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ジャンクPCパーツやカメラ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

KP6-BS

古のマザーEPOX KP6-BS 最終回

 土曜に返却予定なのでシステムを解体した。改めて基板を観察してみたが書き忘れたところを補足する。


clock
 クロックジェネレータ部分だが、3.3V電源のデカップリングは物凄い大容量が付いている。HERMEI[LE]1200μF6.3Vと言えばVcore出力に使われているものと同一である。「これを入力に回せばよかったのに…」とも思うが、設計者のクロックの安定性とピュリティにかける熱意を見た気がする。2.5Vも100μFだから結構な大容量だ。FBも省略せずに使っている。


rev
 このマザーだけじゃないけど、電源を入れたまま(SBが入った状態のこと)で電池を入れ替えるとバックアップ内容が消えずに交換できる。バックアップには電池だけではなくATX電源も使われている訳だ。なのでこのマザーは起動に電池は必要ない(0Vでも起動する)。これはインテルのリファレンス回路そのものなので、他社のインテルチップ採用マザーも同じであろう。


 改めて見ると、電源は弱いけど信号系は丁寧に作られているのが判る。この辺は設計者のポリシーや予算配分の苦闘が見えて興味深い。尤もこのマザー、定価は結構高いんだが…もう少し予算をかけてもいいんじゃないか。



★おまけ

 Vcore出力コンデンサをHERMEI[LE]1200μF6.3V×4から三洋[WX]1500μF6.3V×4に換えて、出力インダクタを13Tから8Tに減らした。

kp6_mod1
 大体問題無くなったが、このままでは入力がやばい事には変わりない。入力は1本しか付けられないので、同じく三洋[WG]2200μF6.3Vに交換した。ベストは三洋[WX]1500μF6.3V×3だが…。

kp6_mod2
 振れはそれなりに激しいのでパワーMOSFETは相応に発熱するだろう。コンデンサは持つが完璧とは言いがたいので、1GHz常用には冷却に気を使わないといけない。

古のマザーEPOX KP6-BS その4

 あれからXP(SP2)で試してみた。しかしやはりACPIにはならなかった。LANは普通に動作するが電源は自動で落ちない。おまけにUSBが?マークになってしまった。AWARD4.51はACPIBIOSではないので仕方が無い。

device
 流石のPnPの鬼XP(SP2またはSP3以降)もあまり古い奴はダメっぽい。コイツはほぼ完璧にBIOSを無視するので行けるかと思ったのだが…。

 なおCPUの浮動小数点演算はNT4.0が一番速く、メモリはややXPが速い。演算もメモリも一番遅いのが2kと言う結論が出た。2kはハードディスクも遅くなるのが嫌な感じで、もうこの辺りで引退かもしれない。軽いしアクチベートが無いので実験用には便利なのだが…。


 OSがXPになったので、ビデオカードもQuadro2MXR(偽)に換えてみた。このクラスのビデオカードが一番このマザーに合っていると思う。これより速いカードは宝の持ち腐れだし、これより遅いと常用動作にも問題がある。

 とりあえずこのCPUで出来そうなことはやったので、次はもっと高クロックのCPUを付けたいが、他人のマザーで冒険をするのは忍びないので迷っている。まあ700MHz程度の中クロック河童までは付けても構わないだろう。

 電源の強化はHSDLとしては朝飯前だが、このマザーとAbit BP6はオリジナルの不安定な奴に価値があると思っているのでやりたくない。最近は壊れていないマザーは改造せずオリジナルで使いたいと思うようになってきた。例えそれが究極のクソであったとしてもだ。だんだん趣味が極北に近づいてきたような気がする(笑)。

古のマザーEPOX KP6-BS その3

 予約更新で粘っているうちに新規プロバイダの回線が間に合ってしまった。新規だと引越しより早いのね…釣った魚に餌はやらないと言うことか。兎も角これで続きが書ける。


★測定

 測定はプライマリVRMだが、セカンダリも特に変わりなく同じである。CPUはカトマイで測定している。
waveform
 左上は入力インダクタ外の波形。何となくスイッチ周期の三角波っぽいが、これは入力コンデンサが弱いからだろう。その割にサージのピークが低いのは、入力インダクタ外の大容量コンデンサのお陰。しかし後の波形を見れば、これは素直に入力コンデンサに回すべきだったと思う(予算が許すならこのまま付けておく方が良いのは当然)。

 右上、予想通り入力コンデンサ部分はかなり酷いことになっている。これは200mVp_pだがフルスケールに近い振れがある。いくらPIIクラスとは言え入力コンデンサ1本では無理があろう。リファレンス設計はクラマス対応(2.8V)だが、入力コンデンサは1500μF×3となっている。

 左下はスイッチ部分の波形だがリンギングがかなり酷い。経験上はコンデンサが多少弱い程度ではこの波形に影響は無いのだが、全く足りていないとこのように波打つ場合が多い。スイッチング周波数は一般的な200kHzに近い193kHzであった。

 右下の出力波形は定常時のリプルは全く問題ない。過渡特性はまだ判らないが、少なくともシミュレーションではカトマイまでは耐えられた。前回も書いたとおり出力コンデンサは緊急補強対象とは言えない。やはり入力コンデンサから換えていくべきだろう。


★試用

memtest
 予想は付いていたが遅い。一応BIOSで最速設定と思われる設定にしたのだが、この手の板は安定志向という名のデチューンが施されているので仕方が無い。

 立ち上げたところBIOSが一番古い奴で、そのまま2kをインストールしたら不具合続出でまともに動かない。BIOSをアップデートしようと思ったらKP6-BSのBIOSは途中から大幅に変わっていた。この製品は初期型だが、後期型のBIOSは動作するので問題無し…と言いたい所だが、実はチップが1Mb→2Mbに変わっていて書き込もうにも書けない。

02/26/1999 BIOS
05/20/1999 BIOS
12/03/1999 BIOS (2Mb)
12/16/1999 BIOS (2Mb)
06/19/2000 BIOS (2Mb)
09/15/2000 BIOS (2Mb)

 上の通りから2Mのチップに変わった。同時にAWARDBIOSのバージョンが4.51から6.0にアップしている。初期BIOSの具体的な問題点は下の通り。

Windows2000にてCPU使用率がおかしい
Windows2000にてACPIだとLANが使えない
FANのスピードを検出できない
CPUマイクロコードが古い
550MHzCPUのL1キャッシュの値が間違っている
PCI5のIRQルーティングがバグっている
ACPIにならないので電源が落ちない

 0聞澆ROMで無いと殆どのバグは回避できない。一番問題なのはACPIでLANが使えないことだ。W2kは捨ててNT4で使うしかないのか。「PnPの鬼」XP[SP2]ならBIOSを経由しないでいける気もするのだが…甘いか(←面倒なのでまだ試していない)。PCIのIRQ等は素直でいい感じだ。

nt4_sp6a
 やっぱりNT4は捨てられない。ちなみにSP3以降でAGP、SP4以降でDMA、SP5以降でSSEがサポートされるハズ。個人的にはSP4が好きだが、SSEが使えないのでSP5以降を使うしかない。

update
 CPUはSP6aでカトマイ673までしかサポートされないので、それ以降のCPUはBIOSで何とかするしかない。ちなみにNT4のAGP対応は見せかけだけで、実際はPCIビデオカードとして動いている。

hdb600d
 市場価値無しのパーツを寄せ集めて、何とか見られるものになった。単体ではお話にならないパーツ群だが、力を合わせれば?それなりに使い物になるということか。2.0GHz未満のP4なら充分に勝負になる。

 OCは情けないことにFSB103MHz(618MHz)まで…次設定がFSB112MHzなので6.0倍のSL3JMでは仕方が無い。カトマイでここまでやればいいんじゃないか?


★終わりに

 設計が古いこともあって電源が弱く、デュアルマザーとしては安定度は高くない。もちろん規定のCPUを使えば安定して動くのだが、名板が多い440BX製品としてはクソマザーと言われてしまうかもしれない。

 がしかし。「クソをクソとして味わえる人でなければパソコン自作は楽しめない」と偉い人も言っている。そういう不安定なスリルを楽しむのも自作の醍醐味である。改造する楽しみも∞だ(これは他人の奴なので燃えない限り改造はしない)。

古のマザーEPOX KP6-BS[Rev0.2]

zenkei
 高クロックのP!!!を載せるとVRMが炎上することで有名なマザー。そんな訳で長年憧れていたが、遂にこのたび試用できた(SL3JM×2と共に友人より借用)。

rev
 Rev0.2って何だよ試作品か?あまり不安になるようなリヴィジョンは止めて欲しい。素直にRev1.2ではいかんのだろうか。



★破損例

・一番有名なのがこのchronos氏のサイト。KP6-BSの問題点が追及されている。
http://chronos.mentai.org/2001/d010614.htm

・破損例。これはコンデンサが破損したためFETが焼けたのだ。
http://www.mtl.t.u-tokyo.ac.jp/~iizuka/hard/kp6bsreg.html

・このページに情報がいくつかある(Webアーカイブ)。
http://web.archive.org/web/20050312081233/http://www.e-net.or.jp/user/nakachan/KP6-BS.html

・かなり多くの人が燃やしているようだ…あのね、KP6-BSの電源周りも弱いけど、あなた方のやっていること(高クロックCPU載せ)も普通じゃないよ。
http://web.archive.org/web/20050312235352/www.e-net.or.jp/user/nakachan/1G.html

・海外でも「コンデンサが熱くなる。貧しいデザイン」云々と疑問が提示されている。
http://www.geocities.com/ResearchTriangle/Campus/9943/kp6bs.html


★VRMについて

vrm
 上がプライマリVRM、下がセカンダリVRMの全景。コンデンサ本数&性能が圧倒的に不足気味。セカンダリはプライマリと同じ回路だが、配線パターンはこちらの方が余裕を感じる。スペースの問題だね。

 傾向として、入力コンデンサ(ほぼ確実に死亡)と上側FET(+下側FET)が死んでいるケースが多い。出力コンデンサが死んだ例は見つけられない。足りているわけではないが、それほど切羽詰っているわけでもないと言うことだ。

入力:TAYEH 1200μF6.3V×2
出力:TAYEH 1200μF6.3V×4

 入力コンデンサが×2となっているが、実際は入力コイル前にある奴はフィルタコンデンサであり入力コイルと同じ役割。つまり入力コイルの後にある電解コン(写真のEC27)が唯一の入力コンデンサであり、たった一人でスイッチングで発生するリプルの波状攻撃を受けることになる。

 TAYEHはTEAPO[SC]と同等と思われるので、1200μF6.3Vは64mΩ/1000mAだろう。電解コンだけで見ればこのマザーはPII333MHz(あくまでも極限の負荷の場合)が関の山じゃないだろうか。2、3年実用された全てのKP-6BSは全て入力コンデンサが膨らんでいるはず。もっとも500MHz以下のCPUで膨らんだ例は今まで見たことも聞いた事も無い。

 スイッチングFETは上下ともCETのCEB6030Lである。特に性能に不安は無いはずだが、入力コンデンサがヘタると燃えてしまう。これは石が悪いわけではない。


lx1664cd
 VRM8.2準拠のLX1664である。VRM8.1時代の石でありながら、1.30V〜3.50V(VRM8.4包含)まで対応してしまった為に幾多の悲劇(マザー焼損)を呼んだ訳だ。NSのLM2635はわざと機能(1.8V未満)を殺していたのでこの手の悲劇は起こらなかった(特注で機能ONに出来た)。尤も河童への拡張性が失われたのでユーザーとしては悲しいが…。HSDL的にはLX1664のようなヤバイ仕様の方が嬉しい。

 LINFINITY LX1664CDのリファレンスを見ると、これはクラマスの回路だった。つまり出力2.8V、最大10A設計ですね。これに1.50V〜1.75Vで最大22.6Aの河童を載せる奴はチャレンジャーとしか言いようがない。リファレンス通りでも燃えるのは当前だ。


l_in
 VRM入力インダクタはT50-52に#18を7回巻き。恐らく動作時は1.5μHで3mΩ程度か。この時代ではごく普通の物。


l_out
 ボード上のパーツで一番目立つのがこのVRM出力インダクタ。KP6-BSのビジュアル上のポイントとなっている。この時期としては普通のT50-52に#22x3の13回巻き。動作時の推定は3μHで4mΩ程度。高クロック河童にはちょっと重い。1GHz石なら8〜10Tだろうが、出力コンデンサが4本なのであまり軽く出来ない。


r_curr
 これをジャンパと書いているブログがあった。これは抵抗(マンガニン抵抗)であってジャンパなどではない。勿論インダクタカレントの測定に使われている。鱈クラスだとこれも下げたいが、このマザーは河童までなのでまあいいか。



★他の部分

vtt_vclk
 UNISEMのUS1261はDUALボルテージのシリーズレギュレータ。これ1つでVttとVclkを生成できる。実は汎用ではなくGTL+の為に設計されたチップである(恐らくDUAL用)。ここだけはいい部品使ってますね〜。だが場所的には二つのスロットの間に付けて欲しかった。


clock
 クロックジェネレータはICワークスのW48S101-04Hである。あまり遊べないが、Intelみたいに全く動かせないよりは遥かにマシ。但しノーマルでOCするのは止めといた方が良い。


mem_slot
 メモリ周り。デカップリングはDIMM4スロットとしてはやや弱いか?82443周りのデカップリングも不安が残る。本当なら周りにタンタル10μFが2個くらい付いていておかしくない。


pci
 PCIバスとAGPバススロット。デカップリングは少なめで、付けるカードによっては色々弊害があるかもしれない。ちなみに(経験上は)あまり低いESRのコンデンサを付けても良くなかった。どう良くないかは自分のマザーで確かめて欲しい(ネタバレだから書かない)。


isa
 何故か厳重なISAスロットのターミネート。デカップリングコンデンサもPCIスロットよりよくやっている。勿論良い事だが何故ISA重視?


lm75_78
 温度センサーチップはLM75が使われている。隣にはMAX1617のパターンも見える。この時代にはごくありふれた物だ。LM75の元締めが下のハードウエアモニターLM78である。電圧は兎も角、温度が測れると色々な意味で面白い。ファンのコントロールは7〜8世代以降のマザーと比べると無いに等しいので(精々2、300回転しか動かない)、実用価値と言う点では疑問符が付くが。温度を見ながら手で調整する、なんてのはイヤです(笑)。



 長くなったので続く。

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