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ジャンクPCパーツやカメラ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

BKi810

PC Chips BKi810 もでφ(その0.7)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.3)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.4)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.5)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.6)

 製造後11年も経って難癖付けられて改造されるBki810が気の毒になる(^^ 全8回の予定だったが、次にもっと興味を引くものが色々控えているので今回で連載打ち切りとなった。


★カツ入れ防止
 このマザーV1.6には強制FSB100ジャンパと言うのが有る。メンドシノセレロン専用のマザーなのでOC機能と呼んでいいだろう。

j10
 ちなみに(時期により?)実装されていない物もあるようだ。HSDLで入手した物はどれも実装されていますね。このJPの是非はまあ良いとして、このジャンパでFSB100にするとコア電圧が上がってしまう問題がある。勿論OC用にそういう仕様でやっているのだろう。だがその電圧が大雑把でよろしくない。河童だと壊れる可能性もある。

 具体的にはJ10付近のQ28を取り去る事でその機能は停止する。しかしTRを外すのは面倒なので安易に抵抗1本で済ませる。

odr
 このODR(オーバードライブR?)を取り去る事で機能は停止する。他回路には特に影響を与えていないようだ。やっぱりOCであってもノーマル電圧で使用したい。あ、しまったどの位電圧が上がるのか確認するのを忘れた…。


★Vtt1.5とVclk2.5のDC
vtt_vclk_dc
 マザーボードとして動作しないのにこれらをDCする必要があるのか。それは本番でこれを見ながらやれば確認の手間が省けるため。もしかしたら動くようになるかも?と言う淡い期待があったりもする⇒が動かなかった(^^ ちなみに左がVtt1.5で右がVclk2.5である。どちらも1μFのMLCCだ。他にもVtt1.5やVclkはあるが、ここは配線が繋がっているので効果が高いと判断した。


★スイッチング改良
 スイッチング波形のONの時に汚い波形になっていた。これはゲート波形の段階で既に発生しているというのは以前書いた通り。

d9a_wf1
 これがゲート波形だが、上がりかかった電圧が途中で一旦戻って、さらにそこでリンギングが発生している。これが典型的なMILLER EFFECT(注)ってヤツらしい。ゲートはVGS閾値まで反応しないから、これがスイッチング波形に直接反映する事は無い。実際問題として殆ど出ていないが、そもそも専用コントローラではこんなものは全く発生しないのだから気に入らない。

 解決策は増えた容量をものともしない位にゲート電源をローインピーダンスにすればよいのだろう(テキトー)。だがそれには回路構成自体を変更しないと効果的な改善は望めない。ソースフォロワとかにするんだろうな。それもメンドーでやってられないのでこの辺りの部品を交換して変化するか試してみよう。

 なおV7.xはスイッチングに関する改造は全く必要はない。KA7500BではなくVRM専用コントローラ(HIP6004B)が使われているからだ。V3.xは回路は同じだが、パターンが全く別物なので多少は違うかもしれない。この改造はV1.xに限って意味がある。

注:MIRROR EFFECTではない。MILLERは人名だ。カレントミラー回路とも関係ない(^^

★D9追加
d9a
 D9Aは何かよく解らない小信号ダイオードである。SBDだと思うが詳細は不明。これがリードアキシャルなのが昔から(と言っても一ヶ月少々だが^^)気に入らなかった。実は基板には面実装も使えるようにD9としてランドが用意されているのだ。コイツを交換したら波形が変わるんじゃないか?いやいや、それよりも並列の方がインピーダンスが下がるような気がしてきた。交換ではなくD9追加という形をとってみる。


d9
 このテキトーに外してきたダイオード、ホントにSBDなのかな?(^^; VFは0.6V位なんだけど…。


d9a_wf2
 MILLER EFFECTの汚さは特に変わっていない。ドライブ回路に根本的に回路に問題があるのだろう。しかしオーバーシュート気味にゆがんでいたのが綺麗な台形になっているので、全く効果が無いと言うわけではないらしい。とりあえずこのままで行ってみよう。


★C147交換
c147
 C147はKA7500Bのオープンコレクタ出力のコレクタ(ピン8と11)に繋がる電源を供給している。これがダメダメだと、CET6030Lのゲート電荷の供給が乱れるハズ。前回交換で一般用105℃品のKRE22μF16Vに交換したが、これを違う物に交換したら供給が安定するかもしれない。但し交換要員が日本ケミコンLXY82μF25V(ESR=350mΩ)なので殆ど変わらないかな。一瞬OS-CONを付けようと思ったが、土壇場でもったいなくなったので止めた。

lxy82
 LXYはオリジナルのSM10μF50Vより太いが、周囲に部品が無いので問題ない。LXYは色々なマザーに使ったが、愈々これが最後の1本である。オリジナルより容量は約8倍になったわけだが、実際にはあまり変わらないだろう。


★VGSカツ入れ、しかしここで力尽きる
 VGSを上げたらチャージが速くなるのではないかと思い(^^ VGSを10Vから上げてみようと思った。本当はD20を外すべきだろうが、3本脚を付け外しするのは面倒なのでショートした。データシートに拠ればCET6030LのAbsolute Maximum RatingsではVGSは±20Vとなっている。あまり温度が上がるとヤバイかも知れない。

 C147を交換してVGSを上げたら何故か逆にVGSが全く上がらなくなってしまった。元の電圧である10Vどころか5Vも行ってない。例のMILLER EFFECTで一旦下がるところから上がらずにそのまま横に移動してしまっているのだ。「おかしい、こんな筈ではない」と思っていたら、いきなり電源が落ちてしまった。慌ててパワーMOSFETを見るとドレインが紫色に変色しているではないか。テスターで当たったら殆ど全直間状態になっている。つまり死んだわけだ(^^;

cet6030l_yake
 VGS12V化をやる前からかなり温度が上がってさわれないくらいになっていたので、その時既に劣化は始まっていたのかもしれない。残念ながらここで強制的に実験は終了しなくてはならなくなった。事故直前の変な波形を保存し損ねたのが心残りだ。でもコイツのお陰でかなり実験が捗った。全く経験の無かったKA7500BのチョッパDC-DCのノウハウはかなり残した。前世紀のクソ古い石なので表立って使える技はないけど。

remove_mosfet
 一応外したけど修理の予定は無い。部品取りにもならないし捨てるしかないか。


★残された問題点
 Vtt1.5が実測で1.60V以上ある。規定では1.365~1.635V(1.50V±9%)である。昔どこだったか忘れたけど、この電圧を上げて実験していた人がいた。その結果はOC限界が下がったようだ…当たり前だわな。この電圧が高いと、

・長所
1.理論的にはノイズに強くなる
2.理論的にはON・OFFが速くなる

・短所
1.波形が汚くなる
2.CPUの発熱が大きくなる(重要)

 長所の方は「理論的に」というだけで実際の効果は皆無に等しい。デメリットの方が多いので上げる理由は無く、むしろ必要最小限まで下げるべき。Vtt=1.40~1.45V辺りが良さそうに思える。余談だが鱈不対応i815マザー等でピン折りやゲタで鱈セレを使っている人は、これを1.50V⇒1.25~1.30V程度に下げると発熱が減少するのでお勧め。三端子レギュレータ(Vref1.25V)採用機ならADJをGNDに落とすだけだから簡単だ。

 このVtt1.5を発生させている部分は全部取り替えたいくらいクソなんだよなあ。精度が出せないなら3Aのシリーズレギュレータでも載せてくれればいいのに。使えないのか使わないのか。


★終了
 連載終了に合わせて、文字通り「燃え尽きる」と言うのはなかなかドラマチックな展開だ(^^; まあパワーMOSFETが死んだだけで、CET6030Lは一杯あるから直そうと思えばすぐに直せる。しかしこのマザーは元々マザーボードとして動かないのだから、態々部品交換してまで直す義理は無いだろう。

 出来なかった実験、例えば出力コンデンサのグラウンディング等の改造は暇があったら別機でやるかもしれない。但し今は次の物件に目移りしてヤル気が無い(^^; 早くても来年になるだろう。

PC Chips BKi810 もでφ(その0.6)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.3)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.4)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.5)


 流石に飽きてきたがまだまだ実験は続く。早く動かないコイツを終わらせて、恐らく動くであろうC3版を弄りたい今日この頃(^^


★入力インダクタ交換
 出力を弄ったら入力も。ここはノーマルではFBしかないので、交換というよりは新たに付ける形になる。何しろ元の波形がこんな具合なのだ。

lin_wf1
 FBだけでは素ヌケに近い(100mV/div)。FBが威力を発揮し始めるのは100MHz前後だから当然で、お役所の形式認定しか考えてない極悪仕様だ。これでは直流と呼ぶのが躊躇われるほどだ。設計・製造者を殴りつけてやりたい心境(#^^ この波形では他電源はかなりの影響を受けているはず。やはり普通のインダクタを入れて対策するしかない。何を入れるか?どのくらい入れるか?


tdk_core
 FBを廃止して、まずはそこら辺にあったコアを付けてみた。これは懐かしのP6STP-FLで試したヤツだ。あの時は無謀にも出力に付けたので、CPU(SL46T)を付ける前にギブアップした。今度はどうか?これでダメならこのコアには死んでもらうm9(^^)


lin_wf2
 意外に良くなってしまった。イヤ意外にどころかレンジが20mV/divなのでかなり良くなっていると言える。5Vソースのマザーと比べるとかなり悪いが、単純に比較してはいけない。比較するなら7世代以降の12V#コネクタ付きのマザーしかない。ここまで良くなるなら用意したT50-52は使わなくても良さそうだ。

 ノーマルと比べると爆竹とダイナマイトくらい違う。ノイズと電磁波が好きな人以外は漏れなく付けましょう(^^


★入力コンデンサ波形
 入力部分がどうなったのかテキトー計測。SM1000μF16V⇒FC1000μF16V+MLCC2.2μFに変更されている。

cin_wf1
 これが改造前。200mV/divである。12Vソースなのでかなり振幅が大きいが、これでもパワーMOSFETが耐えられないほどではない。曲がりなりにもこの状態で製品化されたわけだし…(^^; 本当はこの程度の電流なら12Vソースは望ましくない。変換する電圧の差が少ない方が効率が高くなる。


cin_wf2
 これが改造後。VRM改造前と大差無いように感じるが、実は間違えて100mV/divで撮ってしまった。なので実際は半分程度に収まっている事になる。リンギングも減っているようだ。本当はMLCCを10μFにしたかった。それだともう少しピークが下がるはず。


★回路図
vrm_circuit
 VRM回路図を書き直したが、640×480ではFB回路とVIDが入らなかった。800×600は大掛かりになるのでこれでお終い。実は既に飽きてきたと言うのが大きい(^^ 次回はこの回路図で説明する。


★次回で終了
 今回の改良により入出力とも一応満足のいく状態になった。マザーが動かないので役に立たない?いやいや、このノウハウがもう1枚のまともな方に移植されるのだ。VRM以外の弱い所も判明したし、やはり色々弄ってみるに限る。基板設計がアレなんでこれ以上になるかは疑問だが。マザーボードはコンデンサやその他部品を交換すればどんどん性能が上がるわけではない。良し悪しは回路・基板設計段階(素質)でほぼ決まっている。人間と同じく、素質の無い奴はいくら鍛えても伸びない。

PC Chips BKi810 もでφ(その0.5)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.3)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.4)


 やっぱり対策が面倒なのでKZHを1本抜くことにした。負荷によっては発振しない場合もあるのだが、動かしてみないと分らないようでは完成品とは呼べない。


★予想ではここだろう
kzh5600x3_2
 どこのヤツを抜いたらいいんだろう?VFB兼電圧設定抵抗の傍のEC7を抜いてみるか。実験的には容量は減らしたくないんだけどな。総容量は16800μFとなり、これでも市販マシンよりは大きい。空いた所には中小容量を挿したいところだがまたいずれ。


kzh_wf6
 オオッ!発振しなくなった。しかしリプルもそれなりに増えてしまった。線も太くなっているのは@容量が大きすぎるのだろう。まあ増えたといっても実用上問題になるわけではないし、これでもレンジが違うだけで前々回のと同じ波形なのだ。これで出力コンデンサはKZH5600μF6.3V×3で確定という事で。もしBKi810(V1.6とV3.3)のVRM出力コンデンサを交換する人がいたら合成ESRを5mΩ程度に抑えよう。


★入力コンデンサ交換
fc1000uf16v
 次に入力だが、インダクタを交換する前にエルナーが前回事故で大ダメージを食らったので交換する。交換品は松下FC1000μF16Vだが、このクソマザーに有料部品はもったいないな。しかし取り替えた後も発熱は結構ある。これは内部よりも基板から伝わってきた方が大きい。基板から離すのも有効だが、LR分や自身のグラつきがイヤなのでこのままで行く。発熱が大きいのは12Vソースだからだろう。5Vなら10A程度の電流でこんなに発熱する事は無い。


cin_mlcc
 ついでにMLCCも追加。12VソースVRMという事で大容量が使えない。仕方が無いので余っていた2.2μF16Vに交換。通常は10μF等容量が大きい方が効果が高いが、変な値を付けるとこうなるので気をつけよう。


cout_mlcc
 作業のついでに出力コンにも一部付けてみた。ここはあまり大容量を付けると発振するのでやや小さめの4.7μF(3216)と、ソケット向こうのヤツには5.6μF(2012)を付けた。ちなみにリード線が伸びているのはオープンスタブで、これを切り詰めて並列共振の跳ね返り周波数を調整する…ウソ。これはただの計測用TPだ。但しこの位置では計測していない。


 次回は入力インダクタを追加してみる。

PC Chips BKi810 もでφ(その0.4)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.3)


 前回までの粗筋。BIOSが上がらないBKi810のコンデンサを全て交換した。しかし動かないので動作はアッサリ諦めた。KA7500BのDC-DC実験台という事で出力コンデンサを交換してみた。その過程で低インピーダンスコンデンサの威力を知る。次にインダクタを交換する実験の最中にダミーロードが壊れた。最初からやり直しじゃないか(^^;


★やり直し
kzh5600x4
 前計画ではPF×3だったが、もっと劇的に大げさな奴を付けたいという事でKZHで行くことにした。本数も3本ではなく限界の4本に増やす。総容量22400μFとなり、こんなに大容量を積んでいる市販P6マシンはないだろう(注)。基板パターンがよろしくないのは気になるが、電流を流してどんな挙動を示すのか楽しみだ。

注:よく使われている1500μFだと15本分で、鯖機でもありえない本数(^^;ESR的には大した事は無い(3.25mΩ)のだが。これはもうバカ実験に近い。


★動かしてみたら…
 前回までの50mV/divレンジだと全く変化が判らない程になってしまったので20mV/divとした。なお新CPUダミーは懐かしのSL4PBである。これは動作しないが、Vcore1.70VどころかVtt1.5もVclkも全部流れているのが笑える。発熱は正常な物と変わらないのでダミーロードとしては格好の物件だ。


kzh_wf3
 流石に定常リプルは少ない。前回までの計測レンジならほぼ真っ直ぐに見えると考えてもらいたい。ここまでは大成功、これで出力コンは確定か?


kzh_wf4
 電源を入れて波形を眺めていたらいきなり発振した!ESR=13/4mΩではKA7500Bが耐えられないのだろうか。これでダメならWG等でも当然ダメという事だな。デッドラインは概ね4~5mΩ程度か?本数を3本に減らすかは暫く慣らし運転をしながら考える。定常リプルも少ないし、何より面倒なので出来ればこのままで行きたいのだが。

注:オリジナルTL494には位相補償は内蔵されていなかったハズ。このKA7500Bも内蔵されていないのだろうな。μPC494には極が内蔵されているっぽい。


kzh_wf5
 上が発振波形、下が正常波形拡大図。位相補償といっても各部の特性が全く不明なので計算できない。カット&トライは面倒なのでやりたくない(^^ 電源を入れたばかりの時に発振しないのはESRがまだ高いから。動かしているうちに段々とESRが低くなり発振するわけだ。低負荷のセレロン300Aだと発振し、河童セレ600(SL4PB)だと殆ど発振しない。負荷の周波数に依るのだろう。


★さらに続く
 VRMの発熱は河童セレだとかなり大きい。やはりこのVRMはメンドシノセレ専用なのだろう。河童の場合は最低でも20A程度のSBDに交換しない限り、夏場の安定動作は期待できないかもしれない。よく見ると熱で基板が変色してきたような気がする。30AのSBDは秋月に売っているが、いつものようにモールドタイプなので使い物にならない。この程度の電流で12V入力はやはりイカンなあ。どうしても単一に拘るんなら5V単独がいいと思う。12VはステップアップDC-DCで誤魔化せば良い。12V+SB5Vより電源も単純になるし、コスト的にも有利だと思うが。

PC Chips BKi810 もでφ(その0.3)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.2)


 何故記事バージョンが「その0.x」なのか?もちろん動かないからだよ(^^;

★出力インダクタ交換
lout_t5052
 出力インダクタのコアを大きなものに換える。またHSDLでは通常は動的性能の方を追及するが、今回は定常リプルが大きいのでインダクタンスは意図的に減らす事はない。動的性能の方はメンドシノCeleron専用という事で大電流のON・OFFはないから問題は無い。出力コンデンサは前回実験で使用したPF2700μF16Vを採用。


lout_t6852d
 S58PHに使われていた、T68-52D相当品?に#19×2を10回巻いた物。勿論これを使うために交換するわけだ。リプルの出方を観測すればインダクタの特性も判明するだろう。


t6852d_wf1
 オワッ!何だコリャ?線が異様に細くなったぞ。このコアが付いていたS58Pは、スイッチング周波数がBKi810より100kHz以上高い。そのため高周波寄りのインダクタなのではないかと思う(テキトー)。定常リプルはほぼ変わっていない。前の奴よりこっちの方が好みではあるな。これで行くか?


★事故発生!
 だがしかーし。5~10分位経つとVRM全体が超発熱しているではないか。発熱によって計測プローブのクリップが溶けてしまった!手袋をして(^^; 触診したらSBDが最も発熱している。これはちょっとまずいだろう。で、試しにスイッチング波形も見てみたら…


t6852d_wf2
 ギニャー!何だこれは。上がりが極端に遅くなって、しかもかなりヒドイ大幅なリンギング状態。この状態でよくブチ壊れずに動いていたもんだ。発熱の原因とこれの原因は恐らく同じだろう。インダクタを交換してここまで劇的な変化を見たのは初めてだ。慌てて元のインダクタに戻したのだが発熱は変わらない。ヤベー遂にブチ壊したか?


 実は壊れたのはVRMじゃなくてCPUだった。壊れた奴が壊れるのか?という突っ込みもあろうが、言い換えればダミーロードとして壊れたというか(^^; 何か今まで10A以下だったのが突然16A以上流れるようになったのだ。一連の実験でリプルを食わせすぎてCPU内部配線がショートしたのかもしれない(注)。上の波形はインダクタが原因ではなく、単に仕様限界を超えた電流が流れただけだった。よく見ればデューティー比が矢鱈に広がっている。

注:アッサリ書いたがこれは重要な事を示唆している。つまりVcoreの質が悪いとCPUが壊れる可能性があるという事だ。なおデータシートのAbsolute Maximum Ratingsには電圧上限の規定はあるが最大リプルの規定はない。半導体の個体差が大きくて規定できないというところか。


★次回に続く
 CPUを2回壊したのはHSDLが初だろう。ふつー壊れた奴は使わんわな(^^; しかし困りましたな。今までの計測環境が使えなくなってしまった。とりあえず次回からは新たに計測環境を作るしか無さそうだ。今回、早まってインダクタは元に戻してしまったが、出力は特に面白くないからいいか。

PC Chips BKi810 もでφ(その0.2)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)
PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)


 現状は明らかに役立たずの不動マザーBKi810だが、KA7500Bチョッパ型DC-DC評価ボードとしては役に立つ。動かないマザーを弄って遊べる所がHSDLの凄い所?だ。我々の知らない事はまだまだいっぱいある。


★もう少しマシなのを付ける
 写真を見れば分るように、このVRMは10φ5本と8φ2本の出力コンデンサを実装できる基板設計になっている。HSDLにより現状は下記のようになっている。

EC5:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC6:LZ1500μF6.3V→未実装
EC7:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC8:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC9:LZ1500μF6.3V→未実装
EC21:LZ1000μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC22:LZ1000μF6.3V→未実装


re2_wf1
 この状態でダミーロードを繋いでリプル観測してみた。動いてはいるけど定常リプルが大きい。この離れた位置なら普通はもっと波が少ない。これでは最大負荷では60mVを満足できない可能性が高い。やはりいくらなんでもRE2はやり過ぎか(^^; しかし一般用でも波形の周りがスッキリしているのはソケット内部で頑張ったから。エリートグループのマザーでこんなにスッキリしたヤツは見た事が無いよ。

 さて定常リプルを改善するにはもっとマシな、少なくとも低インピーダンス品と呼ばれるコンデンサが必要だ。ただそれには心配がある。このVRMに使用されているKA7500Bが発振しないかということ。TL494互換系のPWMコントローラは高級な位相補償機能は内蔵されていないから危ない。μPC494はソコソコ位相補償されていたが、KA7500Bはどうなんだろうか。ま、何もせずに気を揉んでいても問題は解決しないので実験してみよう。


★何を載せればいいか?
 載せ換え候補はUTWRZ1500μF6.3V以下のものだろう。がUTWRZは前世紀的で8φのサイズが無い。仕方が無いのでEC5~9にUTWRZ1800μF6.3Vを実装して、EC21と22は実装せず放置する。これが教科書的な載せ換え例。危ない橋を渡りたくなければ、元設計のコンデンサのインピーダンスに合わせるしかない。しかしHSDLはこんな天然ジャンクマザーに新しいコンデンサを買ってやる程お人好しではない。所有している余剰品だけで満足する結果を得なくてはいけないのだ。

 折角付けたRE2×4が早々にしてゴミとなってしまったが、本来なら移転時にゴミとして捨てられていた物だから恨みはすまい。まだ電解液が入っているか、あとで調査のため解体してみよう。RE2 2200μF10V(12.5φ×20mm)の交換要員なので、

RE2 2200μF10V(NA/1430mA)12.5φ×20mm
   ↓
KZH5600μF6.3V(13mΩ/3450mA)12.5φ×30mm
ZL3300μF10V(18mΩ/2770mA)12.5φ×25mm
PF2700μF16V(51mΩ/1310mA)12.5φ×35mm

 が浮上する。元が10φなのだから12φにこだわる必要は無いが、余っているのがこれしかないと言うお家の事情による。これらと(必要があれば)補助コンデンサを使い、発振しない低リプルの組み合わせを探ってみる。波形観測の都合でソケット向こうの8φ2本は付けないで12.5φ×3本で実験する。さて一般用×4本よりどこまで改善するか?


★まずはPF2700μF16Vから
pf_x3
 ニチコンPFは程々の低インピーダンス品だ。おまけに超長期在庫で更に能力が低下している可能性がある(注)。HSDLでは皆様ご存知の通り、SAHARA3810に載せて動かしていた時期がある。あの時は余裕でP!!!866が動作していたのだが。


pf_wf1
 PFは低インピーダンス品の中では格下の方だが、それでも一般用とは一線を画す波形になっている。定常リプル(波の高さ)は勿論、線が比較にならないくらい細くなっているのに注目して欲しい。これは高周波特性が改善されている事を表している。波形は綺麗な鋸型。このコンデンサは太い(12.5φ)だけでなく背が高い(35.5mm)のが気に入らないが、この波形なら使う気になってくる。

注:あとで聞いたら電圧処理により新品と変わらない性能に戻ったらしい。既に10年経っているが(PF自体は2002年ディスコン)大型は持ちが良いようだ。改良型とは言え四級塩物だし、5~6φの物ならゴミだっただろう。ちなみに四級塩物はマイナス端子リードの付け根をチェックすると病死が判る。具体的に言えば死ぬのは封止ゴムなので、付け根から中身が出てきていたら病死している。90年代中盤~後半以降の製品は殆ど封止ゴム対策済みで、簡単には死なないから見つけても大騒ぎしないように。但しずっと使っているなら病死しなくても老衰死という事になる。

★次にZL3300μF10V
zl_x3
 ZL3300μF10Vもおなじみ不良債権の一つ。SAHARA3810で現役だが、ここでも再び活躍してもらう。やはり太いが高さ25mmなので、30mmのKZHや35.5mmのPFよりはいくらかマシ。


zl_wf1
 写真ではよく分らないが波形が逆台形に変わっている。ESRは約1/3に激減するもリプルは微妙に下がっただけ。定常リプルという点ではこれ以上の改善は見込めないのかもしれない。但し過渡特性は改善されている可能性はある。


★真打?KZH5600μF6.3V
kzh_x3
 コイツがまともに使われたのはGA-7ZXRだけだ。太いわ背が高いわで、おまけにATX電源にはESRが低すぎて使えない。今回はVRMなのでESR13mΩの威力が出るか?


kzh_wf1
 リプル的には殆ど改善されない。波形はさらに逆台形に変形し、底面が平坦に近づいている。容量が大き過ぎるのでドン臭いというか、隙間に小容量を詰めた方がいいかもしれない。3本でテストしたが、ESRと容量から言えば2本でも充分に足りる。1本は流石に厳しいがやってみる価値はある。


★結論
 以上の結果から考えるに、低インピーダンス品の1500μF×7若しくは1800μF×5で充分という事だろう。また低インピーダンス物の下級品>>一般用85℃品くらいの性能差が判明した。低インピーダンス品と一般用アルミ電解の差は想像以上のようだ。HSDLでは古い方から消費という事でPFを付けてみる。次回はインダクタ実験の予定。

PC Chips BKi810 もでφ(その0.1)

続・古のマザー② BKi810(その1)
続・古のマザー② BKi810(その2)


 相変わらずヤル気の無さそうなタイトル(^^ 実際ヤル気はない。素直に動けばそのまま放置するつもりだったが、全く起動しないので部品交換・修理するしかなくなった。この世の中で修理ほど虚しい作業は無いと思う。苦労して上手くやって漸く元通り・ふりだし・ゼロ・俺達の戦いはこれからだ!…なんて悲しすぎる。


★電源を入れてみる…だがしかし。
dc_in
 電源は変換コネクタを作る必要がある。6ピンのうち2ピンはパラレルで、動作には特に必要ないから有り合せの12V#コネクタで自作できる。このマザーは12VとSB5Vしか供給されない。あとはPS-ONだけという実にシンプルなものだ。これなら工夫すれば12VのACアダプターでも動かせないか?SB5Vはレギュレータ1石で出来るだろう。
1 5VSB
2 GND
3 GND
4 PS-ON
5 12V
6 12V

 電源を投入したら、聞きなれたBIOSのメモリエラーのBEEPが聞こえてきた。BIOSやチップセット自体は生きているようで一安心。そこでメモリとモニターを繋いで電源を入れたが全く画面は出ずポストしない。それどころかメモリエラーBEEPも鳴らない。ぶち壊れたかと思いメモリを外すとメモリエラー音が出る。このメモリは動作しないのだろうか?別のメモリを付けたが同じ。メモリが原因ならBEEPエラーが出そうなものだが、全く動作しない場合はチェック時に固まる場合が多い。

 これだけではないが、動いたり動かなかったり全般的に実に不安定な動きだ。この現象から考えるにチップセット周りかメモリ周り、またはその両方がおかしい事になる。やれやれ、やはりコンデンサ交換しなければならないのか。誰もやってくれそうにないし面倒になってきた。(´~`)


★修理というか部品交換
 メモリかチップセット、特にGMCH周りのコンデンサが逝かれてきているのではないかという事で交換。それに関連した信号系のVtt1.5とVcc2.5のコンデンサも換える。どうせだから期限切れ間違い無しの5φの奴と、数少ない6φの奴も一緒に交換してしまおう。ついでに一般用105℃品使用のVRM入力も交換。何だ、ほぼ全とっかえじゃないか。じゃあついでに全部換えちまおう(^^;

c_others
 これらはCPUのVcoreよりも先に換えなければならない重要なコンデンサである。不調時に効くのは右上のEC13(Vtt1.5)と右下のEC32、EC33(Vmem)。


★コンデンサ
 一般用85℃品という、いつも忌み嫌っている奴を使った所にやる気の無さが伺える。動くかどうか分らないものに良い物は使いたくない。

C2:SX33μF16V→KRE22μF16V
C65:SM10μF50V→KRE22μF16V
C67:SM10μF50V→KRE22μF16V
C73:SM10μF50V→KRE22μF16V
C77:SM10μF50V→KRE22μF16V
C78:SM10μF50V→KRE22μF16V
C86:SM10μF50V→KRE22μF16V
C109:SM100μF16V→KRE22μF16V
C110:SM100μF16V→KRE22μF16V
C147:SM10μF50V→KRE22μF16V
C148:SM10μF50V→KRE22μF16V
C154:SM1000μF10V→RE2 1000μF16V
C160:SM10μF50V→KRE22μF16V
C166:LZ1000μF6.3V→RE2 1000μF16V
C168:LZ1500μF6.3V→KZE 1500μF10V
EC1:SM100μF16V→KRE22μF16V
EC3:SM1000μF16V→RE2 1000μF16V
EC4:SM1000μF16V→RE2 1000μF16V
EC5:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC6:LZ1500μF6.3V→除去
EC7:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC8:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC9:LZ1500μF6.3V→除去
EC12:SM470μF16V→PR330μF6.3V
EC13:SM470μF16V→RE2 1000μF16V
EC15:SM10μF50V→KRE22μF16V
EC16:SM1000μF10V→KME470μF10V
EC17:SM470μF16V→RE2 1000μF16V
EC18:SM1000μF10V→RE2 1000μF16V
EC19:SM1000μF10V→RE2 1000μF16V
EC20:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC21:LZ1000μF6.3V→RE2 2200μF10V
EC22:LZ1000μF6.3V→除去
EC30:SM10μF50V→KRE22μF16V
EC31:SM1000μF10V→RE2 1000μF16V
EC32:SM1000μF10V→RE2 1000μF16V
EC33:SM1000μF10V→RE2 1000μF16V
EC169:LZ1500μF6.3V→RE2 2200μF10V
TC8:SM100μF16V→PR330μF6.3V
TC11:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC12:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC13:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC14:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC15:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC16:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC17:SM10μF50V→KRE22μF16V
TC19:LZ1000μF6.3V→RE2 1000μF16V
TC20:LZ1000μF6.3V→RE2 1000μF16V
TC21:LZ1000μF6.3V→RE2 1000μF16V
KA7500B_patch:Tauth?1μF50V→FL1μF50V

エルナーRE2 1000μF16V(NA/791mA)×14
エルナーRE2 2200μF10V(NA/1430mA)×6
ニチコンPR330μF6.3V(480mΩ/200mA)×2
日本ケミコンFL1μF50V(19Ω/18mA)×1
日本ケミコンKME470μF10V(NA/290mA)×1
日本ケミコンKRE22μF16V(NA/30mA)×22
日本ケミコンKZE1500μF10V(22mΩ/2150mA)×1
*RE2のデータは不明なのでRE3のもの

 RE2は使わず捨てるよりは無駄遣いで消費する。本当は松下FCを使おうと思ったのだが、勿体なくなったのと捨てたい部品を優先した。「要らない部品の捨て場」というか「リストラ先」という事で(^^; 本当はC2やTC13はこれではダメなのだが、セロリンでは動くのは分っているのでこれで良し。サウンド出力もどうでもいいので手抜き。サウンドもネットも動いてから考えればいいのだ。EC1はよく解からないけど減らしすぎたか?

 C168はスペースが無くて12φは付かないので、余っていたKZE1500μF10Vを付けている。このKZEは外し品でタダだったのと、色が気に食わなくて使い道が無かったのでここに使う。

kze_re2
 不用品と期限切れ品の中で燦然と輝く?KZE1500μF。考えてみれば真の低インピーダンス品はこれだけだな。背が高いのと緑色なので持て余していた。言ってみればこれも廃材利用だね。


re2200x4
 何このVRMの手抜きっぷり(^^; これで要らないアルミ電解がだいぶ片付いた。この調子でバシバシ12.5φの不良債権を償却したい。気づいた人もいるだろうが、このマザーは殆ど一般用アルミ電解を使用している。実は今回の裏テーマで「一般用アルミ電解でどこまで動作するか?」というのがあったのだ。7本→4本で違和感があるが、「動く気配」を見せるまでまともなコンデンサは付けない。が動いたら動いたでそのまま使いそう(^^;


★気づいたこと
1.電圧や温度計測して気づいたのだが、EC7とEC9はあまり役に立っていない。他と比べると電圧降下が少ないし、内部温度が全く上昇しない。むしろソケット向こうのEC21、22の方がいくらか効果があるような気がする。基板のレイアウトによるものなのか?正式版を作る時にはEC7とEC9は付けないかも。

ichi
 効果があるのはやはり1と2で、3もソケット横なのでまずまず効果がある。4と5は愕くほど効果が無い。ソケット向こうのEC21、EC22より効果が低い。Vcc2.5のEC12を動かしてでもソケット横に配置すべきだった。これではヘボ基板設計と言われても仕方がない。

2.エージング中に触ってみたところ、EC20に僅かに発熱が感じられる。やはりLZの方が性能は上みたいだ。当たり前か。EC169はJ18に何か繋がない限り発熱することは無い。C168も常識的な範囲の発熱。問題が出るとすればEC20という事になるが、点けっ放しでも3~4年は持つだろう。付け加えると発熱と言ってもGA-8IG1000のFC1000μF25Vのような超高発熱ではない。だいたい人の体温よりちょっと上の40℃弱である。

3.抜いたLZ1500μF6.3Vの容量は大きい方から1807,1711,1647,1625,1583μFだった。直流的にはあまり痛んではいない気がする。但し漏れ電流があると確度に問題が出るかも。


★敗北…
 全部で50本抜いて47本実装。結局全てのアルミ電解を交換した。もしこれで動かなければそれ以外の所が悪いんじゃないか?という事になる。その原因究明する気力も暇も無い訳だが。

 電源を入れたら以前と何も変わっていない。一回だけポスト音がしたが、画面は出ない状態だった。もう換えるところは無いので、もしかしたら根本的に動かし方が悪いのではないかと疑い、もう1枚の方(こんな時2枚あると都合がいい)を動かしてみたらちゃんと動くじゃないの。

bios_post
 BIOSバージョンは1.11で最終版。つまりもうソフト的にバージョンアップする余地はない。ちなみに最終でも河童Bステップまでしか対応していない。C以降を使うにはマイクロコードのアップデート、若しくはOSの対応が必要だ(9x系は無理)。もっとも700MHz以上の高クロックは、例え改造して動いたとしても電源的には止めておいた方がいい。

 弄っているうちに段々と症状が悪化して、終いには遂にメモリエラーさえ出なくなってきた。何か重大な錯誤に陥っているのだろうか?各部電圧に異常は無いので、コンデンサとは全く関係がない理由なのかもしれない。例えばGMCH・ICHのBGAが不全断裂とか。それだと確認のしようが無いし、また修理する方が損なので放棄しかなくなる。コイツはお客から預かった物件ではないし治す必要性は全く無い。@100円だし、2枚あるし…(^^;


★諦めた?
 現在はもうPC/ATマザーというよりはKA7500B評価ボードとして活躍している(^^ このコントローラを使ったチョッパ型はHSDLには現在これしかないので貴重なのだ。色々コンデンサを差し替えたり、変な補正をかけたりして大いに遊べる。マザーとして動作しないからぶっ飛んでも何の損失も無い。CPUはダミーのSL5L5で、これも不動でこれ以上壊れないから気が楽。

 もし仮に要らなくなって解体して捨てるにしても、このマザーは部品取りにもならないんだよな。使えそうなのはCEB6030L×2とT50-52×1、FWHだけ。それで100円だと不当に高値で買わされたような気がする(^^; やはりスルーホールが抜けるまでイジリ倒して技術や経験を取得すべきだろう。


 ところでこのシリーズ読んでる奴いるのかな?ふと不安になったりならなかったり。

続・古のマザー BKi810(その2)

続・古のマザー BKi810(その1)


 i810オリジナルPCフォーム系は最初にSAHARA3810という名板を見てしまったので、余計にこのマザーがダメダメに見えてしまう。


★VRM入力シミュレーション
vrm_in_sim
 いつもの如くP!!!1.1GHzである。もっともこのV1.6のVRMは部品の仕様的に17A以上を出せないので本当に机上の空論(シミュレーション)だが、他のマザーとの比較もあるのでこのまま行く。早々にして結論を出すが、このままP!!!1.1GHzを使い続けると確実に入力コンデンサは破壊する。が、実測で意外にサージもリプルも少ないのは12V入力で非同期整流VRMだからだろうか。過去にP6E40-A4で非同期(但し5V入力)は弄った事があるけど、こんなんだったかな〜?


★VRM出力シミュレーション
vrm_out_sim
 出力側の定常リプルは実測値と相似している。但し何時も書いているがこれほど極端な負荷変動は通常はありえない。およそ考えられる限りの最悪条件と考えてよい。定常リプルが35mVもあるのにこんな事を言うのもなんだが、結論として新品の状態+冷却が充分に為されているなら、計算上は出力コンデンサは問題なし。もし短期間に膨らんだら部品や設計ではなく使い方が悪い事になる。ちなみに当該製品は、製造後10年以上経過しているので寿命限界を超えている。何が起きても不思議ではない。


★テキトー計測
 いつものように各部の波形を観測しようと思ったが、このマザーは5V、3.3V用スイッチング電源を搭載しており、これの影響により純粋な波形を観測できない。よって一番インピーダンスの低そうな部分、安定したスイッチング波形だけを載せておく。実は対策により他も測れるがメンドーなので手抜き。他の波形は見るまでもなくヒドイ状態と思ってもらえばいい(^^;


switch_wf1
 12Vなのでスケールは5V/div。言っとくけどこれゲート波形じゃないよ。ONもOFFもサージが極限まで少ないのはスイッチングが遅いからだろう。とは言ってもゲート回路のお陰でOFFはかなり速い。あれは汎用PWMコントローラには効果があるんだね。よく見ると立ち上がりに微妙に汚い部分があるが、これはゲート波形の段階で発生していた。


switch_wf2
 実は上の波形は入力コンデンサ交換後のもの。入力コンデンサ交換前はこんな波形になっていた。明らかに波形がラリっている(^^; この波形はP6E40-A4でも見たね。やはり一般用アルミ電解をここに使うのは寿命から考えても間違っている。と言いつつ付けたのは一般用85℃品なんだが、まだ新しければ上のようにまともな波形になる。違うのは高級な品種と比べて非常に寿命が短いという事だ。Acer(Wistron)はYEC一般用を出力に使っていたが入力はWXだった。この辺り重要性が分ってはいたのだろう。それに対しエリートグループは逆で(略


★KA7500Bパッチについて
 4Pinが直グラウンドに落ちていたのを脚上げして、それを100kΩで7Pin(グラウンド)に接続している。要するに脚上げして間に抵抗を入れたわけ。1μF50Vはプラス側が14Pinに繋がり、マイナス側が先程の4Pinに繋がっている。

 この回路は非同期整流なのにデッドタイムなんて関係ない気がするんだが…?と思ったら、これは突入電流防止のソフトスタートの設定だった。この1μFの容量でタイミングを設定するらしい。

ka7500b_dtc
 道理で起動したあとパッチを付け外ししても何の変化も無いわけだ。


★部品
 前回書いたように1つを除いて全てG-Luxonである。不明の奴はTauthと読めるが字が細かいので違うかもしれない。いずれ交換するのでどうでもいいか。

・コンデンサ
VRM出力(EC21,22):LZ1000μF6.3V(100mΩ/700mA)
VRM出力(EC5-9):LZ1500μF6.3V(64mΩ/810mA)
VRM入力(EC3,4):SM1000μF16V(?mΩ/700mA)
PLL_ref(C2):SX33μF16V(?mΩ/50mA)
Vcc2.5(EC13):SM470μF16V(?mΩ/315mA)
Vmem(EC32,33):SM1000μF10V(?mΩ/420mA)
Vtt1.5(EC12):SM470μF16V(?mΩ/315mA)
Clock_Gen(TC13):SM10μF50V(?mΩ/50mA)
KA7500B_patch:Tauth?1μF50V(?mΩ/?mA)
12V入力(EC17:SM470μF16V(?mΩ/315mA)
5V_DC(EC169):LZ1500μF6.3V(64mΩ/810mA)
SB5V_DC:SM10μF50V(?mΩ/50mA)
SOUND出力(C109,110):SM100μF16V(?mΩ/135mA)
UC3843B(C161):マイラ0.015μF100V
USB5V(TC18):SM100μF16V(?mΩ/135mA)
C154:SM1000μF16V(?mΩ/700mA)
EC1:SM100μF16V(?mΩ/135mA)
EC16,18,19,31:SM1000μF10V(?mΩ/420mA)
EC20,C168:LZ1500μF6.3V(64mΩ/810mA)
TC19,20,21,C166:LZ1000μF6.3V(100mΩ/700mA)
その他:SM10μF50V(?mΩ/50mA)×16

・インダクタ
VRM入力(L31):不明FB×2
VRM出力(L32):T50-52,#16×13(5.6μH/3.5mΩ)

・半導体系
VRM上側スイッチ:CEB6030L
VRM下側ダイオード:S16S40C(SBD,8Ax2)
PWM1:KA7500B
PWM2:UC3843B
GMCH:SL35X
ICH:SL38J
Clock_Gen:ICS9248-73
SuperI/O:IT8870F-A
LAN:DM9102F
Sound:CMI8738/PCI
TV_out:CH7007A-T


★解析終了
 前世紀に写真でこのマザーを初めて見た時、あまりに斬新かつお粗末なデザインに驚愕した。当時なら絶対にこれを買う事はなかったと思う。あれから長い年月が流れ、当時は考えもしなかった物がウチにある。実際入手してみると、写真から推察した以上の仕様と現実にイラついてきた(#^^

 あまりの酷さに気力が萎えてきたが、まずはコンデンサ交換して正常に動くようにしなければ。もっとも交換して動くかどうかも分らないけど。

続・古のマザー BKi810(その1)

 PC Chips製なのでHSDLではおなじみのエリートグループという事になる。この製品は単体マザーではなくベアボーンPC搭載のマザーである。しかし製品販売終了頃から単体ジャンクでも広く出回った。インターネット検索すれば解るが、日本だけでなくワールドワイドな人気物件と言える。確かに完成形のPCは、ケース嫌いの筆者であってもコンパクトで魅力を感じる。詳しい概要は専門のページに譲るとして、その中身のマザーボードはどうだろうか。
http://hem.passagen.se/cugi/familynet/
http://park7.wakwak.com/~madlab/kaizou/hm_case/bki810m.html
http://sites.google.com/site/herman543/bookpcgetsbigpowersupply2
http://www.dieen.net/pc/pc_update49.html
http://www.osu.ac.jp/~tanaka/bki810/index.html
http://www.tadachi-net.com/desktop_pc/bki810/


bki810_v16
 スリムPCに使われていたi810マザーで、仕様自体は特に変わったところの無い、ごく普通のマザーと言えなくも無い。しかしボード上をよく見れば解るがなかなか怪しい構成になっている。解析の結果は期待以上の「斬新な珍マザー」だった。

 ボード上を見れば分るが、この小さな板にアルミ非固体電解コンデンサ(以下アルミ電解)が大量に載っている。全部で何と50本!これはボード上アルミ電解密度?(^^; では過去最高・空前絶後と言える。一つだけフィルムコンが見えるが、マザーボード上でマイラの姿を見るのも新鮮な感じがする。筆者に言わせればこのマザーは無駄だらけ。無駄を省けば全部日本メーカー製コンデンサを使ってもこれと同等の価格で作れるのではないか?

 必要なものは全てボード上にある。BKi810の完成写真を見たところモデムライザーがあるようだが、それ以外に必要な物は無い。PCIバス・スロットも無いし拡張性ゼロ。USBにストレージデバイスを繋ぐ位か?もっともUSB1.1だけど…。


bki810_v16r
 基板裏。裏面には部品は全く実装されていない。但し非常にアマチュアっぽいパッチがある。これは何か?実はコネクタケーブルで繋いでいたのをジャンパに替えたようだ。強度的に見れば表に持ってきた方が良くないか?まあ製造から言わせれば「この方が作業が簡単だから」なのだろう。


rear_panel
 リアパネルはシリアルが存在しないが他は普通のATX仕様。唯一コンポジットやS-VHS端子等のビデオ出力が目を引く。


bki810_vrm
 VRMコントローラが存在しない。ATX電源ではおなじみのPWMコントローラKA7500Bを使ったディスクリート電源なのだ。これはECSのSocketAマザーでも見られたが、この時点でVRMの電圧安定性とか語るのは止めた。更にそれより驚いたのは12Vソースなのだ。P6一般用マザーでは通常5Vソースで、少なくともHSDLには12VソースのP6マザーは無い。VRM入力コンデンサが耐圧16Vなのはリプル耐性を増やすためではなかったんだね。何故12Vソースなのか。実はこのマザーはSB5Vを除けば12Vしか電源が供給されないから。

 スイッチ部分は上側がCEB6030L、下側はSBDのS16S40Cである。デバイスの仕様からこのVRMは16Aが限界という事になる。勿論これは仕様上の話で「これを超えると即壊れる」という最大値だから、この電流を普通に流し続けられるわけではない。電源別供給の下駄を使わないと河童1GHz以上や鱈は無理。なおもう1枚の方は上側が2SK3296だった。写真で見たところV3.3では下側が20AのSBDに変更、V7.3では同期整流に大幅変更している。全くの別物なので、V1.6で真似して河童高クロックを載せてはいけない。

 アルミ電解はエリート系らしく、パッチ用の不明品以外は全てG-Luxonである。VRM出力がおなじみLZ1500μF6.3V×5+LZ1000μF6.3V×2だ。1000μF6.3V×2の方は反対側で離れているので最初はVcore出力用とは分らなかった(EC21,22)。

 VRM入力は何と一般用105℃品のSM1000μF16V×2である。12VソースのP6マザーだからこれでいい…わけはない。ただでさえ2本しかないのだから。これはP!!!700を超えたらお亡くなりになる可能性が高い。C220,221,222(MLCC1〜4.7μF×3)で補強しているが…。入力コイルは存在せずに2エレメントのFBで済ませている。これだと12Vラインにおつりをぶち撒く事になるだろうが、元々AT・ATX共に12Vは回路用というよりはモーター等の動力用が殆どだ。他の回路が「生」で使う事は無いので問題無いと言えば無い。


ka7500b
 PWMコントローラはおなじみTL494互換のKA7500Bである。妙なパッチがなされている。もう1枚の方はKA7500Bのパッチは無い。スイッチング周波数は195kHzと意外に周波数が高いので驚く。TL494やμPC494まで含めても、これ系の石の適用例でこれほど高い製品は見た事が無い。でも長年動物電源でこれ系を弄ってきた経験からすると、この石は110kHz辺りが一番良くなり、それより高くしても全く良くならなかった。もっとも動物電源はチョッパ型ではないし、スイッチもバイポーラTRなのでその点で違いはあるかもしれないが。


vrm_circuit
 これがスイッチング回路。KA7500BとCET6030Lの間にPNP一石のドライバ兼ゲートチャージ抜き回路をかましている。12Vソースの非同期整流という事で変換効率は良くない。VRMコントローラを汎用に変えてもコストは殆ど変わりない筈だが何故だろう。VID取得回路や、別に1.5、2.5、3.3のレギュレータを用意しなくてはいけないなど、百害あって一利無しと思う。他の部品と比べて入手性も変わらないし…何でだろう?やはり設計のじーさんが使い慣れてるという低レベルの理由じゃないだろうか。

 VIDの設定法についてはここで解析している人が居るので筆者はやらない。かなりアナログ的な設定法っぽい。悪く言えばテキトー。

 ちなみにパッチの詳細は、4Pin(デッドタイム・コントロール)が直グラウンドに落ちていたのを脚上げして、代わりに100kΩ(10%)で7Pin(グラウンド)に接続している。1μFの方はプラス側が14Pin(Vref)に、マイナス側が先程の4Pinに繋がっている。


cpu_dc
 CPU_DCはよくやっている。今まで見たエリートグループのマザーで、多分初めての合格?マザーだと思う。ソケット内の3216と2012は全てCPUのVcore用DCである。P6マザー全体で見ても中の上といった所(前回のGA-6OXM7Eと比べてみれば解る)。CPU温度はサーミスタで測るタイプ。なおC213はクロックラインに繋がっているので付けてはいけない。

 その反面Vtt1.5の扱いは非常に悪い。ソケット周りの細い線がそれだが、見た目でもラインがかなり細いしDCも不充分だと思う。これは信号系なので性能や安定性に直接結びつく。もう少し何とかしたいが基板パターンは後から太くできないからなあ。良いマザーボード選択のヒントがここにある。


ics9248_73
 クロックジェネレータICはICSの9248-73である。CPUは66〜150MHzまで、メモリクロックは90〜150MHzまで可変できる。ソコソコ範囲は広いが肝心のi810が付いて来ないのだった。なお810Eの解説に「FSB133に対応した」と書いてあるけど、この無印でもFSB133は使える。勿論CPUだけでなくメモリクロックも133MHzになる。勿論CPUが動作すればの話だが。


bki810_bios
 何の変哲もないAWARD製BIOSである。変なオリジナルBIOSを使われると本当に苦労する。具体的に言えばAcerやCompacの事ですm9(^^) ちなみにシールを剥がしたらチップのシルク印刷が消えてしまった。有名一流メーカー製ではないことは間違いない。BIOSイメージの大きさから見て4MBのフラッシュROMだ。


ide_fdd_if
 これは困った。FDDがあるのは良いけど、IDEインターフェイスはプライマリしか用意されていない。他に要らない物が一杯あるのに何でこれを省略するのか。まあ動いたところでICH0だが…せめてICH1くらい付けてくれよ。PCIバス・スロットにIDEカードを差す事もできないわけだし。これならセカンダリが壊れて捨てる気になっているSAHARA3810の方がマシなような気がしてきた。


it8870f_a
 SuperI/O+プローブチップはこれ。但し温度は全てサーミスタで測っている模様。サーマルダイオードだと何か問題があるのだろうか。もっとも90年代はサーマルダイオード計測は一般的ではなかったな。


 LANはDAVICOM DM9102F。ひと頃はよく見かけたが、今世紀に入ってからは全く見かけなくなった。Ver3.3ではSiS900に、それ以降はRTL8139に変わっているらしい。

 サウンドはCMI8738PCI。可も無し不可も無い標準的なチップ。安いマザーにはこれが必ず載っていたところを見ると価格が安いのだろうか。モデムも入っているが、リソースを食うだけで邪魔なので切り捨てたい。

 Video出力用にCH7007A-Tという知らないチップが載っている。そういえばリアパネルにビデオ出力があったな。こんなものは付いていても不具合を増やすだけで嬉しくもなんとも無い。ビデオ出力には810の能力が不足だし、テキストはTVの解像度が低くてVGAでしか使えない。


★もう1枚との違い
 2枚手に入れたこのマザーだが、もう1枚のBKi810(同リヴィジョン)とは違った部分がある。

1.VRM上側スイッチが2SK3296である
2.KA7500Bのパッチが無い
3.代わりにパラレル付近に妙な一石のパッチがある
4.VRM出力インダクタ・コアがT50-52ではなくT50-52B
5.VRM出力インダクタ巻き線が#17ではなく#18

 気づいたのはだいたいこんな感じ。パッチの状況から見て、当該製品の方が微妙に新しいと思われる。製造番号は500番弱新しいが、製造番号シールを貼る人とPatchを当てる人は違うので順番とは限らない。BKi810には幾つマイナーバージョンがあるのか見当もつかない。こうなるとVer3.xや7.xの方も見たくなるね。Web上の写真はあまり精細なものは無いからなあ…。


★次回に続く
 と言うところで時間切れ。次回は無駄にシミュレーションでどのくらいまでいけるか確かめる。
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