今日の買い物[2008/06/08]で「DFIにあるまじきデザイン」「ECSなみ」等と書いたので気になって仕方がない。見た目とキーボードの勢いでテキトーに書いたのだが、他人に突っ込みを入れられる前に自分でレビューを書いておこう。実は梱包前に記事にしてしまおうという魂胆もあったりする。このマザーは日本では1999年頃発売開始らしい。

zenkei
 チップセットはApolloPro133だ。この前のがApolloPro、この後のがApolloPro133Aである。初代ApolloProはFSBが100MHzまでしかない。133AはAGPが×4となっている。初期のチップ(693Aまで)は不具合が多かったが、133A(694X)以降の安定性はi440BXにもひけをとらない。ノースチップの分類では凡そこんな感じ。サウス次第でDMA66/100が使える。693と693Aはシルク印刷以外は同じ物らしい(VIA談)。
693a
 レジスタードには対応していないが、載せてみたところi440BX並みには動いた。この書き方は微妙だが、要するに両面認識しない奴があるという事。後継の133Aなら認識されないのは無いので負ける。総容量は1GB迄で440BXとは引き分け、同クロックでは書き込みスピードで負ける。

  • VT82C691[Apollo Pro]AGPx2,FSB100,1GB
  • VT82C693A[Apollo Pro133]AGPx2,FSB133,1GB
  • VT82C694X[Apollo Pro133A]AGPx4,FSB133,2GB,Dual
  • VT82C694X-DP[Apollo Pro133A鯖用]AGPx4,FSB133,4GB,Dual
  • VT82C684Z[Apollo Pro133Z]AGPPro,FSB133,2GB
  • VT82C694T[Apollo Pro133T]AGPx4,FSB133,2GB

 FSB133で使うならチップセットのヒートシンクも欲しい。これは付いていたのを取られたのかもしれない。


 DFI製とは思えない理由は、出力コンデンサがあさっての方向に付いているから。VRMコントローラ側に置けなかったのでCPU側に持ってきたが、ヒートシンクが邪魔だからL字型になってしまった。もう少しコントローラ側はスッキリ並べられないのだろうかと思うが、これはPA61のボード幅が普通のマザーよりかなり狭いから無理だろう。出力コンデンサの本数(6本)と総容量(7000μF)も弱い。
c_out
 0.1μFを26個も並べている所にDFIらしさも垣間見える。青いのはCPU温度を測るためのサーミスタ。どうせならサーマルダイオードを測って欲しかったが…。
vc_mlcc


 詳細に見てみると「やっぱり安物でもDFI」と思えてきた。部品の使い方に確固たる意思があるからだ。例えばクロックジェネレータ部分、廉価版はVclkとVio3.3Vを一般電解コンデンサで済ます場合が多い。しかしこのマザーは両方とも規定通りタンタルを使っている。ジェネレータICのW144H(故ICworks製)は変化に乏しいが、最高150MHzまでは出せるしSoftFSBも対応している。
clock


 その他重要部分には一般コンデンサではなくタンタルを使用している。タンタルを使ったからとて飛躍的に性能が上がることはないのだが、メーカーが重要部分を理解していることは間違いない。
tantrum


 USBの電源は2CH独立でデカップリングされている(ヒューズも別)。多分アナタのマザーはこうなってはいないでしょう(SY-6BA+は独立してた)。またPS2のラインも大きなFBが入っている。コストを考えればこうまでする必要は無いのだが、電源を入れたまま抜き差ししてもパチンコで死ぬことはないかもしれない。
usb_ps2


 コントローラはDFIのOEM系ではおなじみのUS3004である。VcoreだけでなくVttやVclkも発生させている。これとPHB55N03LTの組み合わせは、この時期の廉価版マザーの定番といってよい。HSDL用語で言うところのL1外コンデンサもシッカリ付いている(左側)。もっともこれはUS3004リファレンスの指定でもある(守っていないメーカーが多いが)。なお右側のTEAPOは判り辛いがVcore出力である。
us3004


 このPHD3055はVtt1.5Vの出力に使われている。大元はUS3004の中にあるシリーズレギュレータだが、電流が足りないのでこれでブーストしているわけだ。
vtt_3055


 アポロ133のサウスは596Bや686AなのでDMA66まで対応する。596Bはスーパーサウスではないため別途スーパーI/Oチップを搭載する。プローブ用のW83781Dも載っているが、コア電圧はサーミスタ計測と思われる。少々改造すればサーマルダイオードも測れるが。
596b


 昔はこの手のパッチは恥と思っていた。でも今はここまで面倒を見るのは極めて良心的ではないか?と思い始めた(手作業だし面倒だよこれ)。ちなみにこれは取っ払っても普通に動く。しかし設計者或いはデバッガーは我慢できなかった、または社内基準を満たさないのが問題になったのかもしれない。筆者的にはLoveなのです。FICやAcerの製品にもよくあるがAcerのは致命的なジャンパが多い。ASUSみたいにユーザーにパッチ当てさせる会社もあります。
debug



 このマザーも3.3V直流しなのでATX電源の3.3Vの質には注意しなくてはいけない。VRMコントローラは1GHzには耐えられないので要改造。ノーマルでは精々800MHz程度までか。あとアポロプロ133はFSB133MHzだとメモリの相性が厳しいような(筆者の)先入観がある。この辺りはチェックしたいところ(注)。

 限られた予算の中では精一杯やっていると思う。無闇にVRMを強化したりせず、むしろ周辺から固めているのがHSDLの改造と通じる物がある(結局最後まで褒めてたりして…)。コンデンサは寿命なので全て交換したほうが良さそうだな。

 まあとりあえず洗濯してから今後の事を考えましょうかね。



注:ちなみに仕様ではDIMM1とDIMM2だけが256MBをサポートしている。またDIMMモジュールによってはR264をR263側に付け替えなくてはいけない。これはVT82C693Aの仕様から来ると思われるが詳しくは調べていない。