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ジャンクPCパーツやカメラ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

A7V8X-X

或る日突然メモリが…

哀愁のマザー A7V8X-X
哀愁のマザー A7V8X-X
A7V8X-X(修復編)

 AGPビデオカードのテストをしようと思ってA7V8X-Xに載せたが動作しない。壊れているのかと思ってそこら辺にあるカードを挿したが全部動かない。モニターが壊れたのかと思って別のPCを繋いだが異常は無い。ひょっとしてマザーが逝かれたのだろうか。以前からHSDLの改造マザーは浮かばれないジャンクの祟りなのか天寿を全うできない。先日スイッチを付けたばかりなんだがな(^^;

 POSTカードで詳細に調べると何の事は無い、メモリエラーでマザーが立ち上がっていなかった。しかし数日前に使った時は動いていたメモリがなぜ動かなくなるのだろう?不思議に思ってそこら辺にある10枚以上のメモリを全スロットに挿してみたが全部動かない。そんな馬鹿な事があるのだろうか。特に真ん中のスロットが一番悪い。信号的にはチップセットに近い方が良く、電源的には一番遠いスロットが良い。真ん中はどちら側も中途半端でダメなんだろう。

POSTカードがC1で止まる。厳密に言うとその後00に戻るが固まる場合も稀にあった。ブザーは鳴らない。メモリ検出又はテストで止まっているのか?

POSTカードが85で止まるのを二度繰り返す(厳密に言うとその後00に戻る)。ブザーは鳴らない。この85の意味は解らない。稀に90で止まる事もあった。

POSTカードが直ぐに00になって止まる。メモリエラーのブザーが鳴る。

 大きく分けて主な症状は上の三つだった。これではビデオカードまでたどり着けないのは当たり前。直前まで動いていたメモリを突然マザーが全て認識しなくなる事が現実にあるんだな。初めての経験なので新鮮な驚きを感じた。勿論これは何かが劣化しなければ起こらない。糞ニータイマーじゃあるまいし、意地でも10年使わせないつもりなのか?


★メモリ周り
 メモリ周りが劣化して何が困るかと言うと、これが「よく解らないけど不調」「時々不調」「ある条件で不調」という症状を示す事だ。大概の人はここで「古いからもう買い換えるか…」となって買い換える。それ自体は良い事だと思う。いつまでも昔の機械をそのまま使っていないで常にPCを更新し続けるのがジサカーだ。PC自身が買い替えの合図を送ってくれているのだから喜ぶべき。話が逸れたが、このよく解らない症状の半分近くはメモリ周りが原因だ。VRMは元気でCPUは動いてしまうので致命的ではないのだが、ハッキリしないけど不調だったり、たまにBIOS自体がビープ音を発して上がらなかったりする。どうせなら致命的に壊れてくれると踏ん切りがつくのだが、こんな消化不良の壊れ方がメモリ周りの症状なのだ。ジャンクジサカーはこの程度で諦めないだろうが、普通のジサカーは諦めて捨ててください(^^ ここから先はジャンカーだけの領分だ。

 高級機を除く英煤マザーのメモリ周りは廉価版としか言いようがないほどショボイ。新品時は良いけど2、3年もすると劣化してマージンを割り込む。保証期間はクリヤーしているし、「その頃には当社の新製品を買ってよ!」と言うところだろう。筆者はその筋の人だから考え方としては分るが、単純に評価すると残念な評価しか出せない。これらは亜夢板だけではなくイソテル板でも結構当てはまるので、現在の(ハイエンド以外の)設計思想なのだろう。新品で買ってしまった人はやられた気分だね。我々HSDLはジャンクしか買わないので設計思想なんて実際どうでもいいんだ(^^ 劣化して評価が下がれば我々にとってはむしろ大歓迎。ジャンクの劣化した部分を再生・強化するのはジャンカーである我々の役目である。


★調査
vmem1
 これがこのマザーのメモリ周りだ。VRMに比べOSTのショボイ奴で固められており、明らかに手抜き・コストダウンの臭気がプンプン漂う…臭い!クサ過ぎる。一応HSDLではこの電解コンが腐って限界を超えたと判断した。もしかしたら違うかもしれないけど交換してみれば判る事だ。


vmem2
 このあたりでDDRに必要な3つの電源を作っているらしい。中華電解コン(OSTのRLS)は全部取り替えだな。ここで作った電源の一部がチップセットにも供給されている。回路的には良くても基板実装上は結構無謀な手抜きと言える。


vmem3
 これもメモリ用。2本とも交換だ。左にDIPSWが見えるが、これは無印にあったアレだろうか?付けてみたいけど今回は関係ないのでスルー。


vmem4
 右上の小さいのはチップセットのDCなので関係なさそうだが今回は付けてみる。左下のCE18は無印で1500μFが付いていたところだ。無印は合計で3本付いていたのでかなり大容量。今回はここに大容量を付けてみる。容量は関係ないだろうが余っているから(^^


vmem5
 取りあえず不良かどうか確かめるためにも電解コンを抜かなくては話にならない。おやおや?VRM出力コンも抜くの?お気づきになりましたか。実はソケAはCPUのVccCoreも信号に影響を与えるのを思い出したのでここら辺りからOSTを全部追放する。後にVRMは無実だと判ったがいずれ変えるつもりだったし構わん。


★VRM出力
 ここで必要とされているのは{ESR≦4.5mΩ、静電容量≒10000μF程度}なので1500μF6.3V(ESRは35mΩ以下)×7で良さそうだ。太さ8φでこれにピッタリの品種はKZHとかZLHがある。新規に買うならそれでよいが、今回は手持ち品の消費が目的なので12φの電解コンを無理やり付ける。12φ品は478や462以降のマザーではなかなか消費できないから。


cap_haichi
 上図の赤丸の所に付ければ良い。7本のところ4本になるがAthlonXPだから何とか足りるんじゃないか。今回はジャンクから取り外したKZH5600μF6.3VとZL3300μF10Vをそれぞれ2本ずつ消費する。

NCC KZH5600μF6.3V[13mΩ/3450mA]×2
Rubycon ZL3300μF10V[18mΩ/2770mA]×2

 これだとESR≦3.8mΩ、静電容量は17800μFとなり上の条件を余裕で満たしている。0円というのも非常によろしい。気が変わらないうちに早く付けてしまおう(^^


vmem6
 このように一部だけ交換するのはイヤなのだが、動くかどうかわからないモノなので一先ず完成という事で。


★一旦終了
wei20150522
 以前書いた通りこのA7V8X-XにWindows7を入れてみた。WEIはXP2000+ではCPUが最低になってしまった。ビデオカードはHSDLではおなじみのFX5700である。実用はかなり厳しいが筆者は我慢できるような気もする。

 このA7V8X-Xの記事の読者はどのくらい居るんだろう?目次が腐ってたのも指摘されないし、以前からソケ462(A)関連の記事はあまり人気が無い。がしかしハードオフのジャンクで一番目立つのは478と462なのでこのまま続ける。HSDLはストーリーは殆ど全て連続しているので、話題に付いていくためにも興味の無い記事も読んだ方が良いと思います(^^

スルーホール抜けた(^^;

 A7V8X-Xの電解コンを交換したのだが、その実験過程で色々な電解コンを多数付け外ししていたら遂にスルーホールが抜けた。具体的に言うと電解コンのグラウンド側が抜けている。付いていた電解コンを抜いた時に電解コンの脚にホールがくっ付いてきた(^^; これは終わったな。もっと基板を丈夫に作ってくれればいいのに。尤も基板屋に言わせれば「そんなに何度もリワークするな」と言うだろう(当然だ^^)。良い機会なのでスルーホールが抜けた場合の対処方法を試してみよう。


hole_nuke1
 完全に抜けたのはこれ。実はランド(と言うほど大きくないが)が殆ど残ってなかったので、ハンダゴテを使わずに無理やり引っこ抜いてしまった。もはやタダの穴でハンダ付けは絶対に無理である。グラウンドは内層なので再起不能に近い(注)。この例では判りやすいように電解コンを挿しているが役に立っていない。

注:どうしても、というのであれば基板の表面を削って内層GNDを一部露出させる方法もある。ただ汚くなるのでHSDLではやらないことになっている。

hole_nuke2
 まずは片側を普通に付ける。これは普通に作業すればよい。グラウンド側は付けられないので脚を残しておく。


hole_nuke3
 次に折り曲げて隣の電解コンのグラウンド側に接続する。気になる人はリード線を何かで絶縁すればいい(筆者は気にしないけど^^)。勿論最短経路で接続しないといけない。

 ちなみに接続するGNDポイントはVRM内のモノでなくてはいけない。近くにあるからと言ってペリフェラルコネクタ横などから取ったりしては意味が無い。直流的には繋がっていても交流的には切れているのだという事を忘れずに。通常まともな設計のマザーボードならGNDはセクション毎に独立しているのだ。テスターで測ったら0Ωだったとかバカな事を言わないように(それは直流だ)。

 このA7V8X-XもGA-7ZXR以上にボロボロになって来たな。まあジャンクとしては相応しいのかもしれないが。HSDLのテストマザーはその性格上、不幸な末路を辿る場合が多い。果たしてコイツは寿命を全うできるのだろうか。

パワー&リセットボタン

 前回記事はECS P6ISA-IIにパワー&リセットボタンを付けたが、今回はA7V8X-Xに付けてやる。これはソケAのメイン板なのでぜひ欲しかった。


fpanel1
 よく見たらこのマザーは前回のP6ISA-IIよりもっと取り付けが簡単だ。何故ならF_PANEL用のホールが使われずに放置されているからだ。この穴に前回も使ったオムロンB3W-1050を付ければ良い。原状回復も配線が無い分だけ簡単だ。


b3w_1
 前回と同じく片側の脚を取り去る。オムロンB3W-1050の脚は1-2・3-4が共通なので要らない方を切り取る。


b3w_2
 脚を切ったらラジオペンチなどで慎重に曲げる。結構もろいのでテキトーにやると折れるだろう。


w_tape
 スイッチの下にはこの絨毯用の両面テープを敷いた。これは厚みが有るので据わりが良くなる。ある程度固定されるのでハンダ付けも楽になるね。


fpanel2
 4つの穴はGNDが交互に取られているので向きは縦横どちらでも行けるが、他の部品が邪魔なので選択の余地は無い。スイッチが基板に当たるまで押し込まないとハンダ付けできない。上の脚曲げは必須なのだ。


fpanel3
 今回は元々パワー&リセットスイッチ用の穴なので配線の必要が無い。なので取り付けたらすぐに使えるようになる。キートップを付けると更に見栄えが良くなるが、今回はその部品も無いのでこれでおしまい。どこかで手ごろなキートップを拾ったら付ける。取りあえずは用途を間違えないように色でも塗っておくかな。

 前回と同じくポストピンにスイッチを付けなくて済むので超快適。ポストピンに立てる市販品と違って接触不良も無いし、毎度の事だがもっと早くつけるんだった。

A7V8X-X(修復編)

哀愁のマザー A7V8X-X
哀愁のマザー A7V8X-X

 脱落したMLCCを再実装する。加えてBIOSバックアップ電源部分を修復する。


★MLCC再実装
 失敗した…ビニール袋の中に入っていたMLCCがどっか行っちゃった(^^; 元値が判らんではないか…。恐らく0.1μFだと思うが、クロックはそれほど高くないので1μFに増量。ちなみにある程度の高周波になってくるとSRFは容量ではなく形状で決まってくる。ESR共々あまり気にしなくていいのかもしれない。


kt400_dc
 1μFに増量するのは良いが1608のが見当たらない。仕方が無いので1005を使ったが、元々ランドが狭いのでこれで良かったかもしれない。但し見栄えは稍良くない。

 これでこのマザーはオリジナルではなくなったので、気に食わない部分を色々弄ってみたい。手始めはOST追放だな。バイパス改造は馬豚等大電力CPUを載せる気が全く無いので保留。以前も書いたがHSDLのソケA石は63%がモバイル・SFF系だ(Athlonに限れば74%)。


★RTCバックアップ
d9
 BIOSデータが保存されないのはどうもD9が半分死んでいるみたいだ。中華ダイオードは不良が多い。インターネットで検索するとこの手の不良が山のように見つかる。この辺りはBIOS設定が保存されねぇで書いた通り。ありがちなBAT54C(L43)なのでサッサと換えてしまおう。

 …と思ったがこれSOT-23じゃないじゃん(^^; SOT-323だよ。SOT-23ならHSDLも一杯保有しているんだけどな。流石英煤、何でこんな汎用性の無い奴使うんだよこのバカタコチンが。コイツが部下なら真っ先に配置転換してやるところだ。いや速攻でリストラしてやる。


rtc_sbd
 仕方が無いので過去悪いけどリードアキシャルのSBダイオードを付けた。電池ホルダーの+側ピンと、CMOSクリヤージャンパのピンをSBダイオードで繋いだだけ。SB3V側が死んでいないのでこの手法がとれた。D9は半分生きているので外していない。他人がこんな修理をしていたら思い切りバカにしてやるところだ(^^

 ここには小信号用のSBダイオードなら何でも良いけど、今回はそこら辺に大量に余っていたMA700を付けた。RB441も大量にあって良さげだがサイズが微妙に大きい。電流は殆ど流れないのでVfが元と同じくらいなら良い(注)。いずれSOT-323のL43互換品を手に入れたら速攻で貼りかえる。ビデオカードのジャンク品でありそうな気がするんだが。それまではこのブザマな姿で我慢するしかない。


★改造編に続く
 次回は気に食わない所を色々弄ってみる。省略と劣化により手を入れたい部分は多い。

注:MA700はPanasonic、RB441はROHM製。バックアップに要する電流はイソテル計算では3μAと見積もられている。

★2016/05/11追記
 この記事、どーせ読んでいる人が居ないと思って放置してたのだが、実はバックアップ回路のパッチには問題がある。それは電流制限抵抗を省略してしまっている事だ。当初動いたのでそのままにしてしまったが、抵抗が無いと電池的にちょっと拙い。

sbd_a7v8xx
 という事で現実の回路は1kΩの抵抗を入れてこうしているのだった。更に無様・カッコ悪いけど仕方がない。マネした人は居ないと思うけど、もし居たら同様にパッチ修正しましょう。

 早いところL43(若しくはRB715Fのような互換SBD)を手に入れてオリジナルと同じ回路にしたい。秋月は何故かBAT54C&互換品を扱わないのでとても不思議に思っている。これって電子工作でもよく使うと思うんだけど?54ATは扱っているのだから入手できない訳ではないだろう。

哀愁のマザー A7V8X-X

哀愁のマザー A7V8X-X

 前回解析し終わったわけだが、今回はいよいよOSインストールしてテストする。その前にクーラーは以前大量買いしたA7V266-Eのと同じのを付けた。何を付けてもオリジナルよりはマシだろう。曲がりなりにもOC機能を付けるならケチらないで欲しい所。


★動かす
 CPUは例によってAXL1500DLT3B(Athlon XP 1500+ SFF)である。余裕があればモバアスも試す。OSも時間(とHDD)に余裕があればWindows7も入れてみたい。

//G036
MB:A7V8X-X[Rev1.01B/1014β002]
CPU:AXL1500DLT3B(×13.0)
MEM:DDR256MB×2(PC3200)
VGA:MS-8881改[GF4MX440+DDR64MB]
IDE1:DTLA-307030
IDE2:HSDL_DATA1
SOUND:AD1980-AC97
NETWORK:VT8235+RTL8201BL
PS:MIRAGE DR-B350ATX
OS:Windows XP SP3

 HDDは恐怖の欠陥品DTLA-307xxxの最後の生き残り307030しか空いていなかった。繋げたら以前HSDL52で使ったXPが入っていたので動かしたら立ち上がった。面倒なのでこれでテストするか。勿論ドライバは入れ直したけど、K8のヌビで使っていたのがK7のビアでも動くんだね。


gomi1
 その結果こんな風になってしまったが…(^^; 本来と言うか正式には修復インストールしなくてはいけない。実際NT4.0だとそうしないと動かなかったが、XPはPnPが強力なので難なく動いてしまうのだった。


gomi2
 残しておいても実害は無いが気分的に頑張って消す。その後で4in1や各種ドライバを入れる。


cpu_mix
 お蔭様でこのように通常同居はありえないCPUが並んでしまった(^^; 例のAPCIマルチプロセッサPCは修復しないと元に戻らない。バグなのか仕様なのか解らないけど、普通マルチコアからシングルコアに乗り換える奴はまず居ないので仕方が無いな。以前「CPUグレードダウン」と言う記事で3DMark2000が動作しなくなった事は書いた。やはりベストは修復すべきだと考える。

 まずCPU・メモリ等全部デフォで回してみる。当然ながらMEMTESTでのエラーは無い。デフォでのメモリクロックはDDR333で速度は540MB/sだった。現代の目で見れば遅いがA7V266-Eのデフォよりは稍速い。がしかしクロック分の速度向上を期待していると落胆する。


memtest_266a
 AXL1500DLT3Bの安定動作範囲であるFSB266に上げてみた。エラーチェックは合格なのだが…オイオイどうした?A7V266-Eに速度負けしているじゃないか。DDR333がDDR266に同じCPUで負けるなんてありえない。何か重大なミスをしているのだろうか?BIOSのVcoreは1.700V設定が最大だった。AXL1500DLT3BのFSB266安定動作電圧は1.750Vなので一寸足りない。こんな時の為にOVER_VOLTジャンパがある。これでレンジは1.700〜2.050Vまで上げられるが今回は試していない。


memtest_266b
 色々マニュアルで弄ったら漸く僅かばかり速度が勝った。しかしDDR266→DDR333でこれしか伸びないとは悲しい。今回はこれで止めておくが、いずれもっと大幅に速くしたい。独自対応のDDR400は1スロットしか使えないらしいので試していない。


bench_fsb266
 ベンチマークはこのようになった。今となっては流石に遅いが当時としてはまあまあの性能。


★気づいたこと

その1:覚悟はしていたがやはり電源コネクタの発熱がヒドイ。パロ1500+SFFでこれでは馬豚だと一体どこまで熱くなるのやら見当もつかない(注)。あまり酷くなるようならバイパス改造するしかないな。大げさに改造と言っても、ペリフェラルのコネクタを1つか2つハンダ付けするだけだから大した事は無い。

その2:A7V266-Eと比べVIDジャンパフリーになって楽になったと思いきや、実は電圧下げが出来ないという致命的な欠点が出来てしまった。ソケA遊びの半分はモバイル系CPUで遊ぶ事なので、この改変によって受けたダメージは大きい。そもそもGIGABYTEのようにBIOSでコントローラの下限まで下げられるようにすれば問題はないのだが(ソフトで解決できる問題)。当時から思っていたけどASUSの中の人は時代遅れ。ジサカーはイケイケ兄ちゃんばかりではないのだ。

その3:メモリはCPUやチップセットに近いDIMM1から挿すようにマニュアルには書いてあるが、実際このマザーでは遠い方から挿した方が動作確率が高いし調子が良い。電源から離れるとダメなのか、DDRRAMバッファから離れるとダメなのかどちらか。新品の時は問題無く、RLS1000μF6.3Vの劣化が原因とも考えられる。何しろ製造後11年以上経過しているのだから。ちなみにチップセットとの距離に関しては、ミアンダ配線で態々伸ばす位なのであまり関係ない。パラレルは信号のタイミング、信号間のバランスの方が重要という事。

その4:かなり初期段階で気づいたのだが不具合があった。致命的なものではないがBIOS設定が保存されないのだ。SB5Vが効いているときは消えないが、電池に切り替わった途端に消えてしまう。これについては「BIOS設定が保存されねぇ」で書いた通りで次回修復予定。

注:ソース5Vで馬豚がVcore=1.65V、Ipeak=46.5Aだとすると、VRMだけで5Vが22A以上流れる計算になる。その際パワーMOSFET損失も3W以上になる。

★VRMの電圧変動
 いつものようにテキトーにシミュレーションしてみた。2相なのでインチキ臭いが、DSO等の波形を見るとこれで正しいようにも見える(^^ 少なくとも相互比較の対象くらいにはなる。


sim_normal
 静的リプルは全く問題は無い。負荷変動でかなり振られているが、元々Vcoreが24〜48Aで連続的に振られる事はあり得ない。なのでこれでも充分にやって行けてるわけだ。ただこれを使い込んで5年10年となった時にこの性能が維持できるかと言うと甚だ疑問である。


sim_original
 オリジナルの回路設計段階での性能はこうなっている。静的リプルはさらに低下し、動的リプルに至っては半分近くになっている。明らかにオーバークオリティだが、経年劣化を考えるとこれでもいいかもしれない。


sim_kzh5600
 出力をKZH5600μF6.3V×4に交換してみた。静的リプルはESRの関係でむしろ悪化しているが、直流の容量が7500→22400μFに増加したため負荷変動が極度に減っている。これも理論通り。但しシミュレーションは部品の位置は考慮されないので、5本を4本にまとめた事による弊害は分らない。ハンダ付け回数が減るので魅力の構成ではある(^^


★一旦終了
 これで動作編は一旦終了となる。次回は破損部分を修復する予定。


★おまけ
via_fea
 一足早く新ネットワーク速度に於いてこのマザーの内蔵NICの速度を計測した。あれは最終と思われるVer3.87aドライバなのだが、XP(SP3)のビルトインドライバで試したら速度はほぼ同じだが平均CPU使用率が倍増した。これを使うなら面倒でもドライバは入れ換えた方が良い。

哀愁のマザー A7V8X-X

 英煤のKT400搭載マザーであるA7V8Xの普及版。元々売れ線の英煤だが、このシリーズもその例に漏れずかなり売れた。発売当時は価格の安さで注目されたらしい。

a7v8xx
 お蔭でジャンク市場に於けるタマは豊富であり価格も非常に安い。マザーボードだけでなくCPUもDDRメモリも安いのでジャンカーにはうってつけの存在と言える。廉価版で空きランドが多いが、我々はネットワークとサウンドが付いていればそれで充分だ。筆者は当時から今に至るまでKT400を全く使った事が無いので楽しみ。


★ノース
mlcc_out
 袋を振ったら微妙にパラパラいう音が聞こえる。なんか小さな部品が取れているんじゃないか?よく見たら何とMLCCが落ちているではないか。ビニール袋の封を切る前から既に修理確定の赤ランプが灯った。面倒な所でなければよいが…それよりも取れた部分を確定する方が先か。


north_dc
 袋の中に落ちているという事はジャンク箱の中でもまれて剥がれたのだろう。という事はどう考えても裏面に付いていたに違いない。それもDCコンでMLCCが多用されるチップセット裏が怪しい。その辺りを見たらノースブリッジ裏に早速発見!他に脱落は無さそうなのでこれを付ければ元通り復活だ。尤もせっかく手を掛けるのに態々元通りにする気は無いけどね(^^

 このノースのヒートシンクはダメだね。FSB266のA7V266-Eですらもっとマシな奴が付いていたのに、333のコイツにこんなものを付けて良いのだろうか?イヤ良くない(反語)。たとえプロセスの進化で発熱が下がったとしても、せめて同等のヒートシンクが欲しいところ。HSDLはOCする事もあるのでこれは交換しかない。


kt400
 ノースはクロック的にはKT333のマイナーチェンジに過ぎない。Windows98と98SE程の違いも無いんじゃないか?(^^ KT333にAを付けるだけで良かったと思う。サウスの関係でUSB2.0になったのが最大の進歩か。AGP3.0は実用上は全くと言っていいくらい速度に寄与しないし、SATAもまだ無い。このマザーはDDR400に独自対応しているがDDR333との差は微妙なものだ。


mem_slot
 KT400チップセット自体は4GBまで搭載可能だが、このマザーは3スロットしかないので3GBしか搭載できない。尤もこのAthlonXPプラットホームで大量にメモリを積んでも無駄の一語。大容量メモリを使う作業やマルチタスクなんて、余程の気の長い奴しか我慢できないだろう。当時は用途別にそれぞれPCを組むのは当たり前に行なわれていた。AthlonXPなら1GBも積めれば充分だ。まあ限度一杯まで積んで我慢大会をやる楽しみもあるが(^^


ce18
 このCE18はどうもメモリ2.5VのDCらしい。何か昼行燈っぽいけどね(^^ だから生産屋に省略されたんだろう。筆者が見た感じではCE19の位置に置いた方が良いと思う。加えてDIMMスロットの反対側のファンの辺りにもう一本欲しい。どちらかと言えば信号線重視で隙間に押し込まれた感じ。6層基板なら楽勝なんだけどな。

 CE13はCE18の至近にあり、しかも直流的には繋がっているが交流的には切れて別物である。CE13はチップセットの2.5VのDCだろうが、CE18以上に効いていないように見える。だから生産屋に省略されたんだな。この場合は省略されているC184(1005MLCC)の必要性が高まる。元設計では0.1μFだろうがHSDL的には1μFだな。


ce4301
 CE4301はシリアルドライバの電源らしい。ずいぶん大きなコンデンサが指定されているな。それより何でこんな所に付いているんだろう(^^; これは復活好きのHSDLでもスルーだな。そもそもシリアルなんてBIOSでディスってるし。


★VRM
vrm
 VRMコントローラはFAN5093MTCでPentium4用(VRM9.x)だ。1.10〜1.85Vを25mVステップで出力できる。コントロールは5ビットのVIDで行なう。このコントローラを採用する最大の利点は「パワーMOSFETドライバが不要」という事だ。ドライバは2組内蔵なので、2相までならコストだけでなくスペースの点でも有利だ。実際このコントローラはパッケージから考えても、スペースの厳しいノートPC等モバイル機器を意識しているのだろう。当該マザーの場合は省スペースの特徴を有効に生かせているとは言い難いが…。スイッチング周波数は実測で249kHz×2であった。データシートにある定格500kHzは×2した周波数と思われ、DDRのクロックと同じ実効クロックだ。入力コンの計算では実効クロックを用いる。


r69
 スイッチのパワーMOSFETは上下共にTO252パッケージのInfineon IPD09N03LAである。飛び抜けた高性能ではないが信頼性は中華メーカー製より高い。基板設計では上下パラパラなのだが片側は省略された(^^ このマザーの対応CPUで最上位のバートン3000+などではパラにしたくなる。尤もバラック以外でバートン載せるのは止めといた方が良いが(注1)。

 ここでユニークなのはR69である。これはGの電荷を抜くためと思われ、パラならば効いてくるのだろうがシングルだとコストが上がるだけかも。筆者が生産なら抜いちゃうね。ここを改造するなら下をパラにする。上パラは電位差の少ない5V入力だし、スイッチがこれ以上に遅くなるので止めておく。


l24
 入力インダクタはフェライトバーの貧乏くさい奴。コストとスペース的にはこれが一番だが、EMIブチまき等デメリットがあり現在は廃れた。出力はT50-52(互換品)×2だが、Htが6.35位なのでT50-52D(互換品)だろう。この場合AL値は66.0nHとなり、巻き数が3P×7なので3.2μHとなる。電流を考えると絞り過ぎじゃないか?まあ後ろの電解コンが情けない面子なのであまり広げられなかったのだろう。ASUSの回路図を見せてもらったらこの値は1.6μHだった。これは最大電流が流れた時のインダクタンスと一致する。


ost_rlx
 その電解コンだが出力はOSTのRLX1500μF6.3Vという情けない奴である。しかも設計8本のところ5本しか付いていない。電解コン実装率(注2)は62%だ。これでうまく動けば生産屋の間では「You the man!(^^)」等と称賛されるのだろうが。加えて8φなので自由度が下がった。一般的には出力電解コンは出力インダクタ至近が望ましいので、省略が両端と言うのは理に適っている言えない事もない。

注1:VRMは5Vソースなので、回路自体は耐えられてもATX電源コネクタがヤバい事になる。試しにコード触ってみ?これで不安にならない方がどうかしている。バラックで監視しながら動かさないと危険だ。

注2:HSDL用語である(^^ 実装率%=実装本数/設計本数*100だ。

http://www.digital-daily.com/documents/3240/big_board.jpg
http://www.motherboards.org/images/reviews/motherboards/1216_p1_1.jpg
 これはA7V8X無印。電解コン実装率は83%(^^; 10φなのがちょっと裏山氏。この方が自由度が高い(10φスペースに8は付くけど逆は難しい)。電解コンは恐らくルビコンMBZとニチコンHDだと思う。

 入力は破損すると危険なので手抜きできない。NCCのKZE1500μF6.3V×3である。本当は更にもう1本欲しい所だがRLXが完全死亡するまでは持つだろう。触ってみた感じでは発熱もなく問題無し。耐圧6.3Vでお分かりのように5V入力である。電源ケーブルやコネクタの発熱には細心の注意が必要だ。この期に及んでも12Vソースにしないのが不思議(と言うかクレージー)。恐らくVIAのKT400リファレンス回路がそうなのだろうが。

//input
CE4:KZE1500μF6.3V
CE6:KZE1500μF6.3V
CE12:KZE1500μF6.3V

//output
CE1:Empty
CE3:RLX1500μF6.3V
CE10:RLX1500μF6.3V
CE11:RLX1500μF6.3V
CE16:Empty
CE55:Empty
CE56:RLX1500μF6.3V
CE57:RLX1500μF6.3V

OST RLX1500μF6.3V[21m/1650mA]
NCC KZE1500μF6.3V[23m/1820mA]

 カタログデータ上はKZE(WXやZLと同等)よりRLXの方が性能が高い。がしかし、実際はそうでもないのは皆様もご存じのとおり。


cpu_dc
 ついでにCPUのデカップリング。OCには最も効果が高い部分だが、このマザーの場合は可もなく不可も無くと言った程度。


★サウス
vt8235
 USB2.0には対応したがSATAは付いていない。HSDLにとっては全く問題が無いが。ちなみにUSBメモリブートに対応している。FDDがFDメディアと共に消滅寸前の今となっては必須だろう。英煤はUSBメモリ対応が遅く、AOpenやGIGABYTEは対応が早かった。英煤はこの辺りも時代遅れの部分が見え隠れしている。

 内蔵NICの物理層はRTL8201BLで100BASEだ。GbEはバスも厳しいのでこの辺りで納得するのもあり。無理して載せてもAthlonXP1500+程度ではCPUを持っていかれて悲惨な事になるかも。


ce2501
 AC97コーデックはAD1980である。AC97の規格があるのでどうでもいいとも言えるが、ドライバサポートは各社違ってくるので重要だ。78L05の出力コンCE250が省略されているのは嫌だな。無くても動くけど曲がりなりにもAVDDだぜ。ノイズ低減の為にも入れるしかない。DVDD3.3Vは流用なので専用電源は無い。改造しても良い事になったので、出力カップリングのOST100μF16Vも交換するか。もしこれを換えるならマザー全体からOST全廃する。


pci_dc
 PCIバス・スロット周り、メモリ周りはRLS1000μF6.3V[80mΩ/600mA]である。省略されたモノは多くないが、基板設計段階で既に少ない。

 このPCIBUSスロットのDCコンだが、PCIの規格書に規定は無かった。挿すPCIカードが完全にDCされているとすれば必要は無いし、二重になってしまうので付けない方が良いかもしれない。だが現実のカード製品には完璧なDCを施した製品は皆無である。恐らく「マザーボードの方でやってくれているハズ」と考えているのだろう。マザーボードの方も同じように考えたら困った事になる。やはり現実的には省略は出来ないのだ。


★続く
 この時期のマザーは各社オリジナリティ溢れる基板で面白い。現代のマザーはリファレンスのベタコピーだから見ても全く面白くない。次回は動かして遊ぶ(動くかな?)。
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