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主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

GA-5200X_PCI

[新]GA-5200X/PCI復活

 前回も書いた通り、この製品は地雷と言うよりミエミエの時限爆弾である。この会社が後に出したGA-8400GSでもそれについての反省の色は全く窺えない。何年も同じ失敗を続けている会社ってどうなの?ネコ電PCを使っていた人(筆者も含む)には昔からなじみのある会社だが、もうあの頃とは中身が全然違う会社と考えざるを得ないな。筆者は騙された奴に同情はしないが、かと言って騙した奴を弁護する理由も無い。

 この記事のGA-5200X/PCIは「ローカル巡回[15/08/08]」で手に入れたもので、「GA-5200X/PCI」の続編である。


★またちょっと見る
ga5200x_pci2
 このロットは基板メーカーがHTでおなじみの永捷電路版有限公司に切り替わった。2006年42週製造なので、約2年間も粗悪電解コンを放置している訳だ。GPUは2006年41週、メモリは廃肉巣に変わって2006年29週製造。ファンガードが地で着色された金属から青色ビニール張りに変わっている。この方が地の着色より安く出来るのだろうが汚らしい。日本企業が販売している製品とは思えないほどの低品質だ。


c45_55
c131_154
 電解コンはASIACONだ。前回はFZだったけど中身は全く同じだと思われる。ASIACONで検索するとHERMEIが出てくる。データシートにもHERMEIとASIACONは同一なのでASIACON=HERMEIという事か。今回の防爆弁はマネ下風に変わっている。これは恐らくマネ下が破棄した製造機械で生産しているのだろう。墓場からの復活は中華ならごく普通である。


★メンテの基本は掃除
ga5200x_pci3
 ホコリまみれだったのでまずはエアーで徹底的に飛ばす。このホコリはもちろん有害なので外で行なう。


ga5200x_pci4
 次にグリスをキレイに落とす。今回のグリスクリーナーは100円のIPAを使う。これで洗う体制が出来た。洗剤は50円ビデオカードに相応しい中性洗剤とした。ファンガードに付いていた汚いビニールは潔くスッパリと剥がした。これで漸く触る気がしてきたな。ファンはもう先行き(寿命)は全く期待できないのでプラが割れない程度の油を注しておく。寿命は短くなるだろうがもう気にしない。

 乾燥してからP6ISA-IIに搭載して電源を入れたら全く反応しない。おかしいな?普通はFX5200程度の電源の軽いカードがこの程度の電解コン損傷で起動しなくなる事は八割方無いのだが。ひょっとすると別の所も逝かれているのではないだろうか…イヤな予感がするが取りあえず電解コンを交換してみるか。やった損の無駄足に終わらなければいいけど。


★電解コン交換
 前回はNVVDDの出力にKZHを使ったが、今回はルビコン祭りという事でルビコンオンリーで仕上げる。どうせショボイFX5200なんだからテキトーで良いだろう。ま、そのテキトーより現在のアジアコンは腐っている訳だが。ひょっとすると日本メーカー製の一般用85℃品の方がマシなんじゃないか?とすら思える(流石にそこまでは低くないか)。


test_ga5200xpci2
 ルビコンで統一されて見栄えは良くなった。FB除去が面倒くさいし、基板が汚くなるので(前回は交換した)入力インダクタはスルーだ。C154は横にあるLDO(AMS1084)の出力コンなので固体アルミ電解等は付けてはいけない。イヤ実際に付けているのをどこかのサイトで見たので…アカの他人だし動いているらしいので放っておくけど。無知は怖いもの知らずである意味幸せ。通常はESRが50mΩ前後の電解コンを付けるところだ。ポリマーではなく通常電解ならもう少し低くても(20〜30mΩ)大丈夫だが。これは通常電解のQが低く、周波数特性がブロードでピークが出にくいから。ハンダ付けがヘボピーだとESRが付加されて動くようになるかもしれんな(^^


★使用部品
 前回よりも更にグレードダウンした。「手持ちからギリギリまで性能が低くなるように選んだのでこうなった」と前回書いたが、更に下のギアがあった事になる(^^ 50円のカードには50円なりの部品を使うのが我々の流儀。流石にこれ以下はもう無いだろうが…と言うかこれ以下にするといくらなんでも動作しないだろうね。

C45:Asiacon LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
C55:Asiacon LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
C47:Asiacon LZ470μF16V⇒YXG220μF25V
C60:Asiacon LZ470μF16V⇒YXG220μF25V
C58:Asiacon LE330μF16V⇒YXG220μF25V
C131:Asiacon LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
C154:Asiacon LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V

Rubycon YXG220μF25V[130mΩ/640mA]
Rubycon ZL470μF16V[53mΩ/1030mA]
Asiacon LE330μF16V[90mΩ/360mA]*
Asiacon LZ470μF16V[42mΩ/850mA]
Asiacon LZ1500μF6.3V[26mΩ/1400mA]*
*標準品には存在しない
合計29円(税込・銭単位切り上げ/副資材・電気代・人件費別^^)

 C47、60は当初シルク印刷に合わせて10φのZL470μF16Vにする計画だったが、だんだんもったいなく感じてきたのでYXGで済ませた。勿論YXGの方が余剰在庫が多いからに他ならない(^^


★テスト
 テストの時はファンが間に合わなかったのでファンレスで動かす。こんな所にもこのカードに対する投げ遣りな姿勢が見え隠れする(^^; もし動かなかったらVRAMを全部はぎ取って、前回の奴に移植して256MBバージョンを作ろうなんて思っていた。

hwinfo_ga5200xpci2
 手抜きしまくりなので一寸心配だったが動いちゃうんだね。でもHWINFOだと前回の奴と区別がつかんな。2つあってもしょうがないので前回の奴は友人に進呈したいと思う。Windows上のチェックは任せたぞm9(^^

GA-5200X/PCI

 悪い意味で有名なエロデータのGF-FX5200搭載PCIカード。コイツの酷さは検索すれば直ぐに判る。使えば確実に壊れるという、地雷じゃなくてミエミエの時限爆弾だ(^^ 長年探していたが遂に50円ジャンクで発見した。


★一寸見る
ga5200x_pci
 基板は特徴的なロゴを持つLIN HORN TECHNOLOGY製で、2004年31週製造なのでカード自体もその後間もなく製造(アセンブリ)されたのだろう(Wistron製?)。なおGPUは同年24週、寒チョンK4D551638F-TC50は同年25週製造である。例のXFXほどじゃないが基板が波打っていてあまり品質が良くない。回路的にはAGP版のP162にシフトレジスタの塊(笑)を載せただけ。一応ヌビリファレンス(P165)も存在するので正式対応なのだろう。

gram
 メモリ実装パターンは8個だが256MbitGDDR-SDRAMを4個実装しているので64bit接続となっている。PNYの製品を見ると全部実装すれば256MBになるっぽい。その場合128bit接続になるので多少は性能が上がるが、この場合PCI接続なので性能向上は殆ど無かろう。AGPならば載せる価値はあるが。

 解像度はアナログではQXGAだがデジタルではUXGAまでと小さくなる。ワイドはアナログの時はWUXGAだが、デジタルは1440×900とハンパなところで止まっている。HSDLは大画面もワイドも使わないので問題は無いが。BIOSROMは25LV512である。VGA-BIOSが32kBを超えるので昔のマザーでは動かない可能性がある。

 電解コンはFZという謎メーカーのLZという品種である。中華コンのデータベースとも言えるコンデンサメーカー一覧サイトでもメーカーもロゴも発見できなかった。勿論メーカーが判らないので性能は不明だが、色と死に方から見てEVERCON系じゃないかと推測している。現実は隣のASIACONと同一の製造メーカーだろう。ズバリ色も同じだし…。


★先ず洗う
 先ず前作業として洗って干した。知らない人が見たら吉外にしか見えないがHSDLではごく普通の作業である…つか何であんたらの使ったカードってこんなにクサイの?どういう生活してるんだよ。早死にするぞ。

gpu_cooler
 このカードはクーラーのファンが腐って回らないのは平常運転。代品も無いのでバラして洗ってグリスアップする。組み立て取り付け回してみたら新品と変わらない回転数を取り戻した。音も今のところ軸音はしないし問題なさそうだ。


★直す
 さて修理だが、実際このカードでは電解コンを変えるくらいしかする事が無い。電池交換とさほど変わらないがハンダ付けが伴うのが面倒くさい。取りあえず謎のFZを抜く。中身はエバーコンと思われるので、カタログ性能はWGより少々落ちるくらいかな。さて交換品種だが、50円の廉価カードなので固体電解なんて絶対に使わない。それではただのアホになってしまう。なので動作テストで使ったREはご退場願う。

 C45とC55はNVVDD(NV34のVcore)出力コン、C47とC60はNVVDD(NV34のVcore)入力コン、C131とC154はFBVDDQ(メモリ関連)だ。重要なのはこの6本だけど、たった7本だから当然全取っかえだよな?ちなみにリファレンス回路ではC45、C55は470μFでESR≦25mΩのモノが指定されている。C58は大体同じ大きさ(性能じゃなくて形状の事)なら何でもよい。

l15
 予算が余ったので?省略されていたL15(VRM入力インダクタ)を復活させた。付けても特にメリットは無いが理論上は電力損失が減る(^^ HSDLは外見のために付けた。リファレンス回路では1μHか、"For Cost Down"(笑)として0Ω×2が指定されている。このカードの回路は両者の中間で折衷回路と言えるか。

r195_202
 言うまでも無いが、上のL15を実装したら裏のR195、196、199、202を除去する必要がある。これはRとなっているが実際はFBだ。見れば判るだろうけど。


★使用部品
 手持ちからギリギリまで性能が低くなるように選んだのでこうなった。ALLKZHも可能だったがZLの方がチビデブなのでこれを採用。リファレンス設計から見れば性能が足りていないように見えるが、実際動作させるとこのメンツで足りている。ま、少々足りてなくてもこれで行っちゃう訳だが。

C45:FZ LZ1500μF6.3V⇒KZH680μF25V
C55:FZ LZ1500μF6.3V⇒KZH680μF25V
C47:ASIACON LZ470μF16V⇒ZL470μF16V
C60:ASIACON LZ470μF16V⇒ZL470μF16V
C58:ASIACON LE330μF16V⇒YXG220μF25V
C131:FZ LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
C154:FZ LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
L15:Empty⇒2.2μH
R195:FB⇒Empty
R196:FB⇒Empty
R199:FB⇒Empty
R202:FB⇒Empty

Nippon Chemicon KZH680μF25V[32mΩ/1650mA]
Rubycon YXG220μF25V[130mΩ/640mA]
Rubycon ZL470μF16V[53mΩ/1030mA]
SMDインダクタ2.2μH
合計37円(税込・銭単位切り上げ/副資材・電気代・人件費別^^)


★完成
ga5200pci_after
 完成しました。紫色でOS-CONっぽく見せていた?オリジナルと比べるとカラーは地味になったかな。まあ中身は伴っているので良いだろう。

hwinfo_ga5200pci
 動作チェックの時BIOSPOST確認してるけど動いた。これから貴重なDX9対応のPCIカードとして活躍するであろう。FXシリーズはWindowsVista〜10TPでもAero動作するし、敢えてコイツを現役のカードと呼ばせてもらう。実用するならもっと良い部品を付けても良かったかな?と思わないでもない。
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