HSDL.blog.jp

主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

SLA8Z

SLA8Zその後

 前回の修理品を実際に使用するためにP35 Neo-Fに搭載してみた。このマザーはFSBを一段階しか上げられないので、銀紙等を使った所謂BSEL MODは必須である。


bsel_775
 一番簡単なのはBSEL2を1、つまり絶縁するのが簡単だ。しかしまだこの石は倍クロックでテストした事が無いので動くかどうかわからない。また未規定の動作なのでマザーが対応していない場合も考えられる。常識的にはFSB1066〜1333で使うべきだろう。FSB1333までは起動実績があるので今回はこれで行く。今回はCPUクーラーはリテールではなくAeroCoolである。取りあえず今回程度のOCなら冷却には問題は出ないだろう。Vcore昇圧はしない。


bselmod_sla8z@333
 FSB1333にするにはFSB1066の時の作業+BSEL2の絶縁が必要だ。BSEL2絶縁の方はメンディングテープを貼るだけなので楽だが。しかしなかなか上手くならねえな(^^;


hwinfo_sla8z@333
 FSB1333は事前にテストしてあるので問題無く起動した。さてこれでメモリが通ればWindows上のテストを行う。


memtest_sla8z@333_p35
 MEMTESTは全く問題無く通った。尤もこの状態でWindowsが起動しなかったケースが無い訳ではない。


bench_sla8z@333
 がしかし起動してベンチマークも完走。ノーマルのFSB1066以下のC2Dなら対等以上に渡り合える。このように修理不完全な石だが、ノーマルと比べ特に劣化したところは認められない。暫くの間、PCI-Eビデオカードのテストはこれで行なう予定。
結論:CPUの裏面DCコンは少々取れても何とか動く(抵抗はダメ)。


★追記
 こちらの方が現役当時のE2160(SLA3H)のOCテストをやってますね。ほぼHSDLと同様の傾向なので実用上の劣化は殆ど無いんじゃないか?と楽天的な結論を出す(^^

SLA8Z修理

 1155に続き(注)最近では珍しく775を取り上げる。CPUの補修記事は殆ど無いからな。

注:この記事は「SR061死亡品」という去年夏に書いた未発表記事が前提となっている。順序が逆だがそのうち前記事も出てくると思う。

★現況
sla8z2
 これを入手した時の記事である「南ローカル巡回[15/04/26]」でも書いたように、1608抵抗1個、2012MLCC3個、1005多端子MLCC1個が取れている。しかもこのサイズの多端子MLCCはハンダゴテでは付けられないし、そもそも代わりのMLCCは店では入手困難だ。SR061の時より症状は重い。

 但し脱落部品の集積度は115xよりは低い。根気(努力)があれば器用さ(=素質)は必要ない。完全に性能が元に戻らなくても定格+αで動かすくらいなら何とかなる。DCコンデンサなど定格付近なら大して重要ではないのだ。尤もクソマザーにありがちだが、ソケット周りのDCが不充分だと動かない可能性は極僅かだがある。安定度から見ればMLCCも付けた方が良いのは間違いない。今回は気にしないって事で(^^


★さて面倒だけどやってみるか
 脱落部品の重要度は1608抵抗>超えられない動作の壁>1005多端子MLCC>2012MLCCとなる。容量は分らないが2012の奴は1μF程度だろう。正常な奴を外してくれば判るが、正常なペンDCから外すのも汚くなるからイヤ。1005多端子MLCCは手持ちも無いのでスルーするしかない。1005が一つも取れていなかったのは僥倖だった。これは密集しているから面倒くせえぞ。


sla8z3
 まずはランドの掃除だ。この基板はマザーボードを超える多層で、放熱も非常に良いから難しい。以前SR061やモバセンで苦労したので知っている。ハンダ除去を行った後、ヒートスプレッダが異常に熱くなっていたので驚いた。大丈夫か?ヘタすると熱でブチ壊れそうな気もする。


sla8z4
 まずは抵抗だけ付けてみよう。これで動かなければ他のMLCCを付けても無駄という事になる。値はサンディとは全く違うようだが、数Ωの違いなら何とか動くっぽい。中間テストの結果一応POSTカウントを始めたな。

 残りの2012MLCCも付けようと思ったが、VDDとGNDだからか抵抗よりもさらに放熱が良くてハンダが解けやしない。これ通常ハンダゴテだと無理ゲーだよ。コテ先が細いので温まる前にヒートスプレッダから放熱されてしまう。出来上がりが汚くなりそうなので今回は付けるのを止めにした。これを付けないでパフォーマンスがどう変わるのか調べた方が有意義だろう。テーマは「本当にCPUの裏DCは必要か?」だな(^^


★テスト
hwinfo_sla8z
 中間のテストでは定格で動いたが、それだけでは性能が戻ったかどうか判らない。やはりOCするしかないだろう。実はこの石もE4300と同じく普通にFSB1066で動くのだ。と言うかそれが定格と言って良い。持っている物を使わないのは勿体無いのでFSB1066で動かす。


memtest_sla8z@266
 FSB1066では特に問題は無いようだ。メモリはNANYAのクソメモリだが非常に安定している。実はイソテルのリテールクーラーなので冷却の方がやや心配。グリスは塗っているけどね(^^ では更にFSB1333に上げてみよう。


memtest_sla8z@333
 FSB1333でも問題無いですぜ?どこが劣化したんだろう。まあCPUクロック限界付近の安定性は確実に落ちている、と言うか落ちていない筈は無いだろうが。これ以上はクーラーの方が心配なので止めておく。本番前のテストでブチ壊したら世話は無い。

 Windows上のベンチはP35 Neo-Fに搭載してから取る予定になっている。C2Dが相手でもE4000〜6000の下の方だったら負けないハズ。100円の石としては上々だが、今はもうC2Dも100円で売っているんだよね…(^^;


★終わり
 以前書いたけど「775になってCPUが壊れなくなった」と言うのは錯覚だった。実際はこのCPUのように致命的に壊れるケースが頻出している。ピン曲りならズブの素人でも根気だけで何とかなりそうだが、部品剥がれの場合はハンダ付けができない人はお手上げだ。しかも部品が手に入らないとなるともう…。
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