ax59pro
 AOpenが元気な頃のソケット7時代の売れ線マザーである。Rev2.0_38でオンボードキャッシュが1MBの製品。


vrm
 当時のSocket7マザーとしては最強クラスのVRMを持つマザー。うちのP5AやSY-5EMA等の非同期整流は問題にならず、同じく同期整流VRMのGA-5AX+もコンデンサの質で上回る。出力コンデンサが1200μF×4本しかなく、メーカーが中華製GLなのが玉に瑕。以前テキトー計測した際にリンギングが酷かったが、経験上これは出力コンデンサ交換で良化すると見ている。

 VRMコントローラはRC5051なので5Bitの設定を持っている。シルク印刷では2.1〜3.5Vとなっているが、取説にもあるように2.05V以下の電圧も出せる。具体的には1.30〜3.50Vまで設定可能だ。HSDLの常用K6-2/300ANZは1.80Vなのでxoxooと設定する(oがON)。

 ちなみにSocket7にはVIDと言う概念は無く、コア電圧設定は全て手動となっている。同じようにFIDも無いので倍率xも手動設定である。何処か忘れたけど若い人のジャンク系ブログで騒いでいたので念の為。時代の流れを感じるなあ…(^^ 特にP6以降から自作を始めた人は要注意。もしK6-2コアに3.5V入れたら短時間でブチ壊れる。2.8Vだと1〜3年で不調になってきて二度と戻らない(試した)。


vio3
 この時代としては珍しくVio3.3も昇圧できる。P6でも上げられるのは少ない。ただし3.3→3.5Vなので上げ幅は小さい。本格的には改造が必要だろう。使用レギュレータICはHI-SINCERITYのH1084Uなので、出力コンデンサ(TC20)にOS-CONやら大容量MLCCやらの超低ESRのコンデンサを付けてはいけない。間違いなく不調になる。


w127
 クロックジェネレータICはW127Hである。FSBよりも倍率OCが盛んだったSocket7なのであまり豊富な設定ではない。


memory
 最近のマザーしか見たことが無い人には異様に見えるメモリスロット。SIMM・DIMM兼用である。これはマザーの仕様と言うよりMVP3の仕様だ。今まで使ってきたSIMMを流用できるメリットが(当時は)あったが、お陰様でアラジンより明らかに速度が低くなってしまった。速度を追及する人にはツライ部分。


598mvp
586b
 サウスがBGAでは無くQFPパッケージ!こういう部分に時代を感じますなあ。MVP3マザーの中には596Bを積んだ奴もある。これはATA-66が使えるが、ハッキリ言ってあまり速くないので過大な期待はしない方が良い。これらチップセットの初期のドライバの酷さは格別だった。アポロ系の悪口を書いている人は大抵ドライバでハマッた人ですm9(^Д^) これらのチップの悪評のお陰で、高性能で安定していた後のPro133A/Tまで一緒くたに否定されてしまった。


 ボード上のアルミ電解コンデンサは三洋、日本ケミコン、GLである。VRM入力はLXZ、出力はGL、他の要所は三洋CG、チビコンはGLである。コンデンサで不具合が出ることはまず無いだろう。尤もこのマザーのコンデンサはそろそろ交換したほうが良い。殆ど使われていないとは言え既に10年以上経過しているのだ。アルミ非固体電解コンデンサは使わなくても自然に劣化していく。あくまでも劣化するだけで全く使えなくなる訳ではないが。


tagram
 このS-RAMがTagRAMである。これでキャッシュレンジがほぼ決まる。256MBを超えるメモリを積む場合は低速になるのがこのマザーの仕様。それ以上積みたい人はオンダイL2搭載のCPUを選択するしかない。その際はオンボードキャッシュは切った方が良い。


★動かす
 お馴染みK6-2/300ANZを付けて動かしてみた。無謀にもXP(SP3+IE7統合)である。かなり重いが一応操作できる(^^; 286改なんちゃって486マシン+Cバス4MBでW3.1を動かしていた筆者には特に騒ぐほどではない重さだ。ベンチはなかなか遅いが、これでも9xや2kよりは明らかに速い。だがOS自体の軽さも考えればベストはNT4かな?DirectXを始めソフトの互換性が低いのが難点だが…。

 余談だが、XPはSP2→SP3になってから一段とメモリ効率が上がって速くなった。特に大容量を積んだ時の性能が改善される。HSDLではメモリ周りのパフォーマンスチェックはできるだけXPを使用している。もしXPが使えないマシンならNT4を使う。DX7以前のビデオベンチは概ねSEで、2kは互換性チェックの時しか使わない。


 Socket7(Super7)が最も苦手とするSuperπで苛める。K6-2はP55Cに同一クロックとは思えない大差で負けてしまう。但し整数演算が大幅に上なのでK6-2の方が体感で軽い。実用するならK6-2の方が上。なおこのP55CはGA-5AX(改)でテストした奴だが、このマザーだと定格電圧ではFSB100で上手く動作しなかった。2.90V(実測2.95V)だと何とか動くのだがマザーの差だろうか。やはり改造したくなってきた。

K6-2[100x3.0]=8:59
P55C[100x3.0]=7:20

 必殺レジスタ設定で更にアップするか?メモリインターリーヴ設定をしたり、ライトアロケートを切ったりするのがπのチューニング。あんまり変わらないけどね。クロックアップに勝るチューニングは無いのだ。大人しくK6-2+に移行した方が良い。3は無駄に高いので勧めないが。実は既にMVP3のレジスタ設定を忘れた…(^^; MVP3弄ったのは2005年以来だ。あとMVP3ってオンボードキャッシュをライトバックにするとリード速度が半分になるんだが、これってバグってるんじゃないのか?ライトバックの方が遅いキャッシュなんて意味が無いじゃないか。

K6-2[100x3.0]=8:53

 筆者が一番重視するCPU周りのベンチはこのGOGOベンチ。CPUやメモリの動作傾向がよく解る。これの最新アーキテクチャー対応版も作って欲しかったが、SSE2やマルチCPU等7世代くらいまでは対応している。このベンチではP55Cの約1.7倍の能力がある。これは殆どが3DNow!のお陰である。しかしどう頑張っても4倍速は無理だった。FPUの速いNT4.0なら行くかも?

[CPU] AMD K6-2 / 300.8 MHz
[速度] 3.57倍速 [設定] Q=5 FPU 3DN MMX

[CPU] Intel Pentium P55C / 300.5 MHz
[速度] 2.12倍速 [設定] Q=5 FPU MMX


 ちなみに筆者の原稿書きマシンはK6-2+500である。今でもバリバリ現役。システム全体のアイドル時電力が17Wだから、現代のデスクトップでは代えが無い。ノートはHDDが複数積めないし、キーボードが生理的に受け付けないし…。


★コンデンサ交換
 ボード上のアルミ非固体電解コンデンサは下記の通り。御覧のように非常に少ない本数である(計20本)。全部換えたところで30分から1時間くらいのものだろう。

VRM出力:GL1200μF6.3V(10φ)×4
VRM入力:日本ケミコンLXZ1500μF6.3V(10φ)×2
各部DC:三洋CG1000μF6.3V(8φ)×3
各部DC:GL100μF16V一般用105℃品(6φ)×11

 出力より入力の方が良いコンデンサを使っているのがポイント高い(注)。この辺りの設計者の腕は確かのようだ。GLは謎メーカーなのでデータシートは手に入らなかったが、金文字でLOWESRと書いてある。この時期の台湾製電解コンは、恐らく当時の業界標準である三洋GXを目標に作られている。つまり水系ではなく三級塩使用品だろう。これは性能よりも長寿命に良さがある。推定性能はカタログ値でESR=70mΩ以上、Ripple=1A弱といったところか。市販品ではUTWRZ1200μF6.3Vが同サイズで単価も安い(千石価格@30円)。

注:カタログスペックでは同等品なのだろうが何しろ値段が違う。マザーボードメーカーAcer=Wistronも日本メーカー製コンデンサに信頼を置いているのが解る。

 交換要員だが手持ち品ではこんな感じで良いだろうか。メーカーや色に統一感が無くて見栄えが良くないが…。日ケミの大陸カラーは何とかならんのか?

VRM出力1:三洋WG3300μF6.3V(10φ)×2
VRM出力2:松下FC1000μF16V(10φ)×2
VRM入力追加:MLCC10μF10V(2012)×2
各部DC:KZH680μF25V(10φ)×3
TC1,3,13,14:ニチコンPR330μF6.3V×4
TC2,4,5,6:日本ケミコンLXZ100μF25V(6φ)×4
TC18,21:日本ケミコンKRG47μF16V(6φ)×2
TC20:ルビコンYXG220μF25V(8φ)
合計175円(銭単位切り上げ)

 VRM出力コンはリンギング防止を狙って容量を増やす。KZH5600μF6.3V1本で賄える容量だが、流石にデカイの1本は小回りが利かないので止めた(邪魔だし)。代わりに得意の変則パターンでWG3300μF6.3V×2、FC1000μF16V×2を採用する。計8600μF(ESR=4.7mΩ)となり、小電流のSuper7としては全く申し分の無い性能。補助コンデンサは以前GA-6BAの時にRC5051にハマったので出力には付けない。

 入力は性能的に換える必要は全く無いが、もし使い込んだマシンなら寿命の観点から交換しなくてはいけない。当マザーは殆ど使われていないので、MLCC10μF×2の補助コンデンサ追加で誤魔化す。

 各部DCのうち、CGは周りに空きがあるので10φのKZHに交換。容量は7割程度になるが全く問題は無い。GL100μFは場所によって容量や銘柄を変えている。TC20は周囲に余裕があるのでサイズアップ。PCIバススロットは増量、KRGは2品物である(^^;


 …と夢は膨らむが、現在のところ全く手を付けていない。だが一応部品キットは用意しておいた。冬休みの宿題と言うことで。
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