HSDL.blog.jp : Albatron

2012年07月20日00:27

Albatron PC6600L改②

カテゴリ: ベンチマーク

★完成したところでベンチマーク
　まずは前回と同じPCでベンチを取る。今回はビデオカードはOCする。無改造時にはクロックが全く上がらず、GPU=310、MEM=524MHzが限度だった。今回試したらGPU=320、MEM=540MHzまで上がった。改造の成果と言って良いのだろうか。GPUはクーラー清掃＋グリス交換の成果だと思うが。グリスは例のもらった銀グリスだ(＾＾

　クロックが上がった分だけスコアは向上した。しかしこのPCでは能力全開とはいかないな。次はHSDLのソケ775CPUでは最速に近いSL7Z9で計測する。デュアルコアのSL88Tはクロックが低いのとL2が半分なのでダメだろうな。この時期PenDの大幅なOCは無理っぽいし…。

　FSB230(3.45GHz)まで上げてしまった。流石にこの時期にここまで上げると、CPUに負荷を少し掛けただけですぐにファンが全開運転になる。製品ラインナップには3.8GHzまであるコアだから、この程度で音を上げる事は考えられない。最終的にFSB255程度で動かしたいが、ダメモリとリテール並みのクーラーでは無理か。閑話休題、ベンチのスコアは流石に頭打ちかな。カツ入れ＋冷却で更にカードのクロックを上げないと向上しないだろう。

　今までメモリクロックDDR524までしか上がらなかったのだが、改造後はDDR540でも正常に動作するようになった。しかしやはりどこかに無理があるのか、DDR530と数値が同じかやや落ちているベンチもある。熱ダレするのか細かい所でエラーがあるのか。DDR600まで上がると本物の？GF6600にも対抗できるのだが、今のままだと出来の良くない6200相当のカードと言えよう。しかしまあVmemのMOSFETが交換後は殆ど発熱しなくなったので良しとするか。

★終わり
　PCI-Eの特攻用ビデオカードとしては充分にその役目を果たしてくれそう。PCI-E特攻用としてはGF7200もあるので、こちらはパーツの実験場の性格が強い。暫くは真っ当なドライバ探しの日々が始まる。

タグ：: #Albatron; #Geforce

2012年07月19日07:19

Albatron PC6600L改①

カテゴリ: 改造

　史上最低のGeforce6600カード(注)としての評価が固まりつつあるPC6600Lだが、ダメダメなりに手を入れられないものか。ついでに前回P965 Neo解析記事でボロクソだったベンチマークをもっとマシな数値にしたい。このカードに付いては下記リンクを参照の事。

Albatron PC6600L
オリジナル写真(By ASCII.jp)
壊れたGF6600(らしきもの)
Albatron PC6600L修理
哀愁のマザー⑫ MSI P965 Neo(動作編)

注：有名メーカーの6200の方が速いと思う(予想)。製品によってはAGPの6200Aにも負けるだろう(メモリバス128Bitの製品があるから)。メモリバス64ビットの代償は想像以上に大きい。一般的にロープロのビデオカードは同じGPUでも低性能のモノが殆どだ。

★現在の状況
　あれからファンの脱落したヒートシンクにテキトーなファンを付けた。当初はあの大仰なNightHawkを付ける予定だったが、重くてバラックだと傾くので諦めた。

　基板はマークから見て永捷電路版有限公司製と思われる。Albatronの基板はここで製造しているっぽい。2004年52週製造。

　見てくれはかなりヒドイが仕方が無い。しかしもう少しどうにかならんのだろうか？と言う声もある。イヤどうにもなりませんね。クーラーの予算は無いんだから。元々部品取り用の(RT9214が欲しかった)ビデオカードなので鐚一文金はかけたくない。動いてしまったのでHSDL法に基づき仕方なく使っているのだ(＾＾

★VGAコネクタ
vga

　HSDLはご存じの通りアナログ15Pモニタを使っている。このカードはDVIコネクタしか付いていないのでアダプタを付けなくてはいけない。コネクタが長くなるDVI→VGAアダプタほどウザいモノは無い。基板を見たらMS-8881と同じくアナログVGAコネクタが付くのが判った。しかしセカンダリはS-VHSなので交換するとDVIは永久に使えなくなる。

analog

　これにアダプタを繋げばいいんだろうが、手持ちの他メーカー(リドテクPX7300GS)のを繋いだが画像は出なかった。こんなの統一規格で作れよ。既にアナログが終わった後で言っても仕方が無いが。VGAコネクタ交換よりこのアダプタを自作した方が良いか？DVIを生かせるメリットもあるし。VGA15Pが使えるGF7200GSもあるから、わざわざこれのコネクタを換える必要もない気もする。という事で保留。

★Vcoreレギュレータ
ce902_903

　CE902、CE903はGPUのVcore出力コンデンサである。両方ともKZG1000μF6.3Vが付いているが、これをKZH680μF25V×2に交換する。容量は減るが逆にESRは減るので、問題は無いどころかその方が良いくらいだ。

　ちなみにこのKZG1000μF6.3Vは標準品ではないので性能はカタログとは異なる。というかカタログには1000μF6.3Vは存在しない。言うまでもないが偽物ではないよ(＾＾; これは同サイズの820μF6.3Vの性能データと同じである(36mΩ/1140mA)。これと同じ事はルビコンのYXG1000μF6.3Vでもあった。これはマザーボード採用品は8φ×11.5mmLしか見た事が無い。1000μF6.3Vのカタログデータは16mmLの性能なので、同サイズの680μF6.3Vの性能で考えなくてはいけない。この辺り常識なので知らない人は居ないだろうけど念の為。

　閑話休題、裏面のU900とU901のRT9214はVRMコントローラである。VGAやノートPCではおなじみの物件なので一度は目にした事はあるだろう。Intersil互換のRichtek製品である。

u900

　どうもU900がGPUのVcoreコントローラらしい。上下スイッチはいずれもアルファ＆オメガのAOD412である。RDS[on]5.5～11mΩだから見かけよりかなり高性能。VFBの位相補償はC904だけでやるのかな？しかも付いてないし(＾＾;　まあKZG1000μF6.3V×2だから18mΩで恐らく大丈夫だとは思う。電圧設定用のデバイダは、

R907:1.00kΩ(R1)
R908:1.54kΩ(R2)
Vref=0.8V±2％
Vo=Vref(1+R1/R2)

　0.8×(1＋1000/1540)なので1.3V辺りの固定設定だ。動作中の実測では1.33Vだった。スイッチング周波数は300kHz固定のところ実測322kHzであった。スイッチが速い分には問題無し。カツ入れするにはR2(R908)を小さくすれば良い。しかしGPUのVcore昇圧はメリットが殆ど無いのでやらない。

★Vmemレギュレータ
　アルミ電解は前回修理の時に半数交換したが、メモリだけSEIなので全部NCC化した方が見栄えが良い。SEIは外して別の改造に流用する。

vmem

　CE902、CE903の抜いた奴はこちらに移植…というのはちょっとウソで、実は以前このカードから抜いた奴を付けた(性能チェック済)。隣にあるVmem2.5V出力のパワーMOSFETはアルファ＆オメガのAOD408だが、動作中は意外に発熱している。RDS[on]は13.6～27mΩと比較的大きめ。シリーズ電源だけど更に良いMOSFETに交換した方が良いのかな。HSDLの手持ちのを探すと、おなじみSamHopのSTU6025NLを発見した。はぐれ1品モノなので好都合。

STU6025NL:RDS_on=5.5～10.0mΩ

　コイツは低RDS[on]だが代償としてゲート容量が大きく、スイッチングDC-DCにはあまり使いたくない。このパス・トランジスタとしての用途にうってつけの要員だ。これでON抵抗は半分以下に激減する。

　次に情けないメモリ電源を昇圧してカツ入れしてやりたい。このメモリ電源のコントローラと思われるICはU10のようだが何だこりゃ？CD000なんてコードは知らんぞ。それともこれが製品番号なのだろうか。これ多分6本脚(SOT-26)のLDOだよな。種類は少ないから見つかるんじゃないか…検索したもののサッパリ判らん？(＾＾;

　面倒なので不明LDOとしておく。なぜLDOと決めつけたかと言うと、このIC？に例のおなじみ抵抗デバイダを介してQ902が接続されていたから。

R501:1.00kΩ(R2)
R502:2.2kΩ(R1)

　Vrefは判らないけど0.8Vじゃないかな。定型に則って計算すると2.56VとなるのでDDRメモリには丁度良い。実測値は2.553V(10mV以下テキトー)なのでほぼ正確だ。改造だが、この辺りの抵抗が全く無くて困る。感覚的にはR502はこれ以上大きくしたくない。1.8kΩと750Ωとかはどうかな？それで2.7V程度になる筈。

★GPUクーラー
fancon

　ファンの＋端子は12Vは直結だが、グラウンド側の線が直接落ちずにD10、Q5に繋がっている。簡易回路とは言えちゃんとファンコンが入っているわけだ。もちろんGF6600リファレンス回路にファンコンは存在するのだが、このカードは廉価版省スペースだから省略されていると思っていた。負荷がかかるとややファンの音が大きくなるのが判る。

　ヒートシンクはヤニ臭かったので一度洗ったのだが、今回改めてレンジフード洗浄剤を薄めて浸けてみた。そうしたら何と！驚くほどの海藻状のヘドロが出てきた。こんなにまだ汚れていたんだね。写真は二度目なので殆どヘドロが出ていないが…。洗浄剤の原液をブラシに付けてこすってもそれほど汚れは落ちない。日向に出して放置した方が結果が良かった。水温も関係しているのだろう。

cooler

　ご覧の通り銅無垢の輝きを取り戻した。ただこの後空気中でどんどん酸化するのでまた曇って行く。光沢は無意味だけど、ホコリや汚れは冷却性能を極度に落とすので落とした方が良い。

★交換部品

　コンデンサ交換済み。これは完全に気分だけの世界だが、趣味と言うのはその気分も大切な要素なのです(＾＾オーディオマニアを見れば分るだろう。

C135:WG1000μF6.3V→抜いたCE902を流用
C215:WG1000μF6.3V→抜いたCE903を流用
CE902:KZG1000μF6.3V→KZH680μF25V
CE903:KZG1000μF6.3V→KZH680μF25V
CE909:KZG1000μF6.3V→KZH680μF25V
Q920:AOD408→STU6025NL

　基板のシルク印刷の太さとコンデンサが一致したのも気分が良い。と言うかわざわざ合わせたのだが。これで再交換は物理的破損が無い限り永久に無いだろう。

★以下次号
　チマチマ解析していたら意外に長くなってきたのでベンチは次回に回す。

タグ：: #Albatron; #Geforce; #コンデンサ交換

2011年04月19日04:19

Albatron PC6600L修理

カテゴリ: 修理; 改造

壊れたGF6600(らしきもの)

　こんな修理でいいわけないだろ。即刻やり直しだ！m9(＾＾)ﾋﾞｼｯ

★交換します
jokyo

　メモリ電源部。そもそも日ケミKZG1000μF6.3Vと言うのが気に食わない。これは本質的に短寿命の水系の中でも特に短寿命品で、環境最悪のビデオカードに使うべきものじゃない。サッパリと抜いてしまった。

wg1000

　これをWG1000μF6.3Vに交換。微妙に性能も向上(36→30mΩ)。本当言うとこのクラスのビデオカードは全て固体にしたいところだが、現在はこれに使えるサイズの固体コンは在庫していない。あったとしても客用だからどうでもいい100円カードには使えないけど。

kzh680

　他の部分もなるべく交換するが、耐圧16VのKZGは10φが付く所だけKZH680μF25Vに交換する。KZGよりKZHの方がランクは下だが、ここまでサイズが違うとKZHの方が上になる。

f93_47u

　隙間にある5φ×6.0mmのアルミ電解はCE-AXである。47μF6.3V[760mΩ/150mA]なのでニチコンF93 47μF10V[1.0Ω]に換えた。温まっている時のCE-AXに負けているが、高々1AのLDO(RT9164A)の出力などどうでも良い！…と強がりを言う。大幅に容量が減るがトーキンPS/L[200mΩ]にすればよかったかな。この作業は非常に面倒な割りに見返りが無いに等しい作業である。皆様はなるべく触らないように。

★ファンレスになっちゃった…

　汚かったのでファンを外して洗ったら、脆くなっていたらしくワイヤが全て切れてしまった。ワイヤがハンダ付けされている部分は分解しないと露出しないが、非分解式らしくどうやって組み立ててあるのか解らない。仕方がないのでファンを外してヒートシンクだけで使う。曲がりなりにも全銅製でソコソコ冷えるので、今の季節だけなら実用になりそうだ。ちなみにこのファンには意味もなく色違いのLEDが2個付いていた。こんな地味なカードにランプ付けてもなあ…。

★完成
　と言う事でこのカードはPCI-E特攻用になる予定。今まではPCI-Eの捨てカードは無かったので活躍間違いなし。現時点ではファンが無いので夏場の冷却に不安が残るが、そのうち小型ファンを付けてもいいな。

タグ：: #Albatron; #Geforce