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主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

ラジオ

Panasonic RF-P50

この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

R-P30で実験したイコライジングをRF-P50にも適用する(^^


Panasonic RF-P50 過去記事
Panasonic R-P30 過去記事

 IF改造が頭打ちというか手詰まりなので今回は目先を変えてAFを弄る。R-P30で実験したイコライジングを行なう。当初はセッティングをそのまま流用する予定だったが、あのセッティングがそれほど良いとは思えなかったので再度定数決定からやり直した。同じことを繰り返すのもアホらしいし、良くなるか悪くなるかわからないけど変えてみる。


★設定値を考える
 あれから改造したR-P30を使っているが、暫定テストでは中音が太くなったけど期待したほど低音も高音も伸びていないことが判った。これは恐らく搭載したフィルターに原因があると思われる。また改造したRF-P50は意外に高音が伸びていることが分かった。これもCFの性能だと思う。ということはRF-P50の方はイコライジングによってさらに伸びる可能性もあるわけだ。


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 今回弄るコンデンサはR-P30と部品番号が同じでC17、C18である。恐らくR-P30はRF-P50からFM部品を取り去っただけなのだろう。部品番号は同じか近いものが殆どだ。


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 上のC17は右側から読む。カラーが判りにくいが赤・赤・オレンジで223となり22nFを表す。下のC18も右から黄・紫・オレンジで473となり47nFを表す。メーカーの設計値と実装値は同一のようなので安心して次に進む。

 今回数値を変えようと思った理由は周波数域以外にもある。実は前回使ったセラミックコンは歪が増えそうで気分的にイヤなのだ(^^; AF信号が通るところにこんなものを使っていいのだろうか?曲がりなりにも音質を追及しているのだから圧電素子なんて使いたくない。電解コンの方が数段マシに思える(←これが前フリ^^)。

 今回はC17のHCを4.7nF(4700pF)まで減らした。これでもRF〜AFまで発振したりはしていない。またC18のCCは一見無駄に思える1μFとする。実は部品の都合でHCは4.7nFのフィルムコンが大量にあるからで、C18の方はDIPタンタルコンの1μFが大量にあるからだ。これでセラミックコンを追放できるうえに部品を消費して帯域が広がるとまさに良いこと尽くめ(^^


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 さていつものようにグラフで見る。青ラインはノーマルだ。明瞭度を重視しているのだろうがバンド・パス・フィルターを通したように狭い。もっとも送り出し側でプリ・エンファシスが掛るから高音はこれで良いのだろう。赤は前回のR-P30である。効果はC18以外には感じられなかったがCF次第だと思う。そして緑ラインは今回の数値だ。超ワイドで無駄に思えるがはたして。音量はまたホンの少し大きくなっているが違いが出るほどではないだろう。ノーマルと比較すると+3dBとなる。


★交換する
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 例によってたったこれだけなのに神経を使わされる基板だ。足はクリンチしているし基板は剥がれやすい上にハンダは無鉛…加えて変態実装の同調LEDが邪魔をする(^^;


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 ウザッ!フィルムコンのでかさよ(^^; これでも4.7nなのだから1μFなんて使ったら恐らく入らないね。縦長だが上方のスペースは何とか足りている。これはポケットラジオの中ではスペースに余裕のあるRF-P50の有利なところ。


★テスト
 次回のR-P30の記事で並べてテストします。


★近況
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 ダイヤルが固くて回らなくなったので無理に回したらスカッと抜けてしまって針が動かなくなった。バラしてみたら案の定ピンが抜けて半分折れかけていた(^^; シリコーン・オイルを少々塗ったら動くようになったが、ハッキリ言って摩擦があるダイヤルというのは設計ミスなのではないだろうか。


★続く
 AFはこれで完璧?なので次回は最後?のIF改良を行なう。何とか感度を元通りにして「ぼくがつくったさいきょうのRF-P50(笑)」を完成させたい。

Panasonic RF-P50

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箸休めと言うか近況報告(^^; 今日のRF-P50[21/04/07]


RF-P50の過去記事

 実は今回はRF-P50のFMディスクリミネーターに附いて書くつもりだったのだが、やってみたら当方の想像以上に難易度が高そうだったので逃げを打ち次回に持ち越した(^^; 埋め草代わりにコンデンサ交換を行なった。いや電解コンは全部交換したけどまだ気に食わない奴が残っているのだ。


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 これである。この中央に存在する赤い巨大なフィルムコンが開けた当初から目障りで仕方がない。これって何の仕事をしているのだろう?疑問に思ったけどAF回路なので後回しにしていた。で今回改造を断念するにあたって、このワケワカラン巨大フィルムコン(C22)が何者なのか調べてみたわけだ。


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 これってL7(47μH)と組みでイヤホンコードからの局発漏れ防止用じゃないか?これならセラミックコンでもイイよなあ。まあAF信号線に接続されているから歪とか気にしたのかもしれないけど、上流でセラミックコンを使用しているのでここだけ頑張ってもしょうがないんじゃないかと思った。シミュレーションしてみるとAF帯域のちょっと上辺り27kHzで切れるっぽい。

 関係無いけど、この回路図上では220μF6.3V(C23)の極性が逆になっている。現物の実装は正しかったけど。更にディープな話を書くと、同メーカーのRF-2400Aの回路図は正確なのに基板のシルク印刷は逆になっている。部品の実装も逆で、もしかするとこれの修正をとり間違えたのかも。外注が多い生産の現場ではよくあることだ。いつも出しているところだとチェックもメクラ判だったり…。


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 閑話休題、C22を除去しちまいました。接着剤を剥がしたらその下にC22とシルク印刷されている。元々設計でここに貼りつけるつもりだったらしい(^^;


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 何かイヤだけど手持ちのセラミックコンに入れ換えよう。実はこの0.1μFが山のようにあるので早く使いたかった。いずれ小型のフィルムコンに入れ換えられることを願っている(^^


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 除去した東信のフィルムコンである。そうだ、これをこのRF-P50のイコライジング(CC)に使おうか?でもCCはフィルムコンでもHCはセラミックだったらおかしいよな(^^; 0.01μFのフィルムコンを手に入れられたらという条件付きで。本当はCAP倉庫にあるはずだが見つからないだけなんだよね…。

 ネット上の写真を幾つか見たが巨大フィルムコンは初期型だけらしく、中期型ではより小型のフィルムコンになり、後期型では手抜きのMLCCになるようだ。この改造は後期型への改造という事になるね(^^; でもこの大きなスペースは何かに使えると思わないか?IFアンプでもRFアンプでも大概のものはここに入ると思うぞ。


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 参考までにR-P30の後期型(インドネシア製、HSDLで改造している物)はMLCCになっていた。番号はC22からC24に変わっている。これがどれだけコストに影響するかはシロートの皆様でも分るでしょう。手付けはコストアップになりそうだけど…。ちなみにラジアルリードのC22も実装可能である。


 今回は正にどーでも良い改造になってしまった。でもMWのトラッキング調整をし直して感度は良くなったし、次回こそはFMディスクリかイコライジングを行ないたい。


★RF-P50現況
 だいぶ長いこと弄ってきたが現在はこういう状況である。

選択度がノーマルと比較にならないくらい向上した
 1エレ(LTP455B)→6エレ(CFW455HT相当品)なので当たり前だが分離が驚異的に良くなっている。イナカであれば隣のチャネルはほぼ完全に分離できる。夜間受信できる局数が爆増しているので、ラジオに詳しくない人が聞いたら高感度になったと錯覚するかもしれない。現実はノーマルよりも明らかに低感度なんですが…(^^; 受信局数と感度は必ずしも比例しないのだ。

ノーマルよりダイヤル合わせが難しくなった
 高選択度の代償としてダイヤル合わせは難易度が高くなった(リアルジジババには不可能?)。但しノーマルでも本当は正確な中心は一点しかないのだから難しいはず。ただノーマルの選択度が悪くて許容範囲が広いので合っているように聞こえるだけだ。メーカーが選択度を上げない理由はコストダウンが主な理由だろうが、ダイヤルがプアーなラジオではこれも理由の一つなのだろう。直回しでは相当ダイヤルが大きくないと困難になる。ICF-28/29くらいは必要だろうな。

ノーマルより高音が出るようになった
 ノーマルより幾らか高音が出るようになった気がする。LTP455B(-3dBの時6.5-12.5kHz)よりも仕様では狭帯域(-6dBの時6kHz)のハズなのだが…。ハッキリとした理由はまだ判らないが、これは帯域幅ではなくCFのシェープ・ファクターの差なのかもしれない。恐らく1エレは帯域が山形で、6エレの方は平坦と言うか台形なのだろう。

ノーマルより低音が微妙に弱い気がする
 通常はCFを交換して低音が弱まる事は無い。理論的に下の方は帯域で切られる事は無いからだ。もし低音が弱くなるとしたら同じVRの位置だと高音が出るのでVRを絞る傾向になり、そのせいで低音が不足するのかもしれない。これはR-P30での実験通りCCを大きくすれば解決するだろう。次回やってみたい。

ノーマルより感度が下がっている
 現状の致命的欠陥はこれだけ。色々工夫を凝らしたが、やはり挿入損失を完全に挽回するには至らず感度は下がっているように感じる。これをIFで解決するかRFで解決するかは決まっていない。常識的にはIFだが、IFゲインが下がってノイズが低減した気もするのでRFでの解決もアリか?これはループアンテナなどを付けてみてその感じで決めたい。


★おまけ「改造版RF-P50の選択度」
 アホでも選択度を実感できるファイルを作成した(^^ NHK東京1(594kHz)の隣のチャネルである603kHzを昼間に各ラジオで聞いてみる。

R-P30ノーマル
https://www.axfc.net/u/4034490?key=20210320
 LTP455BというSFU455Bの互換CFを搭載している。ラジオの方向もあるが市販ラジオはこんなものでしょう。同調が外れて一寸シャリシャリした感じだが殆ど生で聞こえる(^^;

R-P30改造版
https://www.axfc.net/u/4034490?key=20210320
 改造によりCFA455L02(SFU455C5相当か)を搭載したR-P30である。上と比べ-6dB帯域幅は狭くなったが意外と選択度は上がっていないのが判る。なお前回イコライジングを弄ったためなのか余計な低周波ノイズも強くなった。低音は無暗矢鱈に通せばいいってもんじゃない(^^; 50〜60Hz以下をスッパリ切る選択もあり。それはパッシブ・フィルターでは無理だろうけど。

RF-P50改造版
https://www.axfc.net/u/4034490?key=20210320
 本稿で改造しているCFW45xHT相当品を搭載したRF-P50。NHK1は僅かにSSが聞こえるもののほぼ聞こえないレベル。イコライジングは弄っていないが音も悪くないどころか上より良いかも。これを使ったらもう市販品では満足できなくなります(^^


 このようにRF-P50はNHK1が殆ど聞こえないレベル。,任603kHzの微弱局はどんなに感度を上げても受信できない。目的局の信号強度が上がっても混信局も同じレベルで上がるからだ。SWでもMWでも感度と同じくらいに選択度が重要である事が理解できるだろう。

 CFW455HTはICF-EX5/MkIIに搭載されているCFだが、アレのレビューで「聞こえなかった局が聞こえるようになった」と書いてあるのは殆どが感度ではなく選択度の功績であるのは間違いない。高々180伉度のFRAに変わっても全く聞こえない局が聞こえるようになることは殆ど無い(真っ当なメーカーのラジオであれば10dBは違わない)。

受信ログ[2021/04/01]

 まとまった時間がなく、暇を見つけて10分程度でいろいろな時間に受信している。但し当方が最も受信したいSAが入感する18〜20時は時間が取れない。アンテナも相変わらずショボイ室内アンテナで新局は増えていない。Rxは全てRF-B30、アンテナは全てMLA3だ。


=6160kHz:PYONGYANG BS (Korean)=
 平壌放送の新周波数を2021/03/24の10:45から受信。6400kHzが出ていないようなのでこれが移動した新周波数で良いんだよね。オフバンドから正規のバンド内に収まったのはどういう風の吹き回しなんだろうか?2020年現在はオフバンドでも迷惑をあまりかけない気がするが。どうせならもっと早くやればよかったのに(^^; あと動くとすれば最後のオフバンド送信4557kHzか(動くとすれば60mb内に入るのだろうか?)。

3220kHz:PYONGYANG BS 03:00-05:00(Korean)
3320kHz:PYONGYANG BS 06:00-04:00(Korean)
4557kHz:PYONGYANG BS 06:00-05:00(Korean)
6160kHz:PYONGYANG BS 06:00-03:00(Korean)


=11895kHz:NHK WORLD RADIO JAPAN (Korean)=
 2021/04/01の13:12に11895kHzでR.JAPANのISが微かに聞こえていたのでそのまま聞いていたら韓国語プロだった。放送時間は13:15〜13:45だが、拙いことに同波に12:00〜16:00まで長々と強力なR.FREE ASIA(Chinese)が出ておりほぼカバーされている。周波数変更の際にモニターしているはずなのにNHKらしくないね。


=15640/17820kHz:Radyo Pilipinas Worldwide (English)=
https://www.axfc.net/u/4035245?key=20210401
 これは2021/03/30の開始時だ。フィリピン局ではおなじみの国歌演奏から始まる。19mbも良いが開始時は16mbが良好だった。ちなみにこの局は終了時の国歌演奏が高確率で時間切れでブツ切りされる。これって国によっては関係者が処分対象になりそうだ(^^; この辺りは緩い国なんだなあと思う。

02:30-04:30(Filipino) 9960,12120,15190kHz
11:00-12:30(English) 12010,15640,17820kHz

 短波放送はこれしかない。近所でハイバンドということで非常に良好な局だが、放送時間が真昼間と早朝しかなく真っ当な社会人には受信しにくい局だ(^^; 当地では昼間は16と19mbが良いです(早朝は受信したことがない)。


=4990kHz:PBS Hunan (Chinese)=
 湖南人民広播電台を2021/03/31に受信。たぶん以前書いたが、この局は60mbでは4840kHzの黒竜江PBSと並んで良好な局だったが、筆者が短波復活した時には全く受信できなかった。しかしここ一週間くらいは放送として認識できるように入感するようになった。この方面がコンディションにより左右されることは殆ど無いので恐らく一時停波していたのではないか?

05:30-10:00(Chinese) 4990kHz
18:00-02:00(Chinese) 4990KHz

 2021/03/31にはRF-B30のメーターがS5以上振っていて4905/4920kHzの西蔵と変わらない強さだった。もっとも昭和時代には筆者のFT-101E(BCLタイプ^^)にてS9オーバーだったので復活というのは程遠いか。朝は開始時、夜は深夜が良好。


=1時台の49mb=
 2021/03/26に1時台に49mbを流したらこんな局が聞こえていた(CRI+CNR抜き)。常連ばかりで特に面白くは無い。新疆PBSは60mbよりは良いかなと言う程度。西蔵PBSは強いけど混信が有るので60mbの方がイイ場合もある。RNZIはDX局状態なので昼間のハイバンドで受信しましょう(^^;

5845kHz:BBC Tinang	00:30-03:30(Korean)
5935kHz:PBS Xizang 20:00-03:00(Chinese)
5960kHz:PBS Xinjiang 21:30-03:00(Chinese)
5975kHz:BBC Al Seela 01:00-02:00(Dari,Pashto)
6110kHz:PBS Xizang 01:00-02:00(English)
6115kHz:R.NZ INT. 21:59-01:49(English)
6120kHz:PBS Xinjiang 23:30-03:00(Uyghur)
6190kHz:PBS Xinjiang 21:07-03:00(Mongolian)
6200kHz:PBS Xizang 01:00-02:00(English)

>RNZI(6115kHz)終了部分
https://www.axfc.net/u/4035245?key=20210401
 6115kHzはこの26日が最後?で現在は6170kHzだ。昼間の放送を考えると良好とは言い難い。例によって最後は節電のブツ切り(^^;

AIWA CR-AS17

この記事はレビュー記事でも懐古記事でも買い物ガイドでもありません。シロート向けの使い勝手などの一般的評価は書いていないので、ラジオ好きで超マニアックな常連の変人以外はここでお帰りください(^^/~ 最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とします(リンク条件はこちらを参照)。

HSDL期待の哀話ラジオ登場!廉価ハンディ”CR-AS17”(^^;


 前回イヤイヤ修理した哀話だが動かなかったので今回は動くようにするぞ。


★SWのオーバーホール
 電池室のマイナス・コンタクトも酷かったがこれもかなりヒドイね。緑青は鑢やブラシで落とすと汚なくなるし傷もつく。また摩耗すると拙い個所もあるだろう。だから酸で洗うのが一番だがここに実装したまま洗うのはリスクが大きいし、そもそもカーボンの付いたVRを酸で洗っていいものか?良いわけはない。どうするか迷ったが、酸を表面に少しずつ垂らして拭き取る手法を選択した。地道で面倒くさいけど仕方がない。


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 結果として上写真のようになったが写真だと大して違って見えないな(^^; ついでにSW接点 も磨いたがまた酸化するだろう。完璧を期すなら導電性のグリスなどを塗った方がイイ のかも知れない。がしかしHSDLには存在しない導電グリスを使うのは新たに買う事と同 義であり、この程度のラジオにそんなカネを使うのはもったいないし無駄だ。これがスラ イドSWならシリコーン・オイル薄塗りでイイんだけどな。取りあえず動かなくなるまで放置する。


★再びテスト
 さてSWのOHが終わったところで再度テストを行なう。ニッスイ電池を入れて再び電源を入れた。電源は普通に入った!成功だ。アリャ?変だぞ。音は出たがVRを回しても全くと言っていいくらい音量の変化が無い(^^; VRにガリもないし異常なところはどこにもないのだが何故だろう?推理するにVRも汚水をカブってカーボン部分が変質しているのではないかという事。これはもう直せないかも…取りあえずバラしてみるか。


★再びVRバラシ
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 やっぱり腐食はここにも及んでいるようだ。各接点が全部錆びてしまっている。面倒な事になったな…ただカーボン部分は無事に見えるので接点洗浄剤を吹いてやろう。


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 接点洗浄剤なんて上等な事を言っているが実はこれです(^^; これってライターのガスと同じで洗浄効果があるだろう。かなりテキトーだがHSDLブログを読んでいる人は納得できるハズだ。実は数年前に夏にHO巡回の最中に暑かったから買ったのだが、効果は一瞬しか無かったので持て余していたのだ。有意義に活用できたネ(^^

 これで試したら徐々にコントロールが復活したが完全にはならなかった。やはり中点である軸を磨かないとダメみたい。面倒くさいし時間切れなので仕様の確認に入る。


★受信してみる
 モードはMWでテキトーにダイヤルを回したが殆ど聞こえなくらい感度が低い。この道具立てならもっと高感度になるはずだ。以下の計測で感じたのだが局発が弱く感じる。どのくらい弱いかというとRF-B30ではほぼ拾えなかった。こんなに局発が弱くては受信は不可能だろう。ある程度までは感度は局発の強さに比例すると言われているくらいだ。ICラジオの局発が弱る話は聞いた事が無いので周辺パーツの不良だろうか?

 計測結果を見てもメチャクチャに低い方にズレており明らかに調整ズレだ。しかし不思議なのはシロートが触った形跡がないという事。という事は汚水に冠水してズレたのだろうか?不可解なので再調査の必要がある。FMはズレていないので恐らくVC関連ではなさそうだが、そうすると残るは局発コイルという事になる。変化するほど汚水は入らないはずだけどなあ…。ヒマが出来たら例の基板腐食部分なども捨てる気でバラしてみたい。

 FMに切り替えてみたが安物ラジオとしては明らかに分離は良い。局数の多い東京では安物のFMラジオはダイヤルを回しても「ビュッビュッビュッ」とはならずに各放送局が下から上まで全部繋がって聞こえるものだ。しかし感度はそんなに高くないのでDXは無理だろうね。

=周波数範囲チェック=
MW下限:466kHz(規定515kHz)
MW上限:1404kHz(規定1635kHz)
FM下限:74.7MHz(規定75MHz)
FM上限:109MHz(規定109MHz)

 時間や電源電圧によって範囲は上下する。加えてMWは選択度が低いので精度も高くは無い。MWは±5kHzの誤差が発生する可能性がある。


★調整
 どんなラジオでもそうだが、もし初めて開けたのであれば調整は弄らない方がいい。しかしジャンク品で誰かによって一度開けてあって弄られた形跡があれば調整し直さないといけない。

AM IF Adjustment
 SMにはT1=450kHzとあるが、実際はNGを使用してCFに合わせた方が高感度になる。NGはICのFE-OUTに出来るだけ疎に結合してノイズを注入する。または結合しないでT1(IFT)と誘導結合しても良いかもしれない。NGで合わせた場合はIFはCFに依って不定となるが450kHzに合わせるよりは高感度になる可能性が高い。これはこの製品だけでなくCFで選択度を決定するトランス使用の粗ニーICラジオ全製品に言えることだ。

AM Ferq. Range Adjustment
 レンジはもちろんVCの開度によって合わせる。決していい加減な周波数スケールは見てはいけない。周波数カウンターで局発を直接測るよりも、デジタルラジオを使って局発を拾うか、デジタルマーカーを使った方が楽に正確に合わせられる。この程度の局発には周波数カウンターは重いのだ。デジタルマーカーはIFプリセットとか全然関係無いので調整用に自作するのも良い。勿論SG代わりやアナログスケールのラジオで待ち受け受信するのにも役立つ(^^ 昔使っていたけど想像以上に便利なのでお勧め。

L5=VCの羽根を全部入れて515kHzに合わせる
TC3=VCの羽根を全部抜いて1635kHzに合わせる
選択度が低いので±5kHz程度は許容範囲だ。

AM Trackig Adjustment
 トラッキングはJISCの規格通り。方法も一緒だ。放送波で調整しない方が好結果が得られる。調整したいならSSGでなくともSG(TO)で良いから入手しましょう。

L6=トラッキングポイントは600kHz
TC4=トラッキングポイントは1400kHz

 これらの周波数で変化が無くなるまで繰り返す。

FM Ferq. Range Adjustment
 FMは筆者の参照したSMが輸出用のものだったので上限しか確実ではないが他機から推定は可能だ。レンジはMWと同じくVC開度によって合わせる。決して周波数スケールは見てはいけない。

L2=VCの羽根を全部入れて75MHzに合わせる
TC2=VCの羽根を全部抜いて109MHzに合わせる
どちらも±0.2MHz以内であれば許容範囲だ。

FM Trackig Adjustment
 FMはMWよりVCの変化量が小さいのでバンドエッジで良い。但しFMのコイルは形状が微妙なのでヘボい人はどーでも良いラジオで練習してからにしましょう。さもないと元に戻らなくなってコイルを巻き直す羽目に陥ります(^^; まあ巻き直してもFMなので4〜5回巻きだから大した事は無いが。インダクタンスは140〜160nH程度だ。伸ばすとインダクタンスが減り縮めると増える。感度は通常局では大差無いので自信が無ければ触らないのが一番だ(^^; でもマニアなら一度は挑戦して欲しい気もする。と言うか調整を経験せずにスーパーヘテロダインは語れない。組み立てだけならストレートラジオと変わるところは無いのだから…。

L3=トラッキングポイントは76MHz
TC1=トラッキングポイントは108MHz

 これらの周波数で変化が無くなるまで繰り返す。但しMWと違って何度も繰り返さなくても直ぐに合うと思う。


★終わり
 最下級の価格だったが解析では楽しむことはできた。特にSFT(3エレCF)が実際に使用されているのを初めて見たので感動した。今更こんな事を言ってもしょうがないが哀話は良いメーカーだったな…。


★おまけ
 このラジオの回路図には当然FRAが載っているわけだが、哀話の回路図のいくつかはFRAの巻き数比まで出ている!このラジオの場合は130:25で、これはもちろんTUNE:130TでLINK:25Tという事だ。恐らくICラジオの回路図にFRAの巻き数比まで載せているメーカー他に無いだろう。カタログ感度も600/1000/1400kHzの3波に於いてS/N比10dB条件で計測というまるで通信型受信機のようなスペックが出ているし(^^; あまりにマニアックなので驚いた。

AIWA CR-AS17

この記事はレビュー記事でも懐古記事でも買い物ガイドでもありません。シロート向けの使い勝手などの一般的評価は書いていないので、ラジオ好きで超マニアックな常連の変人以外はここでお帰りください(^^/ 最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とします(リンク条件はこちらを参照)。

HSDL期待の哀話ラジオ登場!廉価ハンディ”CR-AS17”(^^


 2019年10月20日に110円で入手した不動ラジオである。「汚ラジオの復活」のER-P26Fと全く同じ症状で、同様にメタリック塗装が腐食している。それを見ると何か泥沼化のイヤな予感が漂うが、これはHO出身なのであれほど汚いわけではない(^^; さてどんなものだろうか?


★外見を見る
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 このラジオも高解像度写真があった。この高解像度写真があるというのはHSDLブログにとっては重要な意味を持っている。何故ならこれは最後に撮影したのは2019年に東伏見で撮影されたのが最後だからだ(^^; タイムスタンプには2019/10/24とあった。入手してからすぐに撮影された運の良いラジオだな。それからもう一年以上放置されていたわけだ。


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 何かフレアーっぽいが前世紀のニコポンが遂に絞り羽根が壊れたため。完全に壊れるまでの耐久テストなのでこれで我慢してください(^^; この腐ったテレスコピック・アンテナは粗ニー(オワタ音響)と同じ所から仕入れているのだろう(或いはオワタ音響製?)。ハッキリ言って破損しやすいので迷惑な存在だ。まあHSDLでは使わないので壊れないけど。


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 この電池蓋は本来は直付けで外せないのだが、当該機は爪が折れてしまっているので外れてしまう。それと蓋のスポンジはカメラにもあるが消耗品で必ず劣化する。保存が良かろうが使い方が良かろうがそれを防ぐことはできない。むしろ10年なり20年なりで定期的に剥がして捨ててしまった方が楽かもしれない。

 スポンジが生きているかどうかは強く押してみれば直ぐ判る。素早く元に戻ったら大丈夫だが戻って来なかったら潔く剥がす。これは隙間テープのようなものでシールになっているから上手くやればキレイに剥がれる。寿命は環境にも依るが20年が限度だろう。このラジオは2000年1月(2週)製と後に判明したがスポンジはまだ全く劣化の予兆は無い。保存状態が良かったわけではないのは判っているのだがよく解らない。予防交換するとすればこの辺りで剥がした方が良いのかも。

 で、ニッスイ電池を入れてSWを入れてみたが全くのスカ。電源が入らないのだ。これはいよいよ(悪い意味で)ER-P26Fに似て来たぞ(^^; 堪らなくイヤな気分だが早速バラしてみよう。


★解剖する
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 廉価ハンディという事で割るのには技術以外に幸運も必要だ(^^; ネジはこの電池ボックス内の2本しかないらしい。


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 おや?意外と簡単に割れたぞ。一度分解されているのではないか?と緊張が走ったがそうではなく、元から爪はそんなに厳しくは無いらしい。チョット評価が上がるね(^^


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 ギャ!何だこりゃ〜!これは汚水で汚れただけではなく、元からフラックスでベタベタに汚れているらしい。生産に疑問符が付くな。


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 先生!早くも不動原因を発見しました!これが巧妙な引っかけリーチであると気付くのは動作テストの時だった…。


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 おなじみのダイヤルメカですね。ここでベルトにカバーが付いているところに感動してしまった。だから裏蓋を外しても分解しなかったんだな。


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 SPは厚みが10mmくらいしか無い薄型でプラコーンだし音には期待できないか。ただ製造は悪くないと思った。


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 基板が爛れてますね…。触らぬ神に祟りなし!と思っていたのに基板を外したらSPのリードが取れてしまった…(^^;


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 ICは露出しているのに見えない。こういう時はPC時代にも活躍したイソプロピル・アルコールと言うか水抜き剤しかない。現れたのはおなじみCXA1619BMだった。確かCXA1019の耐圧が上がっただけだっけ。


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 FRAはおなじみHSDLの精密計測(笑)に拠れば9.6φ×51.4mmとなった。公称は10φ×50mmということだろう。これはフェライト指数で493となりICR-7とほぼ同じ。ポケット・ハンディ機としては最上級クラスである。数値的にはRAD-H245N(220)の倍以上なのだから、もし調整が完璧であれば高感度になるはずだ。


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 部品がサッパリ判らないので仕方なく基板を剥がす。何か部品配置がジャンクっぽいな…(^^;


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 CFはムラタ純正のSFU450Bである。この時期ならまだオリジナルのムラタ製SFUが手に入ったのね。IFが450kHzなのはPLL機(通常IF=450kHz)とCFを共通にするためと思われる。哀話はよくこの手を使う。もっとも単純に供給の問題かもしれないが。CFW455HT互換に載せ替えたくなるが我慢だ(^^;


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 これはヤバい!不動の原因がこれだったらイヤになるな。PC-88のプロテクトで言えばOZAWAチェッカーの解析並みだ(^^; 基板はアテにならないので空中配線になりますね。


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 実はこのラジオの最も注目すべきところはAMではなくFMなのだ。何と10.7MHzのCFに3エレのSFT10.7Mが使われているではありませんか!イヤ実は知っていたけど白々しく驚いて見せる(^^ でも廉価機で3エレ使っているのは哀話だけだと思うよ。これだからこのラジオを絶対に動かしたい!と思って面倒な修理を行なっているのだ。肝心のランクは判らないけどSみたいだから恐らくMS2だね。帯域幅は標準の230kHzという事になります。


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 遂にSPの配線が取れちゃったよ…リード線はもうハンダが乗らず「何処を切っても金太郎」状態で全部使用不能だ。何でこうなるか解る?それはリード線が撚り線だから。つまり糸のように毛細管現象で汚水を吸い上げてしまうのだ。お陰で中までしっかりと腐食してしまいます。腐りラジオのリード線は全交換がベスト。気分は乗らないけど修理するか。


★修理
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 これを見て「何だ、簡単じゃん」というのが修理・ハンダ付けのシロート。これはかなりヤバい状況なのである。ヘタにコテで突っつくとパターンが剥がれる。かと言って手抜きしてハンダ(とはもう呼べないのだが^^;)を除去しないとイモハンダになる。


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 こうやって地道に「かつてハンダであった何か」を取り除いて行かねばならない。チョット間違えるとパターンが剥がれてしまいます。パターン剥がす奴はヘボ。前回やっちまった時は完璧にヤル気を無くしたので今回は真剣にやる(^^;


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 …遂にマイナスのリード線もキレちまった(^^; 面倒がらずコンタクトも外すしかないな。


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 イヤー出来ました。ここまで終わればもう70%終わったも同然。これが難しいところなんだよ。その後のハンダ付けなんて小学生レベルで、ここまでのハンダ除去がプロのレベル。ご丁寧に電気ハトメのようなものが打ってあって取れないからこれでハンダ付けする。


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 さてもう一つの問題点はこれだ。この時点では最有力容疑者のマイナス側のコンタクトだ。


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 錆取りして先端を磨く。これも面倒だがハンダ除去に比べれば大した事は無い。


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 実際これは鉄なので本質的にはハンダは乗らない(乗りにくい)。一見乗っているように見えても爪でガリガリやると大概落ちる。


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 完全に付いているように見えるけど残ったメッキに乗っているだけなんだよ。アテにならないので交換したリード線は巻きつけてます。


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 99%できました。まだ全部繋いでないって?こんなのを修理だの作業だの言ってはいけない。そこらのラジオッサンのうんこブログだってやっている。一瞬です。


★テスト
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 …で、電源を入れたら動かないんだこれが(^^; 何から何までER-P26Fと同じじゃないか!一瞬ショックで目が虚ろになったが(^^; 気を取り直して全体を見てみるとこのSWが一番怪しいね。


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 ここで終わりにするとまた放置されるに決まっているので今回は更に詳細チェック。テスターまで出してきちゃったよ(^^; 通常は修理の時にテスターなどを使う事は無いです。ICラジオにそんなに難しい故障は無いからね。

 で調べたら、このラジオの症状は初めてと言っていいくらい珍しい症状だった。SWは通じているのだが、電池の出力は2.5VあるのにSWの出力側は1.0Vしかない。これではいくら低電圧で動く粗ニーICと言えども無理。要するにSWが抵抗になって1.5V電圧降下しているのだ。もしここで4.5Vか6VのACアダプタを繋いだら普通に動いたかもしれない。


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 で、もう一度基板を外してSWを見てみたら…これは納得だな(^^; 中途半端に導通するのは面白い症状だと思った。試しにSW出力側に3VのACアダプタを繋いでみたら音が鳴り出した。ヤレヤレか。


★続く
 次回は完全に動かして出来ればテストまでやりたい。何よりもFMの選択度は絶対に確かめたいからな(^^

受信ログ[2021/03/17]

 気温が上がってそろそろ外で受信することも出来るようになってきたが、この時期は例年の事だが風が強いので長時間受信はまだ厳しい。受信機はいつものようにHSDL固定はRF-B30+MLA3で移動受信がER-C57WR+内蔵だ。リンクはみな同じ。


=9835kHz:RTM Sarawak FM (Malaysian)=
https://www.axfc.net/u/4034355?key=20210317
 2021/03/14/21:10頃、マレーシアらしき局がHSDLでも放送として受信できた。この状態であれば正時なら確認取れるかもしれない。零時にはキャリアが止まっていたので24時間放送は止めたのかな?


=1566kHz:FEBC(HLAZ) (Japanese)=
https://www.axfc.net/u/4034355?key=20210317
 2021/03/14の受信。まだ当地に来てから録音していなかったFEBC(HLAZ)を録音した。昔よりジャミング代わりの中国局が五月蠅くなってきた。


=9322kHz:謎の放送(^^;=
https://www.axfc.net/u/4034355?key=20210317
 2021/03/16/13:30頃に乱数放送みたいな気象通報みたいな不明放送を受信した。周波数から見て近隣諸国だと思うのだが。誰か解析してください(^^; 終了後は最後に聞こえるサイレンみたいな音がずっと続く。


★移動受信[21/03/17]
 またもや近所のとるに足らない名が通っていない公園で受信してみた。通常の住宅密集地なので特にノイズが低いとか見晴らしが良いとかは無い。RxはER-C57WRでアンテナは内蔵。気温的には寒くは無いのだが風が強くて18時50分〜15分程度が限界だった(^^;

=9835kHz:RTM Sarawak FM (Malaysian)=
 最近は移動受信に出るとRTMとSIBCと4KZをチェックする。まずはこの局だが今日は信号強度が強く充分に確認できるレベルだった。がしかし9830kHzのQRMもかなり強く聞き続けるのは忍耐力が必要だった。

=5020kHz:Solomon Islands BC (English)=
 SIBCと思われる局を18:45分頃に受信した。SAは取れていないがアチラ方面の英語なので間違いなかろう。フェーディングが速くてER-C57WRのミュートで初めてガタガタ不具合が出た。この機種でも稀にこのような不具合が出る。

=5055kHz:Radio 4KZ (English)=
 4KZと思われる局を18:50分頃に受信した。SAは取れていないが英語なので間違いなかろう。19時に入って状態はどんどん良化していったので恐らく20時頃には確認出来そう。それにしてもここで受信できるという事は、上のSIBCもこの局もまともな木造家屋なら受信できそうなのがイヤになる。ちなみにHSDLではこの局とSIBCは珍局・難局扱いです(^^;

=4940kHz:VOICE OF STRAIT (Chinese)=
 合間に海峡の声の19:00の開始時を受信した。18:55からISが流れ、時報の後に中国語と英語でSAが出る。この時間は受信した事が無く、開始時に長々とISが出るのは知らなかったので一寸驚いた。ノイズも無く非常に良好だったので出来れば録音したかった。なお4900kHzの厦門語プログラムは既に18:30に開始している。

Panasonic R-P30

Panasonic R-P30/R-P40/RF-P50シリーズのイコライジング(^^


 以前から予告しつつ面倒なのでシカトしていたICラジオのイコライジングだが、使い慣れたパナのポケット機で実験してみる。ポケットだと内蔵SPしか使わないだろうけど、もっと大きなラジオの場合は意味が出てくるだろう。今回の改造はヘッドホンや外部SP前提となる。でも大きな外部SPを鳴らし切るパワーは無いのでヘッドホン専用か?HSDLではSPもやるけどヘッドホンをメインにテストします。

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 なお今回は取りあえずR-P30でテストするが、同社の(DSP除く)似たような形のラジオには全部当て嵌まる改造だ。部品番号はRF-P50の場合も全く同様となる。そんな訳でタグは両方付けてます。


★イコライジング
 最近はMWDXが完全に頭打ちなのでそちら方面(受信機の3S等)の改造は全くと言ってよいくらい停滞しており、「昔取った杵柄」と言うわけではないが音の世界に帰って来てしまっている。この世界は抽象論が大手を振って歩いている…どころかそれが主流なので大昔にスッパリ縁を切ったのだが、ラジオの中ではまだ簡単な改修により音の良さを追求できる余地がある。つまり簡単に楽しめるのだ。

 イコライジングとは「検波後の出力信号(ロウ・データと呼んでもいい^^)をAFアンプに入れるに相応しい信号に変換してやる作業」だ。とは言ってもICラジオの場合はICが殆どやってくれるので我々が行ないたいのは「音を好みのタイプにする作業」と呼んでも差し支えない。TRディスクリートラジオの場合は回り込みによる発振防止の意味もあったがICラジオで発振することはまず無いようだ(皆無ではない)。

 ちなみに市販ラジオによくあるトーン・コントロールもここで行なっている。なので明確に効果が高いのは想像がつくと思う。そこらのオッサンがやっているような「電解コンを交換したら音が良くなりました!」みたいなのと同じに考えてはいけない。真っ当な世間の人間はその程度では音が変わったとは言わないんだよ。


★まずは設計
 現状はDET_OUTの出力特性がハッキリしない(実測したいのでVNA欲しい)。なので設計と言ってもあまり意味は無いのだが(以下DET_OUT=33k、AF_IN=11kで計算)。


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 このC17、C18がCC(カップリング・コンデンサ)とHC(ハイカット・コンデンサ)だ。見てないけど恐らくRF-P50も同じだと思われる。この部品はシロート目には一瞬抵抗に見えるだろうがセラミックコンだ。抵抗と同じカラーコードで数値(容量)が示されている。

 この写真で言うとC17は左側から読む。カラーが判りにくいが赤・赤・オレンジで223となり22nFを表す。C18はこの写真では上から読む。黄・紫・オレンジで473となり47nFを表す。メーカーの設計値と実装値は同一のようなので安心して次に進む。

C17(HC):22nF
C18(CC):47nF
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 この数値で周波数特性はこうなる。断っておくがこれがこのラジオの音質ではない。入力信号には恐らくプリ・エンファシスが掛かっているので平坦ではなく、このように上をバッサリやってもある程度まではフラットな出力になっている可能性はある。これはあくまでもイコライジングの周波数特性と考えてもらいたい。

 TRディスクリート・ラジオの場合はこの部分のRCフィルター(概ねπ型)に依ってIF発振が抑制されているので無暗に数値を緩めると発振するが、ICラジオの場合はIFの漏れは極度に少ないので自由度はそれなりに大きい(もちろんそれにも限度はある)。サテどのくらいに変えるか?


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 まずはHCを半分の10nFに減らしてみる。これにより高音が通るようになる。青が元の数値で緑がHC減量のモノだが御覧のように高音が通っている。


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 更に半分(4700pF)に減量してみた。これはちょっとやり過ぎ。プリ・エンファシスもあるし、IFフィルターの限界を超えている可能性が高い(つまり無駄)。もしかすると有害な信号が出てくるかもしれないし上の10nFでイイんじゃないか。


rp30_041
 次にHCを元の22nFに戻して今度はCCを増やしてみよう。まずは100nだ。これはもうあまり意味が無いね。何しろSPのf0を遥かに超えてしまっているから。でもまあヘッドホンも考えるとこのくらいでもいいかな。実際にやってみたら明らかな効果が有った。但し低音ではなく中音だが。


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 参考までに1μFに変えてみた。これはちょっとやり過ぎだ(^^; 但し上で書いたように狙いとは違う効果が有るかも知れない。ICのデータシートの電気的特性の計測はこのCC=1μFで行なっている。これは計測時に繋がるのがSPではないからだ(IC性能が水増しできる^^)。ちなみに古い粗ニーのラジオではこれが470nだったりする。その当時はもっと良いSPが付いていたからだろう。なので470nまではアリという事だが、HSDLには持ち合わせがないのでやらない(重要)。


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 という事でHC=10nF、CC=100nFがバランス良さげなので両方とも適用するとこうなった。CCが100nFに増えた分チョット音が大きくなっているが+2dB(相対値)だから気づかない程度か。音が大きくなって拙い事は無いので全然オッケー。そもそもこの後にゲイン調整されるのだから。


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 回路図的にはこうなる。左がノーマル、右が改造版。ICラジオなのでもう回路とか呼ぶ以前のシンプルさ(^^;


★実装する
 本来このような用途にはフィルム・コンデンサを使用するべきだが、こんな小さいのは所有していないので仕方なくMLCCを使用する。歪を測ったら良くないだろうな…まあこのラジオではRF・IFその他の歪の方が大きくて分らないと思う。原爆と一緒に250k爆弾を落として効果に違いが出るか?オーディオ世界の歪はコンマ%単位だが、ラジオの音の歪は%単位なのだ。でも本当はフィルムコンがイイのは一応書いておく。


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 部品を除去するのが非常に面倒くさい。リードが全部クリンチしてあるからだ。加えて無鉛ハンダである。このように除去してハンダを取り去る事ができれば終わったも同然だ。


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 ブレちゃった(^^; 実はこんなに寄れるカメラではないのでレンズの前に虫眼鏡を手で持って入れているのだ。このように明らかに筆者のハンダ付けが浮いている。筆者のは有鉛ハイオク…じゃなかった有鉛ハンダなので輝きが違う。実は半世紀前の真空管用ハンダを使用している(勿論大量に余っているから^^)。真空管と基板でハンダが違うのか?などとボケをかます人は読んでいないと思うが極度にやり難い。1.6φだし(^^;


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 偶然にもラジアルリードの103と104が発見されたのでそれを使う。何かハンダ付けの最中に動いて斜めに挿さってしまったがやり直さない。ハンダゴテ片付けちまったしカメラも片づけてしまった(^^;


★テスト
 よく言われるが「良い音」に正解というのは無く、音の好みは人の数だけあると言ってよい。問題は音の善し悪しを論じることではなく、客観的に納得のいく評価が出来ないところにある。そうなるとやはり耳で聞いたのではダメで、ある程度測定器の力を借りなくてはいけない。

 ちなみに「測定で何も違いが無いのに音が違って聞こえる」なんて不思議な現象は筆者は一度も遭遇した事は無い。そう言っている人は恐らく測定の仕方が解らないか、或いは測定そのものを行なっていないのだろう。そこら辺の人間(そこらのブログのオッサン)程度の耳に分る違いであれば測定器は直ぐに感じてしまいます。測定器をバカにするんじゃねえよ。

 で今回測定しようと思ったのだが、電源を入れた途端に効果が判ってしまった。音が太いのだ。それだと抽象的かも知れないがとにかく中音が太くなった。何が違うってケースが激しくビビるのだ(^^; 手で持ってAFゲインを上げるとビリビリ来る感覚はノーマルでは無かったものだ。それと離調音がデカくなったのもハッキリと判る。あまりにもシュワー!が大きいので同調操作が楽になったくらいだ(^^; だがこれは安定度が低いと諸刃の刃になりかねないな。

 改良で音が良くなったか?は人の好みに依るだろうが、太い音でテーブルに置いて聞けるようになった感じ(単純に音が大きくなった気も…)。恐らく交換した東光のCFが狭すぎるのだろうが高音は変わらない。ノーマルのSFU455相当品ならもっと良くなったかも。いずれ計測してみたいが効果はもう判ったのでRF-P50の方の改造が終わったら一緒にやる事にする。

 今回の改造の効果を余すところ無しに発揮するにはもっとユルイIFフィルターを使う必要があるね。ムラタのランクで言えばF〜Dまで広げるともっと明確になるはず。ちなみにE〜Dに交換すると昔のマネ下ラジオのようにIFTをQダンプする必要がある。イヤIFは当然でラジオによってはRFもダンプしなければならない。高性能ラジオほどアンテナ同調回路のQが高いので音が悪くなる。この辺は真空管ラジオで苦労したラジオG3の世界だ(^^


★続く
 中音が太くなるという意外な結果になったが、以前交換したAFCFA455L02はどうも選択度が高過ぎらしい。しかし改良自体は効果があるようなのでCFW455HT相当搭載のRF-P50の方にも適用してみたい。


★おまけ
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 改造前の姿を上げておく。遺影になるかも知れないからな(^^ イェーイ!


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 これら高解像度写真は2019年秋に東伏見で撮影されたもの。何かもう懐かしいけどその頃書き始めた記事なんです。

TRIO SG-402

この記事は、最低でも過去記事と「HSDL用語集」「HSDLラジオ用語集」を読んでいる事を読者の条件とする(リンク条件はこちらを参照)。

TRIO SG-402 トリオ製SG(TO)の部品を交換する(^^;


 前回内部を見たらBJTがくたばりかけていたSG-402だが、仕方がないのでBJTと電解コンを交換する。小容量のアルミ電解コンなんてクソな物はHSDLには無いんだけど、さてどうするかな…。


★部品交換
 当該機の内部の状態は全く弄られておらず悪くないが、前回見てきたようにパーツが限界を迎えている。現在動作中なので完全に死んでいるのは無いだろうが黒ずんだ2SC458と電解コンは寿命と言って良い。推定で1970年前後製造だからね…。

=使用TRと交換要員=
 特に2SC458の脚の黒ずみはもう確実に劣化している証だ。2SC458だけでなく日立のこの四角いパッケージは全部ヤバい。いや日立・ソニー・三洋・松下のRF石や銀脚は最近全部疑っている(^^

Q1,3:3SK30B→2SK55E(所有品有り)脚はGSD
Q2-5:2SC458E→2SC1815GR(所有品有り)

 Q1が発振、Q2がバッファ、Q3が変調段、Q4が出力段ウィズRLCタイプのLPFだ。あれ?2SC458にEランクなんてあったのか?手持ちのデータシートにはCまでしかない。新型の回路図には458Cが指定されているのでここではそれと同じと考える。まあ今の劣化している奴よりは何に換えてもマシになる。2SC1815GRに交換すると30MHz通す時にちょっとイヤになるが、どうせ出力段はエミッタフォロワーだから良いだろう。

 この旧型(と呼んでいいのかは分からないが)は発振と変調のFETは3SK30と称するもを使用しているが、これは4本脚だがデュアルゲートMOSFETではなくジャンクションFETだろう。新型の回路は2SK55だし、あの有名な3SK22や28と同じものなのだろう。今回は2SK55Eを出すのが面倒くさいので換えないが、もし交換する場合もサブストレート・ゲートピン(基板シルク印刷でははB=バックゲート)にくっ付いているパーツはシカトするという事で。確り見てないけどCRでGNDに落としているだけだと思うよ。

 出力調整ツマミはRF-GAINとなっているが実はSWと両方ともアッテネーターだ。強いてRF-GAINを探すなら内部にあるRF-GAINのADJがこれに当たる。もし出力がVRを調整しても規定0.1Vに達しなければTRの劣化が強く疑われる。低周波発振段のTRは正常動作していれば劣化損傷している事は無いだろう。発振部は歪率を測れる人は測りましょう。筆者は見たら酷さにイヤ気がさすかも知れないので測らん(^^ ラジオの調整では内部発振器の歪率はあまり関係無いし、総合的な周波数特性を測る時はスイープ発振は外部入力なので問題無し。

=コンデンサ交換=
 電解コンは製造年から言って寿命なので動作していても全部交換したい。昭和の日本製電解コンは現代の中華製と同等以下と思った方がいい。吹いて腐るわ容量抜けるわで散々な目に遭わせてくれます(^^;

C 1:220μF50V→LXZ1000μF35V
C 2:220μF25V→KZH680μF25V
C 3:22μF16V→NCC KRE 22μF16V
C 8:100μF16V→KZH150μF25V
C14:1μF50V(BP)→NCC FL 1μF50V
C15:22μF16V→NCC KRE 22μF16V
C16:4.7μF10V→松下タンタル4.7μF25V
C17:4.7μF10V→松下タンタル4.7μF25V
C18:220μF6.3V→Rubycon YXG 220μF25V
C19:1μF50V(BP)→NCC FL 1μF50V

 LXZは35Vで耐圧(元は50V)が足りてないけど気にしない方向で(^^ その他全てHSDLではおなじみの不良資産の面々だ。1μF50V(BP)はただのCCなのでシカトして有極使ってます。外部入力でDC入っていたら死ぬかも(^^; 筆者はそんなバカなものは入れませんが。


sg402_06
 π型フィルターなのに電解コンの耐圧が前が50Vで後ろが25Vなのはこれ如何に?同じ電圧じゃないか!と思うだろうが、これは前の入力電圧が最初の電解コンで平滑されて低くなるのを利用して後ろのコストダウンを図っているのだ。セコイ!セコ過ぎる。古の昭和の節約テクニック(^^; 電圧を計測してみたら前電解コン33.8V、後電解コン15.1Vで設計者の思惑通りか。筆者が上で手抜きした(耐圧50Vが無かった)35Vでも足りているのでOKだ。新型は同じ電解コンが使われているっぽい。


sg402_07
 サックリ交換してしまいます。と言いたいところだがこの電解コンは一部接着剤で止めてある上にクリンチしているので外す難易度はPCマザーボードの面実装パーツの比ではない(^^; 中小零細は手付けだからこうだよなあ。電子工作の教科書通りリードがパターンに沿って曲げてあってやり難いったらありゃしない。


sg402_08
 これが抜いたBJT(2SC458E)だ。見事に教科書通りのマイグレ死亡だ(^^; よくこれで動いていたよなあ。ラジオだとこれがOSC(MIX)やIF-AMPに使われていて音が出なくなる。HSDLのICR-7もそうだった(あれは2SC710だった)がTRラジオでは定番の故障だ。


★スイッチの洗浄
 もちろんこれは確実に劣化しているので絶対にやらねばならない。当該機はアッテネーターのスイッチがちょっとだけ接触が悪い。安いスライドスイッチなので致し方ない。同じくスライドスイッチの変調スイッチと共に分解掃除する。汚れを取ったら金属製の接点だけに接点復活剤(シリコーンオイル)を塗って拭き取る。拭き取っても完全には取れないので薄く油をひいた事になります。スライドスイッチは典型的なワイプ構造なのでこれで良かったのだ。

 ちなみにロータリースイッチには接点復活剤を掛けてはいけない。特に高周波関連のスイッチには使わないお約束だ。ベーク基板のロータリーSWはシリコーン・オイルがタップリ浸みこんで高周波特性が変わってしまいます。真空管のように高圧ではないので事故は無いかもしれないが。相変わらずスプレー好きなオッサン・じーさんが多くてねえ…まず何でもDC(直流)で考えるのを止めろ。RF(AC)は絶縁も通り抜けるし空も飛ぶんだよ。もし使うのであれば塗って拭き取るのは常識だ。それでも高周波のベーク製スイッチには使わない方がいい。


★調整
 調整は出力電圧の変調度を調整する。アホが弄っていない限り周波数範囲の調整は不要だ。周波数スケールには視差があるのでピッタリにすることはできない。もし大幅に狂っていたらCやLが死んでいる可能性もある。それ以外に経年で大幅に狂う事はまず無いけど変調度は見ておいた方がイイな。これは調整の時に重要だから。でもこれ仕様だと変調度40%になってるんだよね。ラジオの調整って普通は400Hzの30%でやってたけどなあ。

=出力電圧=
 出力にミリVMかオシロを繋ぎ、1MHzにてRF-GAIN ADJを回して0.1Vrmsになるよう調整する。もしTRを交換したら発振強度が変わるので下の変調度と共に絶対に調整しなければならない。この個体は見た目でVRが腐っているので交換したいが500ΩBの代わりが無かったので接点を磨いただけでスルー。VRは動かし過ぎても故障するが動かさなくても故障するのだ。ラジオのVRを一定にしたまま電源を入切りしているG3見てる?あなたの使い方は最悪なんです(ガリオームの元)。

=変調度=
 オシロ波形を見ながら一応現段階では40%になるよう調整する。もしAFのコンデンサを交換したら調整し直さなくてはならない。しかし規定と違うのがどうも気に食わないのでそのうち30%に変えるかなあ。


★終わり
 以上のメンテにより新品時と変わらない?性能となった(これは新品使った事無いけど^^;)。これからも普段のラジオ調整に活躍するだろう。これを手に入れたらVTVM(SSVM)かDSO(電子電圧計として^^;)を揃えなくてはね。それが無いとまだ半分くらいしか役に立たない。ラジオに限らず計測というのは出すものと受けるものが必要なのです。


★2021/03/12追記
 新型と旧型はだいぶ違うようなので気になってきた。そこで新型の中身はどう変わっているのか検索してみた。

https://www.radiomuseum.org/r/trio_kenwo_rf_signal_generator_sg_40.html
 ガビーン!全然違う!基板は共通点を探すのが不可能なほど違う別設計。回路も異なるわけだから同じ名前でも別機種と思った方がイイね。外見で見破る方法があるか見てみたけど、筆者の目では全く同じにしか見えない。何か当たりハズレのある中華ラジオみたいでいやだなあ(^^;

 まあこれから新たにSG(TO)を入手するならリーダーがお勧め。その場合LSG-17の方が新しいけどIC化しているからディスクリートのLSG-16の方が長く使える可能性もある。回路はトリオと比べると簡易で不安になるけど(^^; 手は入れやすいとも言える。リーダーも後継機は出ていないが、台湾メーカーがLodestar SG-4160BというLSG-17(中身16?)コピーを出している。


★2021/03/17追記
 本日、発振の3SK30Bを2SK55Eに交換した。脚四本のうちバックゲートはグラウンドに落ちているだけだったので迷わず交換できた。発振は強化したように感じるが実際測ってみると特に変化は無い模様。それより参ったのは変調段の3SK30Bも2SK55Eに交換しようとしたら四本脚を全て使用していた。まだ回路が解らないので今日のところは止めておく。変調は掛かっているから変えないでもイイかな…と面倒なのでスルーするかも(^^; それと関係無いけど、上の電解コンリストが当初の予定の古いモノだったので正規のものに入れ替えた。

TRIO SG-402

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

TRIO SG-402 トリオ製SG(TO)の内部を観察する(^^


 製造時期が昭和という事で何もしなくても部品が劣化しているかもしれない。いや実は現役使用しているけど最近どうも発振が規定より弱い「気」もしてきた。特に低い方で劣化している気がする。もしかすると発振部分やバッファの石が劣化しているのかもしれない。それに電源部の電解コンを交換するとノイズが減少するかもしれないし、トーン発振部の電解コンを交換したりセラミック・コンデンサをフィルムコンに交換すると歪率が下がるかも知れない。ついでに変調度と信号電圧を正確に調整したくなる。やっぱりバラすしかない。


★概要・仕様・使い道など
sg402_01
 本当に全て使うのかどうか疑わしいようなボタンやツマミがやたらに多く、操作もマニュアルが必要なSSGと違い、パッと見でこれを使えない奴は居ないだろう(^^ マニュアルなんか絶対に必要無いくらいSWやツマミが少ない。一口に言えば出力電圧を自在に可変できる目盛付きLC発振器だ。周波数スケールは意外と正確(と言ってもディップメーターと大差無い)なのでアナログラジオの調整ならこれで充分。イヤ我々のような懐古趣味の場合はデジタル表示がどうにもアナログラジオに合わないのでむしろ外見的に望ましい。HSDLに4台もあるSSGは重く大きくて、しかもSWでのガチャガチャ周波数変更がイヤな感じなので厳密な計測以外では使いたくない。

 長波100kHz〜短波30MHzまでを切れ目なくA〜Fまでの6バンドでカバーする。100〜150kHzでは5kHz直読ダイヤルだがIF455kHz辺りでは一気に25kHz直読になってしまうので大雑把と言えば大雑把。スケールには一応IFとハムバンド辺りにマークがある。IF調整とトラッキング調整は容易だ。

 内部変調は標準的な400Hzで外部変調は50Hz〜10kHzまで保証されている。筆者の所有するもう一台のSG(TO)であるリーダーLSG-17は後から出た分だけ機能・性能が上だが、あちらは内部変調が1kHzなのでここだけはSG-402の方がイイな。これの外部にスイープAF発振器を繋いで、ラジオの方にWave Spectraを繋げばラジオの周波数特性も判る。しかもRFからの総合特性とか、IFからの「ウィズCF特性(笑)」とか「検波+AF段だけ」とか分けてアナライズできる。やり始めるとこれが一年くらい熱中してしまうほど面白いのだ(^^ 電解コン交換して自分の耳で「音が変わった」とか喜んでいる人はやってごらん?自分が如何につまんないことしてるか理解できるから。アナタ方のやっているのは水爆の前の爆竹だと思うぞ。閑話休題、

 変わった使い方としてはループ・アンテナやアンテナ・チューナーなどを厳密に合わせたい時にも使える(デジタル・マーカーでも出来るが)。実際、昔はRxの横に置いてそうしてました(^^ ちなみにこんなテキトーそうなSG(TO)でも比較法なら感度の測定だってできる。ガキの頃はこれ+プローブ+テスターでフィルターの特性だって測りました(^^ 昔のオレは根性があったな〜。

 コイツの相場はよく分らんけど払って良いのは完動で4000円くらいまでか。新品同様とかだったらもうちょっと考えても良いけど5000円以上ならリーダーのLSG-16、17の方が絶対にいい。リーダーの方はFM帯もカバー(150MHzまで)しているから更に使い道が広がる。あとリーダーの17の方がだいぶ新しいので(内部はIC化している)劣化が少なく状態が良いのが多い。劣化は主にVRとバンドスイッチだ。筆者はこのSG-402の時代のTRIOスタイルが気に入って入手したがそれだけの意味しかない。要するにSGが好きなんだよ(^^


★中を見る
 冒頭に書いたように発振が弱っている?ような気がするので、それに留意しつつバラして回路や部品を調査する。


sg402_02
 粗ニー&オワタ音響のラジオじゃないからネジを外したらすぐに開く(^^ メンテナンス性は高いか?


sg402_03
 部品面はこっち。何かラッピングが使用されているのだが…曲がりなりにも高周波回路でこれでいいのか?(^^; オレはイヤだな。ハンダ付けしてないところもあるし。てぬき。


sg402_04
 あれー?これには発振に3SK30B(日立)が使われている。おかしいな?こんな石が使われているはずがないのだが…。回路図に拠れば筆者が一杯持っている2SK55Eを使用することになっているのだ。

 で更に回路図と比較したら何と手持ちの回路図とは中身が全く違う事が判明した。何しろTRが回路図のは7石なのに対し現物は5石しか使われていない。違っているのは低周波発振回路が2石ではなく1石、電源の安定化回路が無いという事だ。改良されたのは内部変調の歪率改善と周波数安定度改善か。恐らくこれは旧タイプなのだろう。下手すると70年代前半の製造じゃないのか?またハズレを引いちまったようだな…(^^;


sg402_05
 がしかし!そんな事は大した問題じゃなかった。実は使われている2SC458の脚がマイグレで黒ずんでいるではないか。それも全部だよ!鼬の野郎とんでもねえ奴だ(^^; 所有していないFETは放置してもBJTの方は全部交換せねばなるまい。一度でも見てしまうと気分的に正常に動く気がしない。


★続く
 てー事で気軽に受けた健康診断でいきなりガンが発見され入院となりました。まあ自覚症状が殆ど無い初期段階なので大丈夫。次回は部品を交換してできればMODしたい。

TECSUN R-818

この記事はレビュー記事でも懐古記事でも買い物ガイドでもありません。「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしているラジオ好きで超マニアックな変人以外はここでお帰りください(^^/~

TECSUNのアナログSWポケットラジオ”R-818(PL-818)”


 2019/08/24に540円という高価格でゲトした物件。買うのはイヤだったのだがTECSUNのアナログラジオを見た事が無かったのでどうしても見たかったのだ。で買ったらこれがまた失敗なんだが、まあ五体満足ならこの価格で出る事は無いだろうから当然と言えば当然か。愚痴は後にして詳細を観察してみる。テクスンのアナログ技術は信用していない筆者だが、果たしてどんなものが出てくるのか興味深い。もっともICラジオだろうから他と同じで面白味は無いかもしれない。


★外観&動かす
r818_01
 これも高解像度写真が有ったので見ていただこう。よくあるタイプのICラジオに時計付きのワンチップカウンターICが組み合わされているタイプ。この手のラジオは電源を切っていても電池がドンドン無くなるので好ましくないと思う。何でこのIC(恐らくアレ)はこんなに電力バカ食いなんだろう?現代の時計ICなんて普通の電解コンデンサに溜まった電荷だけでもかなり長い間動くのだぞ。少なくとも今世紀に見合った技術の進化が望まれる(これでは1980年代レベルだ)。


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 裏面。周波数カバー範囲が書かれている。SWは5.90-18.0MHzで意外と狭いな。おや?ここの銘板だとR-818とRの後にハイフンがある。ラジオの正面とどちらが正しいのか?型番だから銘板の方を正解とするか。


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 電池は単3×2本で標準的。これが3本だとキレるところだが…。BCLラジオと違って眺めて楽しいラジオでもないので早速動かしてみよう!

 …で電池を入れてスイッチを入れたけど全く音沙汰なし(^^; 大体この手のラジオは電池を入れただけで時計が点灯するものだ。時計が出ない時点で電源が入力されていないかカウンターICが死んでいるかだ。しかしこれはラジオICは別になっている上にアナログスイッチなのでカウンターICが壊れていても音くらいは出るものだ。音も出ないという事はICの故障ではなく電源が入っていないという事になる。これが唯一無二の結論だ。電池室の液漏れが気になるので磨いてみたが全く何も起こらない。これはもう開けて調査するしかないようだ。恐らく単純な故障だと思うのだが。この辺りでもうヤル気が無くなってきた。


★割る
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 割りました。ハイ終了!電源のリード線が腐ってやがります(^^; 電池が液漏れ→電池はマイナス側から液が漏れる→マイナス側のリード線が腐って切れた。これがこのラジオの不動原因だ。原因調査も修理もへったくれもありゃしねえ。そこらのうんこブログレベル。


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 テレスコピック・アンテナにもかなりのダメージが見られる。当然ながらアンテナのリードも切れていた。絶縁用に入っていたと思われる厚めの紙が腐って消滅していた。タブと言うかラグが腐っていて折れかけている。ハンダ付けは困難だろう。何しろテレスコピック・アンテナを止めているネジが全く回らない。何かもう修理するのがイヤになってきた。

 この状況を推理すると、恐らく電池室が比較的きれいなのは前ユーザーが掃除したからだと思われる。「あ、電池が漏れちゃった…動かない!よーし、おじさん頑張って掃除しちゃうぞ!あれやっぱり動かない…捨てよう」が真相だろう。ネジを開ける選択肢は無かったか、開けてもハンダ付けまでは無理だったかもしれない。この場合は電池が液漏れした時点で負けなんだよ(^^


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 光線の関係で見にくいが粗ニーだ(^^; CXA1691ね。SMDだから1691Mか。


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 オオッこれは!HSDLでもおなじみの修正か?(^^; でもよく見ると横に並べているだけだな。


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 CFは黄色いコアのIFTの手前にある水色の奴だ。どうやら2エレっぽい。曲がりなりにもSWラジオなのだから当然と言えば当然。本当はCFUクラス(4エレ)を搭載して欲しいところ。


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 このラジオで唯一良かったのはこれ。なかなか作りの良いFRアンテナだ。HSDLの精密計測(笑)は不可能だったがサイズは5×8×50mmだった(但しリッツ線ではない)。ポケットラジオの中では感度が高そうに見える。選択度も高いしER-C54/55Tと同じくMWラジオとして使用するのがイイかも。


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 ANTコイルが既製品とは言えシールドケースに入っている奴なのは良い。この点ではER-C55Tに爆勝している。アレは既成の固定インダクタだったからなあ(^^;


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 アンテナ手前の省略されたTRが気になるね。RFアンプでも付くのかな?


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 本名はPL-818(Ver4)でした。1999年の生産らしい。


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 さて切れた線を繋ぐのだが、電池を入れる時にコンタクトが飛んでどっか行っちゃったのとアンテナのラグが腐って折れたのでヤル気が無くなった。


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 でも動く事を証明するために無理やり電源を繋いで動かしてみる。動いた。オールバンド正常に受信できたが何故かMWだけカウンターの表示が出ない。これだけ腐っているラジオなのでバンドSWの接触不良かも知れない。SWでもこのようにNRBCが受信できた。アンテナを全く伸ばさない状態でガンガン受信できるので高感度だと思われる。電池の液漏れさえなければ普通に動いていたのだから前ユーザーのアホさ加減が惜しまれるね(^^;


★終わり
 という事で修理は途中で断念したがそのテイストは味わう事ができた。気が向いたら修理してみたいけど次が押しているので無理だろうな。

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