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ジャンクPCパーツ研究を専門とするブログ
主に東京・多摩地区のハードオフを巡回しています。

wistron

古のマザー Wistron S58PH(その3)

古のマザー Wistron S58PH
古のマザー Wistron S58PH(その2)

 前回ハードウェアの調査が終わったS58PHだが、今回は愈々動作チェックする。


★新たに判った事
 あれから基板を見直して、新たに色々気づいたことがある。

[1]i.Link(FireWire)のチップがボード上に存在しない。CN10にライザーカードを挿すのだろうか?PCIバスに接続する必要があるのだが…。

[2]カタログにパラレル・シリアル出力とあるが、それを実現するスーパーI/Oチップが存在しない。CN21にライザーを挿すのではなかろうか。だとするとそこに電源スイッチ関連も含まれているのかもしれない。かなり面倒だな。

[3]L16がパターンから外れる寸前!ギリギリ正常に動作しているので放置。

[4]Acerではおなじみの超テキトーパッチを2箇所発見。

[5]モデムライザーの下にDIPスイッチSW1のファンクションのシルク印刷を発見。それによれば内蔵ビデオが切り替えられるようだ。そんな無駄な事が本当に出来るのだろうか。

[6]初回記述の「Acer系マザーには必ず見られた銘版が存在しない」は誤りで、実はモデムライザーの下に存在した(記事からは既に削除した)。

[7]FDDを付けると何故か電源が入らない。何かブザーが小さくジリジリ言ってるんだけど…ブチ壊したか?(^^;


★動かしてみる…だがしかし。
 VRMチェックをするためSL36Aを付けてメインスイッチを入れたら、電源ボタンを押さなくても電源が入った。注目のスイッチング周波数は293.6kHzで予想していたよりはるかに低い。最高周波数(注)更新を期待していた当方としては肩透かし。

注:2010/09/10現在の最高周波数はSAHARA3810の309kHz(2.00V時)である。

 例の100円まな板に載せてみた。電源は例の如くDR-B350ATXである。SL6RVではヒーヒーと音を上げた(12Vが弱い)この電源もP6なら大丈夫(のはず)。いつものようにSL3XWを載せて動かす…動かねぇぇ!何故だ?デバッグカードは瞬時に04を表示して止まる。しかし考えてみたらこれはAcerBIOSなんだな。コイツのPostCodeは知らないのだった(^^; だが04と言うとPhoenixBIOSの”Get CPU type ”が思い出される。あまりに早い停止とコードから疑いが深まる。ひょっとしてCPUが認識されていない?BステップのP!!!が認識しない訳は無いのだが。

 仕方無しに電源チェックで使ったSL36Aを付けてみた。電源を入れるとPostCode=FFを表示して全く動かない。更に結果が悪くなってしまった。何となくここらで嫌な予感がしてくる。搭載CPUを選別しているのではないだろうか?昔Mitac5114VUにコンパックBIOSが載っていた頃に”メモリのサイズが違うので起動できない”と言われた経験がある。メーカー製PCマザーは変な制約が多いのだ。

 次々と手持ちCPUを付けてみる。手元にある最高クロックのSL44Jを載せてみたが動かない。最後に対応している筈のセレ700(SL4P8)、P!!!866(SL4CB)を載せたが04のまま。何か知らないトラップがあるのだろうか。一体BIOS以前にハードの何をチェックしているのだろう?またチェックする必要があるのだろうか。この手のハードウェアチェックはコストを上げるだけで意味が無いような気がする。

・今回テストした奴
Celeron300A
Celeron700
P!!!667
P!!!866
P!!!933

・カタログから対応している?と思われる奴
Celeron700
P!!!800EB
P!!!866
P!!!1000B

 参ったなー、まさか新品マザーが起動しないとは夢にも思わなかったよ(^^; 一見素直なマザーに見えたので、起動するだけでこんなに苦労するとは思わなかった。HSDLで動かしたフローラと比べても特殊性が際立っている。


★謎は解けた?
 しかしよく考えたらもう結論は出ているのではないか?という気がしてきた。ヒントは冒頭の追記にある。

[2]カタログにパラレル・シリアル出力とあるが、それを実現するスーパーI/Oチップが存在しない。CN21にライザーを挿すのではなかろうか。だとするとそこに電源スイッチ関連も含まれているのかもしれない。

[7]FDDを付けると何故か電源が入らない。何かブザーが小さくジリジリ言ってるんだけど…ブチ壊したか?(^^;

 [7]は考えてみれば当たり前。FDDを繋ごうにもスーパーI/Oチップが無いから(^^; 恐らくCN21に挿すライザーカード?にスーパーI/Oなど回路の一部が載っているのではないだろうか。要するにこのマザーはこのライザー無しでは半人前の板ということだ。しかし何でSoundとかNICとか要らない物をメインに載せて、起動に必要な重大な物件をサブボードに乗せるのだろう?どう考えても納得いかない。

 どうもこのマザーは起動しないらしいと言うことになった。もっともこれらは推測に過ぎないので確定ではない。プリウス実機を確認しないと分らないことだが、多分当たらずとも遠からずという所じゃないだろうか。もしかしたら起動を楽しみにしていた人もあるかもしれないが申し訳ない。他ならぬ筆者もかなり期待していたのでガックリしました。頭に来たので即解体して部品取りだ!

追記:プリウスを持っていて真相をご存知の方は教えてくださいね。

古のマザー Wistron S58PH(その2)

古のマザー Wistron S58PH


★コネクタ等
 前回冒頭で「これならそれほど苦労せず動かせるだろう」なんて書いたけど、実はまだ動かし方が分からない。IDEやFDDのコネクタは直ぐに分かるし、サウンド入出力のコネクタも直ぐ分かった。だが相変わらず電源スイッチなどのコネクタは不明だし、マウスやキーボードは何処に繋ぐんだろう。やっぱりPS2じゃなくてUSBなんだろうか。日立のサイトに拠ればPrius Deck 750TはUSBキーボード・マウスだった。チョイと価値が下がるな。電源スイッチは赤外線リモコンだけだったりして。それってイヤすぎる。

USB前面2(外部)
USB背面2
映像入出力
サウンド入出力
i.Link
シリアル(外部)
パラレル(外部)
D-Sub15ピン
DFP20ピン
LAN
MODEM、電話端子

 カタログに拠ればこんな感じか?キーボードやマウス以前にパラレルとシリアルを廃止すべきだろう。モデムは内蔵なのだからシリアルは必要ないし、このPC買う奴がドングル使うソフト持ってるとは思えないのでパラレルも要らない。

 メモリ最大256MBというのも気になる。DIMMスロット2つだから128MB×2か?何か夢も希望もなくなるな。OSがMEで標準64MBのPCだから最大256MBで充分と言う事か。多分512MBでも動くだろうけど、コンパックBIOSと並んで余計なお節介では定評があるAcerBIOSだから油断はならない。決め付けが酷く192MBのメモリは256MBで認識されてしまったりする。


★部品
 コンデンサは主要部分がほぼ三洋、チビコンがYECとTAICONである。特に問題となる所は無い。S58Pは松下FJとルビコンZL主力だった。パワーMOSFETは退化しているな。

・半導体系
チップセットGMCH:SL4DF(2001年06週)
チップセットICH2:SL45H(2000年23週)
VRMコントローラ:FAN5059M
上下パワーMOSFET:PHB55N03LT×2
ステアリングDi:1N5817
Clkジェネレータ:ICS9248-138
オンボードVGA:RAGE Mobility M4-M
ACPIコントローラ:RC5060M
AC97サウンドチップ:CS4299-JQ
USB1.1ハブ:AT43301

・インダクタ
VRM入力L:T50-52B,#17x6t
VRM出力L:T68-52D相当?,#19(2)x10t

・コンデンサ
VRM入力コン:三洋SP680μF6.3V(13mΩ/4840mA)×1
VRM入力コン:三洋CA1000μF16(66mΩ/950mA)×2
VRM出力コン:三洋WX1500μF6.3V(23mΩ/1820mA)×6
TC18(省略):三洋WX1500μF6.3V(23mΩ/1820mA)×1
Vtt1.5V:三洋WX330μF6.3V(130mΩ/405mA)×1
Vmem3.3V:三洋WX330μF6.3V(130mΩ/405mA)×3
その他:三洋CA1000μF6.3V(150mΩ/560mA)×3

USB5V_DC:TAICON470μF16V一般用105℃品×1

その他1:三洋WX330μF6.3V(130mΩ/405mA)×4
その他2:TAICON22μF16V一般用105℃品×4
その他3:YEC100μF16V一般用105℃品×9


★部品交換
vrm_circuit
 気が早いがモディファイに備えて色々考えてみた。主力は日本メーカー製なので、交換したい物はチビコンばかり。パワーMOSFETを交換する手もあるが、6035/7030は7世代用にリザーブしておきたいので止めておく。他で余ったらやるかもしれないけど。チップセット裏のDCは全部付けたい。

・TC18
 省略されている。これは手持ちもあるしWX1500μF6.3Vしかない。他との統一感もあるし…。ちなみにVRM出力コンデンサはP!!!1000に足りており、これを付ける必然性は全く無い。耐圧は4V以上なら何でも使える。

・USB5V_DC
 TAICON470μF16Vが付いている。リファレンスでは68μFのタンタルで、これは2本まとめだからその2倍ということになる。ESRの規定は無いが低インピーダンスが望ましいのだろう。

→KZH390μF25V
 能力的にもったいない?

→YXG220μF25V
 HSDLではこれが一般的か?

→PR330μF6.3V
 能力的には問題ないが6.3φと細いからカッコ悪い?

→KZH150μF25V
 何気にこの中で2番目に性能が高い。しかしこれも6.3φだから細く見える。

→日本ケミコンLXZ100μF25V
 下に書くが欠陥が…。

・その他2
 TAICON22μF16V一般用105℃品が4本。4φだが6.3φ迄付けるスペースがある。これを置き換えるとすると…色々ありすぎ。低インピーダンス物を使う必然性は無いが、「インピーダンス規定されていないいい加減な一般用コンデンサが嫌いである」という作者の個人的理由によりあまり持っていないのだった。実はこれ下の100μF付けても良いんだよな。

→日本ケミコンKRE22μF16V
 一杯余っている一般用低背品。拘りの無い人向け。

→日本ケミコンKY22μF50V
 5φなので引き合いは多い物件。態々ここで消費しなくても…。

→ニチコンMF22μF16V
 5φ低背の低インピーダンス品、有力はこれかな。

→ニチコンPJ22μF50V
 6.3φと太いがここには余裕で付く。だいぶ使ったな。

その他3
 YEC100μF16V一般用105℃品が9本。6.3φまでの100μF前後ということならおなじみの面々が。

→東信UTWRZ100μF10V
 これで行きたいが12Vには使えないし、何より高価というネックがある。

→日本ケミコンKZH150μF25V
 新品大量入荷で余っている。順当ならこれだが。

→日本ケミコンLXZ100μF25V
 スペック的には充分だし早く使い切りたいという理由もある。しかし躊躇するのは全てをブチ壊しにするその大陸カラーにある。これを使うならUSBも22μFも含め全部これにするしかない。それなら三洋は緑だから違和感は無い。一応本数も14本は確保できるので。

 考えるのが面倒なので、全部日本ケミコンLXZ100μF25Vになる可能性も高い。変な色の奴は何処かでまとめて使っておかないとな。ちなみにトレード要員だったが引き取り手は無かった。この色は誰も使いたくないらしい(^^;

・チップ裏DC
 1608のMLCCで0.1〜1μFの物。C325は1μFじゃなかったら交換しよう。Acerオバチャンの手付けが汚いし(^^

=DC_GMCH=
CA15(3.3V) MLCC0.1μF25V
CA16(3.3V) MLCC0.1μF25V
C421(1.8V) MLCC1.0μF50V
C422(1.8V) MLCC1.0μF50V
C423(1.8V) MLCC1.0μF50V

=DC_ICH2=
C325(1.8V) MLCC1.0μF50V(実装済み)
C427(3.3V) MLCC0.1μF25V
C428(3.3V) MLCC0.1μF25V
C429(3.3V) MLCC0.1μF25V

=DC_M4-M=
C424(2.5V) MLCC1.0μF50V
C425(2.5V) MLCC1.0μF50V
C426(2.5V) MLCC1.0μF50V

 RAGE Mobility M4-MのDCは0.1μFにしようと思ったが、電源を入れただけで強烈に発熱していたので1μFにした(結構電流流れてるな)。


 時間切れで動作チェックに至らず。次回はCPUやメモリを付けて動かしてみる。

古のマザー Wistron S58PH

★「古のマザー」感動の最終回!
 GENO(QCPASS)でこのマザーを買い漁った皆さんお元気ですか?転売なんて邪な考えは捨てて自分で動かしましょう。どうせ物の値段では売れないし…。HSDLも今日の買い物[2009/03/01]から放置してきたが、そろそろ動かさないと邪魔なだけなので。


 日立Prius Deck T/Sシリーズに採用されていたマザーである。当初はAcer S58PHと書きそうになったがAcerは同マザーを採用していない。これはWistronの日立ODM用マザーなのだろう。WistronはAcerのOEM生産部門だったが、2001年から完全に分離独立して活動している(注)。日立の型番では18A007というらしい。このマザーは当初からBIOSがA3H2だからPrius Deck T用だと思われる。以下S58Pの記事も参照のこと。

注:生産部門切り離しはPC界のトレンドで、あのASUSも生産部門をPegatronとして切り離している(Foxconnが買収する話も…)。これらは親会社のOEM主体の生産子会社というよりは別会社で、ライバルメーカーの生産を担当する事も多い。現在ではAcerもASUSもそれ自身がPC製品のブランドであり、ODM・OEM下請けマザーボード屋ではなくなっているのだ。


s58ph
 ビデオ・サウンドなどをオンボードとした、いかにも市販機用の815Eマザーである。通常ビデオ内蔵が望まれる市販機マザーで、WhitneyではなくSolano2を採用した所にこだわりを感じる。AT時代の名残を残すS520Lのような特殊電源ではなく、ごく普通のATXコネクタが使われている。多少サイズは異なるがほぼM-ATXマザーと言ってよい。何よりATX電源等の周辺に融通が利くのが心強く、これならそれほど苦労せず動かせるだろう。


vrm
 VRM入力は三洋CA1000μF6.3V×2とSP680μF6.3V×1、出力は三洋WX1500μF6.3V×6が使われている。P6世代としては能力的に全く文句ない。出力ではなく入力にOS-CONを持ってくる所に設計者のセンスの良さが表われている。TC18は抜かれたが、HSDLでは設計者の為に?追加してあげたい。搭載CPUはCeleron700、P!!!800EB、866、1000Bだ。


fan5059m
 コントローラはRC5057じゃない!当然そうだと思っていたのだが。改良型のFAN5059Mである。この頃はもうフェアチャイルドの型番なのね。中身は殆ど変わってなくて、内蔵シリーズレギュレータの実測ノイズが公表されただけ(^^; どうせなら5056MV85だったらもっと喜んだのに。その場合は当然鱈が動くって事だからね。それはさておき、スイッチング周波数は固定で310kHzとなっている。定格通り動くと、恐らくP6マザーでは最高クラスのスイッチング周波数となるだろう。可能性としては最低で255kHz〜最高で345kHzだが実測が楽しみだね。


power_mosfet
 コントローラが5057じゃないのに続いて、上下スイッチがPHB55N03LTなどと言う古色蒼然たる物が出てきた。6030+7030から明らかに後退している。よほど安かったのかな?これは今回驚いた事の一つ。上側は密集地帯なので壊れるまで触りたくないが、下側だけでも7030等に交換するか?


ics9248_138
 クロックジェネレータ部分のDCは相変わらずデザインガイド無視だが何か秘策があるのだろうか。ジェネレータICは9248-138で66〜200MHzまで幅広いが、例によってFSB166は使えないのが寂しい。まあP6世代のクロックジェネレータICに関しては、自作市場をターゲットにしたとしか思えない「最終兵器」が出てしまったので他は全部ダメダメと言えない事もない。デザインガイド無視のDCと書いたが、実は設計では100μF16V×2なので問題無かったりする。C102は生産側で変更したと思われる(2.5Vは小電流なので)。

 メモリ周りもソツがない。もっとも設定で無理しないから、ソツがあろうがなかろうが普通に動く。ちゃんと作らないとまともに動かないDDR-SDRAMとは違うのだ。SDRは素人が造っても普通に動く。


pll2
 このTC5の役割が見た目不明だったのだが、調べてみたらPLLリファレンスのコンデンサだった。デカイ!こんな容量(10倍)のは初めて見た。インテルリファレンスでは33μFでESR=200mΩのタンタルコンデンサなのだが、ESRだけ合わせてみたのかな。なかなか興味深いですね。

 TC6は更に訳分からなくなってしまうが、これは素直にVttのコンデンサだった。ずいぶん出力から離れた所に大容量を置いたものだ。ちなみにVtt1.5V出力はTC17で同じ容量。こういう普通じゃない回路は興味深い。S58Pとも全く違っている。


dc_cpu
 ソケット内部のCPUのDC。相変わらず美しいWistron様のお仕事です。これだけでこのマザーが高性能に見えてくるから不思議。


dc_815
 いつもながら丁寧にDCしている。殆どが生産側により省略されてしまったが…。唯一残ったICH2のC325だが、手付けの汚さも相変わらずだ。σ(^^)に指導させろ。


mobility_m4m
 オンボードはチップセット内蔵を使わず、省電力のATI RAGE Mobility 128-M4を別搭載した。これはメモリアクセス性能を落とさないので、ビデオだけでなくシステム全体の能力を向上させる。能力はRage128弱なので全く大した事は無いが、ATIらしくビデオ再生能力に優れるため多少は使い道がある。画質も8xx系やGeforce系よりは良いだろうと想像する。なおビデオメモリはチップ内蔵で8MB。


ide_fdd
 プライマリ・セカンダリIDEもFDDも全て標準コネクタである。この辺はSAHARAよりエライ。実際これを見て使う(買う)気になったわけだが。


d_bios
 ダイハードBIOS?も相変わらず健在。バージョンはR02-A3H2のAcerBIOS。ソフト部分はまだAcerが製作しているみたいだね。


i82562et
 おなじみ82562ETである。AC97と同じくCPU占有率がやや高くなるが、速度的には特に問題はない。不具合も今のところ聞かない。


cs4299jq
 AC97コーデックチップはS58Pと同じCS4299JQである。このクラスの石はどれを使っても音は変わらない。それよりもドライバの出来が明暗を分ける。ドライバの出来が悪いと色々不都合が起こることになる。


modem
 これはモデムライザーかな?無くても動作するなら取ってしまおう。邪魔だし。


 観察だけで終わってしまった。次回は部品チェックだ。

今日のHSDL[2009/10/01]

★S58Pその後1
 しかしこれ本当に大丈夫なのか?例のVRM入力部分の話である。OS-CON47μF25V1本だけというのはどう考えても無謀。しかも入力インダクタが無いのでお釣りも全部帰ってくる。確かにMAX1711のリファレンスもインダクタ・レスだけど(注)。

 その後よく観察したら、スイッチまでかなり長く配線を引っ張っているので、インダクタンス分は相当増えていることが解った。またその経路に3225が2個、2012が1個、1608が4個発見された。しかしこの程度では容量と呼べる程ではない。これはやはり他の370マザーで試してみる必要がありそうだ。逆にどこまで容量を減らせるのか試すのも面白い。パワーMOSFETには気の毒なことになりそうだけど(^^;

注:MAX1711はノート用VRMコントローラらしく4.5〜28Vの入力に対応している。想定されているのは充電池である。4.5〜5.5Vのソース電圧はまず10μF25VのMLCC?×4に入力される。ちなみに出力はT510の470μF×3で、これは1.6V最大電流7Aの数値なので、この370マザーでは容量がもっと必要だろう。出力電圧はノート用らしく0.925〜2.00Vで、スイッチング周波数は200/300/400/550kHz。1V未満が使えるなら使いたくなってきたぞ。


 シミュレーションでP2B-FノーマルのVRM入力部分のインダクタを廃止してみた。なお削除してもインダクタンスはゼロにはならないので微妙に(20nH)加えてある。書き忘れたが電源の抵抗は0.1Ωで計算(注)。

Lin_remove
 緑がノーマルで青がインダクタ削除。削除した方は130〜140mVの振れが出ている。これが電源に帰って行くとちょっと他に影響が出るかもしれない。もっとも他とはもっと大きなインダクタンスで繋がっているわけだから、これがそのまま他機材にかかるわけではない。またATX電源の5V許容リプルは60mVなのでそれ以下なら何も問題はない。

注:当時最高峰のミネベアUKのがこの程度だったと思った。通常は0.2Ω程度。


 かなり昔に作ったモデルなので数値はアテにならないが、相対比較としては結構当たっているのではないかと思われる。たとえOS-CONに換えても…全くダメだろうな。


★S58Pその後2
 ICS9248BF-138(48ピン)をP6IPATに移植する件だが、あちらは9250BF-50(50ピン)で何とピン数すら違っていた。足配列どころの騒ぎじゃないな。ICS9250BF-50は殆ど遊べないので何とか交換したかったが…。ちなみにこれも換えたかったIntelのD815EEAだが、これも56ピンのW228BHだった。WS440BXのCY2280PVCは48ピンだが、配列は共通点を探す方が難しいくらい違っている。81x系で48ピンじゃないと移植は無理だろう。クロックジェネレータICは適用チップセットが限定されているので、他の系統に移植するのは事実上無理っぽい。上手く行かないもんだ。


★SC1938その後
 最低級サウンドカードで有名?なSC1938だが、早速カップリングコンデンサを先日買ったタンタルに交換してみた(勿論その為に買った)。本当は定石通りフィルムコンにしたかったが、チップ積層フィルム小型品などという上等な物はアキバでも全く見かけないので諦めた(製品自体無いかもしれない)。

 C27とC28がLとRのカップリングコンだ。P16で測ったら0.22μFだった。交換品のES/Vは耐圧が低いし、元々使っちゃいけないところなので心配なんだけど、サウンドカードに不具合が起きてもどうって事は無いのでGOサイン。インピーダンスもヘタすると数百倍?高くなると思われるが、この回路では直列にキロΩ単位の抵抗アッテネータが入っているくらいだから問題なかろう。交換品の容量がでかすぎるのは…S520Lでもそうだったからいいでしょ(^^;

coupling
 付けづらい…3年前に交換した隣のニチコンMF22μF16Vが邪魔すぎる。加えてES/VのPケースは電極が小さすぎてハンダゴテが当てづらい。2012だとMLCCの方が楽だな。これで換えられそうな所は全部換えてしまったので完成だ。低圧とは言えエージングには時間が掛かりそう…。

 結果はいつものようにRMAAとノイズレベルの測定をやってみた(省略)。あまり変わらない。特に斬新な音になるとは思ってもいなかったけど。やはりクソカードであることには変わりない。しかし信号経路からMLCCが消えて気分的に大変よろしいので、所有のマザーオンボードAC97等のMLCCは全部交換するしかないな。部品はまだまだ一杯有るし…(^^;

isolation
 ちなみにこのカードはデジタルGNDとアナログGNDの分離が良くない。本当は中央の切込みがもっとブラケット側まで延びていなくてはならない筈。これじゃあ直間と変わらないよ。フロアノイズが多いのはそのためだろうか。カッターで切って分離するとか…は面倒だからやらないよ。


★MEMTEST86+
 愛用のMEMTEST86+がバージョンアップ。何とVer4.00である。何故Ver3.xxが無いかと言うと本家とバージョンナンバーが重なるからっぽい。速度は変わっていないみたいだけど念の為テストしてから移行するかどうか決める。移るとするとまたランキング作り直しかよ…メンドクセーから2.11で当分やるかな。

Acer(Wistron) S58P

 日立Prius Deck Sに搭載されていたマザーである。大きさがFlex-ATXよりも小さいオリジナル。おまけにインターフェイスがあまりに特殊で使い物にならないので、解析した後は惜しまれつつも解体→部品取りとなる予定。
zenkei_s58p


★VRM周り
max1711
 珍しい!コントローラはMAX1711である。だいたいデスクトップ用のVRMではMAXIM自体が珍しい。安かったのだろうか。機能性能は各社横並びなので、積極的な採用理由はその位しかない。元々はノート用らしい。

 入力コンデンサはOS-CONが1本だけで、しかも入力インダクタが存在しない!驚いてMAX1711のリファレンスを見たらデフォだった。FBだけしかなかった初期型Bki810を思い出す。尤もアレはコンデンサの質はお話にならなかったから、出てくるナミはこちらの方が綺麗かもしれない。OS-CONは47μF25Vなので12V供給?と思ったが5Vっぽい。

 スイッチは上下ともFDB6030Lで、1Aクラスのステアリング・ダイオードがある他は普通の構成である。上下同じなら付け間違いの心配は無いね(^^


★Vtt周り
 Vtt1.5VのLDOはEZ1582CM(3A)である。5本足なので転用は難しい。元々はVRM用なので性能は低くは無いのだが。


★Vmem周り
rc5060m
 メモリ付近にRC5060が使われているが、これがまた頭を悩ませる。コストダウンならこんな物を使う必然性が全く無い。ACPIスイッチコントローラと称するICで、複数の電源を生成できるらしいが…。3.3と2.5Vだけなら3端子レギュレータの方が安いと思う。


★クロックジェネレータ
 ICSの9248BF-138である。それなりに可変範囲は広い。内蔵VGAではないので意外に大きなOCマージンがあるかもしれない(使えないけど)。このチップはFSB200(!)が定格で可能である。FSB166の方が役に立つんだけどな。足が合えばP6IPAに転用したいが。


★IDEインターフェイス
ide
 これがこのマザーの大きな欠陥の一つ、IDEインターフェイスである。省スペースだとこの方が都合がいい場合が多いのだろう。しかし再利用する時はコネクタを変換するか付け替えなくてはいけない。ビデオ出力もそうだが事実上使えないと言ってよい。


★ビデオチップ
 このマザーは内蔵ビデオ機能のある815Eだが、あえてこれを使わずにRAGE Mobility M4-Mを搭載している。シェアメモリはパフォーマンスを落とすので正解だろう。非常に消費電力の少ないチップなので、オンボード追加のデメリットはスペースくらいのものだ。ところでこのチップ、大きさからいってオンチップメモリなのかな?そもそも外部メモリが見当たらないし。


★PCIバススロット
 市販機の多くがそうであるように、このマザーもPCIバススロットは自身に持たずにライザーカードで供給される。オンボードで全て賄えるので、特に増設する必然性は無いのだが。


★FWH
fwh_x2
 何故かFWHが2つある。まさかダイハードBIOSではないと思うが(^^; BIOSバージョンはA2H2で、A3H2だったS58Pよりは古いようだ。ちなみに両方とも49LF004(4MB)で、他のマザーのバックアップ用に使えそうだ。よく考えてみれば儲け物だったかも。


★LANチップ
 i550と同等のi560である。これはAC97コーデックと同じように物理層だけ受け持っている。チップ周りは教科書通りで特に問題は無い。


★サウンド機能
cs4299
 AC97コーデックはシーラスのCS4299-JQ。KQとJQがあって安い方のJQだ(^^; 生意気にSPDIFも付いていたりする。


★電解コンデンサ
 電解コンデンサは要所に高性能コンデンサを使用しており問題は無い。

ルビコンZL330μF6.3V×5
松下FJ1500μF6.3V×7
OS-CONのSP47μF25V×1

 が再利用できそうなもの。チビコンはTAICON製だが勿論再利用する気は無い。ただ一つD-paston製470μF16VがUSBに使われている。これも再利用はしない。もう一枚の方は一部チビコンにおなじみのYECが、D-pastonに代わってTAICONが使われていた。


★パワーデバイス
 インフィニオンSPD28N03L、STMのLD1085、オリジナルPHD3055、この辺りが使えそうな物件。リセッタブルヒューズもECSに転用できる(^^;


★その他
debug
 出たっ!Acer系ではおなじみのキタナイ修正。

fuse
 SMDパーツより安いラジアルリードのRヒューズが見つかったんでしょう。資材調達の人間は製造に嫌われていると思う。



 流石に市販マシン用だけあって、それなりに良い部品が付いている。しかしジャンカーとしてはこの特殊仕様I/Fは困りますね〜。純粋に部品取りとして見た場合、評価300〜400円くらいだろうか(高圧OS-CONとFWH×2は大きい)。なお熟成期間が足りないのと、電源を入れたことが無いので解析はテキトーである。本当はMAXIMのノート用VRMコントローラの評価もしてみたいのであるが…。
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