HSDL.blog.jp

ジャンクPCパーツやカメラ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

AX6BC_Pro

AX6BC Pro初期型に高クロックCPU

 前回の記事で「初期型AX6BC Proに高クロックCPUを付けるとヤバイ」と書いたが実例が見つかった。これは初期型AX6BC Proに高クロックCPUを付けて破壊した例と思われる(あくまでも推定)。直接役には立たないけど、とても貴重な記事ですね。

 流石に高耐久力の三洋GXは頑張り抜いてしまったようだ。入力コンデンサは壊れずに上のFDB6030Lだけが燃えてしまった。このVRMは元々KatmaiコアのP!!!を想定して設計されているハズ。規定の電圧が出せるからといって安易に付けて良いわけではないのだ。またFSB133は公式にも動作保障はされていない。BIOSに133MHz設定があるからと言って確実に動作するわけでもない。という事でこれはユーザーの落ち度。

 ちなみに上の修理記事は6030の代わりのFETに2SK1492を使ったと書いてあるが、どう見ても2SK1429なんですけど(1492はVdss250Vだし気づけよ)。しかもこのFET(2SK1429)は電圧や電流は合っていても、RDSon等全ての性能でFDB6030には遠く及ばない。ブン回したら発熱等の不都合が出てくるだろう。環境や負荷にも依るが、場合によっては燃える可能性もあるので決して真似しないように。ふつーVdss100Vってところで選択圏外になると思うのだが。


 じゃあ何付ければいいんだ?と聞かれそうなので候補を上げておく。秋月のジャンク充電器に付いているIRFZ44Nはどうだろう。これなら2SK1429よりは断然上。これとて6030には及ばないが、もともとコンデンサ構成的に6030をフルに使い切る事はできないので良いのです。@50円という値段の安さも魅力だ。

AOpenマザー部品の付け間違いの件

 AOpenマザーの部品付け間違いの件だが、今回手に入れたAX6BC Pro初期型(注)は間違っていなかった。という事でAX6BC Proの途中からAX3SP Proまでの間に生産された物が間違っているようだ。


注:初期型とはコントローラがRC5051Mで入力コンデンサが2本の物、後期型はRC5057Mで入力コンデンサが4本に増強された物。


 今まで確認された間違いマザーは全てコントローラがRC5057Mの奴なので、このコントローラを採用した全てのAOpenマザーボードが間違っているのだろうか。そう思って同コントローラを採用したAX64Proを見たらやはり間違っていた。もう決定と言って良いかもね。


zenkei
 新たに手に入れたAX6BC Pro前期版。入力コンデンサが2本しかない。河童でも高クロックでは新品時を除いて安定しないはず。


sw
 これは正常。ここの奴と比べればバカでも判るだろう。しかしこうして比べてみると後期型は地道な改良(解りますか?)をやっていて泣けてくる。そんな設計陣の努力を水泡に帰す生産側の所業…バカな同僚で苦労ばかりしていた筆者には他人事とは思えない。

・AX6B系(日本限定版)
AX6B
AX6BC
AX6BC Pro(これの途中から間違い)

↓以下全部間違っている(だろう)

AX6BC Pro Gold
AX6BC ProII
AX6BC ProII Millennium Edition

AX3S系はRC5057M採用の河童対応機のみ。
鱈対応版はコントローラが違うので問題ない。

 持っている人で直せる人は直しましょう。直さなくてもほぼ実害は無いだろうが、レギュレータの効率が悪いので電気を損する。筆者も移転完了後には付け替えたいが、どうせ使わないから「お馬鹿の金字塔」として保存しておくのもいいか?

 まあそれを差し引いてもこの板が名板であることには変わりはないのだが。



★追記
 初期型を計測してみた。やはり入力コンデンサが2本だけというのは厳しいのか、かなり生っぽい?奴が5Vに流れてしまっている。
old_wave
 またこの初期型には高クロックの河童は載せない方が良い。限界は700MHz程度まで。部品は付け間違っていてもやっぱり後期形の方が良いな。

AX6BC Pro その2

 大分間隔が開いちゃったけど忘れないように更新。
「AX6BC Pro その1」はこちら



 前回色々調査したわけだが、このマザーはVcoreやVttは定格(河童まで)で使う限り何も問題は無さそう。となると改良する必然性もなくなってくるわけだが、鱈を載せるにはもう一段グレードアップする必要がある。また3.3VがATX電源直流しなのでこの対策も必要だ。リテール商品たるもの(?)、ウンコ電源も考慮しなくてはならない。


★とりあえず洗濯だー

1.電池、FLASHROM、ジャンパピン等、外せる物は全て外す。そして掃除機をかけて埃を吸える限り吸い取る。横着して外せる部品を外さないと掃除機に吸い込まれて泣きを見るぞ。当たり前だな。

2.水で流す。ざっと濡らす感じ。水圧をかけてはいけない。せっかく表面に留まっていた汚れが奥に入ってしまう可能性がある。過ぎたるは及ばざるが如し。

3.洗剤をかける。霧吹き型で泡が出るのが良い。普通の中性洗剤でも何でもよいが、塩素漂白系&酸性は単体でも絶対にダメ。接点が腐食するので確実にマザーがお亡くなりになる(ICの足も脆くなる)。そもそも洗剤は色々混ぜるとヤバイ。自分自身があの世行きになったらシャレにならない(笑い事じゃないぜ)。筆者はバスマジックリンを使用した。酵素系で有毒物は使われていないし定番ですね。

4.ブラシで洗う。面実装部品は剥がれ易いので注意。あまりガシガシやるとかなりの高確率でパターンごとはがれる(特に大き目の電解コン)。筆者もジャンクで洗う練習をしている時に一度剥がしたことがある。10年物の古いジャンク基板は更にランドが弱くなっているのだ。
fitbruss
 ブラシは99円ショップのこれが一番だ。青い部分が微妙に柔らかいのが特徴で、ある程度の曲面にも追従する。毛が長いのが重要ポイントで、短いと傷だらけになる。自分の手の指が。

5.水気を切る。この時に基板を強く振り回してはいけない。ビデオカード位の大きさならそれほど心配は無いが、マザーボードだとBGAやSMDパーツが剥がれたり層内配線が切れたりする。特に層内配線が切れたら修理は絶対に不可能。と言うより素人には確かめることすら出来ない。最先端技術でやれば修理出来るかもしれないが、ジャンクにそんな大金をかける馬鹿はいない。

6.予備乾燥。そして表面が乾いたら、ICチップの裏面やコネクタ内に入っている水を掃除機で吸い出す。水が吸えるできる限り強力な掃除機が望ましいが、そうでなければゴミが入っていない専用を用意する。一見して表面が完全に乾いた後でも驚くほど水が出てくる。ドライヤーで20〜30分乾かした後でもジャンジャン出てくるので手抜きはできない。

7.本乾燥。冬で日当たりが悪いと一週間以上かかるので、初夏(6月)〜初秋(9月)の晴れた日中が望ましい。日の出ている間ずっと乾かす。上に書いた事を守れば、丸一日程度で動作に差し支えないくらいには乾いているはず。

8.適宜グリスアップ。ジャンパやコネクタの接点にシリコン系の接点復活剤を塗って拭き取る(←重要)。飛び散るので絶対にスプレーしてはいけない。ホコリをよく吸い取って確実に接触不良になる(つまり逆効果)。何の機械でもそうだが、スプレー好きは機械の寿命を縮める。スプレーは塗料や洗剤だけにしとけ。

6.の時にタンク水抜き剤(イソプロピルアルコール)を使う手もある。これにドブ漬けして攪拌、20〜30分経ったら直ちに軒下にでもぶら下げる。部屋の中に干すと有機溶剤なので人間の頭がパー。この場合は本乾燥も半日もかからず乾く。掃除機も全く必要ない。

 水抜き剤は2、3度で使えなくなるのでフラックス掃除にでも使いましょう。ヤバイ事が起こる可能性があるので絶対に下水に流してはいけない(環境破壊になる)。もしリービッヒ・コンデンサーを持っている人は蒸留して再利用すれば環境に優しい…そんな奴いねーか(笑…でも個人で酒を蒸留している好き者がいるらしいぞ)。


★改造のガイドライン
 AX6BCはPRO以降は改造する理由はあまりない。無印は高クロックの河童ではヤバ物なのだが…。それでも無理やりPROの改善点を上げる。言いがかりに等しいのもあるが。

  • 上下FETが逆に付いているのを修正。必須。
  • 入出力コンデンサの面子がショボイ。PROIIでは改善。
  • 大電流を流すにはインダクタンスが大きすぎ。
  • 本当は電流検出用抵抗を減らしたい(5mΩ→3mΩ)。
  • Vclk周りが手抜きだ。
  • 3.3V直流し対策をもっとやらなくては。

 コンデンサ交換はまあ普通だろう。これを強化しつつ、インダクタンスを下げると同時にDCRも改善する。わざわざVrippleを増やしてコンデンサを強化するのは、単に過渡特性改善のためである。Vcoreはリプルより過渡特性が重要だ。VIO3.3VやVclkは徹底的に低ノイズ化する。上下FET付け替えはもちろん必須。

 …いかん、洗っただけで終わってしまった。次は間に合うだろうか。

古のマザーAX6BC Pro

 今日の買い物[2008/04/20]で書いた奴。前世紀の超有名ベストセラーマザーだが、何故か縁が無く持っていなかった(Abit BH6もこれに当たる)。バージョンがキリがない位沢山あるのはロングセラーなので仕方が無いが、このマザーがどの辺りにあるのかまだよく判っていない。恐らくPII専用(下1.8Vまで)からなんちゃってFSB133MHz対応まで色々あるんでしょう。なおボードリヴィジョンは12、モデルナンバーは90である。

 どうでも良いけど、AOpenって本当に「Pro」の好きな会社だなあ。写真の世界で言えば富士写真光機(現フジノン)みたいな奴。「Pro」と付けてもシロートしか喜ばないんだけどね。いやそのためにつけたのか(笑)。


 埃は少なく全体的に使用感があまり無いのだが、方々に冠水(雨ざらし?)したような泥跡がある。これは当然洗濯するしかないだろう(←何故か張り切っている)。
zenkei
 チップセットは言わずと知れたi440BXである。コンデンサも主要コンデンサは日本ケミコンLXZ、ルビコンYXG、三洋CZなど日本メーカー製が使われている。チビコンは台湾GLだが、絶対数(5個)は少ないのでどうってことはない。勿論交換しますけどね。


machigai
 だがしかーし。例によって部品の付け間違いが…。動けば良いってもんでもないような気がするが。これはHSDL所有のマザーなので迷わず貼りなおす。RC5057はスイッチング周波数が変えられないという詰まらなさはあるが、同社のRC5051と共に安定度は高く使いやすい。もっとも筆者がRaytheon(現在はFairchildが製造・販売)を使い慣れているだけかもね。


cap_out
 当時としては贅沢な構成で、入力がLXZ(2)+YXG(2)、出力がLXZ(7)+YXG(1)だ。面子は今となってはショボイけど、当時の加藤麻衣、河童クラスには充分なもの。でもウチは鱈対応がデフォなので(鱈は使わないけど)要交換だ。一番最後に予算が余ったら換えてみる。

・入力
インダクタ:3.3μH(3.4mΩ)
LXZ1500μF6.3V(10φ×20mm,52mΩ/1220mA):2
YXG1000μF6.3V(8φ×11.5mm,130m,Ω640mA):2
総容量:5000μF

・出力
インダクタ:2.1μH(2.8mΩ)
LXZ1500μF6.3V(10φ×20mm,52mΩ/1220mA):7
YXG1000μF6.3V(8φ×11.5mm,130mΩ/640mA):1
出力の合成ESR:7.0mΩ
総容量:11500μF

 出力より入力の方がインダクタンスが高いというのが珍しい。これはASUSのマザーでも見たのだが、何らかの意図があるのだろうか。コアにも依るがインダクダンスは電流量によって大幅に減少するので、シミュレーションなどでは注意が必要(上は流れていない時の値)。温度が上昇するとDCRも微妙に増える(その微妙が意外に効いてくる)。

 このレギュレータは非常に良く出来ている。なにより入力コンデンサが手抜きしていないのが特筆物(初代AX6BCはダメだった)。440BXマザーでは今まで見た中で一番じゃないかな。後の計測で明らかになるだろう。但し高クロックの河童を使う場合には改造したい部分もある。


ax6_mem
 メモリスロットが3つしかないのは気に食わない。LXZの頭がギタギタなのは、長いジャンク生活(売れ残り)を偲ばせる。Vmemは3.3V直流しなので注意が必要だ。道理でメモリ脇に大きなコンデンサが付いているわけだ(LXZ1500μF6.3V×2)。


chiisai
 この部分のYXG(TC17)は、設計段階ではLXZが付くようになっていたはず。これはコストダウンというよりはビデオカードのあたり対策だと思われる。


★その他、詳細情報
Vtt1.5V[TC3,16]:
三洋CZ1000μF6.3V(8φ×11.5mm,260mΩ/450mA)×2
Vtt1.5V[U4]:H1085U(MICROELECTRONICS)
Vcc2.5V[TC21]:ルビコンYXG1000μF6.3V
Vcc2.5V[U16]:LD1117(ST Microelectronics)
クロックジェネレータ[U13]:W164G(Cypress)
クロックジェネレータ[TC18,19]:GL100μF16V×2
SD-RAMバッファ[U7]:W40S11-23G(Cypress)
SD-RAMバッファ[TC9]:GL100μF16V
5VSB[TC26]:GL330μF16V
PS2[TC1]:GL100μF16V
USB[TC2]:GL100μF16V
PCI[TC22,23,24]:ルビコンYXG1000μF6.3V×3
W83977EF付近の省略[TC20]:10μF程度?
パネルピン付近の省略[TC25]:GL100μF16V?

 全体的に見て部品交換したくなるようなところは少ない。何より主要部品の省略が無いのが美しい。あれってコストダウンが露骨でイヤなんだよな。最初から狙って基板起こせよと思ってしまう。OEM先(の金払い)によって差別するのだろうが…。なお省略箇所の数値はシルク印刷の大きさから推定した(笑)ので正確さは保証できない。


★テキトー計測
 スイッチング波形は、リンギングが多少目立つが特に問題になる量ではない。オーバー・アンダーシュート共に少なく、ノイズ的にも優秀だろうと思われる。スイッチング周波数はRC5057なので300kHz固定であるが、実測では296kHzだった。
ax6_wave
 これがVcore実波形だが綺麗なもの。ノーマルとしてはインテルのWS440BXと同等以上で文句なし。まあこれほどリプルノイズを低減しても仕方が無いのだが、汚いよりは綺麗な方が良いだろう。これもコンデンサをケチらなかったお陰である。あとはVtt1.5とVmemがどうかだが、これらはシリーズレギュレータなので問題は無かろう。

 直接は関係ないが、どこかのブログで「負荷をかけてオシロで見たら60mVの変動があったからコンデンサを換えた…云々」と書いてる人がいた。これはコンデンサ交換で解決するような単純な事象じゃない。電圧降下は電流検出用抵抗(数mΩ)で必ず起こるし、CPUまでの配線(数m〜数十mΩ)でも相当降下するだろう(第6世代ですら15Aも流れるのだ)。FBが掛かってコントローラが補正するが、これで瞬間的な60mV変動を防げる筈がない。CoutのESR(mΩ単位)がどの位か分っていれば書けないだろう。勿論インテルでもAMDでも、CPUはこの程度の変動は計算の上だから問題は無いのだ。詳しくはデータシート参照。



 筆者はAOpenの設計に不安を感じたことは無い。問題は生産部門で、Lelonと癒着?しなければ良い会社なんだけどな。部品の付け間違いも何とかして欲しい。これらは筆者にとってはあまりデメリットにはならないのであるが…。

 とりあえずやらなければならないのは、上下FETの付け替えとチビコンGL100μF16Vの追放だろうか。それだけならすぐ終わっちまうぞ。まずは洗濯しなければ話にならないのだが、P6IPATとどちらからやろうかなあ。晴れが続きそうな時にいっぺんにやるかな。
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