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主にジャンク品を使って日頃の発想や妄想を実験・研究するブログ。

ER-C54T

ELPA ER-C55T

ELPA ER-C55Tのシリーズ記事だが、この記事から先は初心者は読まないように願います。読んで色々と間違った理解をされると社会の迷惑なので。読んでも初心者には解りにくいようになるべく不親切に書いてますが(^^

追補


ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ELPA ER-C55T
ELPA ER-C55T
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
初号機沈黙(^^;
初号機復活v(^^
初号機早くも不調(^^;

 あれから判ったことを追加する。


★フェライトロッドアンテナ
 これもRAD-F1691Mと同じくタップ出力方式のフェライトロッドアンテナだった。中華はこれがスタンダードなのかな?微妙に高感度になるが安定度と分離は良くないと思う。筆者は微妙に感度が低下してもリンク出力式の方が良いと思う。機会があったら巻き直してみたい。感度は落ちてもアンテナで何とかなるがRF選択度は後付けでは良くならない。


ferriterod1
 このフェライトロッドの正確な大きさは4×7(←長方形)×84mmだった。ちなみに今頃気づいたけどコイルはボビン無しの空芯コイルだった(^^; 一応固めてあるけどヤバい橋を渡っているような…。リッツ線の本数はこれも3本だった(^^; 中華ラジオのスタンダードかな?


ferriterod2
 このスペースに太いフェライトロッドは入らないが、もし4×7φの10冂垢療垤腓領匹ぅ侫Д薀ぅ肇蹈奪匹あればブチ抜きで何とか入る。そんな甘い考えで哀店道で探してみたが、短いのは有っても長いのは無かった。方々を削れば8φ×100个隆欸燭眛るかも知れないけど保証はしない(^^ ヒマな人はやってみれば?感度は微妙に上がるはず。但し市販のフェライトロッドアンテナは良くないのでロッドだけ入手してコイルは自分で巻く事になる。使用するリッツ線は10本程度でも充分に勝てる。市販の中華フェライトロッドアンテナは最低級の3本が多い(^^;


★ER-C54/55Tの不具合メモ
 これまでに判っているER-C54/55Tの欠陥は以下の通り。前身機種のER-20/21T-Nにも関係あるものが多い(ICと短波帯以外は共通)。判明次第、随時追加する。


CD2003GPによる±225kHzイメージが出る(致命的最悪)
 一部(注1)のER-C54T/ER-C55Tには華晶CD2003GPが搭載されている。このICの一部ロットには欠陥があって基本波の±225kHzにイメージが発生する。結果として聞けない周波数が当地で11波もある。

 対策→不良CD2003GP(注2)を正常なTA2003P系ICに交換すれば解決する。リコールものの不具合だがメーカーが対応してくれるかは不明。このメーカーはただの商社で技術者なんて居ないだろうし全く信用していない。


∩択度が悪い
 信号強度によるがローカル局が最大±100kHz程度の範囲で混信する。サイドではなくIF通り抜けなので薄らとだがハッキリ再現されてしまう。PFB455JR互換2素子CFはIFTレスでは足りないようだ。

 対策→CFを4素子以上のモノに交換する(理想は6素子)。帯域はSWを聞くなら6kHzかな。


C伺搬咾隆凝戮低い
 実際受信方法を工夫しないとラジオ日経すら危うい。これは前身のER-20T-NやER-21T-Nは改善の余地がある(注3)。

 対策→これは設計・製造上の問題の為修正不能に近い。ただ製品によって当たりハズレはあるようだ。例えばHSDLの2号機は1号機より明らかに感度が高い。という事は何らかの手段で感度が上がる可能性があるとも考えられる。現在はMW中心なので、それが片付いたらこのSW方面も研究してみたいところ。


ち箸瀘て後に調整していない?
 ノーマルではMWの感度がかなり低い個体がある(全部ではない)。パディングコンレスの親子バリコンだがトラッキング調整はもちろん必要だ。

 対策→再調整は可能なのでトラッキング調整を行なうと大幅に感度が上昇する場合がある。事実1号機は調整により感度が大幅上昇した。2号機はノーマル当初より下の方の感度が良い(上は1号機より稍落ちる)。


FMで信号強度と音声の強度が一致しない
 ディスクリミネータがCFと合っていない?個体がある。

 対策→ディスクリミネータの交換(難易度非常に高い)、または抵抗の追加・変更。


AGCの効きが悪い?
 フェーディングが引く時に検波歪が顕著である。ただ単に感度が足りないだけかもしれない(^^; がしかしこれ以上感度を上げるとRFアンプがネを上げそう。

 対策→ICの問題なので修正は不能だろう。但しEC1の容量調整で多少はAGCのフィーリングが変わる。容量増加でスローリリースとなり減らすとファストリリースになるが、減らし過ぎると早いフェーディングでリンギングが発生するかも知れない。脳内でいくら考えても意味は無いのでこの問題はいずれ実験する。AGCは特に考えずにSメーター端子として見ると4.7〜10μFが良さそう。


Щ病?ポリVC不良
 これは全く偶然かも知れないが、HSDLのER-C55T1、2号機とジャンクで入手したER-C54TはPVC不良で受信できなくなってしまった。もしかするとPVCのロット不良かも知れない。

対策→ポリVCを交換するだけ。と言っても周波数範囲やトラッキングは全部グチャグチャになるので新たにラジオを製作するつもりでやらねばならない(^^;


 結論として実用には不良CD2003GP搭載であれば交換、ノーマルCFを交換してMW再調整という事になる。優先順位としては(IC交換>)越えられない実用の壁^^>MW再調整>CF交換となる。MWやFM専用でローカルに強力局がほぼ無いイナカならばCF交換は不要かな。

 売り物のSWは実用性が低いがMWの感度は悪くないのでMW専用ラジオとして買うのも悪くない。2015年以降のアナログラジオとしては高性能の部類に入る。但しIC交換すら出来ないレベルのシロートは買うな!と言っておく。全部ハズレではないがハズレる可能性もあるという事だ。


注1:当初ER-C54やER-C55Tは全てCD2003GPと思っていたが、先日他ブログでWX製のTA2003Pを搭載したER-C55Tを目撃した。つまりHSDLの入手した3台が全てハズレ品という事になる(^^; 更にダメ押しでHSDL入手のジャンクER-C54TにはTA2003P(WX)が使用されていた。他に1台あるがこれは未開なので不明。

注2:全てのCD2003GPが不良と言うワケではない。その証拠にOHMのRAD-F770Z-Hに使用されていたCD2003GPは特に問題が無い。生産週で分類できるかもしれないが現時点では不明である。ICの生産者に文句が言えるわけではないのでHSDLでは詳細に調査をするつもりはない。そんな情報が無くとも実際聞いてみれば一発で判るわけだし…。

注3:インダクタがアキシャルリードタイプなので交換が容易な上に、バンド個別に補正コンデンサを抱かせることもできる。地道に追い込めばかなり実用度が上がりそうな気がする。当該機を所有しているわけではないので推測にすぎないが。


初号機早くも不調(^^;

新たなこのシリーズの持病?を発見


ER-C55T速報(^^
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ELPA ER-C55T
ELPA ER-C55T
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
初号機沈黙(^^;
初号機復活v(^^

erc55t1
 HSDLのER-C55T(1号機)が復活して間もないのだが、今度は別の難易度の高そうな不具合が出てきた。今度の不具合は二種類あって、一つは突然感度が激悪になる現象だ。ダイヤルを回した時に突如ローカル局以外全く聞こえなくなってしまう(ローカル局も弱い)。局間ノイズが全く無くなるだけなのでローカル局しか聞いていなければ気づかないかもしれない。で暫くダイヤルを回したり、本体をコンコン叩いたりショックが加わると元に戻るのだ。実におかしな症状である。

 二つ目は周波数が突如飛ぶのだ。主に下の方だが520kHzが700kHzになってしまったり下に回しているのに上にチョット戻ってしまったりする。以前のFMのカウンターがおかしいのもカウンターが原因ではなくこの症状の延長線上にある不具合ではないか?何故ならFMで下一杯に回すと300MHz台に飛ぶからだ。冷静に考えてみればカウンターはそんなに器用に壊れたりはしないよな〜。


erc54t2
 で思い出したんだけど、実は先日手に入れたジャンクのER-C54T(2号機)は正にこれの更に酷いタイプの症状だという事に気づいた。感度が全くなくなって何も聞こえないと思ったら突如聞こえ出したり、周波数が大幅にズレていたりする。カウンターがあれば同じように周波数が飛んでいるのも判るのだろう。つまりこれってER-C54/55Tシリーズのロット依存?の持病なのではないだろうか。イヤもしかすると前身のER-20T-N/21T-Nシリーズから背負っている血統的な持病かも。

 切り替えスイッチの接触不良と考える人もあるだろう。これは叩くと復活することから容易に想像できる。この切り替えスイッチはSW用のインダクタとMW用のフェライトロッドアンテナを切り替えているので回路的には起こり得る。がしかし、感度低下と周波数飛びはフェライトロッドアンテナを直結しても同じ症状が繰り返された。という事でこれはスイッチ系の不具合ではないと思う。表面に現れる症状は接触不良なのでまずスイッチを疑うのが定石なのだが…。

 いずれにせよこれは経年劣化の部類と言える。経年と言うにはあまりにも劣化速度が早過ぎるが。ジャンクER-C54Tも外見はキレイでそれほど使われた節は無いし、HSDLのER-C55Tに至ってはまだ新品から半年チョットしか経っていない(^^; こんな短期間で死ぬと参るな。保証期間内だがもう何度もバラしているし交換してもらう気はない。でも開けるのは保証期間が完全に過ぎてからの方が良さそうだ。他のはそうするつもり(^^

 完全に動作しないのであれば諦めもつくが、偶に動かないとなるとなかなか諦めがつかないのだ(1台直せるなら2台とも助かる)。どうしよう?と考えているうちに時が過ぎていくのであった…。でもいずれやらねばならない。

注:この記事は2018年11月20日に書かれた。ジャンクER-C54Tを「先日入手した」と書いてあるのはそのため。


ELPA ER-C54T

ELPA ER-C54Tを酷使する(^^


ELPA ER-C54T
ELPA ER-C54T
ELPA ER-C54T

 改造記事は反響の乏しさからお蔵入りと言うか保留になっている。多分ネタ切れになったら出るでしょう。今日はこのラジオを既定外の使い方でテストする。PCではおなじみのカツ入れである(^^


★電源カツ入れ(^^;
 いつもニッスイの2.4V電池動作なので何となく力が出ていない気がする。ノイズが低いのは低感度が原因なのだろうが音量も足りない気がする。これはパワーが不足しているのではないだろうか?今回は電圧を上げて使ってみようと思う。


ac_d3m
 そこでこれです!糞ニーがまだソニー(この頃はもう粗ニーだったかも^^)だったころの製品だ。これはICF-2001で使用していたもので確か二代目である。最初の奴はケースが黒い色で型番も違っていた記憶がある。これは恐らくICF-2001D時代のものだろう。

 この電源はラジオ向けなのでもちろんシリーズ電源だが、そのため電圧は思いきりテキトーである。公称は4.5Vだが5.5V以上は出てくるし負荷が掛かれば電圧は急降下する。この5.5V電源を3V既定のER-C54Tにブチ込んでみよう。上手く行けば電圧アップでパワーも上がるかもしれない。

 ここで「規定3Vに5.5V入れて大丈夫なのか?」という疑問も湧くかもしれないが、このラジオに使われているICは1.8〜7Vがオペレート電圧(AMRではない)なので充分に余裕を持って動作する。AFパワーアンプは電圧が大きい方が動作がむしろ有利になる可能性もあるのでそこに賭ける。


erc54t_aca
 例によってACアダプター・アダプターで繋げてみたら正常に動いたけど凄いホワイトノイズだ。これはチョット使う気になれないというか、当初はスイッチング電源なのかと疑ってしまった。でもSW電源なら規定4.5Vで実電圧5.5Vも出てこないよな…(^^; オイオイ粗ニー、こんなにノイズのデカいの売るなよ…と一瞬思ったが、経年劣化して電解コンが劣化している可能性も大きい。何しろ製造後30年以上なのでソニータイマーが付いていなくてもお亡くなりになる年齢だ(^^; ちなみにラジオに使えるACアダプタはノイズフロアが電池の時とほぼ変わらないものだ。このACアダプタもICF-2001の当時はノイズに悩まされた記憶は無いので劣化の可能性が大きい。


 で、懸案のカツ入れの成果だが残念ながら感度は特に変わらないっぽい。これはノイズがデカいのでそれに埋もれてしまったという一面もあるのだろう。音量は電池使用時より大きく安定しているのは紛れも無い事実だが、それはいつも使っている電池がニッスイの2.4Vだからかも知れない。恐らく既定の3VのACアダプタでも充分に安定していると思われる。

 使った感じとしては3.3Vの定電圧電源がこのER-C54/55Tに一番向いているのではないだろうか(専用ACアダプタは恐らく4Vくらい出ているだろう)。TA2003系はオペレーション電圧が3Vなのでその点から見ても3.3V定電圧電源が最適だと思われる。


★自作する
 都合の良い3Vや4.5Vの低電圧のものはなかなか見つからないかもしれない。そうであれば自分で作るしかない。と言っても素材はHOのジャンクで見つける。

HOで5V〜9Vくらいのトランス型ACアダプタを探す。トランス型は通常は大きい・重い・小容量の三拍子揃った欠点を持つので見つけるのは比較的容易である。少なくとも普通の大きさで1Aや2Aのモノは全部SW電源だろう。

 容量は400mAもあれば上々。上は12Vくらいでも使えるけど変換ロスが大きい。つまり発熱が大きいのを考慮する必要がある。HSDL界隈のHOではACアダプタは@324円均一だった。

⊆,縫丱蕕后バラすので強制的にトランスを確認する事になる。ここで変圧トランスが見つからなかったら残念ながらそのACアダプタは使えない。変圧トランスは通常ケース一杯になるくらい大きい。

出力にレギュレータICを取り付ける。ここにあるが500mA以上のを選ぶ。なお秋月の3.3VレギュレータICリストの中にはSWレギュレータのモノも含まれているので何でも良いわけではない。高効率を売り物にしているICはスイッチングしている可能性がある。SW方式はノイズが出るのでラジオ用途には不適である。

 実は最近気づいたのだがシリーズレギュレータICの中でもノイズが大きいのと小さいのがある。これらICは用途に最適化された性能を持っており、シリーズレギュレータICであってもどれも全部同じ特性と言うワケではない。カタログを見れば分る通り殆どの電源ICは低損失・低電位差・出力電圧の正確さといったラジオにはあまり関係無い(必要無い)特性を売り物にしている。ラジオやオーディオに重要な低ノイズを売り物にしている新し目のICはほぼ全て面実装となっている。この辺りのノウハウを持っている人は皆無に近いので自分で時間をかけて試すしかない。たぶん他人に聞いてもロクな結果は得られない。全部使った事のある人は皆無だろう。

 上で書いたようにER-C54/55Tに搭載されているICだけなら7Vでも正常動作するが3Vより上げても性能は差は無いし、多少AFパワーが上がって音がデカくなるくらいかな。SPの大きなホームラジオではないので意味は無いと思う。

ぅ院璽垢貌れる。恐らく元のには入らないだろうから別ケースにでも入れる。入るならば元のに入れても良いが、事故防止のため必ずケースに入れよう。終わり。

ELPA ER-C54T

 初回は実際の受信テスト、前回は内部調査に於いて色々な設計・製造上の欠陥や問題点が発見されたが、今回は発見された問題点の整理をしてみる。


★問題点の整理
 こんな安いラジオにマジで文句付けるのか?と言われそうだが、吝嗇な初心者が間違って買うと気の毒なので再三の警告の意味もある。いわゆる牽制球も兼ねている(^^

・感度が低い!
 FMは普通だがMW・SWはDSPのRAD-S600Nと比較すると非常に低い。ひょっとすると前モデルER-20T-Nにも負けているのではないだろうか。SWはMW以上にノイズレベルが高いので室内での受信は不可能に近い。MWはバンドの上下で感度にムラがある。これはトラッキング調整が不充分ではないかという疑惑がある。なおSWのトラッキング調整は同調コイルが固定のためできない(注1)。FMは特に感度ムラは感じないのでほぼ設計通りだろう。SSG等で精密に測定したわけではないので保証の限りではないが。

・選択度が悪い!
 頭のキレ自体は普通なので弱い局なら仕様通り分離できるが、MWの強力な局はCFの帯域外の跳ね返り現象?で10kHz程度離れた所でも単独波のように受信できる。この辺りIFTレスの弱点と言えるかもしれない。絶対的な減衰不足により薄らとサイドに尾を引いて受信できる通り抜け現象もある。サイドスプラッシュにはならずにそのまま通り抜けたように受信できるのだ。例えばYBS765kHzの代わりにAFNが受信できるとか。そのまま下げて738kHzでも聞こえる。AFNって810kHzだぞ?かなりヒドイ(室内なので混変調ではない)。高1ストレートラジオの選択度と同等以下(^^;

 選択度とは違うが、FMで信号強度と音声強度が一致しない。これは検波用ディスクリミネータとCFが合っていないのではなかろうか。ディスクリミネータの製品カタログには適用ICのサフィックスが載っているがCD2003GPのはもちろん存在しない。本家TA2003のモノを使用するらしいが両ICの互換性には稍疑問がある。対応品でなければ両者は組み合わせを選別しなくてはならないはずだが、そんな生産性を下げるようなことをやっている筈が無い。結果としてこのような状態でなのだろう。もっと古いラジオならL(MPXコイル)のコア調整で直せるのだが、この辺りはIFTと共に無調整回路の弱さか。

・安定度がやや低い
 電気的な安定度もさることながらダイヤル機構など機械的な安定度やポリバリコンのデキが良くないようだ。これら機械的な問題は改善は一から作り直しになるので不可能である。電源電圧の変動から来る安定度の低さは、それぞれの電圧の安定化により改善できるかもしれない。受信中に裏蓋を触るとボディエフェクトで受信周波数に影響を与えるのも気になる。これは局発コイル部分をシールド出来れば無くなりそうだがスペースが無い。

 尤も70〜80年代のBCL専用ラジオも(PLL機以外は)安定度はそれほど高くなかったのは覚えている。特に25mb辺りから上は30分間の放送中に選局つまみを一度以上動かすのは普通だった。昔の短波ラジオが高選択度ではなかったのは安定度に問題があったから、という話をメーカーサイドから聞いた事がある。

er_c54t_14
 なお選局つまみやワイヤが接着剤のようなものでベタベタと重くしてあるのはこれを改善する姑息な手段だと思われ、間違ってもこれを除去してスムースに回るように改良してはいけない。恐らく更に安定度が低下する(^^;

・AMに於いて225kHz離れた所にイメージが出る!
 AFNが1035kHz、TBSが1179kHz、文化放送が1359kHzで強力に聞こえる(注2)。この225kHzという数値は中間周波数の450kHzの半分なのか?それ以外に関連付けられない。9kHzセパレートになってしまうので普通の放送のように受信できるから甚だ迷惑だ。ICの欠陥なのか?局発のスプリアスとか?解らない。900や910のイメージなら話は分るのだが…。このラジオの最大にして致命的な欠点はこれ。こんなに明確な欠点なのに誰も気づいていないのだろうか?

 この件とは関係無いが中間周波数が450kHzにするのは止めて欲しい。せめて455か460にしてくれないと…。中波は9kHzセパレートなので450のような9の倍数は困るのだ。咄嗟に真の信号とイメージの区別がつかなくて困惑する。

・多信号特性が悪い
 低電圧のバイポーラTRで構成されたICなので当然かもしれないが、当地ではMWは内蔵バーアンテナでもベランダ(注3)だとAFN等の混変調が確認できる。またローカル各局の相互変調波もバンド内で多数確認できる。また低感度のSWやFMに於いてもベランダに出ると混変調を起こす(SWはバンド依存)。この調子では外部アンテナ、特に非同調外部アンテナはパッシブであっても使えないかもしれない。このラジオのICはCD2003GPというTA2003の互換品らしいが、実は中身は微妙に違うのではないかと言う疑惑も持っている。特にレベル配分はRFだけでなくIF以降に至るまで疑惑が大きい。もっとも筆者は本家TA2003を使い込んだ経験が無いので「これが実力」の可能性も低くはない。基本設計は昭和時代と思われるICである。なお多信号特性は室内でも当然ダメだが、感度が極度に落ちる上に元々局数が少ないので問題とならないのが反って悲しみを誘う。

・MW受信中にロッドアンテナを触るとノイズが増大する?
 ひょっとしてAMフロントエンドにも繋がっているのだろうか?そうだとするとメリット以外に色々問題が出て来るが…。疑惑を持ってバラしてみたが回路的には全く繋がっていない模様。その下はバーアンテナだから手を近づけると影響があるだけかもしれない。トラッキングがズレてロッドアンテナ(真鍮?)が感度に影響を与えているのだろう。ラジオに関係無い話だけど人体に流れるこの強力なノイズに危険なものを感じるのは筆者だけだろうか(^^; 少なくとも昭和より前の人はこんなモノを浴びていなかったんだよね。

注1:インダクタの可変に加えて、マルチバンドラジオのコイルにはそれぞれTC等を抱かせなければならない。勿論このラジオにはそんなものは無い。

注2:上側だけ書いたが下側にも出る。例えばTBSが729kHzで聞こえる。

585kHz:AFN
729kHz:TBS
819kHz:NHK1
909kHz:JOQR
918kHz:NHK2
1017kHz:JOLF
1035kHz:AFN
1179kHz:TBS
1359kHz:JOQR
1467kHz:JOLF

 1035kHzのAFNはJOLFやJORFよりも強力なので参ってしまう。何しろイメージ波のサイドスプラッシュという実体のない幽霊のパンチで1026〜1044まで受信が困難なのだ(^^; 実際このイメージ周波数を熟知していないと未知の局を探索する用途は困難になりそう。なおこのイメージは回路が共通なSWバンドでも発生する。IFの半分といっても、そもそもこのラジオのAMの中間周波数は450kHzではなく455kHzなのだが何故なのだろう?

注3:HSDLのベランダにはホットスポットとしか呼びようが無い感度極大地点が存在する(ベランダ全てではない)。何となく電線か建物自体がアンテナになっている気がする。中華はアテにならないのでICF-2001で試したいな…。

 このようにズラズラ並べてみると受信機の基本3S全てに問題はあるという事になる。まあ廉価なポケットラジオなので致し方ない。ホームラジオくらい大きいとこれらの対策もある程度楽できるが、全くと言って良いくらいスペースの無いポケットラジオとなると難易度が格段に上がってくる。さてどうしたモノか?


★次回へ続く
 欠陥を整理したところで次回からはこれらを解消すべく努力していく。色々な面で制約が大きいので可能かどうかは分らないが。

ELPA ER-C54T

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

 前回は実際の受信状況を確かめた。今回はいよいよ分解して内部を観察する。回路は恐らくほぼICのリファレンス回路通りなので、採用ICの限界がそのままラジオの性能の上限限界だ。しかし手抜きに因る下限は底無しに近いので回路よりも生産や部品調達だけが心配だ。


★ケース
 ER-C54Tは同社のER-20T-Nの後継品であり、ケース外観は違いはほとんど感じられない。ACアダプター端子が消滅しただけだ。それは機能的にはかなり大きな違いだが。

=外装=
er_c54t_02
 中華製のイメージ通り薄く頼りないので何かの拍子に短期間で割れそう。特に電池ボックスの蓋は数十回も開け閉めしたら確実に爪が折れそう。実はSONY製もポケットラジオ系はケースが薄くヒビが入るので威張れたものではない。イヤ実はSONYの一眼カメラでもヒビが入るのだが…(^^;

er_c54t_03
 初っ端からネジ穴が割れてます。もちろんこれは初めてバラした時なので新品の時から割れているわけだ。何回かバラしたらネジ穴が崩壊するだろう。そこら辺は既に覚悟している。


=ストラップ=
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 外部からはストラップが外せないが開ければこの通り外せる。中はネジ軸に引っ掛けてあるだけでかなりテキトー。筆者はベランダで聞く時に落とさないように常にストラップを手首にかけている(落とすと数十メートル落下するから危ない)。前回写真で気づいたと思うが、死亡したかつてのメインカメラのニコポンストラップを移植した。オリジナルより長く太いので使い勝手が格段に良くなった。携帯電話用ネックストラップもアリ?


=電源部=
 電源は電池を回路に直結している。入力に大きめの電解コンが入っているが間にレギュレータIC等は一切無い。このラジオのICは1.8Vから7Vまで正常動作という柔軟性を持っている。がしかし、電池の電圧によって性能が変わってくるのは止むを得ないところ。下限の1.8Vでも動くかも知れないが感度の低下・AF出力の低下からは逃れられない。据置で使うなら直流安定化電源を繋いで使いたい心境。ER-20TのACアダプタ端子が存在した部分は空いているので上手く工作すれば端子を復活させられるだろう。

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 ここらへんにACアダプタ端子が付いていた。空きスペースになっているので何かに活かしたい。言うまでも無いが高さに気を付けないとSPにぶち当たります。


=ダイヤル機構=
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 ダイヤル回転比は5:1くらいだ。古の名機ICF-5800の回転比は10:1(Fast)⇔45:1(Slow)だった。我がRF-1150は6:1でスカイセンサー厨房にバカにされた(^^ 改めて言うまでも無いが最初の数値が大きい方が微妙な選局が可能である。デジタル選局ではない当ラジオにとっては非常に重要だが、切り替えが無い場合はあまり回転比を大きくすると端から端まで回すのが面倒だからトレードオフの関係と言える。


=バーアンテナ=
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 バーアンテナはL=8.5僂世辰拭バーアンテナの性能は長さだけではなく太さも関係するし、巻き方や線材によってQが変わるので一概には言えないが普通かな。但しフェライトバーの表面がザラザラと荒っぽくて品質はよろしくない。

 よく誤解されているが感度はバーアンテナだけで決まるわけではない。「高周波増幅付き小型バーアンテナのラジオ」が「高周波増幅無しの大きめのバーアンテナのラジオ」より感度が高い事も有り得る。高々2、3センチの違いで血相を変える必要はないのだ。しかし大きいに越した事はないし、大型バーアンテナの機種はそれなりの回路を搭載している場合が多い。その常識は日本メーカー限定だけどね(^^ 実はそれらハードウェアよりもっと差が付くのは調整である。これがダメだとICF-EX5だってダメラジオになってしまう。

 ちなみにこのラジオのICであるTA2003及び互換チップは高周波増幅を搭載している。ピンコンパチのTA8164は高周波増幅は省略されている。どちらにしてもFETではないしBCL専用ラジオのようなディスクリートの高級回路には及ぶべくもない。スズメはどう頑張っても白鳥にも鷹にもなれないのだ。


=ロッドアンテナ=
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 このロッドアンテナ自体の長さは50僂世これより長いのに交換するのはちょっと無理っぽい。取り付けは薄いケースにネジ止めなので割れる確率は非常に高い。何もしなくても不安になるレベルだ。

er_c54t_08
 入力部分にD1が入っているが強入力のクリッパなのだろうか?通常2本のところ1本しか無いけど取っちまうかな?L1、C1、C29、C30がFMのBPFか。インダクタがSMDなのでテキトーに見える(効いているとは思えない)。


★基板
er_c54t_09
 これの前身であるER-20/21と基板は同じと思っていたが基板のバージョンが変わっていた。以前見たER-21Tのは2013/02/20版だったが、このC54Tのは2015/03/11版である。どこが違うのかと言うと2013年版では一部リード部品なのに対し、2015年では大型電解コンやCF等以外は面実装化している。勿論ケースが同じなのでスイッチなどの位置は同じだが、アンテナコイルに当たるインダクタの実装はほぼ別物と言って良いくらい違う。


=ハンダ付け=
er_c54t_10
 面実装パーツが使われているが、実装法が昔ながらのアンダーフィルで貼りつけてディップ槽に浸ける旧方式だった。このラジオの生産量でこの方が安上がりなのだろうか?我々HSDLは自動実装の最新のマザーボードばかり見てきたので、2018年現在に町工場レベルの実装法を見ると驚愕する(^^ ハンダ付け自体は面実装になった事もありそれほど酷くはない。以前見たラジアルリード版はフラックスの汚さも相まって悲惨なモノだっただけに拍子抜け。但し手ハンダ部分は相変わらずヒドイ。経年で不調になったらまず疑いたい部分。


=ワンチップ・ラジオIC=
er_c54t_11
 このER-C54TにはWUXI CHINA RESOURCES SEMICOのCD2003GPという東芝TA2003Pの互換ICが搭載されている。ロットによっては他の2003が載っているかもしれない(UTCも存在する)。IFTレスで調整箇所が少なく幅広い電圧で使用できるのがウリだが、本家と互換品の中身が完全に同じと言うワケではなさそう。元々製造の簡便さを狙ったICであり高性能を狙ったものではない。という事はこのラジオも…。


=AGC=
 C32がAGCの時定数を決める電解コンである。33μFでどのくらいの計算なのか分らないけど調整する意味はあるかも。もっとも一つの値で全てのシチュエーションに合わせるのは不可能だからFast/Slow電解コン切り替え式にするしかないか?筆者的にはAGC切りも魅力だけど、元々超DX局が受信できるわけではないので意味は無いか。この記述は忘れてください(^^


=セラミックフィルター=
 CF1(FM)、CF2(AM)はCF(セラミックフィルター)である。IFTレス回路なので帯域幅(選択度)はこのCFだけで決定される。これによる弊害なのか強力局が前後3局現れたり、薄らと数10kHzに渡って受信できたりする。これはIFT有りの回路では通常有り得ない現象だ。かつてCFの使用法の基本中の基本は「IFTと組み合わせる」だったはずだが…。なおCF3はFMのQUAD検波用のディスクリミネータでありCF1、CF2とは働きが違う。

 CFの品種はICのリファレンス回路ではCF2(AM)=SFU455C5、CF1(FM)=SFE10.7MA5L×2である(注)。ここで重要なのはFMの10.7CFで、原設計では2段のところ1段しか実装されていない。勿論IC規定の性能は出ていないハズだ。また省略するのはコストダウンで良いとしても直結はマズイ。インピーダンスが変わってしまうから抵抗でも入れないと。勿論レベル配分も変わってしまうだろう。言っちゃなんだけどこれの設計者って「抵抗が無くなれば少しは感度が上がるんじゃね?」とか思ってそう。低レベルの人間はインピーダンスマッチングの為の抵抗やATTを取ってしまったりする。もっともそんな深い理由ではなく単に部品をケチっただけかもしれないが。

hra1500
 このようにRS社ラジオに於いてCFが1つに省略された回路もある。ただこの場合は100Ωも入っているのを見逃してはいけない。ここのインピーダンスが狂うとCFのスカート特性が乱れる。最悪リプル発生でアタマのキレにも影響があるかもしれない。この某社ラジオではMWのCFが二段になっているのが羨ましい(^^ 同じCFでもスカートの裾がだいぶ変わると思う。まあ常識的にはIFTを入れるのが唯一無二の解決策だと思うが、それやるとこのICの意義は失われるね。

cd2003gp_ref
 気になってCD2003GPのリファレンス回路を見たらCF×2は同じだが間に100Ωが入っていた。ここで東芝TA2003とレベル配分かインピーダンスが違うのではないかと言う疑惑が濃厚になってくる。しかもこのラジオのようにICの指定からCFとRを1つずつ取っ払ったら何が起こるかは想像が付く。この引用回路図には出ていないがディスクリミネータCDA10.7MG_は適用ICのサフィックスが31となっていた。31は東芝TA2003のサフィックスなのでQUAD検波の互換は守られているという事か。ホントかよ?(^^; 信号強度と音声強度が一致しないのは明らかにディスクリミネータの不具合なのだが。直列に抵抗を入れてみたらどうだろうか。

 ちなみにCFは帯域幅・スカート特性共に最下級クラスの品種なので何と交換しても性能が上がりそう。HSDLにあったFM高級ステレオチューナー用を付けようかと思ったがスペースが無い。付けるとすればSPを除去するとか思い切った手法が必要だ。

注:TA2003の短波対応アプリケーションのAMのCFはSFU455C5よりマシなSFZ455JLとなっている。測定回路のSFU455C5はショボイAM/FMラジオ用だ。これらはサービスエリア内のローカル放送局が想定されているのだろう。

sfz455jl
 帯域幅は同じだが、SFZの方は2エレなのでスカート特性がマシ。短波放送は5kHzセパレートなので理想を言えば±5kHzが完全に分離できなくてはいけない。尤もそれは前世紀のBCL専用ラジオでもかなり難しかったが。

=気になる部分=
 とにかく各部のDCがテキトー。高度なオリジナル設計は求めないが、せめてリファレンス回路にあるものは省略しないでほしい。

er_c54t_13
 スピーカーは以前より大型化したがこの程度のサイズアップは特に意味は無い。筆者はイヤホンで常用しているし、初回分解の途中で切れたままになっており使っていない。いずれもっと小型のSPに交換したい。SPを基板に貼りつけたら分解が楽になりそうだ。

er_c54t_14
 とにかくダイヤル周りは接着剤のようなものでベタベタ。これは多分除去してはいけないのだろう。ケチなメーカーが無駄なモノに金をかけるわけがない。


=FMフロントエンド=
 FMバンドのトップはGFWB3をディスクリートで再現したと思われるBPFだ(^^; 昭和時代ならこれで充分だっただろうが、多局化の今となっては田舎の弱電界以外では通じない仕様だ。トップを同調形にすればかなりまともになりそうだがVCが交換できないので内蔵では不可能。改造は諦めるしかないね。コイル類は全て安い手巻き空芯なので調整は極めて面倒くさい。昔のワイヤレスマイクの調整を思い出した。


=MW・SWフロントエンド=
er_c54t_15
 SWはMWのインダクタを変えただけだ。この面実装のL1-L10がSWの入力コイルなのだろうか?まるでFBにしか見えない、どう見てもQが低そうなこのLを見ていると低感度なのは当然と思える。とは言ってもこれは交換は困難なのでどうにかなるものではない。ER-20Tの時のようなリードアキシャルなインダクタなら何とかなるかもしれないが(あちらの方が感度はだいぶマシなはず)。これはもうSWは諦めるしかないのだろうか。ちなみに東芝TA2003の短波対応アプリではこんな回路ではない。SWのバンドは2つだけで(注)、Lもシールドケースに入ったコア付きの奴だ。

 ER-20T-Nもかなり骨皮ラジオだったが、ER-C54T(55T)は更にそれを地道に削ってコストダウンしてるんだね。まったくこの発見は驚き以外の何物でもない。生産者(経営者)としては拍手モノだろうがユーザーとしては顔が引きつるレベル。

注:SW1が2.3〜7MHz、SW2が7〜22MHzである。この製品は恐らくバンドスプレッドの為にバンド数を増やしたのだろう。それ自体は理解できるがLのQを軽視しすぎ。

★続く
 いやー疲れた。このラジオの分解は非常に面倒で難易度が高い(注)のでアナタら読者は興味本位でバラすのは止めましょう。まあ読者のラジオはオレのじゃないからどうでも良いけど。

 手を入れたいところは一杯あったがスペースの関係で無理そう。出来そうなのはCFや各部DCくらいかな。基板も百均の製品のように粗悪で銅箔が容易に剥がれそうだから出来るだけハンダ付けはやりたくない。基板に穴が開けられると更に改造が進むのだが。

注:基板を取り出すには裏蓋と中のネジを4本外すだけなのだが、一部のネジ穴が早くも割れそう。各部の強度もかなり弱いので開けるたびに元に戻せるかどうか危ぶまれる。初回には早速SPのワイヤが断裂してしまった。ロッドアンテナのワイヤもいずれ切れるだろう。特にハンダ付けできない人はバラさない方が良い。


ELPA ER-C54T

 前回簡単に不具合をテストしたが問題は無さそうだった。今回はもっと詳細にテストしてみたい。もちろん詳細テストが終わったらバラしも敢行する。中身がどうなっているのかを知らないラジオなんて気持ちが悪くて使えない。たとえ日本製であってもそうなのだから況や中華製をや(^^ なお大部分の記述は基板が共通なER-C55Tにも当てはまる。特に欠点は全部同じである。


★概要
er_c54t_00
 ER-C55Tは短波を聞くため、このER-C54Tは中身を知るために買ったのでいずれ分解される運命にある。筆者はポータブルラジオやポケットラジオを開けた経験はあまり無い。正確には覚えていないけど全部で20台くらいのものではないだろうか。それでもラジオはいつ見ても新鮮で飽きない。基板と回路図を眺めて余裕で一日潰せるくらいでないとこんなブログの筆者は務まらない(^^ 閑話休題、

er_c54t_01
 歴史的にはSONY TR-4400の流れを汲むバンドスプレッドタイプだ。デジタル周波数カウンターなどは無いので、あまり正確とは言えない大雑把な周波数スケールを見ながら経験と勘で選局するしかない。デジタルリードアウトに慣れた人はこの辺で脱落だろう。筆者も少なくとも今世紀に入ってからは初めてなので当初は戸惑った。付け加えると周波数スケール表示は明らかにズレている。

 本質的には「ごく普通のAM・FMポケットラジオの入力コイルと局発を拡張してSWも受信可能にした」感じ。ワンチップICを使用しており性能的にはICの性能以上には絶対にならない。そこには製造メーカーの技術は殆ど関係せず、各個の個性が出るとすればそれは性能の低下として現れる。パーツの手抜きと製造時の調整のバラつきだ。実はSWとFMではそれが見られてICリファレンス回路より性能が低下している。特にSWのANT_COILとFMのCFが代表的な手抜きだ。更に驚くのはこのラジオの前身ER-20T-Nよりコストダウンによる品質の低下がみられることだ。アレもかなり手抜きだったがまだ削れるところがあったという事か。これについては次回以降で書く。

 見た目シンプルでケース以外壊れる所は無いように見える(テキトー)。致命的に壊れるとすれば経年劣化でポリバリコンが逝った時くらいかな。ICは汎用でそこら辺で安価に売っているので、例えこれが死んでも諦める必要は全く無い。その他受動部品にしても特殊なモノは皆無で、この辺りの汎用性は安さにも勝る中華製品の最大の良さだと思う。ごく単純なだけに弄る楽しみもあるからね。筆者は専用パーツ・特殊パーツ・陰険実装・情報隠蔽は日本製の悪の象徴だと思っている(^^

 価格が安いのでエンスージアスト(笑)の改造ベースや遊び道具としては推奨できる(注)。価格が安いからと言ってキットのスーパーヘテロダイン方式ラジオも組み立てられないような初心者は買ってはいけない。機能は低いし楽もできないし、ドツボにハマった悲しみで涙を流す事になるだけだ。何がラジオが原因の不具合で、何が自分のヘマなのかハッキリ分るまでは手を触れないこと。こう言ったら実も蓋も無いかもしれないけど、このラジオは他に優秀なラジオを持っている人が遊びに買うものだ。

注:但し部品取りには向かない。まともな部品は全く付いていない。ICは安く売っているしその他部品も同じ。損します(^^


★周波数範囲
 いつものように(ブログ記事は初めてだが^^)最低受信周波数と最高受信周波数を計測してみた。ここで問題となるのは、このC54TはC55Tとは違って周波数を読み取れないという事だ。この場合DM(デジタルマーカー)があれば計測は確実だ。周波数カウンターで局発を計測する手もあるが中間周波数がCF依存なので誤差がある。

MWローエンド:521kHz
MWハイエンド:1690kHzあたり*
FMローエンド:75.4MHz
FMハイエンド:110MHzあたり*
*ポリVCは抜けた時に絶縁体がフニャフニャなので回し方依存(^^; 無理に回すとVCが高確率で壊れます。

 SWはバンド外には用が無いため省略する。前回のER-C55Tの計測結果と比べ上が伸びている。下限はアナログポケットラジオとしてはかなり正確だ。恐らく下で合わせて上は成り行きだろう。ポリVCは小容量になると不安定で個体差が出るのでこれで正解だ。何はともあれ返品する必要は無いという事だ(^^ 個体差はある程度あるので読者の参考にはならないだろう。

 もしこのテストの結果、周波数が規定内に収まっていないと不良品として返品することになる。簡単なので返品しないで自分で調整するのもアリだが。中華製は無暗に返品するともっとヒドイのを掴まされて泣く事がある。安いものだし「お客様は神様」風を吹かせるのも程々にしておいた方が良い(^^


★動作テスト
 まずは初期不良返品交換のため?動作チェックしてみる。紙一枚のショボイ取説を見ながら全ての機能をチェックする。機能は僅かしか無いのでチェックするまでも無いだろうが義務だと思って真面目にやる。それが終わったら実際に放送を聞いてみる。当地はMWもFMもローカル局が低い方に偏り過ぎなのがイヤなところ。特にMWだと高調波がバンド内に落ちてきてツライ。

=MW(昼間)=
 夜は無数に受信できるので昼間でのサービスエリア内に限った。MWの感度チェックは昼間にやった方が正確だ。一般的にはこれだけ受信出来れば文句は言えないはず。受信は主に鉄筋マンションの室内で行なった。以前も書いたが生半可なラジオではローカル局の受信すら難しいくらいのシールド効果がある。勿論ノイズもあるのでそれを乗り越えなくてはいけない。

◎ 594kHz:NHK1
◎ 693kHz:NHK2
◎ 810kHz:AFN
◎ 954kHz:TBS
◎1134kHz:文化放送
○1242kHz:ニッポン放送
○1422kHz:RFラジオ日本
△1458kHz:茨城放送(土浦)
△1530kHz:栃木放送(宇都宮)

◎強力で実用になる
○一応受信可能
△微弱・条件付き

 当然ながらローカル局は受信できた。ただRFはかなり弱くてサービスエリア内とは言い難い。ラジオの方向によっては実用にならない(この局はラジオ関係無しに弱い)。LFは普通に聞こえるが部屋の中だと弱くなってしまう。これは強力∧高音質なFM補完放送で受信すべきだろう。補完放送は強力でノイズ一つ無い高音質で受信できる。茨城放送と栃木放送はベランダ受信限定である。見た目は高い方が感度が低いようだが実際は高い方に強力局が無いだけである。計測器を持たない場合は勝手な判断で弄ってはいけない(が弄りたくなるくらい感度は低い^^;)。

=おまけの海外中波(夜間)=
 夜中にわざわざベランダに出て受信してみた(^^

△ 621kHz:平壌放送
△ 657kHz:平壌放送
△ 711kHz:KBS
△ 855kHz:平壌放送
△ 891kHz:KBS
◎ 972kHz:KBS
○1044kHz:中国国際放送
△1089kHz:中国局(遼寧?)
○1170kHz:KBS
△1206kHz:中国局(延辺?)
△1323kHz:中国国際放送?朝鮮語
△1467kHz:KBS
△1548kHz:中国局(山東?)
◎1566kHz:FEBC(HLAZ)
△1566kHz:中国局(延辺?)
△1593kHz:中央人民広播電台

 昔取った杵柄…しかしダメだった。NHK2終了後にもチェックしたが、残念ながら半島と中国以外には何も聞こえなかった。ロシアなどはソ連時代にはウザいくらい聞こえていたのだが、全く聞こえなくなると何か淋しい気もする。

=FM=
 FMは多数受信できるが部屋によっては受信できない局がある。またロッドアンテナの方向も大きく影響する。向きによっては受信できない局もある。

△76.5MHz:Inter FM(横浜)
◎77.1MHz:放送大学
△77.5MHz:NACK5(秩父)
○78.0MHz:bay fm
△78.2MHz:むさしのFM
○78.6MHz:FM-FUJI(三ツ峠)
◎79.5MHz:NACK5
◎80.0MHz:TOKYO FM
○80.7MHz:NHK FM 千葉
◎81.3MHz:J-WAVE
○81.9MHz:NHK FM 横浜
◎82.5MHz:NHK FM 東京
○83.2MHz:NHK FM 水戸
○83.4MHz:エフエム世田谷
△83.8MHz:調布FM
◎84.2MHz:FM西東京
◎84.7MHz:FMヨコハマ
◎85.1MHz:NHK FM さいたま
△85.4MHz:FM東久留米
◎86.6MHz:FM東京(檜原)
△88.3MHz:J-WAVE(みなと)
◎89.7MHz:Inter FM
◎90.5MHz:TBSFM補完中継
◎91.6MHz:文化放送FM補完中継
◎93.0MHz:ニッポン放送FM補完中継
△94.1MHz:栃木放送FM補完中継
○94.6MHz:茨城放送FM補完中継

 FM感度はこのクラスとしては充分だが、これだけ強力局が増えたために前世紀のラジオ用ICでは多信号特性がヤバくなって来ている。イメージは下の方の局がワイド側に出るが大した事は無い。むしろ局間が詰まってきたので今までは気にしなかった選択度が気になってきた。80-82MHz近辺は強力局が並ぶので切れ目が感じられない。選択度は音質とトレードオフなので高音質がウリのFMとしては難しいところ。

=SW=
 このラジオの唯一の売り物である短波帯はシールドされた室内ではノイズもあって真昼間はほぼ受信できない。ラジオNIKKEIは室内で常時良好に受信できる周波数は皆無に等しい。こんなに弱かったか?ラジオたんぱの頃とは比べ物にならない。特に31mbはどちらも全くダメ。受信状況は時間帯によって大きく変化するのでよく選ぶ必要がある。海外日本語放送はそれなりに入感しているがDSPのRAD-S600Nと比べ感度は低い。

○ 3.925MHz:ラジオNIKKEI第1
○ 3.945MHz:ラジオNIKKEI第2
△ 5.875MHz:ラジオ・タイランド(日本語)
◎ 6.055MHz:ラジオNIKKEI第1
◎ 6.115MHz:ラジオNIKKEI第2
◎ 7.410MHz:中国国際放送(日本語)
× 9.455MHz:RAE(日本語)
× 9.525MHz:インドネシアの声(日本語)
△ 9.595MHz:ラジオNIKKEI第1
◎ 9.650MHz:朝鮮の声(日本語)
◎ 9.735MHz:台湾の声(日本語)
△ 9.760MHz:ラジオNIKKEI第2
○ 9.765MHz:イラン・イスラム共和国放送(日本語)
○ 9.805MHz:KBSワールドラジオ(日本語)
○ 9.840MHz:ベトナムの声(日本語)
○ 9.910MHz:KTWR(日本語)
○ 9.930MHz:KWHR(日本語)
○12.020MHz:ベトナムの声(日本語)
△12.085MHz:モンゴルの声(日本語)
○12.935MHz:HLG(SEOUL RADIO)、CQ CALLING
○15.400MHz:HCJB-Australia(日本語)

◎室内受信可能
○窓際のみ受信可能
△微弱・ベランダのみ
×現時点では受信不可能

 中国国際放送、朝鮮の声、台湾の声は昔と変わらず強力だ。KTWRはノイズが無ければ◎クラス。9.765MHzのイランの朝の再放送は予想外に良好だった。モンゴルは入感しているが変調が悪く確認はしていない。アルゼンチンは予想通りダメだがインドネシアの声は過去の実績からすれば確実に受信できるはず。時間の許す限りチェックしているがかすりもしないというのは実際は出ていないのではないか?

 日本の短波海岸局は全て廃止されたようだがお隣の海岸局がまだ受信できた。一時これでDXやっていたのでちょっと懐かしくなった。でもこのラジオでは海岸局のメインストリートである8MHz帯が受信できないのが残念。放送バンドでバンドスプレッドされているので当然だが業務局受信には使いづらい。

 ちなみに6〜11MHz台を受信中に、ロッドアンテナの先端をDAISOのLED電球に20僂らい近づけたら激しいノイズを感知した。SWを聞く場合は切った方が良いかも。ダイソーに限らずスイッチングで電圧を落としている電球は全部ダメだろう。実は真っ当なメーカーの製品は全て当て嵌まるのだが。

 それはさておき、昔は「短波放送の銀座通り」と言われた9MHz台が受信不調なのは悲しい。前回記事ではSWの感度評価は保留していたが、こうやって真面目に受信してみると「SWの感度は低い」と断定せざるを得ない。次回記事で内部を見れば低感度なのは納得できる(^^


★続く
 久々にアナログダイヤルのラジオを使ったが、最初は戸惑ったものの昔の経験が生きてすぐに慣れた。やはりガキの頃の経験ほど身になるものは無い。と言うかジジイになってからの経験など殆ど役に立たないのだ。閑話休題、

 このラジオに関して言えば、ラジオを扱い慣れている筆者のレベルには楽(苦)しく遊べるが短波ラジオを初めて買う人は買ってはいけない物件ということだ。千円台の格安ラジオであり、勘違いした初心者が群がってくると思われるので一発叩いておく。もちろん叩くのはラジオではなく初心者の方だ(^^

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