この記事はレビュー記事でも懐古記事でも買い物ガイドでもありません。シロート向けの使い勝手などの一般的評価は書いていないので、ラジオ好きで超マニアックな常連の変人以外はお帰りください(^^/~

ベジタブルと言うブランド?の中華製謎ラジオ(^^;


 2019/11/17に入手したVegetableというブランドの中華ラジオだ。もっとも製造は中華だが発注したのは日本メーカー、若しくは商社だと思われる。この比較的洗練されたデザインに興味が湧いたわけだが、もし20%割引きでなかったら無理して買わなかっただろう。当初は動かなかったので買わないのが正解だったかもしれない(^^;

>藝夢堂株式会社
http://www.geimudo.co.jp/index.html
 多分これだね。


★外見チェック
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 やってしまいましたm(_ _)m いつものように気安く消毒しようと猫又研でおなじみの徳用消毒アルコールスプレーをぶっ掛けたら黒地が白く斑になってしまった!これはアルコールで変質するプラスチックだった。通常のラジオ筐体は塗装されていてあまり無いけど、地が剥き出しの中華製ラジオでは結構な確率でこんな具合になる。こういうのは中性洗剤若しくは石油系の一部くらいしか受け付けないので有機溶剤・油脂類には注意しなくてはならない…オレがな(^^; そう言えば昔昔の大昔、昭和時代にICF-2001に何かのスプレー(多分クリーナキャブ)を掛けてしまいムラになった事が有った。進歩ねえなあ。


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 外見は一気にジャンクに相応しくなってしまったが、このラジオのデザインはどこか朴李臭いけどなかなか良いと思わないか?仮に日本製と言われてもウソだとは思わないだろう。

 シンプルで何の機能も無いタダのラジオである。同調指示ランプすらない。その割に電源ランプが付いているのが謎だ。粗ニー系ICでランプ付きなら同調指示だがICは倒芝系なのだろうか?それともディスクリート?この軽さでそれは無いと思うけど。


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 ダイヤルが大きいのが気に入った。これはICF-28ほどではないがこの手の中華ラジオの中ではかなり大型の部類に入る。実際回してみても硬すぎず柔らかすぎず丁度良い感触である。長く使うためには良いダイヤルは必須だ。


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 テレスコピック・アンテナは35僂蛤廼瓩離櫂吋奪肇薀献としては普通。これより多少長くてもFMの受信感度は変わらないので気にする必要も無いか。この写真でも判るが斑でキタネエな…筆者のせいだが。

 あコノヤロウ、アンテナ取り付けネジ山が潰れてやがる。もしかしたら裏蓋も開けられているかもしれない。もっとも他のネジは無傷なのでテレスコピック・アンテナが緩んだのを締めただけかも。だとしてももうちょっと合ったドライバで締めろよ…(^^;


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 銘板はこのようになっている。ワケワカランけど型番があるだけマシ。


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 ここが注目ポイントのひとつ、電池ボックスだ。ジャンクは腐食していることが多いがこれは無傷だ。もっとも買う時にしっかり確かめてますが(^^;


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 イヤホン端子の内部が錆びているね…。恐らくSPしか使わなかったのだろう。ここもジャンクラジオが逝かれるポイントの一つだ。ここが逝かれると音が出ない場合が多い。


★動作チェック…だがしかし。
 外見に見どころは特に無いので単三乾電池を入れて動かしてみる。軽いし、見た目ICラジオにしか見えないので動くだろう…と思いきや電源が入らない!音が出ないとかそれ以前のレベルで電源LEDが点かないのだ。これはLEDの死亡というごく稀な故障でなければ電流が流れていない事を意味する。つまり不動ラジオだった。ホントかよ〜(^^; 今までHSDLの記事でICラジオで「電源が入らない」レベルの不動だったのは東芝エルイーのお風呂ラジオくらいか?参ったねえ。ケースは汚い斑(←これは筆者のせいだが^^;)で中身は不動か。ホントのゴミやな。

 だがTRディスクリート・ラジオと比べICラジオは壊れる所は無い。信頼性の向上もIC化の大きな目的の一つだからだ。そこら辺のしょぼいラジオブログを見れば解るが、修理と言ってもVRの接触不良だとかハンダ割れだとか「修理しました!」なんて自慢げに書くのが恥ずかしいレベルの故障ばかりなのが分るだろう。ラジオ専用ICが壊れることはまず無いし今まで見た事は無い。

 話は変わるけど初心者はディスクリートやハイブリット時代のジャンクには手を出さない方がイイです。ディスクリートはチェック項目が多過ぎて初心者には手に負えない。ハイブリットの場合は大体が専用か廃品種のICを用いているので、それらが死んでいると初心者には手に負えない事になります。これを時代で言うと粗ニーで言えば”It's a Sony”以前の時代のもの(^^; 70年代後半〜80年代の製品は各メーカー共にそういうのが多いので初心者はジャンクに手を出さない方が賢明だ。もちろん自分に実力と自信が付いて来たならそれらにも挑戦すべきだけどね。ジャンカーを続けていくならいずれはそれらの強敵とも戦わなくてはならないのだから…。

 ちなみに専用ICと言ってもAF用のはトランジスタ数石の単純なもので、ハッキリ言ってディスクリートでそれを再現するのは容易い。なのでベテランのラジオジジイなら専用ICが無いからと言って泣く事は無い。ただFE用だと同じものを製作するのは難しいというか無理だけど(その場合は新たにラジオ製作したのと同じ^^)。もっともFE用のICを使用した製品例は記憶にない。AFか精々IFまでがICで、FEはディスクリートで組んであるのが普通の昔のICハイブリットラジオだ。

 閑話休題。長々と述べたが、このラジオもICラジオなのだろうから修理は簡単だろうというのが筆者の読みだ。「電源が入らない」という明確な症状から見て、上で小バカにしたSWの接触不良とかハンダ割れとか、そこいらの頭死老でも直せそうな故障だろう。では開けてみようか。


★カラを割る
 見た目で蓋はネジだけで止まっていると思われる。多少は篏合が有ってもオワタ音響の得意とする狂気の篏合でなければいいよ(^^;


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 開いた。やはりICラジオだったのだがこれは…。SOP8のICが見える。OSCはあるがIFTは無い。ICにはCAT2822とある。これでもう100%の確率で2003系だと分る。もうなんか直す気が無くなって来たな…(^^;


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 このSOP8がAFパワーアンプである2822である。2822のアタマに色々付くけどどれも同じなので調べる必要も無い。2003系のラジオは殆どがこれをAFに採用している。何故これを採用するかというと、このICの動作条件がTA2003と同じだからだ。ラジオ愛好家であればこれを見た瞬間に2003系を予想しなければならない(^^ 2822のディップタイプは秋月にも売っている。ワンチップでアンプが完成し、低電圧から動く上にメチャ安なので超お勧め(音はまあ、ラジオの音だけどね^^;)。


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 例によってアンテナの出力線が束ねてあるのは気に食わないですね。いずれ昔の日本製がどのように処理しているか見せてあげよう。それでは基板を外すかな。


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 表。何か意地になってICを隠しているような…(^^; 妙な形のCFがまず目を引く。明らかに新顔だ。確かロシアだかドイツだかのサイトで見たような…。ICはパラフィンに埋もれていて名前は見えないけど、少ないピン数から言ってもCD2003GPで間違いないでしょう。


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 あ、無造作に外してしまったけどこれは面倒くさい奴だぞ。合わせる所が判らないのでバラす時は両端にVCを置いておかないとスケールが狂う奴だ。例によってオイルがベタベタで、しかもそれが低品質のため経年でしみだしていてそれにホコリがベタ付いている。言わんこっちゃない!このようなものにグリスは不要だ。汚れや接触不良の原因にしかならない。

 グリスが無いと摩耗して20年後にはガタガタになるかもしれない。だがしかし考えてみろよ、このラジオを20年後に使っていると思うか?ここだけ半世紀先まで考えて製造するのはただのバカ。いつも言っているだろう?ジジイの入れ歯なんて半世紀持つ前にジジイが死んじまうんだよ。安物プラ製品のグリスなんて百害あって一利なし。


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 ツマミだがヒデエ塗り方…(^^; シロートのスプレー塗装みたい。オワタ製のように噛み合わせの指示は無いな。やっぱり端に合わせないといけないんだな。もう遅いけど。


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 ここでパラフィンを除去してみた。やはりCD2003GPの正規品だった。CFには頭に455Bとしかない。メーカー不詳の謎CFだ。


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 フェライトロッド・アンテナは例によってテキトー巻き。もっともHSDLがテキトーと呼んでいるだけでテキトーに巻いているわけではない。一応分布容量を下げるつもりで巻いているのだ。某巨大掲示板ではタコ糸巻と言っている人がいたが、確かに端の方にコイルがあるとそんな風に見えるね(^^; タイラップで強引に縛り付けたために斜めに付いている。良くねえな。

 ロッドのサイズは精密計測(笑)にて5.1×8.0×40.1mmだった。公称では5×8×40mmなのだろう。HSDLのフェライト指数で言うと263となりICF-50V(248)とFL-017(280)の間に位置する。ロッドの左右には全く余裕が無くオーバーサイズのロッドは入れることはできないのでこれがこのラジオの限界という事になる。いくら高感度の2003系と言えど感度はたかが知れているだろう。

 2003系ラジオの選択度を決定するほぼ唯一の要因であるCFは頭に455Bとしか書いていない不明メーカーの謎CFである。もちろんこれはSFU455Bのコピー品だろうが2003+1エレという事でかなり悲惨な選択度が予想される。SPは外径47mmだった。ハンパなので公称は45个覆里な?さてこれでもう解析するところは無いね。


★動かす
 さてここで不思議なのは「何故電源が入らないのか?」だ。繰り返し描くがICラジオなど故障する要因は無いのだ。配線が切れているか接触不良かどちらかしかない。稀にICの不良もあるが2003年製のこのラジオにそれは無い。初期不良期間をクリヤーしたアナログICは滅多な事で壊れないからだ。やっぱりどこかの接触不良だろうな〜。

 ICラジオのチェック方法は本当に簡単だ。ICの電源端子に直接電源を繋いで動かせばいい。これでSWやら基板配線やらの他の経路を全てパスして動作する事になる。このラジオはワンチップICラジオなので壊れていなければCD2003が動くのだ。動かなければICが死んでいるが、何度も書くけど初期不良期間をクリヤーしたCD2003GPが壊れるなんてまず有り得ない。

 配線が正常なら2003の端子に電源を繋いだだけでもう全体に電源が回る。この時は2822も動作している。つまりSPから音が出なければおかしい。ここで引っかかったら電源SWか電池ボックス配線の不良だ。このラジオは電源ランプが付かないという明確な症状であり、ここで電源ランプが灯ればもう電源SW周り以外に不良個所は無くなる。このように面倒がらずに順にチェックして行けばICラジオの不動など故障と呼ぶほどの不具合ではない事がよく解る。結論としてこのラジオもSWの接触不良という、故障と言うより「ただの汚れ」に近い不具合だった。やっぱりな。


★聞いてみる
 動くようになったところで聞いてみるか。もっとも2003系でSFU455B×1という事で「悲惨な性能」が予想される。同構成のRAD-F1691Mと同じく、恐らくローカル局以外は何も受信できないのではあるまいか。では電源ON!

 …アリャ?やっぱり悪いけど思ったよりは選択度があるぞ。今は17時台でもう全国各地の放送が飛んでくる時間なのだが、NHK1(594kHz)とNHK2(693kHz)の間に多少なりともスペースがある。この間は粗ニー系でもスペースが無いラジオが結構ある。もっとも昼間は無いかもしれないけどね(^^; 今の状態なら普通に粗ニー系IC採用機と互角に渡り合えると思う。ひょっとすると例の無銘CFは中華の中ではソコソコ性能が高いのかも?じゃあ堂々と昼間テストだな。

=昼間受信テスト=
○ 639kHz:静岡2(PB)→NHK1のIF漏れが被る(^^;
× 729kHz:名古屋1(CK)
× 765kHz:YBS大月
× 882kHz:静岡1(PK)
×1062kHz:CRT足利
×1197kHz:IBS水戸
×1404kHz:SBS静岡
○1458kHz:IBS土浦→RFのIF漏れが被る(^^;
○1530kHz:CRT宇都宮→何とか受信可能
×1557kHz:SBS熱海

 廉価版としては最低レベルは確保しているのではないか。2003系の選択度決定要因はCFしかないわけで、あの謎CFは中華オリジナルSFU455より微妙に高性能なのかもしれない。但し2003系の宿命であるIF漏れはやはり大きい。ある程度ローカル局の強いところでは薄らとローカル局がバックに聞こえてしまう。範囲はRF同調回路で選択できる範囲まで、つまりストレートラジオの選択範囲と同様に漏れる。もっとも弱電界や夜間受信では気付かないかもしれない。バックに聞こえるので間違えやすいけどこれは混変調ではない。その証拠に多エレメントCFを付けるとスカッと消えちまいます。

 感度は超小型フェライトロッドにも拘らず悪くない。この辺りはラジオICの中でもトップクラスの高感度を誇るCD2003GPのお陰か。イヤホン端子からの音もそれほど悪くは無いので普通に実用にはなる。

 まだちょっと不具合が残っていた。AMとFMのバンド切り替えスイッチが接触が良くないので一発で変わらない場合が多い。FMは「どうにか製品」レベルで優れているとはお世辞にも言えない。もちろん大ローカル各局は受信できるが、例えばFM西東京とFM世田谷はかなり厳しい状況だ。HSDL最至近の武蔵野は聞こえない。これらはポケットでも性能が高いものは受信できるので小型ラジオだからと言って甘えてはいけないm9(^^


★終わり
 選択度がRAD-F1691M並みに酷かったら手を入れようと思ったのだが普通だったのでこれでお終い。このラジオはいずれ他のラジオと共に放出されるだろうが、それまでは段ボール箱の片隅で暫しの眠りにつく。希望者には差し上げます(^^