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主にジャンク品を使って日頃の発想や妄想を実験・研究するブログ。

RAD-H245N

OHM RAD-H245N

この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」の条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

現役ハンディラジオRAD-H245Nを解剖したらスゴイ事が判った(^^;


OHM RAD-H245N過去記事

 今回は解剖だが本当はまだ保証期間中なのに開けてしまうのはマズイ。中華製品の耐久性はかなりヤバいレベルで(日本製もそうだが)売り逃げしか考えていない。基本的に修理を想定していないし、ネット上でよく見かけるようなブザマな修理をするより新品交換してもらうのが一番。がしかし、当該製品はもう壊れないだろうという確信がある。ラジオは初期不良以外ではなかなか壊れない。だからバラすぞ。


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 ネジを外して篏合を割るだけ。ネジは2本で前板だけが外れる珍しい構成だ。OHMに限らず中華ラジオでは初めて見た。何か蓋が緩いので前オーナーによって一度開けられていたのかも…。何で保証期間中に開けた上に売却したのか意味不明だが。ちなみにこのラジオは色々な意味でICF-9(ICF-8)に似ている。まあアレよりダイヤルの位置は良いけど、色々参考にした部分があるのではないだろうか。


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 磁石が大きそうなSPだ。その割に音はイマイチなのは筐体の弱さなのか?まあスピーカーグリルがプラ打ち抜きなのでSP音は期待できないわな。取り付けはネジ止めでオワタ音響より優れている(^^ 大穴で中華プラスチック製ボスが割れるかもしれないけど。


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 注目のICは予想通り華晶のパチモンだった…と予想して記事を書いたのだが全くのハズレ。何とICにはパチモノではない粗ニーの本物CXA1691BMが使われていた。実際は産経AP-152の記事の方が先に出てしまった為に読者に驚きはないだろうが、初めて中華ラジオで粗ニーオリジナルを見たのはこれだったのだ。でもこう度々出てくるようだと今度はリマーク品の疑いを持たねばならない。実際見た目が怪しいんだよね。研磨の跡はよく判らないのだがレーザー印字が怪しい。

 SONY CXA1691BMはAFパワーアンプを内蔵している統合チップのため、本当にこれだけでSP付きラジオが完成する。PCで言えばビデオ機能内蔵のチップセットと同じで省電力になるので、巷の電池の寿命を誇る「スタミナラジオ系」には必ずこの系統のICが採用されている。i810と同じで省電力以外に取り柄は無いんですけどね…(^^;


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 RAD-F770Zと同じくCC結合となっている(C18)。粗ニー系はIFTが入るのでF770Zのような2003系よりは更に有利だ。もっとも必要以上の高選択度はHSDL的な要求でありラジオ深夜便ジジイにはどれでも全く問題は無い(^^ なおCFはノーマルのままで狭帯域化する改造はいずれやってみたい。音質が大幅低下するので意味があるかどうかは分からないけど。

 …実はこのラジオは粗ニー系としては革命的に?おかしいのだが、早ければ上の記述とこの写真を見た時点でおかしさに気づかなければならなかったのかもしれない(^^;


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 C14のMLCC(NP1?)は手付けなのかひん曲がっているな。フェライトロッド・アンテナの取り付けも汚い。筆者の商売柄またバグ発見!?がグラウンドに落ちているのにが浮いている。ER-19Fの真逆になっている。これはの方が正式なFE-GNDなのだから修正する意味が大いにある。ICの裏使用法も研究する価値のある分野だな。但しER-19FもそうだがICの下でちゃんとパターンが繋がっている可能性はある。面実装は分りにくい(導通チェッカーでは判らない)。


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 この辺りはFMアンテナ回路。保護用D3が入っているしBPFっぽくしている(^^; 上のカムはもちろんPVCのカム。


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 ダイヤル指針の機構は例のプラひげ方式だ。VC直回しではなく多少はギアで減速している。軽くはないが機械的安定度の問題もあるのでこれで我慢した方が良い。もっともこの重さは機構の重さよりもVC自体の重さの影響が大きいと思われるので調整によって劇的に軽くすることはできないだろう。それよりグリスがはみ出ているのが困る。これが方々に転移すると不具合になりやすいから。


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 TDL-1640Rが正式名称?検索しても浦安の東京ディズニーランドしか出てこない(^^; 日付けは2017-09-10になっている。まだ2年しか経っていない。HSDLには珍しく現役バリバリのラジオだ。


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 CFはお約束の中華製のSFU455Bであるが、もう既に知っていたけど×2だった。選択度がソコソコ良い理由が判ったよ。鸚鵡のラジオはある時点から選択度が改善されているのでメーカーが一応考えているのかな。このラジオの場合もむしろ本家粗ニーより良くなっているので良い判断だ。だがしかしやっぱり何か変だ。


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 実はFMのCFも2枚だった!これは知らなかった。ハンディラジオで2枚使われているのは日本メーカー製を入れてもそうザラに無い。実はFMも高選択度だったのね。このラジオのウリは高選択度ラジオだな。実際の感度よりも感度が低く感じるのは選択度が良いからだと思う。低選択度ラジオほど感度が良いように感じてしまうものだ。


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 念のために言っておくけどディスクリミネータは別だからね。CFはAM/FMで全部で5つ載っていることになる。


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 これも注目のフェライトロッド・アンテナだが、何だこの巻き方は…バンク巻き?ハニカム巻き?何かガラ巻きっぽい(^^; この巻き方は初めて見たわけではないが(注1)一応これはQを上げようとしているのだろう。初心者の人に言っておくけど、コイルはキレイにピッタリ巻けばいいと言うモノではない。恐らくピッタリ巻いたよりはこちらの方がマシだと思う。

 このアンテナで受信局数が底を打つまでは換えないつもり。フェライトロッドのサイズはネット情報の通り4×7×40mmという長方形極小タイプだ。フェライト指数は220で、これはピカ厨と並ぶ下から4番目の小ささ。これでバリバリ高感度になれば苦労は無いし、これでもよくやっている方なのかもしれない。


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 さて皆さん。ここでこのラジオの重大な秘密を明かす時が来た。このラジオ何かおかしくないか?筆者は初めに中を見た時から拭えない違和感があったのだ。まずは基板裏面を見てみよう。


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 次に表面。これで気づかない人はもうラジオ愛好家として終わっている。粗ニー系のラジオの表がこんなにスッキリしているはずがない。粗ニー系が倒芝2003系と一番違うのはどこか?それはIFTが存在する事だ。このラジオは粗ニー系なのにそのIFTが無いじゃないか!一体どうやっているのか?実は上の方のCFの写真に写っている抵抗R8だけでトランスの代用をしているのだ。これは久々にぶっ飛んだ。2018年のHSDL大賞(注2)はRAD-F770Zだったが2019年はこれに決定(^^ こんな斬新な使い方をプロがするか?まあFMは元からトランスレスだけどね…。実はロシアのサイトでTA8164をトランスレスで使っていた人がいるのだが、まさにあれ以来の驚きでした。


 小さ過ぎて見るところは殆ど無いな。小型ラジオはアッと言う間に見終わって楽しみが少ないが、このラジオは革命的なICの使い方をしていたので非常に面白かった。HSDLの中華ハンディラジオとしては高額な874円の元は充分にとれたと言える(^^

 ガリオームはどうやって直すかな?通常はバラして接点を磨けばいいのだが、バラすとメカ的に元に戻らないこと(分解中にプラ部分が割れてお終い^^)が多い中華製だからな…と躊躇している。実は使い込んだらそれなりに軽減してきたので修正の熱意が無くなってきている。現時点では放置でイイかな。


★一旦終了
 このラジオは発売直後からネット上で散々な評価だったので去年から非常に欲しかった一台だ。今後もう一台手に入ったらICを確認後にHSDLの基準を満たすように手を入れてみたいのだが、それはまあ今後のジャンク・中古運次第という事で(^^

注1:既にHSDLではER-19Fで見ている。大昔では他ならぬソニーのポケットラジオでも見た事がある。案外歴史が古い?

注2:実際はHSDLに大賞などは制定されていない(^^; でも今年一番は今のところやはりこれだな。去年のナンバーワンががF770Zなのも間違いないし。

★おまけ
http://www.knstarcn.com/radios/pocket-radio-fm-88-108mhz-530-1600khz-k-258/
 これがオリジナルなのか?うーん、全く同じだなあ。きっと作らせると高いから出来合いのモノを買ってきたのだろう。しかしこの”Ultralong antenna”は絶対に納得できない!だって長さが35僂覆鵑世(^^;

スタミナラジオ(^^

この記事の一般人用のまとめ:このラジオは中波に関して言えば普通の製品です。FMは一度も使っていないし電池も持ちも試してないので知りません。この記事では使い勝手などの一般的評価は書いていないので以下読まないで結構です。それではサヨウナラ(^^/~

鸚鵡の現役ハンディラジオRAD-H245Nを試食する


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 元日に中古874円でゲトした現役のハンディラジオである。何と2018年製で、HSDLでは同じく中古品のRAD-F770Z-H[2]と並ぶ新しい製品だ。やはり昔のモノよりは現役や現役に近い方が興味がある。HSDLで取り上げるのは遡ってもICラジオまでだろう。もっとも最近はアナログラジオの新製品自体が出てこないという深刻かつ根本的な問題もあるが…閑話休題、

http://www.ohm-direct.com/shopdetail/000000023941/
 このラジオはキャッチフレーズは「スタミナハンディラジオ」と言う。電池の持ちが良いというのがウリだ。そのためこのデジタル時代にDSPラジオICは採用せずにアナログICラジオとなったのだろう。電池の持ちには興味の無い我々だが、アナログICが採用されているなら大変に喜ばしい事である。ガンガン売れて欲しいですね(^^ これとソックリのが倒芝からも発売されているが出どこは同じなのかな。

 で、電源を入れてみたのだが…ガーン!何と不具合品じゃねえか!ボリュームがガリオームなのである。このラジオはネット情報では粗ニー系中華ICと言われている。粗ニー系ICは本質的にガリオームになりやすいので仕方が無いとはいえショックだ。店で動作チェックした時には大丈夫だったのだろうか?曲がりなりにも保証付き中古品なんだぞ。

 で当然ながら速攻返品が頭に浮かんだが、今後このラジオが810(874)円で手に入るか?と言われるとかなり微妙である。アテも無く何年か先まで気長に待てば運よく手に入る事もあるかも知れないが、その時でも恐らく価格に大差は無いのではないだろうか?そうであればこのまま使った方が良い。幸いにしてガリオーム以外の不具合は皆無で、パッケージ付きでも判るように新品同様のキレイなラジオなのだ。という事で返品はしない事にした。あとからパッケージを解体したら中から保証書が出てきた!しかも2018/09/20からなのでまだ期間があるじゃないか…これでは分解できない(^^; でも考えてみたら半年以上の保証付き中古品を半額で買った事になるのでお得かも。


 電源はいつものようにエコトータルという中華ニッスイ単三充電池である。満充電にはなっていない使いまわしのものだ。結論から言えばこれで全く問題なく動いている。この辺りは省電力ラジオの良さが出ているか。もちろん粗ニー系ICには定格2.0V以上という閾値はあるからそこで終わりである。充電池はこのラジオが正常に動かなくなる程度で止めておいた方が良い。放電しすぎると寿命が縮まるからね。

 余談だが乾電池の電圧絞りきりには筆者は自転車用のDC-DC内蔵のLEDライトを使用している。これだと@0.4〜0.5V程度まで絞れる。ただ2つの電池のバラつきがあるため片側から絞れるので、片側を絞って捨てた後に残っている方は次の破棄電池と一緒に使う。こうして片側から絞り切りながら破棄する。乾電池を買わなくなった筆者だが、貰ったりおまけ付属電池はまだいくつかあるのでこうやって使い切るのだ。ちなみに長時間かけて更に完全放電するのは液漏れの危険があるから止めた方が良い。アルカリ電池は日本メーカー製でもあっけなく液漏れするのはご存じの通りだ。

 閑話休題、充電池を使って内蔵アンテナでMW局がどこまで聞こえるかやってみよう。これまでネット上の評判では口を揃えて「FMは普通だがMWは恐ろしく感度が低い」という事なのでワクワクしている。この21世紀に入ってから高感度ラジオはいくつも見たが低感度ラジオはまだ見た事が無い。そんなにスゴイものならぜひ見てみたいものだ(^^ いつものようにFMはチェックしない。HSDLでは2019年現在はFMを聞く気が無いからだ。将来的にはそちらにシフトする事もあるかも知れないが少なくとも今は評価しない。

 さて実際に受信してみたのだが、少なくとも本個体はネット評価の「MWは恐ろしく感度が低い」という事は無く普通に受信できる製品だった。感度が低いって…そう言っている人に聞きたいのだが一体どこでどんな局を受信しようとしているのか?まさか廉価版のハンディラジオでMWDXやっているわけでもあるまいに(^^; ネット上で低感度と書いている人は誰一人としてロケーションを明らかにしていない(注1)ので全く信用できない。

639:NHK静岡2
765:YBS
1197:IBS水戸
1458:IBS土浦
1530:CRT宇都宮
1602:NHK甲府2
*ローカル7局は受信できるのが当たり前なので省略

 おなじみ二等ローカル局で受信できたのは上の局で、これ以外は痕跡(キャリア)以外は確認できない。選択度が低いと受信できないYBSやNHK静岡が受信できたのでHSDL的には合格ラインである。もちろん高感度とはお世辞にも呼べないが、少なくともモノスゴイ低感度で使い物にならないという程ではない。例を挙げれば昭和のポケットラジオICR-S8は同条件でこれら6局は受信できない。感度に不満がある人はこれでMWDXでもやろうと思ったのだろうか?(^^;

 選択度はICF-9(8)よりは上だが市販ラジオの例に漏れず高選択度ではない。がしかし不満が出るのはHSDL的な用途の話であって普通のローカル局しか聞いていない普通の人にはこれで充分だ。むしろこれ以上高選択度にしたら同調困難になる可能性が高い。ただでさえこのラジオの同調ダイヤルは使いにくく、微妙な周波数合わせは職人芸的な指の動きが必要だ。この部分は取り換えが利かないので評価が下がる。

 更に詳細チェックするとHSDLの中央部に当たる廊下(部屋間通路)ではJORFがノイズ増加で実用不能になる。しかしそれはこれまでに見てきたICF-28やICF-9だって同じ。いやICF-EX5だってノイズが増えるだろうし、筐体の方向次第では殆ど聞こえなくなるのだ。恐らくネット上で酷評された個体は余程のハズレ品だったか、或いはラジオの向きに無頓着なのではないか?もちろん受信環境が鉄筋マンションか難視聴区域などの特殊環境というのも大いにあり得る。自分の地域の電界強度がどのくらいなのかアンタら知っているのか?


kbc_radh245n.mp3
rab_radh245n.mp3
 夜になったので選択度と感度が両方チェックできる1413kHzと1233kHz(IDは未録)を受信してみる。これらの周波数はRFとLFの隣で信号強度も上がらない為に感度と選択度がある程度無いと受信できない。例を挙げればノーマルRAD-F1691MやICR-S8はいずれも全く受信できなかった。このラジオは1413kHzのKBCは普通に受信できるが1233kHz(注2)はかなり厳しい。それでも存在が確認できるのだからこのクラスとしては良い選択度だと思う。正直このラジオで存在が分るほど分離できるとは思わなかった(注3)。SFU455B×2+IFTはTA2003に3エレCFを付けたのに匹敵する実力がある。ハッキリ言ってER-C54/55Tは越えている。


crk_radh245n.mp3
rsk_radh245n.mp3
 トラッキングで使う下の方のCRKと上の方のRSKを受信してみた。ハンディラジオとして感度は普通だが厳密に言うと下の方が上より感度が高い気がする。というか上の方の感度が低い。いずれはトラッキングを取りなおしてみたい。今回の全ファイルはこれ


 ネット上の噂を聞いて、使い始めた時はどんな恐ろしい性能なのか戦慄と言うかワクワク感(^^ を感じていたが、実際聞いてみるとあのRAD-F1691Mを遥かに上回る受信性能でICF-9と実用上の差は無い。単三電池2本で長持ちと言う一般受けしそうな付加価値もあるから充分な商品価値と言えるのではないか。


★続く
 未だ保証期間中なので開けていない。終わったら開けるつもりである。という事で次回の解剖記事は保証期間切れの秋になるだろう。何かだいぶ先の話なのでネタ切れになったら開けてしまう予感もする(^^;

注1:イナカだと○県○市○町まで書かないと分らない。何しろ「町」が東京の「市」より広いのだから。イナカは中継局が山のようにあるし、詳細なロケーションを明らかにしない受信報告などはただのゴミだ。

注2:当地の入感状況から見てNBCよりはRABだろう。混信しているLFと同じ番組だが中継で僅かに遅れているのが判る。翌日にRABのアナウンスを確認しているので間違いなかろう。

注3:ネット上の写真ではSFU455B×2に見える。だとするとこの選択度には納得できる。ファイルには入っていないが夜間の603kHzでHLSAがハッキリ聞こえたのには驚いた。ラジオの方向にも依るけど。


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