HSDL.blog.jp

主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

ベンチマーク

Radeon X700Pro Fireblade

 これは「定例会[16/04/11]」に於いて入手したRADEON X700搭載カードだ。AGP版とPCI-E版があるが、当該製品はPCI-E版である。X700搭載カードは「西ローカル巡回[15/11/30]」に於いてRX700XTGを手に入れているが、コイツの方が名前(だけ?)がカッコいいので動かしてみた。ラデは過去にあまり所有していなかったHSDLなのでX700(RV410)を動かすのは初めてだったりする。


★ちょっと見る
x700pro_fb
 X700Pro Firebladeというカッコいい名前だけど、PCBやクーラーの色がSAPPhIREカラーでどう見ても炎と言う感じはしない。ATI純正ならファイヤーが似合うのだが。PCI-EのカードだがRV410は本質的にはAGPチップだと思われる(OGL版のVMが動く)。

 基板はCMK GLOBAL BRANDS MANUFACTUREにて2004年48週製造となっており、この製品はその直後くらいに生産されたカードであろう。蒼玉と言えばハイエンドの一部を除いて粗末なカードが多かったが、このカードに限っては所々で頑張っている。RADEON9xxxの時代にはこんなカードは無かったな。


vddr
 VDDR周辺。この辺りが固体化されているのはこのシリーズでは初めて見たな。ハイエンドにはあったかもしれないがミドルでは見た事が無い。しかし何とも無粋なHC470μFとAXがぶち壊しにしている。せめてHCをSMD化すれば見られたものを。


vddc
 ここもまた変だ。VDDC出力にタンタルが用いられているのは初めて見た。しかもポリマーではなく通常タンタルである。大昔のGF2時代ならあったかもしれないが、PCI-E時代にこれは初めて見た。しかしここも全タンタルではなくC1155のTEAPOが外観をぶち壊しにしている。また入力はMLCC主体のまるでノートを思わせる構成だが、MC1705のWG470μFが詰めの甘さを出している。これらもSMDにすれば外見は良いのだが。

 ちなみに製品によってはTEAPOがSMDポリマーアルミ電解に変わったり、通常タンタルがポリマータンタル電解に変わったりしている。恐らく納入先や資材調達の関係でコロコロ変わるのではないだろうか。ま、それは仕方が無いな。

http://static.nix.ru/autocatalog/sapphire/radeonx700profireblade_u.jpg
 これはVDDC出力にPOSCAPが使われている。当たり品か?(^^;

http://www.gpureview.com/database/images/videocards/sapphire/originals/radeon-x700-fireblade-128mb-6205.jpg
 これがAGP版。メモリ・部品とも何だこりゃ!と驚くほどの手抜き品だ。やはりPCI-E版より手抜きされる運命にあるのか。同じ名前のカードでここまでデザインが異なるカードは他に見た事が無い。


pcie_dc
 これはPCI-EのDCだが何とC10の100μFだけでなくMC10に12VDCのWG470μF16Vが実装されている。これが実装されたラデを持っている人は居るか?HSDLの所有する物件でこれが実装されているのは無いと思う。筆者的にはDCは付けるのは当然だと思うが、何故今まで省略されるのが常識だった部品が実装されているのか不思議だ。電力消費がそれだけ増えたという事だろうか?

 イヤこのカード面白いわ〜。解析しているとキリが無いのでこれで止めるが、多少なりともビデオカード(の設計・生産)に興味のある人はぜひ手に入れて解析してみてね。


★動かす
 クーラーは少し高音が気になる。尤もHSDL評価はバラック時の評価だからケースに入れたら気にならないかもしれない。

gpuz
 メモリクロックが432MHzという半端なものになっているがこれが定格らしい。コアクロックは微妙に高いが誤差程度。RADEON9600から外見は殆ど変わっていないが、メモリがGDDR3となってバンド幅は大幅に強化されている。コア・メモリクロック以外に700XTに劣る所は無い。この下に700無印もあるらしい。


★ベンチマーク
 ドライバはXP最終の10.2である。設定はデフォルトだが、FRと99はフレームレートが頭打ちになったので垂直同期を切った(他はデフォ)。

bench_x700pro
=GDI=
 GDIハードウェア・アクセラレートが健在の頃のカードなのでCPU次第で速くなる。がしかし、この時点のATIはGDIは速くない(2Dクロックを下げているのだろう)。

=OGL=
 この時期のATIなのでOGLはケタ遅い。FireGLの為にわざと落としているのだろうがそれにしても差があり過ぎる。この場合は良いがCPUが多少劣るとそれは悲惨なスコアになる。

=D3D=
 この辺りのカードはDX7より前のファンクションはCPUにかなりの部分を投げているようで、事実上CPUベンチになってしまっている。この傾向はXGAより解像度を上げても変わらないと思う。


★終わり
 本当はX700XTが欲しかったのだがなかなか手に入らない。XTとPROの差は600の時もかなり差があった(メモリのランクが大幅に違っていた)ので気になる。ま、本当言うと速さよりもXTのリファレンス回路自体に興味があるのだが(^^

Winfast A6600TD解剖

 このA6600 TD(Geforce6600)は「食べ放題(笑)[15/06/27]」の時に入手したが、「動作チェック[15/07/23]」で動作チェックしたら内1枚の画面にゴミが出ていたため廃用となった。もしかすると再リフローで炙れば治るかもしれないが、既に1枚完全動作しているのでこれは解剖する。


a6600td_f
 表面。ファンの吹き出し口のホコリは少ないので正しく使われていたか、若しくは使われた期間が非常に短いのかもしれない。つまり不具合が出て戻ってきたカードの可能性もある。


a6600td_r
 裏面。やはりホコリは皆無ではないが殆ど無い。ファンの音も静かだったし、あまり使われていないのは間違いない。

 WinfastはLeadtekのブランドで、正式にはLR2A28(Rev.A1)と言うのだろう。基板は2005年13週の製造なのでアセンブリはそれ以降。メモリがHynixの2005年14週なのでほぼ間違いなくその辺りだ。ちなみにA6600GT TDHはLR2A21だが、消費電力が倍近いGTとは電源部の回路が全く違う。AGP版は外部電源だが、これはソースが12Vだから。消費電力自体は無印は28WなのでAGP給電で余裕で足りる。


cooler
 GPUクーラーは一般用のやっすいグリスが使われていた(^^; HSIは固体のサーマルコンパウンド。


gpu_gf6600
 2004年41週製造のGF6600無印(A2ステップ)である。このパッケージはGTも無印もLEもない。違いはシールを貼り換えただけだ。恐らくNV43は全て同じで、違いがあるとしたら作り分けではなく選別だろう。と以前は思っていたが、この写真を見たら違うような気がしてきた。実はNV43は選別すらせず全部同じで、無印やLEはDCコンが無いだけではないだろうか?GTはDCコンが全部貼ってあったんだよね。という事は無印でもMLCCを貼りまくればGTに昇格する可能性はある。尤も電源部がかなり違うので全く同等になるとも思えないが、無印6600をもう1、2枚手に入れたら実験してみたい。


mem_ware
 ここで何と不具合を発見してしまった。50円シールを剥がす時によく見たら、メモリのピンのパッケージが割れていたのだ。更によく見たら貼り合わせ面に沿ってヒビが入っている。この33ピン自体はVDDなのであまり関係ないが、ヒビが入って周辺のピンにも影響が出ているのかもしれない。

 これも前回のV9999と同じくメモリ割れだったか。このように同じ不具合は何故か同時に複数見つかる事が多い。当初予想したような再リフローではなくメモリ交換で直る予感…捨てられないじゃん。でも現在128Mbitの3.6nsメモリが無いので多分やらないと思う。どちらかと言えばこれがメモリ取りになりそうな予感。6600は多すぎるんだな。


apl1581
 見た目GTとの一番大きな違いはこのVDD/VDDQ。GTはスイッチング電源だが、この無印は最大5AのLDOで済ませている。275MHz(DDR550MHz)だとこれで良いのかな。尤もOCする際にはここがネックになる可能性も無い事はない。メモリの規格では2.5Vだと275MHzが限界で、300MHz以上はVDD/VDDQに2.8V掛けなくてはいけない。OC時には昇圧は必至だ。この電圧はAPL1581の2番ピンに繋がるR84とR85で決定される。


capacitor
 電解コンのメーカーはバラバラ。左上がVDDC入力コンのPS、右上がメモリ電源のHM、左下がAGP3.3DCのAX、右下がVDDC出力のSAMXON[CG]だ。最後のCGはSAMXONのカタログには載っていない。恐らくHM〜HCあたりと同等だろう。他にOSTのRLGが2本ある。


★ベンチマーク
gpuz
 64bitのインチキGF6600(既に死亡)は使った事があるが、まともな128bitは初めてなので動く方でベンチマークを取ってみた。プラットホームはK8T Neo+SMS3000BQX2LFである。

a6600td_bench
 右の数値はドライバの「おまかせOC」によるもの。一部数値が落ちているのが気になるが…。


★終わり
 当初の目論見(解体部品取り)とは違って予想外の展開(修理可能)になった。解体作業中に原因を発見してしまうというのはよくある事だ。解体がストップしてしまうのでちょっと困る部分もある。工事現場で遺跡が発見されたみたいな感じか。HMが2本とPSが2本しかない粗末なカードなので部品取りとしてもあまりおいしくないし、かと言って修理をするのも面倒だし扱いに困る…。

GA-5MMSV-RH

 もう1年も前になるが「南ローカル巡回[15/07/19]」にて入手したネコ電の安鯖の中身マザー。通常メーカーPCの専用マザーは殆どが運枯なので取り上げないが、これはえぷ損P5B-VM/EPよりは融通が利きそうだ。果たして+100円分のアドバンテージ(注)はあるのか?

注:大変細かい事だがP5B-VM/EPは200円、GA-5MMSV-RHは300円だった(^^

★ちょっと見る
5mmsv_rh
 メーカーPCマザーはATX規格から外れる異形の物が多いが、これは普通のM-ATXサイズと変わらない。PC自体は爆売れした製品なので使用報告など関連情報は豊富だし、使用に関しては困る事は無いだろう。基板はAllied Circuits(Compal)にて2008年8週製造の6層基板。当然アセンブリもその直後だと思われる。


vrm
 VRM(VRD)周りはこうなっている。メイン電解コンは以前は通常電解だったらしいが、これはNケミコンのポリマーアルミ電解が使われている。ここまで頑張ったのなら入力のMCZも固体にすれば良かったのに。入力コンの配置は悪くないが、欲を言えばキーボードコネクタの後ろ辺りに#12Vコネクタがあるともっと良かった。


volari_z9s
 MCHはi3000という鯖チップなので内蔵ビデオが無い。そこでオンボードにVolari Z9sが載っている。スゴクとっても超ウルトラ遅いチップだが消費電力はチップセット内蔵に勝るとも劣らない少なさ。右横にある廃肉巣の32MBを使うので、内蔵ビデオ機能を使ってもメインメモリを持って行かれない。


sl8fy
 サウスはICH7Rである。IDEは1つだがSATAは4つあるので取りあえず現代的には何も困らない。RAIDもサポートしているがHSDLには関係ないな。ヒートシンクが載っていないけど大丈夫なのか?コイツ恐ろしく熱かった記憶があるのだが。SATAとUSB全開だとICHがハンダ割れしそうだ(全く動作しないマザーはこれの可能性がある)。使用する前に忘れず載せておこう。MCHの冷却もイマイチなのでCPUのファンレス・水冷も止めた方が良い。


ics954148
 さてこれが一番の注目チップである。このクロックジェネレータICが出せないクロックは何をどうしても出せないので非常に重要だ。FSB1333は出せるのだろうか?IDT等でデータシートを探したが無かった。これは「自分でやってみろ」という事か(^^;


★動かしてみる
 CPUは今や路傍の石ころのように一杯持っているC2Dから選択する。まず手始めにちょっと実験という事でSLA9X(E6550)を載せてみる。これはFSB1333のCPUであり、これが動けばFSB1333に密かに対応している事になる。結果はPOST=00のまま動作せず、対応外CPUと判断されたようだ。ちなみにBIOSは最終の0025ではなく一つ手前の0024となっている。これはいずれアップデートしたいところだが、64ビットOSで一般アプリでは使用されないマイナー命令を使わない限り問題は出ないらしい。

cpucode0025
 対応CPUコードはこうなっている。通常ジャンクで手に入るCPUは全てカバーしているかな。狼系は当然ながら入っていないので、もし動いたとしてもマイクロコードは自分で入れるしかない。


memtest_samsung
 まずはHSDLの特攻一番機、寒損PC5300-555-12-256MB×2である。HSDLの現役DDR2メモリ中で能力・容量共に最もショボイ奴だが問題無し。尤もメモリメーカー純正モジュールなのでコケられても困る訳だが。次は特殊な奴で行ってみよう。


memtest_ts256mlq72v6u
 メモリがDDR2という事で電撃的にTS256MLQ72V6Uを思い出して2本載せてみた。動いた!コイツは例のECCモジュールなので、P965やらP35等のイソテル一般用チップセットでは全く動かない役立たずだった(注)。速度も鯖チップらしく3261MB/sとP965の3044MB/s(同じSL9XN定格)よりだいぶ速い。合計4GBなので取りあえず実用充分な容量だ。

 当初期待していなかった鯖チップが意外な所で実力を発揮した。このメモリが動いただけでHSDL的にはこのマザーを買った意味はあったと言える。同程度のジャンク価格帯でも全く遊べないP5B-VM/EPにはこの時点で勝利確定だ。100円分のアドバンテージは大きかった事になる(^^

注:AMDはどれでも動くのが偉い。

★ベンチマーク
 次にWindows上でのテストだが、今回はSLA4Tを載せる。このPCが発売時に搭載していたのはセレD341、シダ651、Xeon3040らしいが、今回のE6420はそのどれよりも性能は上。E6300等と違いフルスペックのコンローなのでL2は4MBある。繰り返しの多い処理には強いかな。


bench_sla4t
 やはりぼらりの遅さは半端無かった。3D機能(DX9)は無いのだが、2D(GDI)すらも大画面だと危機的状況である。とは言え鯖板なのでこれが問題となる事は無い。鯖には速度も大画面も全く必要は無いのだ。


cine_sla4t
 CINEBENCH(R11.5)を動かしてみる。1.16…オソッ!これはマルチスレッド石に極度に有利なソフトだが、コアあたりの性能が低いので1.00をやっと超えるくらいだ。大容量L2キャッシュがあまり効かないからか同クロックのセロリンと比べても大差無い。もっともMP倍率1.92だからマルチ効率は良いのではなかろうか。


★一旦終了
 とりあえずECCメモリが動いたので良い気分だ。次回があるとすれば狼Celeronが動いた時かな。もし動けば2016年現在でも充分に実用可能という事になる。

半分死んだHDD(^^;;

 その後の腐りHDD。コメントに書いた通り、前回は設定をチョイ間違ったのでやり直し。


★設定間違えた
xp
 前回の記事の設定通りHPAで制限してもWindows上のディスクマネージャから見ると普通に全部見えてしまう。これはHPA設定の時に[0]の"Temporary(一時)HPA"で設定したから。一時的なので再起動したら元に戻っちゃってるんだね。

xp_hpa
 [1]の"Persistent(恒久)HPA"で設定し直せばこの通りハードウェア的に3.2GBのHDDになる。前回これにしたつもりだったんだよ(^^;

cdi_hpa
 左側がSATAアダプタで繋いだNHPAのHDD、真中がIDEで繋いだHPA版、右端がUSB2.0で繋いだHPA版。


★BENCH
 一応XPに繋いだので速度テストしてみる。

bench_ide
 ノーマルIDE接続。3.2GBのHDDとしては驚異的な速さ、おまけに静かである。HDTのグラフはまるでSSDのように直線的で外周速度が落ちない。それもそのはず、プラッタの中で一番おいしい外側だけ贅沢に使った究極のHDDなのだ(^^ もしこれが3.2GBがハイエンドの時代にあったらセンセーションを巻き起こしただろう。

bench_sata
 SATAは上のHPA失敗状態時の計測なので40GB認識なのはご愛嬌。この時HDTは暴れだしたので途中で切った。それはさておき、このSATAアダプタ(変換名人)はフルスピードが出ているのが判る。HDDがもっと速くても行けそうだ。

bench_usb
 逆にUSBだと2.0でもコントローラが遅いので頭打ち。HDDの速度の半分しか出ていない。


★気づいたこと
 8%(3.2GB)の方は音が明らかに大きくなっている。モーターか軸が傾いてしまったのだろうか?それだといつか破綻しそうな気がする。ちょっと楽しみ(^^


★2016/05/09追記
cdi_5lag9ghl
 現在9.6GBの方はP5K-Eに繋いでXPをインストールして使っているが、CDI6.8.2に拠れば「正常」となっている。こんな半分死にかけたボロボロのHDDが正常とされるのだからSMARTなんてアテにならないよな。まあ気分が良いのでこれはこれで良い(^^

MS-V025について

 去年の「定例会[15/12/08]」にて、見た事が無い変な形状のATI系ビデオカードを発見したので迷わずゲット。HWINFOにてRADEON X300 SE(128MB)と判定されたが、型番をネット検索したところDELLのPCに付いていたカードらしい。このカードもMS-8964と同じく骨皮まで切りつめたOEM用のカードである。非常に興味深いのでちょっと見てみる。


ms_v025
 型番がMS-V025(Ver1.0)ということでMSI製であろう。但し形状から言ってもDELL専用カードだと思われ、MSIに同形状または同型番の製品は無い。メモリが2つしか実装されていないので64ビットのメモリバスと推定できる(だからSE印)。

 基板は寒損等のメモリモジュールでもよく見かけるTRIPOD製で2005年46週製造。分厚くて平坦性は申し分ない。メモリが49週、1117が47週、2.2μHインダクタが44週、ニチコンHC470μFが47週、100μF電解コンが50週製造なので大体のアセンブル時期が判る。少なくとも2005年50週以降の製造である事は確定だ。PCI-EのカードだがASICの中身はAGP版の9600等とほぼ同じだ(ブリッジ接続)。そのためAGP以前しか動かないベンチマークも動作する。


mem_msv025
 メモリは廃肉巣の2.8n(350MHz)品である。64bit接続で2つしか付いていない。メモリバスを減らしてメモリ数を削減するのはコストダウンの常道だが、ここら辺はビデオカードの性能に直接結びつくので出来れば落として欲しくない所だ。実際の動作クロックは後に分るが300MHz(DDR600)である。

 このカードはクーラーにファンは付いていない。つまりファンレスだが、これは静音化も勿論だがコストダウンの効果の方が大きいと思う。つまり手抜き。


vddc_msv025
 VDDCのコントローラは基板裏面にあるRT9232で、このICは設計段階でグラフィックカード用を想定している。スイッチング周波数はRT9232リファレンス回路通りなら200kHzだが未実測だ。スイッチは上側FDS6694+下側FDS6680ASで、この時期のPC用と比べると下側のRdsONがやや高め。

 MS-8964では省略されていたスナバが実装されているのが見える。この辺りは同じメーカーでも製品によって違いが出ているのが面白い。位相補償部分のRCは通常電解コンなので実装されていない。インダクタはMS-8964の1.5μHと違って2.2μHで、これはRV370・RT9232リファレンス設計と同値である。

 出力コンはMS-8964と違いタンタルは無くHC470μF10V×2だけ。ここはDUAL FOOTPRINTなのでSMDタイプも使える。入力コンは思い切ってMLCCオンリーの上にC1002(10μF?)は省略されている。12⇒1.3Vでスイッチング周波数は200kHzだから容量は殆ど必要無い。NX7600GSと同様にこの辺りでコスト低減の努力が図られている。EMI他のお釣りを減らすとしたら、前記のC1002に加えて裏のC2(タンタル)を実装すればよい。

 全体的に見て1.2〜1.3V・10A程度の軽装DC-DCだ。VPU周辺にカネを掛けてもビデオカードとしての性能が上がる訳では無いので、仕様で許される限り部品を切り詰めるのは当然の事と言えよう。OCの場合にはこのマージンの少なさが問題となるわけだが。


q302_msv025
 MVDDCはこのPHD3055で生成されているらしい。このカードで(VDDC以外に)電源と呼ぶに値するのはこれと1117が一つあるばかり。他の雑多な電源は全て流用若しくはシャントレギュレータだけで生成されている。小電流だから可能なのだろうが、格上のビデオカードやマザーボードの事を考えるとシンプルさに驚いたり呆れたり。ちなみに右に見える緑色のシールが貼ってあるICがファームウェア(含BIOS)ROMである。右にある抵抗が以前書いたRV370のSTRAPだ。


ura_msv025
 例によってEMI防止フィルタ・ESD保護ダイオード(基板裏)は全省略。もうアナログは使うなという事か(^^; アナログ主体のHSDLとしては何とか復活させたい。ファンのコネクタは御覧のように省略されたが、その為の配線は生きているので使おうと思えばいつでも使える。


★主要な空き部品
 ()内の数値は確定している。

=コンデンサ=
C2(PCI-E5V_dc):EMPTY
C5(PCI-E12V_dc):EMPTY
C8(PCI-E5V)_dc:CV-BS 100μF16V
C9(PCI-E12V_dc):EMPTY
C300(MVDDC):EMPTY
C307(MVDDC):HC 470μF10V
C407(R):EMPTY(5pF)
C408(G):EMPTY(5pF)
C409(B):EMPTY(5pF)
C441(VESA5V):EMPTY(68pF)
C1000(VDDC_in):MLCC 22μF
C1001(VDDC_in):MLCC 22μF
C1002(VDDC_in):EMPTY
C1005[MC1005](VDDC_out):HC 470μF10V
C1019[MC1019](VDDC_out):HC 470μF10V

=インダクタ=
L20(VDDC_out):FALCO 2.2μH
L60(R):EMPTY(82nH)
L61(G):EMPTY(82nH)
L62(B):EMPTY(82nH)

=ダイオード=
D51(DDCDATA):EMPTY(BAT54S)
D52(DDCCLK):EMPTY(BAT54S)
D53(HSYNC):EMPTY(BAT54S)
D54(YSYNC):EMPTY(BAT54S)
D55(R):EMPTY(BAT54S)
D56(G):EMPTY(BAT54S)
D57(B):EMPTY(BAT54S)


★動作チェック
gpuz_msv025
 GPU-ZだとMemorySize=32MBと出てしまう。もちろんGPU-Zの間違いで実際は128MBだ。クロックは概ね正確。サブベンダはMSIではなくATIになっている。ATIがDELLから受注してMSIで製造させたカードという事か…めんどくせえな。まあ準純正と呼んでよいのかもしれない。


ccc_msv025
 CCCで見るとちゃんと128MBになっている。"Hyper Memory"って何だっけ?あー、思い出した。PCのメインメモリをビデオRAMの一部に使うというセコイ節約技だ。後のAMDチップセットでIGPに外付けRAMを載せるものが出現したが、あれが性能を上げるための積極的な改良に対し、こちらはコストのためビデオカードの搭載メモリを減らすという消極的な改良だ。同時期のヌビの"Turbo Cache"も同様の技術と言えよう。

http://news.mynavi.jp/news/2005/03/25/003.html
 ビデオメモリをHDDにスワップとかバカ言ってるんですが…ATIの放談(漫談?)に突っ込み役が居なかったのか?筆者がPC・ITジャーナリストならこの辺でもう帰る(^^


★ベンチマーク
 ATIだけでなくPCI-Eのビデオカード中で最低性能ランクに入るカードなので性能には期待できないが、それでもどの程度の性能が出るのかは気になるところだ。当面のライバルはAGPの9550や9600SEあたりか?それらと同等か、相手が128ビットだと負ける可能性も高確率でありそう(^^;

bench_msv025

 予想通りクソ遅さは否めない。特に3DMark2001SEでは「いくらなんでも何か間違えているんじゃないか?」とCPUや設定を何回も見直してしまった。尤もAGPのカードは更にこれより下の環境でもっと上の数値を出しているわけで、やはりこのスコアの低さはX300SEの低性能によるものと言うしかない。

 定格で一通りテストした後でATIToolでOCしてみようと思ったら珍現象発生。MAXコアクロックを自動設定したら、テスト中に定格クロックよりも下に落とし始めたのだ。これって定格が無理し過ぎという事なのだろうか?(^^; メモリも定格より下げていたし、これがこのカード特有の現象なのか調べたい気もする。まあヒートシンクだけでファンも無いから過熱するのかもしれないが、最悪を予想をすれば何処かが劣化しているのかもしれない。そもそもメモリチップは350MHzなんだから落とす事は無いと思うんだけど。


★終わり
 メーカー向け廉価カードは色々と工夫が有るので本当に面白い。コストダウンのためにネジ一本でも減らしていく努力はこれからも欠かせないだろう。


★おまけ
>Radeon X300 Vmod
http://www.overclock.net/t/1441314/radeon-x300-vmod
 昔の記事だけど、このカードを改造しようとしている人が居て驚いた。世界は広いな大きいな〜。

RADEON X850XT起動

RADEON X850XT修理

R480
 前回修理して復活したX850XTがちゃんと動くかどうか試してみた。


★ドライバ
 あれ〜変だな?ドライバが入らないぞ。具体的にはCCCだけインストールされてVPUのドライバが入らない。諦めてDELL用のドライバを入れてみた。これだとちゃんと入るのが不思議だ(デバイスIDが違うのか?)。がしかし、曲がりなりにも入ってしまえばこっちのものだ。

X850XTPE
 X850XT PE(Platinum Edition)って存在したのね。X800XT PEなら知っていたけど。言うまでも無くR4xxの最高峰であり、確かWindows9xはこれが最後の正式対応(但しAGPのみ)だったはず。

 CCCは入れずに昔ながらのATIコントロールパネルを入れた。これの方がシンプルで軽く使いやすい(.netも不要か?)。新しいドライバにもこれが入ればいいのに。では今回は定格・デフォ設定で回してみるか。PCはいつものHSDL48(SLA8Z@333)である。このカードにとって不足はあるまい。


★GDI
hdb
 このカードというかXシリーズの唯一の楽しみ?はこのGDIだ。DDは案外大したことが無いな。9xでも試したかったが、テスト台がHSDL48(P35 Neo-F)なので無理。PCI-Eマザーに無理やり9x入れてもパフォーマンスはフルに発揮できそうにないし。


★D3D
 このDX9当時はリファレンスはATIのカードだった。なのでMSの意図に沿った描画が期待できる。FRや3DM99はCPUベンチとなっている(^^;

d3d_x850xtpe
 流石にDX9だとこれ以降の新しいRADEONには敵わない。DX9以降なら素直に新しいカードを使いましょう。


★OGL
 RADEONだから多分OGLはダメなんだろうな。元々ラデはOGLが得意でない上に、FireGLとの差別化もかなりある。

ogl_x850xtpe
 やはりOGLはDirectXに比べると全く振るわない。これベースのFireGLだとソコソコ期待できるのだが。なおCINEBENCH(R11.5)のOGLテスト(OGLバージョンが古い)やOGL VillageMark(ネイティブPCI-Eの為)は動かない。


★終わり
 このように定格では当初の期待ほどではなかったが、昔のイメージで過剰に期待し過ぎていたのかもしれない。それでもRADEON X8xx〜X1xxxはGDIや2D、DX8以前だとHDシリーズより速いくらいなので遊べるのだ。PCI-EのX8xx系はこれだけを残すかな。

プレス子の再逆襲

 逆襲と言いつつ返り討ちに遭ったプレス子だが、ここまで来たら最後まで付き合うしかない。再逆襲だ!


★SL7KBでCINEBENCH
 前回出来なかったCINEBENCH R11.5をやってみる。OSは改めてクリーンインストールしたが、その他はノースウッドの時と全く違いは無い。

cine_sl7kb
 G1と全く同様の数値となった。これがプレスコット+i865の特性なのだろう。


★Pentium4 630
 もののついでと言うかヤケクソでSL7Z9で試してみた。ここで問題になるのはi865Gがプレスコット2Mに対応していないと思われること。それ以前に動作するかも分らないのでテストしてみよう。


memtest_sl7z9
 案外スンナリと起動しましたぜ。速度も特に問題無しで、これは正常動作しているのだろうか?


bench_sl7z9
 がしかし、ベンチマークは531の時と誤差の範囲でしか変わっていない。これは865もしくはマザーがプレス子2Mを使いこなせないのだろう。ひょっとすると1M同等で動いているのかも。これ以上は時間の無駄なのでCINEBENCHはやらない。


★終わり
 という事で再逆襲と言うにはあまりにもショボイ結果に終わった。恐らくチップセットが付いてこないんだろうな、と思ったりする。プレス子を使いたければi915(以降)を使えというのが結論だ。

 一連のテストに於いて、現時点で分ったのは以下の通り(重大な発見順)。

1.午後のコーダーはP4系ではノースウッドに最適化されている。
2.ノースウッドのHTは皆無に近いくらい効果が無い。
3.整数演算はプレス子が断然速く、浮動小数点演算は同程度。
4.キャッシュスピードはノースウッドの方が速い。


★おまけ
 今までHSDLでテストしたCPUのCINEBENCH R11.5ランキングはこうなっている。左がマルチ、右がシングルである。

cinebench151123
 OCしたCPUが多いが、これはHSDLが「CPUのクロックは無理なく上がるところまで上げて使う」というのを基本にしているため。こんなショボイCPUのCINEBENCH R11.5リザルトはインターネット上に恐らく無いはずなので貴重かも知れんな(^^

Core2Quad Q6600

 先日の格安SLACRを動かしてみた。4コアCPUでどこまでベンチマーク記録が伸びるのか?C2QをWindows上で動かすのは初めてなので非常に興味深い。


bench_slacr
 …思ったより遅い(^^; コアあたりの能力が低いのでπ焼が遅いのは勿論、午後ベンチは4コア使ってもデュアルのSLA8Z@333に負けてしまった。もしかするとベンチが軽すぎて全速力が出ていないのかもしれない。何かムカつくのでBIOSでEISTを切って試してみたが、バラつき以外の差は全く無かった。チョイと期待はずれか?やはり4コアは7以降のWindowsが必要なのだろう。

 では次にCINEBENCHをやってみよう。このベンチはコア・スレッドの数だけ同時に描画するので、マルチコアやHT搭載CPUは圧倒的有利になる。


cine_SLACR
 2.63ptsとこれまでHSDLでテストした中では最高記録となった。やはりマルチコアCPUは用途限定される物件と言えそうだ。


bench_sla8z@333
 参考までにSLA8Z@333+P35はこうなっている。やっぱりHSDLにはデュアルコアを超えるCPUは必要ねーなーと言うのが現在の心境。


cine_SLA8Z@333
 これがSLA8ZのCINEBENCHだ。このベンチに関して言えば、2コアでは4コアには遠く及ばない。だが体感で明らかにSLA8Z@333の方が速いのは1コアあたりの性能が段違いだからだろう。


 うーむ、この結果を見ると本当に200円程度の価値しか無いのかもしれんな…(^^; まあ良い物差しになるので(噛ませ犬とも言う)役には立ちそう。これを当面の目標にデュアルコアを調教(主にOC)するのだ。

プレス子の逆襲

 MSI 865GM3-FISのテストで北森に思わぬ敗戦を喫したプレス子だが、その「完成形」はどうなったのか見てみよう。今回は865PE Neo3にSL9CB(Pentium4 531)を載せてみる。チップセットはGとPEの違いはあるがほぼ同じ条件である。こんな比較をする事を想定してこのマザーを手に入れたのだから使わない手は無い。


★今回のPC
 手抜きして前回使ったHDDをそのまま付けようと思ったら、NTLDRが壊れたのか起動しなくなっている。修復するのもクリーンインストールするのも大差無いので入れ直した。

//G083
MB:MSI 865PE Neo3[Rev3.0C/5.3]
CPU:Pentium4 531 3.00GHz SL9CB(G1ステップ)
MEM:512MB(PC3200x2)
VGA:BU-R9550L-C3H[RADEON9550](AGP)
IDE1:ST340012A
IDE3:[HSDLDATA1]
NETWORK:RTL8110S
SOUND:ALC655-AC97
PS:MIRAGE DR-B350ATX

 マザーボードは775だけど865チップセットだし、ビデオカードなど周辺も全く同じ。メーカーも同じだし、ソケット以外の環境は同一と考えてよいのではなかろうか。


★動かす
memtest_sl9cb

 まずはメモリ。クロックがかなり落ちてしまっているがデフォルトである。クロックが下がったためかキャッシュの速度が目に見えて落ちている。こんなに落ちるとベンチにも影響しそうだな。温度は初代プレス子より明らかに下がってきている。その面ではこれが完成形と見て間違いない。


bench_sl9cb

 HSDL標準ベンチマークはこうなった。やはり勝てねえな(^^; 実はクロックが15MHzばかり低いので可哀そうな部分もある。このくらい下がるとベンチにも影響する。BIOS設定で1MHz上げてピッタリ合わせようと思ったが、どういう訳か30MHzも上がってしまったので低いままでテストした。ASUSのようにOCすると設定を裏でコッソリ変えるメーカーもあるから油断はならない。閑話休題、どうもプレス子は整数演算が速くなっているようだ。この差は測定誤差などでは断じて無い。


★CINEBENCH R11.5
 前回のテストを見て「SSE3を使わないのは卑怯なり」という声が一部にあったため、今回は全部使い切るはずのCINEBENCHを動かしてみた。さてマルチ・シングル2本で何分掛かるのか?結構疲れそうだな(^^;


cine_sl6wk
 先ずは北森から。何分掛かるか戦々恐々だったが、別の事をしていたらいつの間にか終わっていたよ。結果は0.47/0.45ptsと思ったより善戦している。このベンチを動かした事の無い人は分らないかも知れないが、ネコ電の安鯖に入っているGA-5MMSV-RHにSLA4Tを載せたPCが1.16/0.60ptsだ。またADA3800DAA5CDが0.92/0.46ptsだから、シングルコアCPUとしてはそんなに悪い数値とは言えない。HTは詐欺レベルに効果が無いけどね(^^; さてプレス子はここで巻き返せるのか?


cine_sl9cb
 続いてプレス子。オオッ!明らかに数値が向上している。同クロック(より一寸下)でここまで上がればまずは成功という事だろう。シングルコアが下がっているのはG1ステップはHTに最適化されてきたという事かも?実はSL7KBのCINEBENCHを取り忘れたんだよな…申し訳ない。ヒマがあったら追試してみる。

 この結果から考察するに、プレス子の午後ベンチスコアが極度に低いのは「午後ベンチが北森に最適化されているから」だと思われる。あのベンチにはSSE3は無いし、時期的に見てそう考えて間違いなかろう。メモリアライメントの関係だろうか?ここまで差が付くとよう分らんけど。


★終わり
 プレス子はs775だと最高DDR3まで使えるわけで、周辺性能の向上もあるからメリットが全く無い訳では無い。それでも当時915+プレス子を新品で買ったら泣いただろうな(^^;

MSI 865GM3-FIS

哀愁のマザー


 Slot1〜Socket478時代のマザーは解析していて面白い。各社設計担当の知恵を絞ったせこいコストダウン回路が泣かせる。手抜き回路とは言え曲がりなりにもプロ設計者の回路だから部品さえまともなら大きな破綻は無いが、更に生産部門で部品も安く上げると悲惨なモノが出来上がる。ま、それすらもジャンカーとしては大きな楽しみの一つなのだが(^^

・865GM3で検索したが、どう見てもGM2の写真だった。
http://www.msi-computer.co.jp/product/mb/865GM3-FIS.html
http://www.msi-computer.co.jp/product/mb/large_photo/865GM3.html
 MSIのカタログ文句に拠ればGM3は「プレスコット時代に対応しデザインをブラッシュアップ」だそうです。確かにGMよりは良くなっているが、それはGMのデザインが非常に情けないからだ。GMってノースウッド3GHz以上に対応してるとはとても思えないのだが↓
http://www.msi.com/product/mb/865GM.html
 GM3とGM2には見た目の差は無かった。


★気になるVRMだけ一寸見る
865gm3_fis
 i865Gは478に於ける最高のプラットホームだと思う。天然の欠陥品ぽいICH5に一抹の不安はあるが仕様だけなら一番だ。加えてオンボード機能充実のM-ATXは魅力。MSIらしく構成にソツが無いし、販売力があるから入手もしやすい。世間的には売れ線のマザーと言えよう。雑誌の提灯ライターみたいな文章で体が痒くなってきた?


vrm_865gm3
 設計仕様ではL6710(6709)使用のVRM10準拠で、0.8375V〜1.6000V/90Aとなっている。出力コンデンサは1800μF6.3V×7+1000μF6.3V×2で、インダクタは1.1μH25A×4個。スイッチは上がIPD09N03LAで、下がIPD06N03LAとなっている。L6710って2相コントローラなんだが何で4相なんだろう?そういえばMOSFETドライバが見当たらないな…と思ったら2相のパラとか、かなりヤバげな事をやっている。「2相のパラレル」の意味が解るか?

 通常のパラと違うところはMOSFETがパラになっていないところ。ゲートドライブ回路だけがパラで、他は4相の如く全て独立しているのだ。これってコロンブスの卵?実際は2相なのでリプル平滑に効果は無い(位相がずれていないから)が、流路は4相分、つまり4倍なのでP6マザー級の小さな出力インダクタで大電流を流せるようになるわけ。

 ECSの伝説のキワモノ「非同期整流・多相風パラレルVRM」よりはかなりマシだけど、とにかくこの珍設計VRMによりHSDL殿堂入りが確定的だ。一見4相に見せかける技なのか?でも普通のユーザーはVRMなんて見ませんよ。PCメーカーのOEM担当もアホだから到底理解できないし。コスト的にも性能的にも素直に普通の3相VRMの方が良かったんじゃないか?

 BIOSでの電圧変更は上げしか出来ないが、コントローラの仕様では下げも可能になっている。ただその為にはVIDにDIPスイッチを付けたりするおなじみの改造が必要となる。どうせならBIOSでコントローラの仕様通り動かせるようにして欲しい。その点ではGA-8IG1000系の使い易さに遠く及ばない。

 この時期だと非常に気になるコンデンサだが、出力コンはマネ下FLで全く問題無し。入力も1本だけとは言えFP-CAPが使われている。まあFP-CAPを使った反動か、残りはOSTになってしまった訳だが。OEM先によっては出力コン・入力コン共に全てOSTになっている製品がある。HSDL所有品は当たりの部類なのかもしれない。ちなみにHSDL独自指標である出力コンの実装率は9本中6本で67%だ。これは基板設計にも依るので数値によって良し悪しは一概には言えない。基板設計から減らしていれば同じ6本でも100%になるわけだから。ただ設計部門と生産部門の考え方の違いは表れやすい部分なので、使用部品銘柄と共に気にしている部分である。それよりメモリ周りの電解コンがちとヤバゲ。もう10年モノなので仕方が無いが、間隔を置いて使うと一発でメモリが起動しない(C1エラーで止まる)場合がある。


★テスト
 MSI曰く「プレス子仕様」らしいので、HSDLで一番クロックの高いプレス子SL7KBを載せて動かしてみた。BU-R9550L-C3Hも実戦で使うのは初めてだな。

//G086
MB:865GM3-FIS[Rev1.00/1.3]
CPU:Pentium4 3.0EGHz SL7KB
MEM:512MB(PC3200x2)
VGA:BU-R9550L-C3H[RADEON9550](AGP)
IDE1:ST340012A
IDE3:[HSDLDATA1]
NETWORK:RTL8110S
SOUND:ALC655-AC97
PS:MIRAGE DR-B350ATX

 ここで何とも情けない478特有の?問題発生!リテールCPUクーラーを取り付けると基板が歪むのか起動しないのだ。ケースに取り付けられるのが前提なので致し方ない。代わりに狐製簡易クーラー(片手で取り付けられる^^)を載せたが、他ならぬプレス子の超発熱にどのくらいまで耐えられるか心配だ。グリスは使い捨て用の中華HY-750である。柔らかめなのでヒートスプレッダには良いかな。


memtest_sl7kb
 メモリの数値的には特に悪く無いね。ネトバ系は元々計算エンジンの性能は高い。ただそこへ仕事を持って行く取次の営業マンがバカなだけで…。L2キャッシュが速いのはネトバ時代の特徴で、L2だけなら現在のCore系よりむしろ速いくらい。


memtest_vitesta
 正常に動いたので、メモリを寒損純正一般用から入手後一度も使っていなかったVITESTAに換えてみた。このように2000MB/sを楽々超えてくる。これでもまだ一杯一杯ではない。煮詰めればさらに速くなるハズだ。今回のWindows上のテストは上の寒損純正一般用で行なう。


bench_sl7kb
 ただ実際のベンチにはメモリ速度が反映しないんだよな。3Dベンチでもクロック的には数段格下と言えるAthlonXP系といい勝負になってしまう。HTも多大な効果を発揮しているとは言い難い。シングルスレッドが遅くなる場合があるので±ゼロだったりして。当時ベンチ詐欺と言われた理由がよく解る。午後ベンチでは93.76とGA-8IG1000 Pro-G+SL7KBの91.28を明確に上回ったが、あの時はIGP使用だったかもしれない。

 ここで先日手に入れたnorthwoodのSL6WKをテストしてみる。同じクロックのプレス子SL7KBとどんな違いが出るのだろうか?以前から興味があったのだ。一部ドンクサくなったという噂もあったがどうなのか?


memtest_sl6wk
 何だこりゃ?地のメモリがプレス子より速いぞ!(^^; メモリ設定やキャッシュを見ればインチキしている訳では無いことが判るだろう。そもそもL1キャッシュからしてこちらの方が速い。L2はほぼ同じだがやはり微妙にノースウッドの勝ち。歩留まりを上げるためキャッシュのレイテンシを落としたという話は本当だったようだ。新製品が旧製品に負けてしまうのは一部と言えどもマズイよな…。


bench_sl6wk
 これがHSDL標準ベンチ。ちょっと待て!午後ベンチはプレス子が完敗しているぞ。ノースウッドは100倍に達しようとしているのにプレス子は90倍を超えたばかりだ。CPUクロックで言えば50〜100MHz位の差があるのではなかろうか。純粋な計算力はプレス子の方が上だし、π焼やその他のベンチは何とか勝利したのだが…。プレス子はSSE3を使いまくらない限り価値は無いという事か。本番はやはりソケ775で915と共に使う石なのだろう。いつもながらのイソテルβ版商法を目の当たりにした。この記事は865GM3-FISの記事だが、マザーとは関係ない所で盛り上がってしまったな(^^;


 テストの間にちょっと興味本位で、VRMの隙間に手を突っ込んでFETやインダクタを触ってみたら想像以上に熱くなっていたので驚いた。MOSFETのヒートシンクを見て「大げさな放熱だな…」と思ったのだが大げさではないかも(^^; インダクタもAthlonXPマザーとは次元の違う発熱で、これで出力の電解コンがマネ下FLではなく、例えばOSTのRLAだったとしたら間違いなくぶっ飛ぶだろうな(OSTバージョンを見た事がある)。懸案のCPUクーラーは何とか耐えられた。


★終わり
 このマザーはICH5が壊れやすいという問題があるが、それはイソテルが悪いのであって微星叩きの材料にはならない。ただもう少しメモリ周りの電解コンには金をかけて欲しかった。これらは10年経過して劣化はかなり進んでいる。このマザーに限らないが電解コン入れ替えは必須作業と言えよう。当該マザーはメモリ周りのOSTを交換したいところ。

 それはさておき、格安ならば478入門用として良いマザーだ。ジャンクCPUはその辺にいくらでも転がっているしメモリにも不自由しない。クーラーなど周辺も豊富で足りないモノは何もない。どんなバカな遊びでも気楽にできるのだ。


★おまけ
memtest_512mbit
 上で使ったメモリモジュールは256Mbitチップだが、512Mbitチップだと御覧のように同じ3-3-3-8でもMEMTESTは格段に速くなる。がしかし、速いものが速いのは当然なのでわざと遅いのを使っている。ここまで来ると我慢大会だね(^^
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