HSDL.blog.jp

主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

RAD-F620Z

OHM RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしている事を読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

OHM RAD-F620ZのICを交換してみる…だがしかし。


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 今回はメインのラジオICをソケットで交換可能にする。これは以前からの作業中にICが壊れた疑惑があったので仕方なく行なった作業である。ところがこんな簡単な作業が一筋縄ではいかなかった。ついでにおまけとして電源ランプを交換してみた。実はこれも追加機能だったりするが…。


★付加機能:LED交換(^^;
 電源ランプとなっているLEDを交換した。使わないLEDが多数余っているという事もあるがそれだけではない。ちゃんとノーマルの電源ランプ以外の機能を果たす予定なのだ。色は青とした。別に「LED何でも交換厨房」みたいに特に青色LEDが好きなわけではなくVfが赤より高いからである。つまり「電源ランプが消えたら電池の交換時期」という明確な機能を持つ。要するに電池の残量計である。実際そんな上手くは行かなかったのだが(^^;


★付加機能:IC交換機能(^^
 IC交換の為にICソケットを付ける。但しF620Zの場合はF770Zと違ってダイヤル機構が被さるのでICが取り外しにくいため実際には殆ど機能しないだろう。ノーマルと同じく容易に交換は出来ないが、交換時にハンダ付けはしなくても済むというだけだ。


f620z_041
 まずはこのCD2003GPを除去しなくてはいけない。これを外して代わりにソケットを付けるのが今日の目標。C14が邪魔くさい。これはAGCの電解コンだが何とかせねば。ちなみに基板のシルク印刷に拠ればICの上に寝かせて実装するのが正式らしい。低温なアナログICならではの実装ですね(^^;


f620z_042
 DIPのICはこれまでに扱ってきたSMDと違ってヒジョーに除去しにくい。ハンダを盛ったあとでハンダ吸い取り機=通称スッポンでピンのハンダを一本一本除去する。ICピンをピンセットで触ってみて全部フリーになったらICを引き抜くだけだが10分以上掛かった気がする。多層のPCマザーよりは温度的に遥かに楽だが低質な基板なのでランド剥がれがあってな…。


f620z_043
 外したら色々な方角から写真を撮っておく。もう二度と分解しなくても良いように。まあ実際はそうはいかないのだが…。IC下にジャンパがあったのか。外さなくては分らないモノもある。


f620z_044
 実はフェライトロッドの件でICが壊れた?疑惑があったので確認の為にこのソケットを付けたのだ。なおCD2003GPの±225kHzバグ(注)はこのIC個体にも発生していない。やはりドヨ橋各店の在庫分のER-C54/55Tに使われたロットだけなのだろうか?この手の安ラジオはラジオ音痴の頭死老ばかり使っているので気づかないのか、ネット上には他にこのバグの報告が無い。最低でも1ロットはあるハズなので世間に露出しても良さそうなのだが。


f620z_045
 試しに哀店道出身のTA2003P(WX)を付けてみた。考えてみれば筆者は未だTA2003P名義のICを使った事が無いので(今までの2003はCD2003GPとCSC2003Pだけ)今回の交換で一端を味わいたい。と、そんな悠長な事を言っていられるのはこの時までだった(^^;


★テスト…しかし
 慎重に配線を確かめてOKが出たので電源を入れてみよう。電源は入って特にクサい臭いもしてこないので成功か?


f620z_046
 ギャー目に悪いよ!青色LEDは大失敗(^^; むしろ赤色LEDよりも明るく点灯してしまっている。という事でデジトラなどでスイッチングしないとダメみたい。少なくとも電池の寿命を知るためのランプとしては使い物にならない事が判った。高輝度の青は明らかに目に悪いので好きではない。ついでに言うと照明用以外は高輝度はキライだ。しかしそんな些末事はこの際どうでも良い。

 実はAMが何も聞こえないのだ(^^; 感度が悪いとかそういうレベルではなく、ダイヤルを回してもノイズすら殆ど聞こえない。完璧に逝かれた状態である。ICの配線が間違っているのかと焦ったが、考えてみればプリント配線を誤作業により間違える事はやりたくても出来ないのだからそれは無い。逆挿ししたらICが燃えるからそれも無い。完璧に作業は上手く行っているのに何も聞こえないのだ。どういうこと?

 で、前回もあったフェライトロッドアンテナの断線が思い浮かんだが、テスターで当っても導通している。ICピンを直接触っても何も聞こえないしIC自体が動作している感じがしない。ICかソケットの不良品なのだろうか?哀店道の中華品だからそれも充分に有り得るけどな(^^;

 だがしかし。そのままモードをFM側に切り替えると聞こえるんだなこれが。ご存じのとおりこの個体はFMはアンテナが付いていないのだが、それでも微弱ながら放送が聞こえている。ダイヤルを回すと結構多数の局が聞こえているのでFM側は完全動作している。何故AMだけ聞こえないのだろうか?AMだけ器用に壊れたとか?なわけない。

 筆者がラジオを組み立てていたのは小中学生の頃だけだが、今思い出したけどこの症状に覚えはある。局発が発振していない時だ。少なくとも検波出力以降は完全動作しているのはFMの動作で判っている。AMの局発が止まっているのではないか?調べたらやはり発振していない。もしかすると回路の関係でCDとTAでは発振条件が異なるのかも。さらに詳細に調べるとFMも周波数が大きく動いている。トラッキングも外れている。これはストレー容量の増加によるもので当初より予想していたので納得できる。でもAMで発振しないのは納得できないなあ。ICソケットの不良なのかな?

 考えるのも面倒なので元に戻すか。TA2003を抜いてCD2003GPに戻したらAMも再び動作した…がやっぱり動作がおかしい。発振周波数が動いている上に感度が非常に悪くなってしまっている。元のICでこれではソケット化が拙いとしか言いようがない。この基板は出来が良くないのでもしかすると不動スレスレ、つまり運で動いていたのかも(^^; ある程度の予想はしていたがここまで不安定とは…ここらでもうソケット化は断念する気になった。今回の作業は全くの徒労だったな。

https://plaza.rakuten.co.jp/isuke36/diary/201303030000/
 自作だけど同じ悩みの人がいた。この人もICが同じ上にソケットを使っているな。哀店道で買っているからTA2003PはオリジナルじゃなくてWXの奴だろう。哀店道のWXはCD2003GPより弱いのだと思う。不良品の可能性も僅かだがあるな。

注:基本波の上下±225kHzにイメージが発生するという国宝級に珍しい?ICのバグ(^^; イメージと言うより局発のスプリアスなのかもしれない。今のところER-C54T、ER-C55Tのドヨ在庫品でしか発見されていない。いずれ取り出してテストしてみたい。

★再度交換!がしかし…(^^;
 上手く動かないのではしょうがない。ICソケットは除去する事にした。但しノーマルのCD2003GPに戻すのは負けた気分なのでTA2003P(WX)を直付けして試してみたい(^^

f620z_051
 ゼーゼーハーハー、当然ながらソケットはもう外す気は無かったので確りガッチリ付けちまったよ(^^; さすがにクリンチはしなかったけどね。まさか動かないなんて思っていなかった。何故なら(自作ラジオだけど)TA2003をソケットに付けている写真を他のブログで見ているからだ。なのでソケット化できなかったというのは「この基板かIC限定の問題」と考えたい。機会が有ったら別のICやラジオ基板でもやってみるとしよう。怪しい中華ソケットの不良も考えられるが、導通は普通にあるようなので構造の問題?それも見た目では同じだと思うけどなあ。筆者の現時点での見立てはこのラジオの基板は配線が元々良くないギリギリ仕様なのだと思う。同工場と思われるF1691Mもそうだったから。もちろん他人の記事の例もあるから哀店道のWXが特に不良なのかもしれない。

 でTA2003Pに換えて電源を入れたらソケットの時と全く同じ症状だった!これはもうソケット化と言うよりTA2003とCD2003は互換性が無いと考えた方が良さそうだ。恐らくピン互換だけど電気的特性が違うのだろう。もちろん哀店道のWXだけおかしいのかもしれないが。

 この作業を通じて、もしかするとTA2003よりもコピー品のCD2003GPの方が雑食で強いのかな?と思い始めている。つまりテキトーに扱っても幅広い条件でタフに動くのではないか。性能が全く同じであればタフな方が良いに決まっている。例の独自バグを見ても判る通り中身を全く同じに作っていない事は99.999%間違いないので改良・改変しているのかな。バグを出して最低ランクに落ちていたCD2003GPの評価が稍向上した。どんなダメな奴にも取り柄の一つくらいはあるものだ。同時に哀店道に売っているTA2003(WX)のダメさが判った。あの時交換用にまとめ買いしないで良かったですね〜(^^; 

 …なんて喜んでいる場合じゃない。次回はまたCD2003GPに交換するか、無理やり動作点を合わせて動かさねばならない。筆者としては元に戻すよりWXでちゃんと動かしてみたい。

結論:TA2003P(哀店道のWX)よりもCD2003GP(バグなし版に限る^^;)の方が動作安定性が上だった。まだサンプルが不足だが電気的な互換性も無い可能性がある。


★続く
 おまけの電源LEDは一応光ったがIC交換は上手く機能しなかった。今回判ったのはCD2003GPとTA2003Pの互換性はそんなに高くはない事、MW程度であってもRF回路のソケット化は止めた方が良いという事だ。勿論ソケット前提で製作し、ICを挿したまま調整すればイケるのだろうが、それだとIC交換の度に調整が必要なのでソケット化の意味が皆無に近くなる。

 まあ失敗した方がHSDLにとってはネタが増えるわけだが、失敗だと再スタートに少々時間が掛かるので出来れば成功ネタが良いね(^^; この改造で計画が一ヶ月以上も停滞してしまった。次回は来年だけどいよいよフェライトロッドアンテナの改造を行なう。革命的な手法が編み出されたので上手く行きそうな予感。もう巻き過ぎは怖くない?

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしている事を読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

OHM RAD-F620Zの気に食わないところ


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 実はある事情で実験が停滞しているのだが、最低でも月一でこのラジオについて書かねばならない決まりなので裏話でも一つ。


★糸掛けユニット
f620z_047
 このダイヤル機構が非常に邪魔なのだ。邪魔な上に設計がアホだし(^^; 部品を交換する時にダイヤルを外さねばならないわけだが…。


f620z_048
 これが問題のローラー。これ以外のローラーも問題が多いのだが。何しろ一部のローラーは全く回転せずに糸が上を滑っているのだ(^^; 糸にオイルをタップリ塗るメーカーなので仕方がない。だがこのローラーはそれ以上にヒドイのだ。


f620z_049
 ダイヤルを回すと何とポコンと迫り出してきます!(^^; これ以上は飛び出ずにここで安定するのだが、それはもちろん設計通りというわけではない。実は糸が枠に当っているからそこで偶然に止まるだけだ。何という間抜け!こんなの開口部を左に向ければ一発で解決だろうが。偶然に頼って動いている製品なのだ。

 IC除去→ソケット化作業の時にこの糸がバラバラに外れて難儀した。VCからフリーにするとこのローラーと反対側のローラーが外れるからだ。ローラーを他の部分と同じく全部固定するのが確実だが、実装の関係でそれが出来ないなら方向くらい考えろって話。おバカすぎて涙が出ます。パクった日本製をもっとよく研究しましょう(^^

 筆者は小学生の時分に糸掛けの糸を切った事があるので、長い間それがトラウマになって糸掛けを弄るのはキライだった(回すのは感触が良いから好きだけどな^^)。そう言えばER-C54Tの糸もバラしてから外れっぱなしだったのでやらねば…その前にもっと大変なPVCを何とかしないと(^^;


★おまけ
f620z_050
 この620はアンテナが折れて存在しないので、その部分にサイズがピッタリなRCAジャックを付けてみようと思い立った。これだとホイップアンテナを付けるのも容易いし外部アンテナも付けられる。がしかし、取り付けに使うナットがケースに当ってしまって締めこめなかった。全体を強力接着剤で固めるかナットを薄いものに交換するしか手は無い。カッコ悪い接着剤は最後の手段だろう。まだ諦めているわけではないが取りあえずこの機能は後回しという事で。

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

どうしても満足な位置でトラッキングが合わない件(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 このラジオは全域でムラの無い感度とは言えない。AC電源を使っているからかも知れないが、QRを過ぎると早くも感度が落ち始める。1400kHz以上だとRAD-H245Nがライバルに相応しい。実はチョイ負けているんだけど頑張れば追い付くかもしれない(^^; と言っても絶対的な感度は低いわけではない。何故なら下の方の765kHzのYBSや639kHzのNHK静岡2はF770Zと同等に聞こえるから。これはトラッキングが上手く行っていない症状だ。けど何度も調整はしているんだよね。

 一番気になるのはトラッキング調整でコイルが抜けすぎること。例えば下の方を正確に合わせるとコイルが5〜6个皀蹈奪紐阿暴个討靴泙Δ里澄これは規定よりインダクタンスが高過ぎるコイルなのだ。

 ER-19Fの記事を書いていて「同じ理由でF620Zもトラッキングや周波数範囲がおかしいのではないか?」と思い至った。そこでPVCのキャパシタンスとコイルのインダクタンスを測ってみた。詳細に調べたがこのコイルはタップ接続タイプで、ER-19Fのようなインチキ配線はされていなかった。


f620z_039
 まずはフェライトロッド・アンテナのコイルのインダクタンスを測ってみた。滅茶苦茶です!(^^; 何しろ写真のように一番端に寄せた段階ですでに700μHに達している。これで内に入れてトラッキングが合うわけは無いよ。真ん中辺に寄せたら1200とか滅茶苦茶な数値が出てきた。一体これ何のコイルなんだ?少なくともMW用では使えないレベル。

 コイルの長さが約29个覆里0.3φとして97回、0.2φとして145回となる。インダクタンスからすると145回かな?


f620z_040
 もうおかしいのはコイルに確定したが一応PVCの容量も測ってみた。大体137−10.4pFだった。これは140pF(ANT側)のPVCなのだろう。OSC側の容量は不明だがパディングコンらしきものが見えるので等容量の可能性もある(未確認)。137pFで520kHzだとしても684μで足りてしまう。道理で抜かないと合わないわけだよ(^^; 以前指摘した配線ミスはこれのために意図的にやった事なのかもしれない。アホだけど。


 という事でトラッキングが真ん中で合わない原因は「フェライトロッド・アンテナのコイルが巻きすぎでインダクタンスが高過ぎたから」でした。このコイルは一体何用なんだろうか?という新たな疑問も出てきたが…気にするのは止めよう(^^; 下に追記がある。

 取りあえずコイルを巻き直すしか前進できない。680μHという事で0.1〜0.2φで95回くらい巻けばイイかな?でも今回は疲れたのでまた次回。フェライトロッドアンテナのコイルはただのコイルとは違って可動にしなければならないので難しいのだ。


★追記・インダクタンス測定
 上ではテキトーに測ったので後日詳細にコイルを調べてみた。計測はDE−5000(100kHz)なので稍テキトーに思えるが、結果を見るとトラッキング調整した時の感覚とピッタリ一致しているので相対的な信頼性はかなり高いと思う。実際の数値は周波数が上がるごとに落ちていくのが普通なので1MHzではもっと下がるだろう。

=ノーマルのフェライトロッド(10φ×70)=
ferriterod_normal
 RAD-F620のフェライトロッドである。前回書いたように折れたのを修理したが、トラッキング調整でも分るように折れる前と全く性能は変わりはない模様。フェライトロッドは一旦折れても繋げば全く問題は無いという事だね。

コイル中央:1286μH
タップまで:945μH
タップのみ:50μH

 おいおい!これは酷すぎるだろ(^^; 元々接続してあったタップまでの配線でも945μHあるんだぜ。一体何に使われていたのか?元々はもっと小さいコアだった可能性があるな。或いは小さなコアに合わせてコイルを作り、そのコイルを全てのコアで兼用して生産効率を上げているとか。

=日本製折れロッド(10φ×66)=
ferriterod_tdk
 いつもトラッキング確認のために使っている、10φ×120个折れて半分になったロッドである。色からするとTDK製のQ1Bかな?上のロッドより小さいのだが…。

コイル中央:1304μH

 僅差だがインダクタンスは最高となった。上の不純物で折れてしまった中華製と違って内部の均質性や表面加工共に文句の無い製品だ(折れたのは筆者の不注意で落とした^^;)。

=自作フェライトロッド(^^;=
ferriterod_jisaku
 これは「不良債権処理」で製作したロッドである。いずれもコイル中央。

最少のコア:390μH
一番太い奴:666μH
一番長い奴:682μH

 何とMWにピッタリではないか!(^^; 特に長い奴はこのラジオで求められているインダクタンスとピッタリ一致した。ラジオが動くようになったらぜひ使ってみよう!かなり細いので実用は無理だろうがネタにはなるだろう。イヤー面白いね。これがあるからバカ製作は止められない。

RAD-F620Z

OHM RAD-F620Zで受信する


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 どう聞いても不良としか思えないRAD-F620Zだったが、前回修理・再調整を行ない、当初より感度は向上したというか漸く持てる性能を発揮できるようになったようだ。その力を試すべくベンチマーク放送を幾つか受信してノーマルの記録を録っておいた。これが生産後に調整された本来の実力と言う事になる(但し部品は異常なのだが)。


★テスト周波数受信
 当地の七大ローカル局が受信出来れば製品としてはOKなのだが、HSDLとしては最低でも以下の放送くらいは受信できなければ失格だ。昼間受信とは季節に依って変わるがこのラジオをテストした4月現在では10〜15時の間、夜間受信とは18〜翌5時とする。雨天時は建物の関係で?感度が大幅に異なるのでテスト不可となっている。

531kHz:NHK1(夜間受信)
558kHz:CRK(夜間受信)
639kHz:NHK静岡2(昼間受信)
1008kHz:ABC(夜間受信)
1197kHz:IBS(昼間受信)
1260kHz:TBC(夜間受信)
1332kHz:SF(夜間受信)
1458kHz:IBS(昼間受信)
1530kHz:CRT(昼間受信)
1602kHz:NHK2(夜間受信)

 この内531、639、765、1197kHzは感度以外の要因(選択度、多信号特性、調整ズレ)で受信できないことがある。当地の昼間一番信号強度が強いのは639kHz、次いで765、1458kHzである。夜間は日によって電離層の状態が異なるので最強は不定だ。

 結果だが以下の通り。

531kHz:信号強度はソコソコあるがノイズが酷い
558kHz:早い時間はローカル並みに受信できる
639kHz:弱いが常時受信できる
1008kHz:受信出来なかったが修正後は受信できる
1197kHz:ノイズで了解困難
1260kHz:普通に受信できる
1332kHz:ローカル並みに受信できる
1458kHz:かなり弱い
1530kHz:かなり弱い
1602kHz:普通に受信できる

 だいたい予想通りだった。ローカル局と電離層反射は充分に実用になるが地表波の二等ローカルは厳しい。このまま製品として売り物にはなるがHSDLとしてはちょっと不満かな。それでも修正前に受信できなかった1008kHzのABCが受信できるようになったのは大きい。まだ万全ではないが前回は受信できなかったのだから大進歩だ。調子が悪い時は受信出来ても無音時にTBSやAFNが聞こえるのが普通だ(^^;


★問題点
 受信してみて良くなった点と問題点がハッキリしてきた。

.離ぅ困極度に増えた
 感度が上がったからか?ノイズが大幅に増えた。信号強度が上がったけどS/N比はむしろ悪くなっているように感じる。ICF-EX5、RF-1150、RF-U80等の高感度ラジオを感度切り替えDXで使用した時に似ている。特に600kHz以下ではかなり酷く、信号強度が弱いと聞くに堪えない。やはり感度改善は増幅器ではなくアンテナに依らなければならない。加えて電池と比較してAC電源から回って来るノイズが多い。これはHSDLのAC電源自体の品質ではなくラジオの電源回路に問題があると思う(アレだし^^)。つまり電源改造で何とかなるわけで「AC電源だから仕方がない」ではなく「AC電源でも普通に実用できる」ようにしたい。

F770Z[1]より選択度が少々落ちる
 これは帯域幅とかの問題ではなくIF漏れが大きいのだ。許容強度(=CFの絶対減衰量)を越えると一気にブリードスルーするのが判る。770と620のIFフィルターの構成は全く同じなので本来選択度が違うということはあり得ない。もしかすると使われているCFの質が悪いのかもしれない。これは手持ちの同品種CFと交換すればハッキリするが、わざわざ性能の低いモノを付けるのはバカバカしい。今は我慢して将来的にもっと良いのを付けたいところ。

B真号特性が多少マシになった
 HSDLのF770Z[1]は700kHz〜1200kHz辺りまで混変調の渦の中なのだが、このF620Zはハッキリ判るくらい少なくなっている。上に書いた通り1008kHzのABCが受信できるようになった。思うにF770Z[1]のトラッキングはこの辺りが大幅に外れているのではないだろうか。トラッキングを正確に合わせればだいぶマシになるらしい。もっともこの辺りの感度が部分的に下がっただけなのかもしれないが(^^;

ご凝戮F770Z[1]に負けている
 確かに感度はノーマル時よりも格段に向上した。がしかし前回記事で「F770Z[1]と同等以上」と書いたがそれは間違いで、一部を除いてまだ追い付いていない。ICの個体差はあり得ないのでトラッキングが完全ではないのだろう。時間が掛かりそうだ。やっぱり昔のラジオ本に書いてあった通り真面目にやっても一週間かかるのかも…(^^; 実は調整だけではない事が後に分るのだが…。

ゥ瀬ぅ筌襪隆郷┐変(^^;
 当初PVCの不調かダイヤル機構のバックラッシュかと思ったのだが、これはAFCが掛かっているのではないか?同調し辛いが一旦同調すると外れにくい。もしかすると選択度に問題があるのもこのせいかもしれない。通常はFMには掛けるけどAMには掛けないんだけどな〜。但しこれは感覚の問題なので根拠が無く、単なる気のせいなのかもしれない(^^;


★続く
 このところICラジオを使い込んできたので分ってきたが、やはりCD2003GPの方が粗ニー系ICより僅かだが感度は高いようだ。IFTレスの分IF漏れが多少多いし、AGCが他のICより微妙に弱い気もするが捨てがたい。直ぐに別のICに交換しようかと思ったけどもう少しこのまま使ってみたい(交換すると言っても2003系にしか換えられないのだが)。次回は小修整でもうちょっとマシにしたい。


★追記
 その後このRAD-F620Zに続き色違いで中身の同じRAD-F610Zも手に入れてしまった。この記事はもうだいぶ前に書いたのでまだよく解っていなかったが当該品は不良品らしい。何故ならだいぶ感度が違っていたから。610は中身を見ていないが見ればハッキリする。

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

逝かれた、というか逝かせたRAD-F620Zを修理する(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z
RAD-F620Z

 前回調査で改造する以前に正常に組み立てられていない事が判明した。おまけに作業の不手際でフェライトロッド・アンテナを破壊してしまったためその修理を行なわねばならなくなった。そのため今回は修理作業という事になる。


★フェライトロッド修理
 まずは折れたフェライトロッドを繋がなくてはいけない。以前フェライトコアを繋いだ時は100円ショップのシアノアクリレートを使用したがアレは固くて脆いので、出来ればある程度粘りのあるエポキシ系の方が良いだろう。あまり柔らか過ぎると今度はヘナッと曲がりそうだが…。新たに買うのはイヤなのでCF接着で余っているシアノアクリレートで貼りつけた。


f620z_033
 瞬間接着剤と言っても実際このようなモノは空気に接しないので瞬間とは行かない。一見上手く行ったけど前回と同じくこのままだといずれ折れるだろう。早めにコイルを修理してトラッキング修正を済ませなくてはいけない。一旦実装してしまえばコイルが被さるので容易に折れないはず。


f620z_034
 コイルは元々ユルユルなのでサポーター代わりに補強テープを巻いておいた。これでもまだ巻き足りないくらいだ。ユルイと動きやすいからいずれもっと巻きたい。


★コイル修理
 次は更に難易度の高いコイル修理である。まずはどこが切れているのか確認しなくてはいけないのだが…。


f620z_035
 このフェライトロッドアンテナはタップ方式だ。出力はポリVCが繋がる線が2本で出力タップが1本の合計3本である。この場合は導通の組み合わせは白(というか透明)⇔赤、白⇔青、青⇔赤である。テスターでチェックしたら赤が通じていない。見た目はどうという事は無いがどうも接触が悪いらしい。線を短く詰めてみたらキッチリ導通するようになった。コイルの中間が断線したのでなくて良かった。中間が切れると修復は困難だし、仮に直っても性能が低下する。


f620z_036
 この作業で判明したがリッツ線は3芯だった。この本数が中華のデフォかな。7芯リッツ線に巻き直しは行なわない(注1)。それをやるくらいならフェライトロッド・アンテナを丸ごと交換する。市販されている多芯リッツ線の価格とフェライトロッド・アンテナの価格は実は大差無い。中華製のは巻き済み完成品でも安ければ税別300円しないのだから。

注1:ちなみにTA2003P指定のリッツ線は7芯(0.07φ×7)である。厳しい事を言えば3芯では指定のQにならず、従ってTA2003P本来の性能も出ない事になる。

★配線修正
f620z_037
 修正は簡単で青と赤の配線を入れ換えればいい。しかし我々は赤を以前接続されていたランドには落とさず直にVCに繋いだ。コイルはVCと共に同調回路を構成するので、元の配線よりこれが本来あるべき正しい配線と言える。アナログ回路ではグラウンドに落ちていれば何処でも良いわけではない。位置によってDCされたり効果が大幅に変わってくるのだ。

 この作業によって感度は回復し、しかも感度が上がったにもかかわらず混変調・相互変調も各所で減少した。この事実はノーマルのアンテナ同調が丸っきり狂っていたのを表している。F1691Mの時も思ったが前ユーザーはよくこれで何年も使っていたものだ。もしかして「中華製だからこんなモノだ」と思っているのだろうか?そんなわけないでしょ。中華だって正常な製品は普通の性能だよ。ICラジオ(現在売られている物全て)の感度差はICが同じならフェライトロッド・アンテナの差しか出ないので、極度に低性能だったらそれは製造不良を疑った方が良い。妄りに裏蓋は開けずにメーカーまたは販売店に問い合わせるのが一番だ。中華製はメーカーの分らない輸入品なんて買ってはいけない。もし買うなら自分がサービスマンになる覚悟が必要だ。一般人には無理だろうけど、この記事を読んでいる人はそれが可能な人だけなので大丈夫かな(^^


★局発ズレ
 この個体はバンドの下の方に余裕がない。具体的に言うと531kHzがダイヤルを一杯に下げないと受信できない。これはかなり大幅にズレてますね。上は目盛が細かくて狂っていても判らないので周波数範囲を合わせる時は下重視で行かなくてはいけない。

 周波数の下限を合わせる時はT1の赤いコア、同じく上限を合わせる時はPVC上のTC3で合わせる。カバー範囲を欲張ると性能が落ちるので規定で止めた方が良い。トラッキングは幅が狭い方が合いやすい。合わせるのは下が510で上が1680kHzくらいかな。上下共に一杯に回して止まったところ、上はテキトーでも大丈夫だけど下だけは正確に合わせなくてはいけない。スケールは元々正確ではないので拘らないこと。基板を外すとスケールは見えないので、このラジオに関してはスケールを見ずに周波数カウンターで合わせた方が良いのかも。


★トラッキング調整
 トラッキング調整を放送波で行なうのは難しい。ジジイ時代のラジオ製作本に「放送波でトラッキング調整を行なうと一週間くらいかかる」なんて書いてあったくらいだ。なお完璧に合わせても最大数kHzのズレが出る。親子PVCで完全にトラッキングさせる事はできない。VCの容量は変えられても変化量は変えられないので理論的に不可能なのだ。ソコソコ合ったら諦めるしかない。

 で、トラッキングを少し取りなおしたら感度が急上昇した。いやもう本当に「今までお前は一体何をやっていたのか?」と疑問を感じるくらい上がった。しかし完全に取りなおすのは不可能だった。何故かと言うとフェライトロッドからコイルが大幅にはみ出してしまい合わせられないのだ(^^; つまりフェライトロッド・アンテナのインダクタンスが高過ぎるのだ。これは巻き直しの予感!イヤコイルごと交換かな…。それでも現時点でもF770Zと同等以上の感度を発揮している。ただ単一×4ではなくAC電源を使っているからかも知れないがやたらノイジーになっているのが気になる。まるでF1691Mの初期の頃のようなのだ。これは次回調査する。場合によってはAC電源の改造と言うか作り直しになるかも知れない。


f620z_038
 そもそもこのアンテナホルダはイカンな。アンテナを固定するとコイルが動かせないのでトラッキング調整は事実上不可能なのである。これを見ると最初から調整をヤル気が無いのが見え見えだ。恐らくインダクタンス固定で決め打ちしているのだろう。あとはTCで真ん中一点調整かな。


★続く
 不具合修正してスッキリしたが、実際はこれが本当の姿で今までは損していただけ。やっとスタートラインに立てた気がする(^^;

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」この条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

来たばかりのRAD-F620Zが本格的に不動になったの巻(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z

 今回は調整とパワーアップ改造を行なうつもりであったが、前回調査で改造する以前に正常に組み立てられていない事が判明した。まさか分解調査の最中に不具合修理させられるとは思わなかったので参ったよ(^^;


★配線ミス
 一番重要であるフェライトロッドアンテナに致命的∧決定的な配線ミスが見つかった。いや「コレを書いた当時はそう確信していた」が正しいかも(^^;


f620z_023
 いつものようにアンテナ線が全部束ねてある。束ねるというか捻って固めてある。つまり全部の線がコンデンサで結線されているわけだ。働き者のお前らはもう働くな!人生もっと怠けていいのよ?(^^


f620z_024
 このようにバラしてハンダ付けをチェックしたら(掲示板に書いたように)配線が間違っているのを発見したわけ。いくら中華工場がテキトーとは言え、そんな初歩的な酷い間違いは想定していなかったので白目を剥いた(^^;


f620z_025
 正常ならば左のようになるが、このラジオのは右のようになっている。ホットから中間タップまでの間で同調回路が構成されてしまっている。それで既定の巻き数に足りないためインダクタンスが足りず同調が取れないのだろうとこの時点では予想した(後から分ったがこれで間違いでもないらしい)。


f620z_026
 推測だが、これはフェライトロッドアンテナの製造がミスっているのかもしれない。正式には赤線が中間タップで青線がコールド(グラウンド)なのではないか?ラジオ工場の工員は色で作業を指示されているだろうからマニュアル通りやって結果として間違えたのだろう。

 これで解るようにこのラジオはトラッキング調整をしていないのだ。もし調整していたらその段階で大幅な(数100kHz)同調周波数の違いに気づくはず。同じく未調整と思われるF1691Mを見た時からそうだとは思っていたけど。恐らくトラッキングは正常に動いた一台と同じコイルとTCの位置に合わせているのだろう。そりゃ部品の精度が恐ろしく高ければそれで同一になるけどよ…実際なるわきゃない。


 まとめると.侫Д薀ぅ肇蹈奪疋▲鵐謄覆寮渋す場が出力線の色を間違えた△修譴魍稜Г擦困縫薀献の工場が色を信じてそのまま使ったしかも後調整も検査もしなかったので不良品出荷!という流れになる。,録篦蠅鵬瓩ないが恐らく間違いなかろう。ラジオ工場を信頼すれば(^^ この推理はこの時点のものだ。

 そうと決まれば配線のやり直しだ。青と赤の配線を入れ換えるだけだから数十秒で出来る。駄菓子菓子、そうは問屋が卸さなかった。


★修正する…だがしかし。
 で入れ替え作業が終わって配線をやり直したのだが、電源を入れたらサッパリ何も聞こえなくなってしまった!焦った。これはマズイ!もしかすると配線の時にICをブチ壊したのかも…と思ってFMにしたらちゃんと聞こえるじゃないの。じゃあAMだけブチ壊れたのか?と思い、かなり危ないがICのAM入力ピンを触ってみたらAFNやTBSが混ざって聞こえた。つまりこれはICの不良ではない。

 あと弄ったところはフェライトロッド・アンテナしかないのでこれの不良と言う事になる。しかもこのフェライトロッド・アンテナは入手当時はちゃんと動いていたので、壊れたとすればさっきの配線作業かその前で破壊した事になる。解りやすく言えば筆者が壊したわけだ。マジかよ…(^^;

 確定すべくテスターで3本の線を当ってみたら導通していない線がある。この影響で同調回路になっていない事が判った。必死でリッツ線を確認したが何処も切れているようには見えないんだけどなあ。でもこのリッツ線は繋がっているように見えて繋がっていない事があるので油断はできない。セパレーターが支えるので繋がって見える不完全断裂があり得るのだ。もし原因不明の低感度のラジオが有ったらフェライトロッド・アンテナのコイル断線を疑ってみるのも手だ。


f620z_027
 仕方がないから外す。まずは小汚くブチまかれた接着剤とそれに絡まるコイル止めのパラフィンを取り去らねばならない。


f620z_028
 ゼーゼーハーハー、これは難易度が高い。イヤ作業自体は容易なのだが割れそうなんだよ(^^; 中華製の難しさはそこにあるのだ。


f620z_029
 フェライトロッドを取り出した。接着剤を取り去ろうと清掃を開始したのだが、その時悲劇が起こった。


f620z_030
 ギニャ〜!何とフェライトロッドが静かに折れていた。そんなに力を入れたわけではないのに、少々引っ張り力を加えたらポロリと取れるように折れてしまったのだ。折れるというより分断したというのが正しいかも。もう何か呪われているとしか言いようがない(^^;

 これを見て興味深いことが分かった。折れ口を見て中央右の方に何か均質でないものが見えるだろうか?本来これは全く均質でなければならないのだが、何らかの大きな不純物が混じっているようだ。そのためここが弱くなって折れたのだろう。触れば折れやすい状態だったのだ。


f620z_031
 もちろん捨てたりはしない。これは接着してまた使う事にする。もっとも将来的には交換するつもりだけど。いやー、全くこんなフェライトロッドは初めて見たよ。今まで折れなかったのが運が良かっただけなのだろう。ホント中華製は面白いので止められない。こんなのは日本メーカー製ではまず見られないからな。もっとも野次馬としては面白くても修理人としては困った。一日で終わらせるつもりがかなり時間が掛かりそうで萎える。


f620z_032
 それにこのコイル。これのどこが切れているのか判らないとどうしようもない。最悪巻き直しになる可能性もある。巻き直しと言っても、まずポリVCの総容量を測って必要なインダクタンスを計算し、そのあとで巻くので面倒くさいぞ。線材は余っているみたいなので解いて流用すればいいか。


★続く
 そんなわけで取るに足らない小修整が思わぬ重修理になってしまった。今回終わらせるつもりだったがそれどころではなくなった。次回はまずフェライトロッドを繋いで、その後で切れているらしい?コイルの修理をする。コイルの方はまだどこが切れているのか判らないので難易度が高いがやってみるしかない。ダメならフェライトロッド・アンテナごと全部交換することになる。交換した方が多分性能が上がるけどなるべくならそれは避けたい。

RAD-F620Z

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」この条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

”木目調”OHM RAD-F620Zを解剖する(^^


RAD-F620Z

 今まで書いてこなかったけど、このラジオは入手した時から振るとカラカラ音がするので気になる。何かが折れて脱落しているのだろうか?特に不具合は無いけど。何しろ新品の時から中に異物が入っている事は多いのが中華製の特徴だから不思議でもないけど。

 F770Zとの比較では裏蓋を止めるネジがF620Zの方が一本多い。気になる開封歴だが、見た目では開けられた跡は無いので元々の不良品説が有力になってきた。何しろあのF1691Mと同時期の製品だからヤバいんだよね。


f620z_006
 内部に仄かなヤニ臭を感じた。F620ZはHSDLで絶賛されたF770Zと違ってかなりみすぼらしい。コネクタなどは一切使用されていないので分解は非常にやりづらい。「接着剤が汚い」「油でベタベタ」という世間での中華イメージにぴったりの内部だった。もう一つ定番の「ハンダ付けがテキトー」はあまり無かったけど、これ本当に製造者は同じなのだろうか?今まで770を「後継機」と書いてきたが全然違う気がしてきた(^^;


f620z_007
 カラカラ音の正体はこれだった。何だろう?黒くて突起があると言えばバンド切り替えや音質切り替えのスイッチの先端くらいか?


f620z_008
 いや折れている所は無いね。全くの正常品だ。あとは黒い所と言えば裏蓋しかない。ザッと見てみたが何処にも折れた所は発見できなかった。不具合が無ければ気にしなくていいか。


f620z_009
 何だこりゃ!同調つまみが得体の知れない粘り気のある油でベタベタだ!ここだけでなく糸の周りは色々なところが油でベタベタ。これを取るのに20分はかかってしまった。


f620z_010
 糸にも油が付いているよ(^^; 僅かなバックラッシュの原因はこれか。可動部に闇雲に油をベタベタ塗りたがるバカはどの世界にも確かに存在する。これ必要無いと思うよ。

 ハッキリ言ってこの手のラジオに油は申し訳程度〜皆無で良い。もしかすると磨り減って20年後にはガタガタになるかもしれないけど、それより前にどこかの可動部のプラスチックが割れてしまうので同じ事だ。同じくダイヤル以外の他の部分も20年持つように作られていないので可動部だけ20年持たせても意味は無いだろう。80年寿命を持つジジイの入れ歯なんて意味があると思うか?生産の時にはそのようにバランスを考えなくてはいけない。そんな事は解っていて精度が低くて動作が重いから油を注したと言う可能性も大いにあるが…(^^; ちなみに中華製だけでなく日本の30年物もプラ部品は多くが崩壊している。プラ製品は寿命を気にしても無駄なのだ。


f620z_011
 基板はやはり熊猫T-16そのものだった。版数はREV 03(2006/02/15)とある。この基板自体は2011年30週に製造されたようだ。アセンブリはその直後だろう。基板はもうだいぶ前から再設計はせず何年も使いまわしているみたいだね。


f620z_012
 この辺りを見ると悪い意味でF1691Mソックリ(^^; 特にPVCの端子の切り方と言うか切って使う事自体がF1691M臭が漂う。調整していないのは確定的だ。


f620z_013
 うっわー!何これキタネー。コイルぐちょぐちょなのに目が行くが、VCに付いている手付けのコンデンサがもっとイヤな感じです。


f620z_014
 基板が割れてるよ!これって割れたんじゃなくて割らないと付かないから意図的に割ったんじゃないかと言う疑いがある。この製造者なら何でもあり。


f620z_015
 フェライトロッド・アンテナはF770Zは60mmだったがF620Zは70mmだった。太さは10φで両者同一だ。このようなところで微妙にコストを下げたのか。感度は同一だろうから下がるならその方が良い。このガタイなら12僂詫澆靴ったが。

 間違いない!これはF1691Mと同じ製造者だ。だってこの通りアンテナ線が全部束ねてあるし(^^; 今回はしかもFMアンテナコイルと一緒に接着剤で止められている。接着剤を破壊するとFMコイルが狂うかもしれない。でもやるしかないな。


f620z_016
 SMDパーツを多用していた770と違って殆どラジアル・アキシャルリードの部品ばかりである。基板の裏だけ見てもう2003系だというのは完璧に分る。IFトランスのパターンも実装も無いからだ。IC周りにはCFのパターンも確認できる。さてそろそろ基板を前板から外すか。糸掛けだからダイヤル機構が邪魔しなければいいのだが。


f620z_017
 ゼーゼーハーハー!VRのつまみに粘着テープが巻いてあってなかなか取れなかった。一見して何だこりゃ…な基板である。部品の実装が疎らでデタラメ。日本メーカー製と比べアマチュアっぽいです。70年代以前の中小企業並み。


f620z_018
 F770Zと同じくCFはSFU455B×2でCCは47pFとなっている。何で同じ道具立てのF770Zより選択度が悪いんだろうか?それにしてもスペースが無いので困った。これでは殆ど改造できないではないか…。この実装はどう考えても部品面が逆だと思うが、SWやVRの関係でこうなってしまったのだろう。機構や回路を決める前にまず部品ありき。こういう所がHSDLに似ている中華なのだった(^^;


f620z_019
 崩壊が怖いけどダイヤル機構を外してみる。これを取らないとCFもICも拝めない。出てきたICはやはりネット上の写真と同じでCD2003GPでした。高感度だが多信号特性が良くないし安定度も悪い。ついでにバグ有りも存在するという出来れば見たくないICだ。CFは哀店道にMGの一期前に売っていたSFU455Bである。MGより性能が良くないのかも。HSDLには在庫まだ一杯あるんだけど…(^^;


f620z_020
 何だこれは?このラジオは元々単相ブリッジ整流の基板だが、当該品は二相全波整流として使われている。どちらも同じ効果だが、どう考えても単相トランスとD4個の方が安上がりだ。二相のトランスがスポット品で安かったのかな?というのがHSDLの見立て。出力コンはショボそうな中華1000μFが1本だけ。まともに動いているのが奇跡みたいな電源だから見ただけでACで使う気が無くなってくる。しかしこれスペース的にデカい出力コンも付けられないな。AC電源の時だけでもレギュレータICを入れるべきかな。それだとノイズは消えないけど。


f620z_021
 前板にはSP以外は何も付いていない。周波数スケールはここに貼られており交換も可能のようだ。熊猫と殆ど双子に近いくらい似ているのだ。


 …さて、これ元に戻るかな?一週間放置したら組み立て方をスッカリ忘れた。ネジも色々なサイズがあるが使いまわしも忘れた。部品取りにはならねえし、もし元に戻らなかったら中国製のクサい不燃ゴミだぞ。

f620z_022
 何とか元に戻せた(^^; 別に複雑な機構で難解という訳ではないが、精度が低く割れやすいので間違えて組み立てたら壊れる場合があるのだ。どうせ修正するからいずれまたバラさなきゃならないんだけど。電源の配線がバラす度にキレるので参った。


★解剖終わり
 以前からF770ZをF620Zの後継と書いてきたが、骨格も回路もソックリなれど細部はリード部品と面実装である事を差っ引いても似ても似つかないものだった。後継のF770Zは心を入れ換えたのか別の生産者なのか?これだけではまだ判らない。ただ一つ言える事はF620ZよりF770Zの方が比較するのもバカバカしいくらい作りが良いということだ。それが判っただけでこれに大枚叩いた価値があったかな。当りもあるのだろうが中古で見つけても買わない方がイイです。これはマジで。

RAD-F620Z

この記事は一般人向けのいわゆるレビュー記事ではありません。逸般人のための偏向した研究です。それではサヨウナラ(^^/~

”木目調”OHM RAD-F620Zを試食する(^^


 メーカーは「木目調」と称するマーブル模様のラジオ。以前は「キモい柄」呼ばわりで見るだけで眩暈がしたものだが、最近は気にならないどころかむしろ「個性的な柄」でよく見えてきたのだから不思議だ(^^ HSDLのエースRAD-F770Zの前身であり、原型となった熊猫(PANDA)の血を色濃く引いているという事で(安かったら)ぜひ欲しかった1台だ。念願かなってこうして入手できたわけだが…先回りして書くとかなりヒドイ。


radf620z_01
 この製品は2011年製造となっている。大地震のあった2011年って最近に思えるけど、実際は既に8年も経っているのね。トシ食うわけだよな〜(^^; あの時はHSDLラボも壊滅して暫く復旧しなかったな…人生観が変わるほどの衝撃は今でも忘れられない。実はこれを書いているのも大地震のあった3月だ。閑話休題、


radf620z_02
 もちろんそれなりにクリーニング作業は行なったが、外見は光に透かすと周波数スケールに(使用していると絶対に付く程度の)傷が見えるだけでダメージは皆無に近い。電池ボックスも錆も一切なく完全に近い。

 ダイヤルを回してすぐに気付くのはF770との感触の違いだ。このラジオはまだ円高の頃の製品だからかギヤではなく糸掛け式なのだ。ギヤは高級になればフィーリングも良くて組み立ても楽だが、残念ながら中華のダイヤルギヤは加工精度が高くないので感触は良くない。やっぱり中華ラジオは糸掛けが似合っている。同じ糸掛けでも粗ニーICF-750・760ほどには滑らかではないが中華としては普通だ。ただこの個体だけなのか?バックラッシュが微妙にあるので開けた時に調査してみたい。


radf620z_03
 このジャンクの致命的な不具合はテレスコピック・アンテナが根元から折れて消失している事だけだ。この不具合も(2019年春現在は)FMは聞いていないので大ダメージとは言えない。


radf620z_04
 大きさはF770Zとほぼ同一である。周波数スケールを見れば判る通りワイドFMには対応していない。


radf620z_05
 メガネケーブルは付属していないので(常用しないので必要無いけど)、今日は単一電池アダプターでエネループ×4で動かす。実はRAD-F770ZのACコードでも動くが今回は電池で行こう。電源を入れたら普通に動いた。中身は単純なICラジオなのでダイヤル周り以外は完全に壊れてしまう事はまず無いのだろう。

 …動く事は動くが感度が非常に良くない。特に上の方が壊滅的に感度が低い。どのくらい低いかと言うとJORFがDX局並みに弱い。当地ではRFはそれほど強力とは言えないがそれでも明らかにトラッキング調整が狂っている。後継のF770Zはこれより短い6僖侫Д薀ぅ肇蹈奪匹嚢盍凝戮世辰燭里如同じメーカーの同じCD2003GP使用のこのラジオもそうでなければおかしい。回路はほぼ変わっていないのだから。

radf620z_xmod.mp3
 感度が低いくせに混変調はスゴイです(^^; 一寸聞いたらどっちか分らないけど相互変調ではない。簡単に言ってしまえば混変調と相互変調の違いは周波数依存が有るか無いかだ。混変調は強力局の周辺でダイヤルを回してもあまり変化が無く一様に出るが、相互変調は特定の組み合わせの周波数だけに出る。この現象を見ると感度が低いというより調整が狂っているのだろう。アンテナ回路の同調が合っていないからこのような不具合が出るのだ。もっともCD2003GPは高感度と引き換えに多信号特性は元々低いのだが。例えるならバイポーラTR使用の高感度ラジオみたいな感じだ。

 不具合としてダイヤルの下の方が完全にズレている。531kHzのNHK盛岡1がポリVCが逝かれそうなくらい下に寄せないと受信できない。下は5舒幣紂⊂紊4mm程度のズレで出鱈目だ。アンテナが根元からモゲている事からも判るように、前ユーザーはいい加減な奴と判明しているので中身をテキトーに弄られている可能性がある。仮にもし中身を弄っていないでこの性能なら不良品レベルだと思う。それもこの時期の鸚鵡だと充分にあり得る(^^;

639kHz:NHK静岡2
765kHz:YBS(盛大にAFNの混変調を浴びる)
1197kHz:IBS水戸(盛大にQRの混変調を浴びる)
1458kHz:IBS土浦・築西

 昼間受信できたのは7大ローカルを除くと↑の局だけだった。何と上は超常連1530kHzすら受信できない(^^; しかもこの低感度にも係わらず700kHzを越えた辺りから1134kHzまでAFNやらTBSやらの混変調の嵐の中である。部屋の真ん中に居ると感度が下がって混変調は収まるが、その場合はローカルしか受信できない。つかえねー(^^;

531khz.mp3
1602khz.mp3
今回の全ファイル
 恒例のバンドエッジ受信。中央の1008kHz(ABC)は混変調でまともに受信できずだった。本来ABCの聞こえる周波数でTBSが聞こえる(^^; 下限と上限はこの通りまともに受信できたが上の方は感度が良くない。このラジオもフェライトロッドアンテナ付近に手をかざすと感度が上がる。明らかにアンテナの起電力が足りていない。

 狂っているのは上の方の感度と周波数なのでVC回りを弄られたのかな?つまりその辺りを元に戻せばこのラジオとしての性能が出るわけだ。この時期の鸚鵡はRAD-F1691Mのようなどうしようもない製品も出していたので、この個体も出荷当時から製造・調整不良である可能性も大いにある。現時点で確かに言える事は当該製品は「調整が狂っているラジオ」と言う事実だけだ。次回書くけどそんなに甘いものではなかったが…。

 外観ダメージはテレスコピック・アンテナ折れ、性能的な不具合は周波数の大幅な狂いと少々の低感度である。取り敢えずこれを何とかしなければならないな。折れたアンテナは修理不能なので放置だが次回記事ではトラッキング再調整を行なう。さてどのくらい回復するかな?この2003系の回路の実力はRAD-F770Zで知っているだけに安物の甘えは許さない(^^

記事検索
名無し・通りすがりは即削除
QRコード
QRコード
月別アーカイブ