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ジャンクPCパーツやカメラ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

K7S5A+

哀愁のマザー ECS K7S5A+(動作編2)

 K7S5A+の記事は予想通りあまり人気が無いみたいだが、特に気にせずもう一丁(^^ またもECSワークスに逆戻りか?

哀愁のマザー ECS K7S5A+(解析編)
哀愁のマザー ECS K7S5A+(動作編)
哀愁のマザー ECS K7S5A+(改造編)


★再度OCしてみる
 前回はFSB124すら到達せず沈没。マージンの無いAMDでも、パロミノは1600〜1700MHzは堅い。だからこそもっとマシになるようにマザーを改造したのだ。まだ完全に慣らし運転が終わっていない(注1)が、このXP1500+はK7N2G-Lで1600MHz動作している。少なくともそこまでは行かないと情けない。

 それはそうと見落としていたことがある。前回のテストが終わった後にBIOSメニューを見てたら、メモリ設定に"Ultra"モードというのがあった。これにセットしたら468MB/sと前回より格段に高速になった。これはGA-7ZXRのOC記録462MB/sを定格クロックでビミョーに上回る。しかもよく考えてみたら使用しているメモリはDDR400なのでCL2.0でも動くのではなかろうか。そう思ってテストしたらMEMTEST86+は難なく完走。気づくのが遅れてちょっと損した気分だ。速度は478MB/sでまずまず。SDRは余裕で越えているようで安心した。これでOCも上手く行けばいいんだけど。

 いきなり石限界のFSB124で行ってみよう。しかしBIOSPOST画面が出たところであえなく固まる。この下は前回のFSB110だから詰まらんな。124と110の間にもう一つ設定が欲しいところだ。しかし以前はこの画面も出なかったのだから進歩と言えるだろう。メモリが安定しているのでこれでCL2.0+Ultraが通るかな?


memtest_k7s5ap
 設定最高はクロック1430MHz、速度は533MB/sをマークしてメモリテストもパスした。ちなみにこのXP1500+SFFは何故か倍率変更できない。L1ブリッジは完全にクローズされているのだが、なぜ変更できないのかは分からない。起動できないマザーも多く、いろいろと謎の多い石ではある。クロックを上げればSDRの845に追いつけそうだが、それは向こうも同じなので決定的な差なんだろうな。

 ついでに100/133でやってみたが、BIOS設定は出来ても速度は全く変化が無い。DDR表示から見てもメモリクロックが変動していないようだ。メモリだけクロックが上がればもっと速くなりそうなのにもったいない感じ。

注1:コンデンサ交換後は1、2週間すると好調になる場合が多い。CPU(VRM)周りだけだとあまり関係ないが、メモリ系コンデンサを変えるとこの傾向が強い。ちなみに一度好調になったらそれ以上は良くならない。エージングを何時間続けても無駄なので念の為。使えば使うほど緩やかに、そして気付かぬうちに劣化が進むだけだ。

★折角だからXP3を入れてみる
 このマザーが現役の2000年代前半はOS(というかWindows)はまだ鉄板とは言えないものだった。このマザーのユーザーも半数は9xだったんじゃないかな。まあ9xが2kになってもACPIやPnPは相変わらずだったが。そこでACPIもPnPも完成したXPを入れて真の実力を発揮させてやる。

 どうやっても不安定にならないというお墨付きのパーツを組み合わせているので、インストール中に詰まる所は全く無かった。起動しても?はサウンドだけ。まあビデオカードのドライバはメーカー製を入れたが、とりあえずならサウンドドライバだけで完全に使用可能である。BIOSでは選択肢自体がグレーアウトしておりS1しか選択できないが、XPをインストールした後はS0〜5まで問題なく動作する(注2)。ちなみに98SEではS3が使用できなかった。9xはXP3と違ってBIOS設定に依存するので仕方がない。

注2:S2は分からない。っていうかS2って何?って感じ〜(^^; 通常のOSはサポートしてないんじゃないか?

★ベンチマーク
 HSDL得意のいじめベンチだが、このマザーの場合は時期がピッタリ合ってしまっているのでほぼ正当な評価となる(^^; ビデオカードを変えようと思ったが、他と比較したいので敢えてMX440(メモリだけMX460相当)のままで行く。

HSDL47
MB:K7S5A+[Rev1.0/1.0e]
CPU:AXL1500DLT3B(110x13.0@1.45V)
MEM:ProMOS PC3200-256MB
VGA:MS-8881[GF4MX440+DDR64MB]
OS:Windows XP SP3
PS:AcBel ATX-300P-DNSS


bench_k7s5ap
 ビデオカードがGF2世代なので多くは望めない。当然ながらDX9のベンチマークは全くスコアが出ないのでパスした。3DMark03等は時間の無駄なので…。π100万桁は1分23秒だった。SiS745のデータシートがあればもっといいタイムが出そうなんだけどな。


★消費電力
 昨今気になる消費電力はWindowsXPのアイドル時65Wで、3Dベンチ(3DMark2001SE)を回している時に76Wだった。HDDが2台付いている割には消費電力が少ない。もっともCPUはパロミノと言っても低電力タイプであるが。Pentium4の標準的PCだと、このPCのフル負荷がアイドルの数値なので驚く。

 ちなみにOCCT他プロセッサを酷使するソフトでは電源的にフル負荷にはならない。またHDDやVGAだけでなく冷却ファンまで消費電力に大きく関係する。厳密に1Wまで比較するにはこれらも公開しなくてはいけないのだが面倒なので省略〜(^^; HSDLはいつも同じ条件で測っており、条件を変える場合は特記している。消費電力的に見ればどんなパーツも大目に見る事はできない。コンセントの抵抗ですら消費電力に違いを与えるので、もしコンセントやテーブルタップ等が発熱していたら要注意だ。


★最後に計測
 改造後の波形を観測してみた。コンデンサ全交換など色々弄ったが果たしてどう変わるか。


wave_k7s5ap2
 前回より製品らしい?波形になっている。特に´△魯汽襪ら人間に変化したかのような大変化だ。5Vラインもほぼ問題の無いレベルになった。DCを強化したこともあり、これでUSBバスパワーも安泰だろう。出力リプルがあまり変わっていないが、OSTもそれほど劣化していなかったのかもしれない。


★終了
 地味で自作マザーとしての機能は低いが、何とか安いマシンを作りたい人には人気があったようだ。当時はまだコストを考えてPCを自作する人が多かった。まあ大概安物買いでヒドイ目にあうんだけど(^^; 当時も今も、遊ぶ気のない人は自作に手を出さない方が良い。例え不具合があってもそれを楽しめるくらいじゃないとね。PCを使いたいだけなら市販品を買えば良い。

哀愁のマザー ECS K7S5A+(改造編)

哀愁のマザー ECS K7S5A+(解析編)
哀愁のマザー ECS K7S5A+(動作編)


remove_ce
 前回交換分以外の電解コンを全て一気に抜いてしまった。どうせ全部中華製だし、動かさなくても期限切れレベルだろうから。流石に大小取り混ぜラジアルリード44本、面実装39個もあるのでなかなか捗らない。時間がかかるのは主にハンダ除去だ。とりあえずこれで暫くの間動かすことはできないな。


★ATX電源コネクタ
 SiSリファレンスは入力5Vなので仕方がないが、そのためATXコネクタにかかる負担は大きい。#12Vコネクタとの差は単純に言って12V10Aと5V24Aの差である。言うまでもないが電源の負荷とは電流の事で電圧ではない。ジャンカーならK7S5A系故障マザーにはATXコネクタの焼けがかなり多いのに気づくはずだ。汚い部屋で使ったり、メンテせずに長期間使用すると燃える確率は飛躍的に高まる。

 それでも絶対に焼けないようにするには5V外部入力を使うしかない。Vcore(VRM)分だけ別の線を繋いで確保すればよい。HSDLではそれも面倒なので、時折接点を磨いたり抜き差しするようにする。一般家庭のような埃っぽい所で長期ノーメンテは自殺行為。自作PCの製造メーカーはユーザー自身なのだから、燃えて騒いでいるのは自業自得としか言いようがない。


★気になります
 相変わらずスイッチ発熱がスゴイ。極度に遅いスイッチング周波数(108kHz)でこれだけ発熱するとはね。載せているのは高クロックの石ではなく、低電力版の1500+(1300MHz)なのだからモバイルを除けば最低クラスだ。ノーマルのコンデンサだとMOSFETに触っていられなかった。もっとも膨らんでいたので当たり前と言えば当たり前だが。


mc62
 特に外側のスイッチが倍以上熱くなるので心配になった。そこでMC62に22μF10Vを追加してみたがどうなるか。動作中に触ってみたが、筆者の感覚ではやや均等化したように感じる。次回計測でその正しさが証明されるだろう。外見が汚くなっても良いなら各スイッチの真横に貼るんだけど止めておく。他人のマシンなら頼まれたらやる。


★VRM出力コン交換
 面倒なので放置していたが嫌々やる事にした。メーカーが2種類混ざっているのは中古だからで、見栄えが良くないが仕方がない。いや仕方はあるけど対策しない(^^;

EC1:RLX3300μF6.3V⇒NCC KZG3300μF6.3V
EC4:RLX3300μF6.3V⇒NCC KZG3300μF6.3V
EC9:RLX3300μF6.3V⇒NCC KZG3300μF6.3V
EC13:RLX3300μF6.3V⇒SEI WG3300μF6.3V
EC16:RLX3300μF6.3V⇒SEI WG3300μF6.3V
EC18:RLX3300μF6.3V⇒SEI WG3300μF6.3V


★CPU&SiS745のDC
 基板裏のDCを埋める。CPU裏は12個。余っているポリマータンタルを貼ろうと思ったが、OCマージンの殆ど無いSocketAには意味が無いので3216の10μFで誤魔化す。そうだ真ん中の2つだけ大容量にしよう。在庫表を見たらTPB150μF4.0Vという使えん奴を発見。ちょうど2個あったのでここに使う。SiS745裏は全て1608の0.1μF(と思われる^^;)を貼る。地味ながらこれらが一番性能に影響する。ちなみに上で交換した出力コンデンサは、これと比べれば全くと言っていいくらい性能に影響は無い(^^; 対象の物件に近いほど効果が高まるのでCPU上が一番なんだけどね。

#SiS745_DC
BC104:EMPTY⇒0.1μF25V
BC105:EMPTY⇒0.1μF25V
BC106:EMPTY⇒0.1μF25V
BC107:EMPTY⇒0.1μF25V
BC113:EMPTY⇒0.1μF25V
BC114:EMPTY⇒0.1μF25V
BC115:EMPTY⇒0.1μF25V
BC130:EMPTY⇒0.1μF25V
BC131:EMPTY⇒0.1μF25V
BC137:EMPTY⇒0.1μF25V
BC138:EMPTY⇒0.1μF25V
BC139:EMPTY⇒0.1μF25V
BC140:EMPTY⇒0.1μF25V
BC148:EMPTY⇒0.1μF25V

 裏面CPU_DCの部品番号が判らない。何処にプリントされているのだろうか?(^^; 全てのMLCCは10μF(×10)で、中央の2つだけTPB150μFになっている。


★メモリ周辺
 このマザーはメモリ系も交換した方が良いな。DDR400でもデュアルチャネルでもないので気難しいわけではないが、MLCCが大量に貼ってあるわけでもないしDCは結構いい加減。

EC2:SM100μF16V⇒PR330μF6.3V
EC5:SM100μF16V⇒PR330μF6.3V
EC10:LZ1000μF6.3V⇒KZH390μF25V
EC12:LZ1000μF6.3V⇒KZH390μF25V
EC14:LZ1000μF6.3V⇒KZH390μF25V
EC15:SX10μF25V⇒KRE22μF16V
EC17:SX10μF25V⇒KRE22μF16V
EC28:SM100μF16V⇒PR330μF6.3V
EC35:LZ1000μF6.3V⇒KZH390μF25V
EC37:LZ1000μF6.3V⇒KZH390μF25V
EC39:EMPTY⇒KZH390μF25V
EC40:LZ1000μF6.3V⇒KZH390μF25V

vccm_dc
BC2:EMPTY⇒0.1μF25V
BC30:EMPTY⇒0.1μF25V
BC43:EMPTY⇒0.1μF25V
BC48:EMPTY⇒0.1μF25V
BC58:EMPTY⇒0.1μF25V
BC129:EMPTY⇒0.1μF25V
BC154:EMPTY⇒0.1μF25V
BC163:EMPTY⇒0.1μF25V
BC171:EMPTY⇒0.1μF25V
BC257:EMPTY⇒0.1μF25V
BC260:EMPTY⇒0.1μF25V
BC261:EMPTY⇒0.1μF25V

 性能に影響するのは多分MLCCだけだろう。電解コンが邪魔になるので、それらを付ける前に作業しなくてはいけない。片側がベタパターンなので1608とはいえ一苦労だ。初日はここでタイムオーバーになってしまった。


★AGP・PCIバス
 本数が非常に少ない。NO-PCIの効果が高いかもしれない。

EC45:LZ1500μF6.3V⇒FC470μF25V
EC47:LZ1000μF6.3V⇒YXG220μF25V
EC51:LZ1000μF6.3V⇒YXG220μF25V
EC54:EMPTY⇒YXG220μF25V
EC60:SM100μF16V⇒PR330μF6.3V


★クロックジェネレータ
 固体にしようと思ったがもったいないので止めた。なんか余っている1本物のアルミ電解があったのでそれを使う。…ってこれSXEじゃないか。大丈夫かなあ(^^;

EC33:SX10μF25V⇒SXE27μF35V
EC34:SX10μF25V⇒SXE18μF50V


★FAN
 これも固体が良いけどもったいないので止めた(^^;; これではあまり効果が無いかも知れない。

EC41:EMPTY⇒UTCMD22μF25V
EC70:EMPTY⇒UTCMD22μF25V
EC71:EMPTY⇒UTCMD22μF25V


★サウンド・LAN
 この辺りはチビコンしかないけど全部交換だ。EC42、EC44は出力カップリングコンなので、PCIカードに当たらなければ何でもよい(^^ ここでは余った部品を活用する。なおEC58はWOL用である。余計なものも付けてしまったようだ。

EC42:FX100μF16V⇒KRG47μF16V
EC44:FX100μF16V⇒KRG47μF16V
EC49:EMPTY⇒UTCMD22μF25V
EC50:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V
EC52:EMPTY⇒UTCMD22μF25V
EC53:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V
EC58:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V
EC72:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V


★USB5.0V
 USB2コネクタのヒューズが省略されている。ということはこのコネクタはOC用という事になりますね。何A取れるのか?だれか試してください(^^ 勿論限界を超えると嫌な臭いと共に基板が燃えちゃいます。

EC3:SM220μF10V⇒PR330μF6.3V
EC55:SM220μF10V⇒PR330μF6.3V
EC59:SM220μF10V⇒PR330μF6.3V


★その他

EC25:SM100μF16V⇒PR330μF6.3V
EC32:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V
EC38:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V
EC56:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V
EC57:SX10μF25V⇒UTCMD22μF25V


★使用部品
 HSDLではおなじみの部品ばかりだ。UTCMDは整理していたら出てきたので使った。TPBやPRは早く使いたいから。VRM以外は在庫整理の一環ですね。ECSだから何を付けても元よりは良いだろう。

NCC KRE22μF16V[NA/30mA]
NCC KRG47μF16V[NA/68mA]
NCC KZG3300μF6.3V[12mΩ/2800mA]
NCC KZH390μF25V[48mΩ/1210mA]
NCC SXE18μF50V[1.2Ω/154mA]
NCC SXE27μF35V[1.2Ω/154mA]
nichicon PR330μF6.3V[480mΩ/200mA]
Panasonic FC470μF25V[68mΩ/1050mA]
POSCAP TPB150μF4.0V[70mΩ/1100mA]
Rubycon YXG220μF25V[130mΩ/ 640mA]
SEI WG3300μF6.3V[12mΩ/2800mA]
TK UTCMD22μF25V[NA/42mA]
合計243円(前回含む、銭単位切り上げ)

 グラウンドがベタパターンの箇所が多く、元のコンデンサが非常に抜けにくかった。この会社のマザーは殆どが抜け易かったのだが、これはちょっと放熱が良いので困る。まあ放熱が良いのは概ね良い基板なのだが。2002年7月23日、PAO SHEN ELECTRONICS製である。


★続く
 Windows8の出現で秋にはゴミになるはずのSocket478とAはHSDL重点強化品目なので流れには合っている。世間で見向きもされなくなった時がHSDLの旬と言える(^^

 もう使っている人は居ないかもしれないが、ECSのこの系統のマザーは全てVRM入力を前回記事のように改良した方が良い。VRMの発熱は減るし寿命も捨てるまで持つ(^^ 出力はくたばるまで交換する必要はない。

哀愁のマザー ECS K7S5A+(動作編)

哀愁のマザー ECS K7S5A+(解析編)


★計測
 面倒だがこんな変なマザーは測るしかない。どんな波形になるのか興味津々。インピーダンス的にかなり無理筋だと思うのだが…。但しこれはコンデンサが膨らんでいる状態の波形である。新品ならこれほどヒドイ波形にはならないかも知れない。いずれ交換したらまた測ってみたい。


wave_k7s5ap
 汚い写真で申し訳ないが、例によって(左上)は入力インダクタ外、(右上)は入力コン波形、(左下)がスイッチング波形、(右下)は出力波形である。スイッチング周波数が低すぎたので、時間軸は通常の1μではなく2μsとなっている。

,つて見たことのないような強烈な鋸状の波形となった。まあ次の△殆ど生同然なのである程度予想できる事だが、これではUSB5Vは凄い波形になっているのではないだろうか。このマザーを改造するときは、真っ先に入力のフェライトバーインダクタを除去交換しよう。もちろん次の入力コンも変えなくてはいけない。

入力コンデンサが効いていない。p_pにて1.8〜2V近いリプルが発生している。殆どスイッチ波形が出てしまっているわけで、これで動いているのが不思議なほどだ。入力コンデンサがぶっ飛び、MOSFETが炎上するのは時間の問題と言えよう。

スイッチング波形は左上がりの特徴的な波形となった。まあACカップリングだからサグも出る訳だが、これはそういうものではなく入力コンデンサの不調によるものだろう。意外にアンダーシュートが出ていないのは下側がクソ遅いSBDだから。ECSの基板や回路設計が優れているわけではない(^^

Vcore波形は通常の電圧軸なので特に問題は無いが、p_pで言うとギリギリ動作と言えよう。コンデンサ交換しないと近い将来動作不能となる可能性が高い。フル負荷時には更に汚くなっているはず。

 スイッチング周波数は発振自体は108kHz。だが動作中のスイッチングは物凄く不安定で変動するため確定できない。ゲートは最大で140kHzまで振れる。周波数は単相としては遅すぎだが、これ以上速くするとエラーアンプのBW(650kHz)の関係でついてこられるか不安がある。元々旧式汎用PWMコントローラを、一際高性能が要求されるVRMに使うという発想自体に無理があるのだ。P6の最底辺コントローラでもBWは5MHz以上あるので、これとは比較の対象にもなりはしない。他に無いオリジナルの回路なので一応の敬意は表す。而して且つ、HSDLはこのVRMを全否定する。


wave_gate
 いつもは測らないゲート波形も観測してみた。意外にまともで、Miller効果による乱れも思ったよりは目立たない。これはゲート波形なのでコンデンサを換えてもあまり変わらないと思う。ここもいずれ改良を試みる。

 計測中になにやら物凄い熱気を感じた。いろいろ触ってみたら、ATX電源コードがCPUのヒートシンクより熱くなっていた!いくらパロミノXPで5V入力とは言え、これほど発熱するとは考えられない。極度のリプルが発生しているのでその影響ではないだろうか。


★直す
 動いてはいるけど波形が滅茶苦茶で、特に入力コンデンサ周りはヤバイ。このまま調子こいて動かしてると燃える可能性も大きい。仕方が無いので入力周りだけ交換する事にした。


vrmin_remove
 入力周りのコンデンサやインダクタにいたるまで全部抜いてしまう。実は一番目障りだったのはフェライトバーのインダクタ。これを見ると除去したくなるのだ。

 とりあえずオリジナルは3300μFと容量が巨大すぎたので、一般的な容量の低ESR品に交換する。100円マザーに金はかけられないので中古のWX1500μF6.3Vを選択した。これだと計算上はリプル耐性にやや問題があるが、多分HSDLの使い方なら問題ないだろうということで。インダクタはT50-52Bに#18×2の5回巻き。インダクタンスはAL値×巻き数の2乗なので1.1μHとなる。一寸少なく感じるがまあ良いだろう。ダメなら増やすまでの事。

EC22:SEI WX1500μF6.3V[23mΩ/1820mA]
EC23:SEI WX1500μF6.3V[23mΩ/1820mA]
EC24:SEI WX1500μF6.3V[23mΩ/1820mA]
FC31:Rubycon YXG1000μF6.3V[130mΩ/640mA]
LL4:T50-52B,#18x2,5T[1.1μH/1.7mΩ]


vrmin_after
 交換した。インダクタがトロイダルコアになり、コンデンサも日本メーカー製に交換された。見栄えから言ってもこの方がいい。さてどのくらい良化するのかな。


★再度計測
 これで´↓には影響が出るはず。がしかし、面倒なので一発で全部を推測できるスイッチング波形を見る。全波形は全ての交換が終わった後に公開する予定。


wave_switch
 何と何と、これが同じマザーか?と言うほど常識的な波形になった。立ち上がり、立下りとも問題なく、アンダー&オーバーシュートもリンギングも少ない。エリートグループ歴代のマザーでこんなにキレイな波形はあったかな?こんなに良くなるともう出力とかどうでも良くなってくるね(^^ 付け加えると交換前のスイッチング周波数の不安定さは無くなり、108kHz付近でほぼ安定している。やはりあれは入力コンの不具合だったか。

 新品波形が見られないので断言はできないが、劣化だけでなく容量が大きすぎたんじゃないか?計算では総容量1800μFあればスイッチング周期を耐えられるので、1本あたり600μFで良い。やはりベストはポリマー固体電解しかない。

 動かしていると、3組のスイッチの内入力コンに一番近い組は発熱は極小で、遠くなるほど発熱が極度に増している。これは入力コンが離れすぎて緩衝効果が落ちているのだろう。基板の部品配置が良くないんだな。この点では旧K7S5Aの方が良かった。


★動かす
 いつものように低電力AthlonXP1500+を載せて動かす。1600MHzあたりに壁がある石だがどうなるか。それより前に膨らんだコンデンサでOCできるかという問題もあるが(^^;

MB:K7S5A+[Rev1.0/1.0e]
CPU:AXL1500DLT3B AG0IA 0212WPIW
MEM:ProMOS DDR400-256MB
VGA:MS-8881

 普通に起動した。この程度の膨らみなら特に動作に影響は無いようだ。低電力版AthlonXPだが正式名称で認識した。OCしても名称を見失うことは無い。BIOSは最終バージョン1.0eが既に入っている。これも交換の必要は無いが、K7S5A系はアンオフィシャルBIOSがWeb上で流通しているので入れてみてもいいか。


memtest86+
 うーむ、845のSDRに負けているのだが…(^^; それどころか同じソケAのGA-7ZXRの最速記録(SDR、OCだが)にも及ばない。SiS745とDDRの意地にかけても、せめてGIGAは抜かないといけないな。だがSiSのチップセットは630の知識しかないので現状無理。ライトOCで勝負だ。

 いきなり124/124/31に上げてみた。7ZXRではこれが上限だったからだ。しかし全く反応が無い。メニューで一段下の110/110/37で漸く起動できたが、415MB/sと745らしい速度は遂に出なかった。なお100/133/33だとメモリ速度は100MHzのままで、比率を変えても効果が無いようだ。メモリ設定がAUTOだとダメなのか?

 やはりコンデンサが破裂寸前では無理なのだろうか。出来ればノーマルで勝負したかったが、次回は交換・改造して勝負しよう。ところで出力コンの位相補償は大丈夫なのかなあ?(^^; OSTは自称14mΩだったけど、KZGやWG3300μF(共に12mΩ)だと発振する気がしないでもない。少なくともKA7500Bは内部補償されていない。


★終わり
 まあ大体想像したとおりだったね。ノースの機能はこの時期のナンバーワンと呼べるかも知れないが、サウス(一体だが^^)はイマイチ明確な売り物が無い。バスの速さを生かしてUSB2.0があればな。ま、この製品に関してはそれ以前に問題があるわけだが…(^^;

 時移り、SiSもVIAもNVIDIAもチップセットメーカーとしては終了した。IntelとAMDだけと言う詰まらない時代にこれからは耐えていかねばならない。…やっぱり最近のPCには魅力は感じないな。

追記:ちなみに単相並列はMSIの十八番だが、あれは一応同期整流で、汎用ではないVRM専用コントローラが使われている。少なくともこんなに低性能ではない。

哀愁のマザー ECS K7S5A+(解析編)

 思えば2000年末のSiS63x・73xの頃が老舗SiSの「最大にして最後の輝き」だった。値段の安さだけではなく+パフォーマンスで勝負が出来た時代と言う点で、史上最強時代と呼んでも良いかもしれない。これの前身K7S5Aもその流れで大ヒットしたのだ。


k7s5a+
 大ヒットした735マザーK7S5Aを745に載せ替えたのがこのK7S5A+である。じゃあK7S6Aとは何だったのか?チップセットを変えたのならモデルナンバーも変えて欲しいのだが。初代に有ったSD-RAMスロットが無いのが残念。これはSiS745の仕様だから致し方ない。サラブレッドXPに対応しているのは大きい。HSDLのAthlonXPは半数以上がモバイルや低電力なので(注)動くかな?なお写真はVRM入力改造後である。

注:ソケAのCPU43のうち、27がモバイル・低電力タイプ。XPだけに絞ると実に全体の84%がモバイル・低電力である。この偏った構成は例の「全部で500円」のせいである(^^;

★CPU周り
cpudc_f
 CPUのDC(デカップリング)は表はそれなりにやっている。特に文句を付けるところは無い。


cpudc_r
 しかし裏面は全く省略された。無くても動くがソケット周りで省略して良いモノは何もない。少なくとも筆者なら省略しないで他に削れる所を探すと思う。元設計は3216だろうが2012でもいいかな。


★VRM周り
 何と驚き。入出力のメインコンデンサはG-LuxonではなくOST(IQ)だった。今までかたくなにG-Luxon[LZ]だったのだが、流石にあれではK7のVRMは無理と判断したのだろうか。ちなみに生産にとってはこれはかなり重大な決断である。アマチュアが部品をチョロッと変えるのとは訳が違う。社内の誰かさんが何処かに配置転換されるくらいの事は充分にありうる(^^;

 しかしそれ以上に驚くのがこのVRMというかDC-DCのバカさ。史上最バカ回路と呼んで良いかもしれない。何でこんな回路を考えたのか?理解に苦しむ。もちろん例のBKi810の人の設計だろう。


vrm
 OSTの向こう側にT50-52Bが3つと、TO263が6つ整然と並んでいる。一見まともな3相VRMに見えるのだが…。


sbd
 よく見たら下側がMOSFETじゃなくてSBDじゃねえか!つまりこれ非同期整流です。こんな低能率の回路をこの時代に採用するかね?バカすぎる。しかし更に驚くことがある。


ka7500b
 何とVRMコントローラ(というかPWMコントローラ)はKA7500じゃないか!かなりふざけた奴です。実は今日の買い物[2010/12/25]のMATSONIC MS8308Eの所で「超変態マザー」と書いたのがこのDC-DCなのだ。同じ人の設計なんですね。ちなにみMS8308Eは4パラ(^^;

 さてここで疑問。KA7500Bで多相の電源など出来るのだろうか?勿論答えはNoだ。この石でスイッチングできるのはトランジスタ2石までである。そもそも位相をずらせる機能が無いのだから多相は不可能。実際これは単相並列電源なんですね。何でこんな電源を作ったのか。既存技術への挑戦なのか?(^^; ちなみにメリットは全く何も無い。コストも下がらないし回路は複雑になるし、何より性能が極度に低い。ひょっとして設計者が新しい石を使えないのだろうか。

 何処かのブログで部品入手の都合だろうと書いている人がいたが、エリートグループくらいの大企業が部品入手で困ることは無い。例えば担当者がツイッターで「部品が足りないなー」等とつぶやけば、その日のうちに全世界から営業マンがぶっ飛んでくる(^^ まあそれは冗談としても、このクラスの企業ならメーカーや商社は他の中小を裏切ってでも回してくれるのだ。集められなきゃ担当者が無能以下の子供の使い。阿漕にやれば賄賂で家が建つ部署ですよ(^^ それでなくとも世界一の部品銀座の中国に部品が無いわけがない。

 それはそうと、QP1とQN3で各2SK3296をTPドライブしている。直結だと例のMiller効果でメタメタになる。これは3ついっぺんだから更に厳しい条件となるかも。無理してバイポーラTR用のKA7500Bなんか使うとろくな事は無い。BKi810の時の改良が効果があるかもしれない。


lm431
 この設計者が多用するTO-92のLM431定電圧電源。現在ではこんな電源はアマチュアぐらいしか使わない。スペース・工程・コスト的に全て無駄だからだ。デジタル回路で使用するならディスクリート電源に良さは無い。見てるだけでイラついてきた。この会社の生産では働きたくねーな(^^


★メモリ周り
vmem
 Vmemはショボイ。VcoreとVttがあるが、どちらもフルにメモリを載せるとやや不安がある。このあたりのコンデンサが膨らんでいる人はフルに載せているからだろう。当該マザーは膨らみが一切無い。恐らく1枚で使っていたのではないか?

 ターミネータは良いとして、パスコンが1つおきに省略されている所がECSのセコさを物語る。当該マザーでは省略は高々12個なので、メモリをフルに載せたい人やOCしたい人は付けよう。


sis745_dc
 SiS745の裏面DCはすべて省略された。これってかなり重要なんだけどなあ。FSBが高くなると確実に不安定になる。もっとも無知から来る誤解で不安定な状態を他の理由が原因と勘違いしている人は多い。電源とかメモリとか。実はマザーのチップセットが悪かったりするんだな。でも教えてあげない。髪の毛が全部無くなるまで悩んでから聞きにおいで。


★サウス周辺
 と言っても、このSiS745はワンチップなのでノースもサウスも無い。通常サウスがある辺りにはIDEコネクタとスーパーI/Oコントローラが鎮座している。


it8705f
 これがスーパーIOチップだが、かつてIBM-PCで主力だった機能を全て集約している。ハードウェアモニター、ファンコン、ゲームポート、シリアル、MIDIインターフェイス、パラレル、FDD、Flash ROMインターフェイス等の他に、何故かスマートカードリーダーの機能がある。この時代にはHWモニターやFANコン、FDDしか使わないけど。


jp3_jp4
 JP4は面白い。これはBIOSROMの3Vと5Vを切り替えている。2が頭に付けば5V、4が頭に付けば3.3Vとか色々あるけど、ホットスワップして書き換えている人は全然気にしてないみたいだね(^^; これはポストが実装されておらず、5V固定でワイヤード状態。3.3Vのメモリチップを使う場合にはワイヤー除去して切り替えなくてはいけない。ま、めったにあることじゃないけど。この時期にDIPと言うのも珍しい。PLCCの方が潰しが利く。

 JP3も曲者だ。これがジャンパされているとフラッシュROM書き換えは不可能となる。市販マシンとかでは入りっぱなしになっている場合がある。書き換えできない!なんて苦しんでいる人はこれにハマっている可能性が大きい。


ics9248_199
 クロックコントローラは9248-119である。それほど多彩というわけでもないが、必要分くらいの機能はある。


nic_sound
 ネットワークコントローラはお馴染のRTL8100Bで、中身はメジャーなRTL8139Dと完全互換である。サウンドは珍しいCMI9738である。初めて見た。CMI8738は良かったけどこれはどうなのかな。アナログ電源が例によってテキトーなのでやり直したいが、基板自体がよろしくないので完全な形には出来ない。コンデンサを交換するくらいか。


fan
 ファンの横に見える省略電解コンデンサはもちろんファンのDCである。これは省略しない方が良い。CPUファンのDCが見当たらないが、これはPWMするから付けなかったのか?それって話が逆だと思うが。ファンのような誘導負荷をスイッチングすると激しいノイズが出るわけで。どこのメーカーか忘れたけど、BIOSでシリーズ制御とスイッチング制御が切り替えられるようになっていた。よく解ってるじゃないかと感心した。勿論シリーズ制御の方はノイズは殆ど出ない。とりあえずDCは全部付けよう。そしてCPUFANはPWRFANから取るようにすればいい。ファンコンは効かなくなるかも知れないが。


★部品

MF2(上側MOSFET):2SK3296
MF4(上側MOSFET):2SK3296
MF5(上側MOSFET):2SK3296
SD1(下側SBD):B55QS03(SBD15〜20A?)
SD2(下側SBD):B55QS03(SBD15〜20A?)
SD3(下側SBD):B55QS03(SBD15〜20A?)

LL1(出力インダクタ1):T50-52B,#16-5T
LL2(出力インダクタ2):T50-52B,#16-5T
LL3(出力インダクタ3):T50-52B,#16-5T
LL4(5V入力インダクタ):6x20FB,#18-6T

EC1(出力コン1):OST[RLX]3300μF6.3V
EC4(出力コン2):OST[RLX]3300μF6.3V
EC9(出力コン3):OST[RLX]3300μF6.3V
EC13(出力コン4):OST[RLX]3300μF6.3V
EC16(出力コン5):OST[RLX]3300μF6.3V
EC18(出力コン6):OST[RLX]3300μF6.3V
EC22(入力コン1):OST[RLX]3300μF6.3V
EC23(入力コン2):OST[RLX]3300μF6.3V
EC24(入力コン3):OST[RLX]3300μF6.3V
EC45(AGP1.5):G-Luxon[LZ]1500μF6.3V
FC51(5Vフィルタコン):G-Luxon[SM]1000μF10V

その他:
G-Luxon[FX]100μF16V×2
G-Luxon[LZ]1000μF6.3V×8
G-Luxon[SM]100μF16V×8
G-Luxon[SX]10μF25V×13

LL1,2,3=3.5〜2.0μH/2.9mΩ
LL4=1.5μH?/?mΩ
OST[RLX]3300μF6.3V=14mΩ/2780mA
G-Luxon[LZ]1500μF6.3V=55mΩ/1070mA
G-Luxon[LZ]1000μF6.3V=85mΩ/670mA
FX,SM,SXは一般用105℃品

 コンデンサは10φで改造は比較的やりやすい。但しコントローラやスイッチが低性能なので改良の素質は低い。B55QS03は15〜20AのSBDか?残念ながらデータシートが見つからなかったので詳細不明。まあSBDだと分かっているのでどうでもええけど。

 このマザーの出力コンデンサに求められているESRは3〜4mΩ程度。新品なら2.3mΩなので問題は無い。入力は容量が大きすぎ。ここの容量はスイッチング周期だけ耐えられれば良いので、誤解を恐れずに言えば「高性能・低容量のコンデンサを付ける」と言うことになる。高性能にはある程度の容量が付き物なので、それだけあれば足りると言うこと。動作編で書いたように1本あたり600μFあれば足りる(単相108kHzとして計算)。

 HSDL版はRLXの代わりに6ME3300WGを使うことになるだろう。但し入力はもっと容量の少ない奴を探す。3300μFは明らかに大き過ぎ。


★次回に続く
 長くなってきたので動作編は次回。
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