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主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

ALC201

ALC201 旧ドライバ追試

★NT4.0
 Realtek4.06からAvaceLogic2.48に変えてみた。がしかし、ドライバ・バージョンを見るとRealtekのバージョンと同じだ。もしかしたらAvanceLogic時代から変更されていないかもしれない。

nt4_248
 ご覧のようにRealtekドライバとの差は誤差程度である。結論としてNT4ドライバはバージョンアップされていないという事で。まあ普通に考えればサポート切れOSのドライバは改良しないだろうな。


★終わり
 あくまでも想像だけど、Realtekの最新ドライバはALC6xx或いは8xx以降に最適化されているのではないか。何時変わったのかは分らないが、ALC2xxにはAvanceLogic時代のVerを使った方が良さそうだ(内蔵ドライバの無いOSでは)。あ、そう言えば2k試すの忘れた…でもWDMドライバだからSE/ME/2k/XPは中身は全部同じだと思う。2kのインストールは面倒なので興味があれば自分でやってみて(^^

NT4.0、98SEで試す

 ハードウェア改造では違いが判らなかったAC97コーデックだが、ドライバによっては大幅な違いが出ることが分った。ドライバで違いが出るならOSでも違うかもしれない。そう思って別のWindowsで試してみる。


★NT4.0
noise_3tone_nt4
 ノイズと3トーン。なんかだいぶ悪くなってしまった。実はWaveSpectraのバージョンが違う。Ver1.20じゃないとNTで動かないから(WaveGeneもVer1.20である)。横の比較は無意味かもしれない。

rmaa5_nt4a
rmaa5_nt4b
 しかし同じソフトのRMAAもかなり酷い。同じハードウェアとはとても思えない。特に多信号特性が目を疑うほど悪い。OSミキサが古くてクソなのでASIOを入れたいが、残念ながらVer2もVer1もダメっぽい。入ることは入るんだけどコンパネが起動しないんだよね。


★98SE
noise_3tone_se
 ノイズは変わらないが3トーンの方は良くなっている。XP内蔵以上の成績と言える。

rmaa5_se1
rmaa5_se2
 おおっ、遂にエクセレントが出た!高調波特性は元から良かったが、遂に最高の評価を得たわけだ。あとはソフトASIO(ASIO4ALL)を入れるだけだな。

avancelogic
 実は98SEで使用したのは他で使った蟹ドライバではなくAvance Logicのモノだった。どうしても最新ドライバで動かなかったので、ECSのサイトにあるP6ISA用ドライバを落としてきたのだ。XP内蔵ドライバも時期的にAvance Logic時代の奴かもしれない。


 ということでALC201にはAvance Logic時代のドライバを入れるのが良さそうだ。成績の良くなかったNT4.0もこれに変えるしかないな。

ALC201隠し機能(か?)

 東スポ風の題名だがマジメな話だ(^^


alc201_pin
 ALC201のデータシートを見ていたら、33、34ピンが[NC]つまり未接続になっている。ところがGIGABYTEのALC201採用マザーではMLCCが接続されている。何らかのミスかと思ったが、GIGABYTEの回路図にも正式に記載されていた。気になって仕方が無いのでAC97リファレンス(但しR2.3、ALC201はR2.2)を見たら、それぞれCAP3、4(generic capacitor)とあった。あのー、Generic capacitor(一般的コンデンサ)って…何じゃそれは?(^^; 分類はフィルタ・リファレンス電圧だ。テキトーに訳してみると、
 Generic capacitorは3Dステレオ、トーンコントロールあるいは他のベンダ特有の機能を支援するために内部に使用できる。AC97ベンダは、各コンデンサー・ピンの特定的用法を決定する。しかしながら、ベンダ独自のAC97レイアウトを支援するために、下記が推奨される:

●ピン間のgeneric capacitorsを使用する内部機能は奇数偶数方式の(n、n+1)コンデンサ・ペア(1-2、3-4、5-6など)を使用するべきである。

●グラウンドへのgeneric capacitorsを使用する内部機能はどんなコンデンサも使用するかもしれない。

●Generic capacitorの値は1uF(0805以下のパッケージが好ましい)よりも大きくあるべきではない。

(訳者注:EIAの0805はJISの2012)

 な〜んか分ったような分らないような〜(^^; とりあえずベンダユニークな機能であることは分った。それなのにALC201のデータシートには規定が無い。GIGABYTEは独自情報を得ているのだろうか?そこで本題だが我らがP6ISA-IIはどうなのだろう。


c104_106
 実はこの省略MLCCでした(C104〜106)。という事はやはりRealtekからマザーボードベンダに何らかの非公開?情報提供があったと見るべきだろう。一体何の機能なんだろう?テキトーにギガの定数で付けてみるか。


ALC201_33_34pin
 ギガの回路との比較。同社の複数のALC201採用マザーで同じ回路だったから間違いはない。付けたら僅かでもコストアップになるのだから、付けるにはそれなりのメリットが無い筈は無い。ちなみに6OXTは省略されていた。コストダウンの為に付いていないのもあるかも知れない。実際は殆ど付いてなかったりして…(^^; 皆様の持っているALC201採用マザーはどうなのか教えてください。


★実装してみる
 0.047μFの2012と0.1μFの1608だが、どちらも手持ちがあった。逆のサイズだったらダメだったけど、なんか運がいいかもしれない。いや悪いかも…(^^;

 この基板では(33、34ピンのどちらを0.047μFでGNDに落とすか)2通りの組み合わせがあるが、今回はGIGABYTE仕様で行ってみる。果たして何が変化するのだろうか?常識的にはこの程度の作業で音には影響しないと思うけど…。


c105_106
 フラックス掃除が雑で申し訳ない。このMLCCのランドは配線も極細で非常に剥れやすそうなので触りたくない訳ね。右側が汚いのは右側にゲームポートが有ってハンダゴテが動かしづらいため(^^; そんな奴は居ないとは思うけど、ハンダ付けに自信が無い人は真似しない方が良いと思う。筆者はどうしても結果が知りたいだけで、ハンダ付け作業自体やりたいわけじゃない。


★テストする
 いつものようにフロアノイズ、3トーン、RMAA5でテストしてみる。黒が改造前で赤が改造後である。電解コンと違ってMLCCはエージングしなくていいのが楽でよい。もっとも実装時から、前にも書いた通りエージング特性によって徐々に性能が落ちていくが…。


noise_mod2
 …ノイズ上がっちゃった(^^; 確実に10dBアップしている。まあMLCCを2つ付けただけで良くなるとは思っていなかったが、まさか悪くなるとも思っていなかった。


3tone_mod2
 これも最初に戻ってしまったね。最初に戻っただけだから悪くは無いが。もしかしたら何かのブースト機能なのかもしれない。ゲインアップすれば当然ノイズも増えるわなあ。


rmaa5_mod2
 こちらは変わりないレベル。数値的にはビミョーに改善されている部分もある。しかし違いが無いのでグラフは省略。


 全然違いが判らなかった。もしかしたらヘッドフォン端子(このマザーは未実装)やマイク端子のブーストとか、そんな地味な機能なのかも知れない。苦労の割に得るものは無い改造だった。しかしやってみなければ機能が解からないからね。


★終わり
 たったこれだけの回路にも色々謎があるので解析を止められない。ちなみにAC97コーデックチップはピンレイアウト・機能まで規定されている。お気づきのようにAC97規格ならどのコーデックチップでも差し替えができるという事だ。ただ上に書いたようにベンダ独自機能も許されているので、差し替える場合はピンを殺さねばならない場合もある。まあ性能は似たり寄ったりだから載せ替える必然性は無いけど。…今度ジャンクマザーを捨てる時にはAC97コーデックチップも剥がしておこう(^^ この頃はまだメーカーも種類も豊富だったんだよな。現在のHD-Audioチップを供給するベンダの少なさを見るにつけ、この業界の淘汰の早さに驚く。

これが決定版か

 前回の実験で「XP3内蔵ドライバ+ASIOが最良」という結論が出た。そこでRealtekドライバにはさようなら。XP3内蔵に戻してからASIO4ALLを入れ計測してみる。別にASIOは入れなくてもいいが、ミクサの性能が上がるので入れておいた方が良いだろう。


noise_asio
 何だこりゃ!断然良くなっているぞ。違いは最大10dB以上だから、これはもう計測誤差なんて生易しいレベルじゃない。ASIOにはノイズ特性を変える力は無いから、現実的に考えた結論は「一旦4.06を入れてから削除するのが一番」という事だ。でもなんかハードと言うより単なるソフトウェアの不具合のような気がするが…(^^;


3tone_asio
 最初よりはややうるさくなっているが、ノイズレベルが低いので勝るとも劣らない。ヒゲがあっても可聴域以下になるからだ。これは本当に良いかもしれない。RMAAでダメ押ししたい。


rmaa5_asio2a
rmaa5_asio2b
 数値的には元に戻った。しかしクロストークの曲線などはこちらの方が美しい。俄かには信じられないけど、本当に音が良くなったと考えてよさそうだ。いや考えたい(^^;


 これがソフトウェア設定の決定版という事で。あとはハードの問題だからこれ以上は無理だろう。しかし何事もやってみるもんだな。あのまま使っていたら一生気がつかない所だった。とにかくALC201でここまでやれば文句あるまい。なんか実用的に役に立ってしまった。

ALC201ドライバ変更

 今までALC201のドライバはXP内蔵を使っていたが、「リファレンス・ドライバの方が音が良い」と聞いたので入れてみた。HSDLの事だから音には期待していないが、何らかの変化が出るならそれは面白いと思った次第。試したのは記事執筆時点の最新ドライバであるVer4.06だ。


noise_406
 いつものようにフロアノイズを測定した。黒が2011/03/10バージョンで赤が今回のモノだが、何とノイズが明らかに改善されている。今までのせこいハードウェアの改造努力をあざ笑うかのように…(^^; 逆に言うとソフト次第で酷いものになる可能性もあるって事だな。だがしかし、これで喜んだのもつかの間…。


3tone_406
 WaveGeneで(1、10、20kHz)を入れたらまたビックリ、多信号特性がかなり悪化しているじゃないか。波形を一見して分るくらい騒がしくなっている。これだとRMAAの評価は下がりそうだ。がくー。これで音楽を聞いたら歪っぽい音になるだろう。ロック系は違いが分らないかもしれない。ソースによっては良くなったと感じる奴もいるはず(^^;


rmaa5_406a
rmaa5_406b
 RMAA5.5は予想通りIMDが悪くなっている。総合評価はGoodのままだが、これだけ悪化すると、低ノイズも取り立ててメリットとは呼べなくなった。素直にXP3内蔵に戻すか?


noise_asio
 調子こいてASIOドライバ(4ALL)も入れてみた。16Bitが使えなくなったので24Bitだが変化なし。ローレイテンシの方も特に良い影響は感じられない。とりあえず内蔵AC97でも動くのが確認できたのは収穫。ただし変換にCPUパワーをかなり食うのでSL46Tでは重い。こうして波形を表示するのも動きが落ちるのが分る。


3tone_asio
 Realtekドライバと変わりは無い。ASIOがパスするのはミクサだけなのでノイズやIMDには影響が無いのだろう。再サンプルが高品質になるのは事実だが、48kHzから44.1kHzに再サンプルしない場合は入れても意味は無いかな。

 ちなみにRMAAは何故かASIOがグレーアウトして選択できなかったのでパス。たぶん変わらないとは思う。


 ということでドライバによる差は確かにあった。しかし新しいドライバは良い方だけに向かうわけではなく、悪い方に転ぶ場合もあるという事だ。勉強にはなったが徒労だったな。今回のテストから考えると、XP3の内蔵にASIOを組み合わせるのがベストか?

 ドライバでも差は出たが、やはり根本的に音質を左右するのはD/A・A/D変換に他ならない。D/A・A/D変換で悪化した音は、その後どんなに良い信号系に入れても良くはならない。忠実に悪い音が再現されるだけだ。つまり変換品質を上げない限り、どんな高級オーディオパーツを使っても音は良くならない。
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