけど。2SC710以上にハイ・ゲインなので他の事に使ってみたい。


お風呂ラジオ(^^;;;

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

不動TY-BR30の癌細胞を除去して新しい臓器を入れる


お風呂ラジオ(^^;
お風呂ラジオ(^^;;

 前回の解剖で不動原因はクソマッハで発見された。作業は面倒だけど前に進むため腐ったTRを交換して動かしてみよう。


★不動原因
 前回までの繰り返しになるが、このラジオは当初全く反応しなかった。原因は汚水に冠水していたことで、中までタップリと汚水が入り込んでいた。そのため電源が入らなかったのだが、地道に洗って乾燥したらタイマーだけは動くようになった。それが第一回までの話。前回は解剖したらスイッチ用のTRが足元が腐って消えかけていたのを発見した。


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 これが脚が消滅寸前のTRだ。SS8550というIcが多少大目に流せてPDが少々デカい以外は何の取り柄も無いPNPトランジスタである。これなら手持ちの2SA1015GRで置き換えられそうだが、実はこれエクボじゃないんだよなあ〜。アメリカ仕様のセンターベースなのでそのまま差し替えは出来ないのだった。いずれまたこんなのが出てくると困るから買ってくるか?哀店道にズバリそのSS8550Dが売っている。2SA1015GRより高いけど(@10.8円)。そう言えば2N3906もEBCだったか。買うなら海外でメジャーな3906の方がマシだな。実は中華製の2N3906と2SA1015の中身は同じらしい。恐らく脚の配列を変えているだけなのだろうな。中華SS8550も中身は同じかもしれない。


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 これが裏側。懸念されるのは配線パターンの腐食・消滅だ。何しろ鉄が溶けて酸化鉄になって基板の銅をエッチング、じゃなかった腐食させるのだ。一刻も早く除去しないと危ない…と言いつつハンダ付けが面倒なのでこの記事は今年1月に放棄したままだった。現在は半年以上経った7月である(^^;


★作業
 いつも書いているように修理は前回までで九割方終わりである。あとは面倒だけで特に得るものは無い「手を動かす作業」だけ。推理が正しかったかどうか確かめるための実証実験である。作業が下手な人は練習になるかもしれんけど当方は練習するトシじゃない。こういうのはインテリジェンスの低い他人にやってもらいたいよね(^^ ロボットはこういう作業をやらせるには有益だ。


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 しかしHSDLにはロボットは居ないのでまずは除去。これが一番神経を使う。配線パターンを損傷しないようにしなければならないからだ。ハンダを除去してから洗浄したが何とかパターンは消えていないようだ。しかし腐食したハンダを除去するのにレジストがだいぶ剥がれてしまった。これはマズイ。

 ここでパターンをチェックして驚いたのだが、よく見たらこの基板はベースの穴が二つある。EBCがEBBCになっている感じ(^^ パズルじゃないけどこれを見ていたらECBでも実装できそうな気がしてきた。まずBの脚のランドを分割して4つのランドにする。その後斜めに実装すればよい。


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 こんな感じ。チョット横を向くが取り付けに全く不安はない。要するに足が交差しなければよいのだ。


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 ベースのランドをパターンカット。コレクタのランドをショートするところは脚を曲げて対応します。


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 あとはこのように実装する。所有している2SA1015GRが使えたのでSS8550Dのようなマイナーで使い道のないTRを買わずに済んだのはめでたい。何事も諦めずにトライする事だな。

 これでスイッチを入れたら電源が入りSPからノイズが聞こえてきた。ダイヤルを回すとAMもFMもちゃんと何かしら聞こえる。やはり悪いのはここだけだったようだ。未だケース内が汚いけど、疲れたので分解丸洗いは真夏にヒマになったらやる…ヒマにならなかったりして(^^;

 修理とは「故障原因を論理的に突き止める」作業に尽きる。犯人が確実に存在し論理的な推理で必ず発見できる最上級の推理小説なのだ。その後の作業はサルでもできるどーでも良い作業で、そこらの修理記事を読んでみると殆どが後のサル作業だけで修理したつもりになっている奴ばかりなので呆れる。それはただの部品交換ですm9(^^ 当然ながら部品を交換しまくって偶然に直ったのは修理したとは言えない。これは以前からPCマザーのところでも一杯書いてきたけど、ICラジオの場合は単純なミエミエの故障が殆どなので真の意味で修理などは皆無に近い。あるのは劣化・損傷した部品交換だけだ…面戸癖。


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 アリャ?選択度が低いのは分るが感度も低いな。このラジオは一度も開けられていないラジオなので「感度が低いのは元から」という事になる。加えて同調ランプ(緑)が動作しているけど暗い。このランプはICから取り出した信号強度そのものなので感度が低いから暗いのだろう。いつものようにフェライトロッドとアルミリングで簡易チェックしてみたら、上の方の周波数も下の方も全体的にインダクタンスが足りないようだ。多過ぎがデフォの中華ラジオとしては珍しいパターン。次回何とかしたい。先回りして書くと軽い調整のつもりがフェライトロッドを含む大改造になってしまった(^^; 実はこの記事を上げた段階ではまだ完成していない。


★続く
 めでたく修理完了で記事を終わろうと思ったのだが、どうもトラッキングが大幅にズレているのか感度が低い。このままで終わるわけにはいかないので次回は再調整して受信音を録ってみたい。現代としては稍大きめのフェライトロッドなのでICF-9(8)やICF-28には勝ってほしい(現状大敗^^;)。


★おまけ
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 ヒデエ製造だなあ。これって上の溝にはまるのが正式なんだろ?力一杯フラットケーブルが折れて潰れているじゃんか。

 問題はその後だ。このフラットケーブルを正規と思われる位置にしたら、どのように頑張っても基板が付かなくなった(^^; 見てはいけないバカを見た気がする。これって設計ミスだよね?


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 これはケースを止めるネジだと思っていたらテレスコピック・アンテナを止めるネジだった。結局バラす時に外す必要が無かったわけだが、何でこのネジを外部に付けるのだろう?内部に付ければ防水の心配が要らないだろうに。これのお陰でテレスコピックアンテナ基部の接着剤(コーキング)が凄い事になっている。ほんと評論に困るくらいマヌケ(^^;

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

逝かれた、というか逝かせたRAD-F620Zを修理する(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 前回調査で改造する以前に正常に組み立てられていない事が判明した。おまけに作業の不手際でフェライトロッド・アンテナを破壊してしまったためその修理を行なわねばならなくなった。そのため今回は修理作業という事になる。


★フェライトロッド修理
 まずは折れたフェライトロッドを繋がなくてはいけない。以前フェライトコアを繋いだ時は100円ショップのシアノアクリレートを使用したがアレは固くて脆いので、出来ればある程度粘りのあるエポキシ系の方が良いだろう。あまり柔らか過ぎると今度はヘナッと曲がりそうだが…。新たに買うのはイヤなのでCF接着で余っているシアノアクリレートで貼りつけた。


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 瞬間接着剤と言っても実際このようなモノは空気に接しないので瞬間とは行かない。一見上手く行ったけど前回と同じくこのままだといずれ折れるだろう。早めにコイルを修理してトラッキング修正を済ませなくてはいけない。一旦実装してしまえばコイルが被さるので容易に折れないはず。


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 コイルは元々ユルユルなのでサポーター代わりに補強テープを巻いておいた。これでもまだ巻き足りないくらいだ。ユルイと動きやすいからいずれもっと巻きたい。


★コイル修理
 次は更に難易度の高いコイル修理である。まずはどこが切れているのか確認しなくてはいけないのだが…。


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 このフェライトロッドアンテナはタップ方式だ。出力はポリVCが繋がる線が2本で出力タップが1本の合計3本である。この場合は導通の組み合わせは白(というか透明)⇔赤、白⇔青、青⇔赤である。テスターでチェックしたら赤が通じていない。見た目はどうという事は無いがどうも接触が悪いらしい。線を短く詰めてみたらキッチリ導通するようになった。コイルの中間が断線したのでなくて良かった。中間が切れると修復は困難だし、仮に直っても性能が低下する。


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 この作業で判明したがリッツ線は3芯だった。この本数が中華のデフォかな。7芯リッツ線に巻き直しは行なわない(注1)。それをやるくらいならフェライトロッド・アンテナを丸ごと交換する。市販されている多芯リッツ線の価格とフェライトロッド・アンテナの価格は実は大差無い。中華製のは巻き済み完成品でも安ければ税別300円しないのだから。

注1:ちなみにTA2003P指定のリッツ線は7芯(0.07φ×7)である。厳しい事を言えば3芯では指定のQにならず、従ってTA2003P本来の性能も出ない事になる。

★配線修正
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 修正は簡単で青と赤の配線を入れ換えればいい。しかし我々は赤を以前接続されていたランドには落とさず直にVCに繋いだ。コイルはVCと共に同調回路を構成するので、元の配線よりこれが本来あるべき正しい配線と言える。アナログ回路ではグラウンドに落ちていれば何処でも良いわけではない。位置によってDCされたり効果が大幅に変わってくるのだ。

 この作業によって感度は回復し、しかも感度が上がったにもかかわらず混変調・相互変調も各所で減少した。この事実はノーマルのアンテナ同調が丸っきり狂っていたのを表している。F1691Mの時も思ったが前ユーザーはよくこれで何年も使っていたものだ。もしかして「中華製だからこんなモノだ」と思っているのだろうか?そんなわけないでしょ。中華だって正常な製品は普通の性能だよ。ICラジオ(現在売られている物全て)の感度差はICが同じならフェライトロッド・アンテナの差しか出ないので、極度に低性能だったらそれは製造不良を疑った方が良い。妄りに裏蓋は開けずにメーカーまたは販売店に問い合わせるのが一番だ。中華製はメーカーの分らない輸入品なんて買ってはいけない。もし買うなら自分がサービスマンになる覚悟が必要だ。一般人には無理だろうけど、この記事を読んでいる人はそれが可能な人だけなので大丈夫かな(^^


★局発ズレ
 この個体はバンドの下の方に余裕がない。具体的に言うと531kHzがダイヤルを一杯に下げないと受信できない。これはかなり大幅にズレてますね。上は目盛が細かくて狂っていても判らないので周波数範囲を合わせる時は下重視で行かなくてはいけない。

 周波数の下限を合わせる時はT1の赤いコア、同じく上限を合わせる時はPVC上のTC3で合わせる。カバー範囲を欲張ると性能が落ちるので規定で止めた方が良い。トラッキングは幅が狭い方が合いやすい。合わせるのは下が510で上が1680kHzくらいかな。上下共に一杯に回して止まったところ、上はテキトーでも大丈夫だけど下だけは正確に合わせなくてはいけない。スケールは元々正確ではないので拘らないこと。基板を外すとスケールは見えないので、このラジオに関してはスケールを見ずに周波数カウンターで合わせた方が良いのかも。


★トラッキング調整
 トラッキング調整を放送波で行なうのは難しい。ジジイ時代のラジオ製作本に「放送波でトラッキング調整を行なうと一週間くらいかかる」なんて書いてあったくらいだ。なお完璧に合わせても最大数kHzのズレが出る。親子PVCで完全にトラッキングさせる事はできない。VCの容量は変えられても変化量は変えられないので理論的に不可能なのだ。ソコソコ合ったら諦めるしかない。

 で、トラッキングを少し取りなおしたら感度が急上昇した。いやもう本当に「今までお前は一体何をやっていたのか?」と疑問を感じるくらい上がった。しかし完全に取りなおすのは不可能だった。何故かと言うとフェライトロッドからコイルが大幅にはみ出してしまい合わせられないのだ(^^; つまりフェライトロッド・アンテナのインダクタンスが高過ぎるのだ。これは巻き直しの予感!イヤコイルごと交換かな…。それでも現時点でもF770Zと同等以上の感度を発揮している。ただ単一×4ではなくAC電源を使っているからかも知れないがやたらノイジーになっているのが気になる。まるでF1691Mの初期の頃のようなのだ。これは次回調査する。場合によってはAC電源の改造と言うか作り直しになるかも知れない。


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 そもそもこのアンテナホルダはイカンな。アンテナを固定するとコイルが動かせないのでトラッキング調整は事実上不可能なのである。これを見ると最初から調整をヤル気が無いのが見え見えだ。恐らくインダクタンス固定で決め打ちしているのだろう。あとはTCで真ん中一点調整かな。


★続く
 不具合修正してスッキリしたが、実際はこれが本当の姿で今までは損していただけ。やっとスタートラインに立てた気がする(^^;

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」この条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

来たばかりのRAD-F620Zが本格的に不動になったの巻(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z

 今回は調整とパワーアップ改造を行なうつもりであったが、前回調査で改造する以前に正常に組み立てられていない事が判明した。まさか分解調査の最中に不具合修理させられるとは思わなかったので参ったよ(^^;


★配線ミス
 一番重要であるフェライトロッドアンテナに致命的∧決定的な配線ミスが見つかった。いや「コレを書いた当時はそう確信していた」が正しいかも(^^;


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 いつものようにアンテナ線が全部束ねてある。束ねるというか捻って固めてある。つまり全部の線がコンデンサで結線されているわけだ。働き者のお前らはもう働くな!人生もっと怠けていいのよ?(^^


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 このようにバラしてハンダ付けをチェックしたら(掲示板に書いたように)配線が間違っているのを発見したわけ。いくら中華工場がテキトーとは言え、そんな初歩的な酷い間違いは想定していなかったので白目を剥いた(^^;


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 正常ならば左のようになるが、このラジオのは右のようになっている。ホットから中間タップまでの間で同調回路が構成されてしまっている。それで既定の巻き数に足りないためインダクタンスが足りず同調が取れないのだろうとこの時点では予想した(後から分ったがこれで間違いでもないらしい)。


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 推測だが、これはフェライトロッドアンテナの製造がミスっているのかもしれない。正式には赤線が中間タップで青線がコールド(グラウンド)なのではないか?ラジオ工場の工員は色で作業を指示されているだろうからマニュアル通りやって結果として間違えたのだろう。

 これで解るようにこのラジオはトラッキング調整をしていないのだ。もし調整していたらその段階で大幅な(数100kHz)同調周波数の違いに気づくはず。同じく未調整と思われるF1691Mを見た時からそうだとは思っていたけど。恐らくトラッキングは正常に動いた一台と同じコイルとTCの位置に合わせているのだろう。そりゃ部品の精度が恐ろしく高ければそれで同一になるけどよ…実際なるわきゃない。


 まとめると.侫Д薀ぅ肇蹈奪疋▲鵐謄覆寮渋す場が出力線の色を間違えた△修譴魍稜Г擦困縫薀献の工場が色を信じてそのまま使ったしかも後調整も検査もしなかったので不良品出荷!という流れになる。,録篦蠅鵬瓩ないが恐らく間違いなかろう。ラジオ工場を信頼すれば(^^ この推理はこの時点のものだ。

 そうと決まれば配線のやり直しだ。青と赤の配線を入れ換えるだけだから数十秒で出来る。駄菓子菓子、そうは問屋が卸さなかった。


★修正する…だがしかし。
 で入れ替え作業が終わって配線をやり直したのだが、電源を入れたらサッパリ何も聞こえなくなってしまった!焦った。これはマズイ!もしかすると配線の時にICをブチ壊したのかも…と思ってFMにしたらちゃんと聞こえるじゃないの。じゃあAMだけブチ壊れたのか?と思い、かなり危ないがICのAM入力ピンを触ってみたらAFNやTBSが混ざって聞こえた。つまりこれはICの不良ではない。

 あと弄ったところはフェライトロッド・アンテナしかないのでこれの不良と言う事になる。しかもこのフェライトロッド・アンテナは入手当時はちゃんと動いていたので、壊れたとすればさっきの配線作業かその前で破壊した事になる。解りやすく言えば筆者が壊したわけだ。マジかよ…(^^;

 確定すべくテスターで3本の線を当ってみたら導通していない線がある。この影響で同調回路になっていない事が判った。必死でリッツ線を確認したが何処も切れているようには見えないんだけどなあ。でもこのリッツ線は繋がっているように見えて繋がっていない事があるので油断はできない。セパレーターが支えるので繋がって見える不完全断裂があり得るのだ。もし原因不明の低感度のラジオが有ったらフェライトロッド・アンテナのコイル断線を疑ってみるのも手だ。


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 仕方がないから外す。まずは小汚くブチまかれた接着剤とそれに絡まるコイル止めのパラフィンを取り去らねばならない。


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 ゼーゼーハーハー、これは難易度が高い。イヤ作業自体は容易なのだが割れそうなんだよ(^^; 中華製の難しさはそこにあるのだ。


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 フェライトロッドを取り出した。接着剤を取り去ろうと清掃を開始したのだが、その時悲劇が起こった。


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 ギニャ〜!何とフェライトロッドが静かに折れていた。そんなに力を入れたわけではないのに、少々引っ張り力を加えたらポロリと取れるように折れてしまったのだ。折れるというより分断したというのが正しいかも。もう何か呪われているとしか言いようがない(^^;

 これを見て興味深いことが分かった。折れ口を見て中央右の方に何か均質でないものが見えるだろうか?本来これは全く均質でなければならないのだが、何らかの大きな不純物が混じっているようだ。そのためここが弱くなって折れたのだろう。触れば折れやすい状態だったのだ。


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 もちろん捨てたりはしない。これは接着してまた使う事にする。もっとも将来的には交換するつもりだけど。いやー、全くこんなフェライトロッドは初めて見たよ。今まで折れなかったのが運が良かっただけなのだろう。ホント中華製は面白いので止められない。こんなのは日本メーカー製ではまず見られないからな。もっとも野次馬としては面白くても修理人としては困った。一日で終わらせるつもりがかなり時間が掛かりそうで萎える。


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 それにこのコイル。これのどこが切れているのか判らないとどうしようもない。最悪巻き直しになる可能性もある。巻き直しと言っても、まずポリVCの総容量を測って必要なインダクタンスを計算し、そのあとで巻くので面倒くさいぞ。線材は余っているみたいなので解いて流用すればいいか。


★続く
 そんなわけで取るに足らない小修整が思わぬ重修理になってしまった。今回終わらせるつもりだったがそれどころではなくなった。次回はまずフェライトロッドを繋いで、その後で切れているらしい?コイルの修理をする。コイルの方はまだどこが切れているのか判らないので難易度が高いがやってみるしかない。ダメならフェライトロッド・アンテナごと全部交換することになる。交換した方が多分性能が上がるけどなるべくならそれは避けたい。

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